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  • 涼宮ハルヒの聖杯~第4章~

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

涼宮ハルヒの聖杯~第4章~

最終更新:2020年03月18日 06:58

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集

あのバーサーカーなる忌まわしきバケモノとの対峙の後、
俺達は倒れてしまったセイバーを連れ、俺の自宅へと一時帰還していた。
セイバーが倒れてしまった原因についてハルヒは宝具の使用を挙げた。
「あのバーサーカーみたいなバケモノを『3回』も殺すような強力な技だもの。
 それだけ魔力の消費が激しいってことね」
と、語ってくれた。
つまり、いくら強力とはいえ、セイバーにあの技を使わせるのはなるべく控えさせた方がいいってことだな。

さて、俺とハルヒ、そしてハルヒのサーヴァントであるアーチャーは、
居間に集まり、今後の方針について話し合っている。
さしあたっては、あのバーサーカーとそのマスターである少女についてであるが・・・、
俺には1つ、思うところがあった。
「ハルヒ、俺思うんだけどさ・・・あのバーサーカーのマスターの少女、
 俺にはあの子がどうしても悪いヤツには思えないんだ」
それを聞いたハルヒは目を見開いて、
「あんなに危険な目にあったのに?あの子だって立派な魔術師よ?
 そんな油断をするのはキケンだわ」
と、反論する。しかし俺には確信めいたものがあった。
「いや・・・あの子は・・・きっと話せばわかる子だ。
 特に俺の言うことなら聞いてくれそうな気がするんだ。
 まあ、根拠のない予感ではあるんだがな。
 それに何より、俺はあの子を殺したりしたくないんだ」
俺の語りが余りに真剣だったためか、ハルヒは、
「キョンは甘いわね・・・まあ、わかったわ。それについては要検討ってことで」
と、最大限の譲歩をしてくれた。

「どっちにしろ・・・あのバーサーカーにこっちから戦いを挑むには愚の骨頂よね」
あの圧倒的な戦闘力。そしてあと『9回』も残っている命。
いくらセイバーの宝具があるとはいえ、こちらの劣勢は免れないだろう。
そういう意味では、ハルヒの言うことは的を得ている。

「そしたら、まずはそうね、他のマスターとサーヴァントの殲滅ね。
 あんなバーサーカーみたいな反則じゃなければ、何とかイケそうだしね」
「他のマスターとサーヴァントって・・・目星はあるのか?」
俺の疑問にハルヒはニヤっと笑みを浮かべ、
「あるわよそりゃ。情報戦を制することが戦いにおいては何よりも重要だもの。
 アーチャーを召還する前から、街中歩き回って既に召還されたサーヴァントの動向を探っていたしね」
情報戦とはこれまた・・・ハルヒは典型的な猪突猛進型だと思っていたのだが、意外に慎重な所があるんだな。

「で、さしあたっては?」
「そうね、この街の神社におそらく『キャスター』のサーヴァントが根城を築いてるわ。
 コイツ、そこを拠点に街中に結界を張り巡らせて、一般人から少しずつ生気を吸い取ってるみたいね」
一般人に危害を加えているのか・・・?確かにそれはほっとけないな。
「ただ、本当に少しずつだから、おそらく普通に生活してる分には皆気付かないでしょうね。
 いつもよりちょっと疲れやすいとか身体がダルいとか、そのくらいにしか感じていないはずよ。
 でも、いつかはこの街の住人の生気が吸い尽くされるのも時間の問題ね。とんだ外道だわ、全く」
ハルヒにはどうもそういった外道な行為は許しがたいものがあるらしい。
さっきから啜っているお茶の湯のみをガンと乱暴に机に叩きつける仕草からも、それが窺える。

「勝算はあるのか?」
「モチのロンよ。キャスターは魔術の腕はサーヴァント中最高だけれども、それ以外の能力は最低ランクだわ。
 こっちには最強のセイバーもアーチャーもいるんだし、2人がかりなら楽勝よ。
 それにセイバーの魔術耐性はサーヴァント中最高なのよ?あたしの魔術じゃ傷ひとつつかないだろうし、
 キャスターの攻撃だってきっと何ひとつ利かないわ」
なるほど。その話を聞けば、確かに勝算はありそうだ。しかし凄いんだなセイバーって。
「当たり前じゃない。アンタみたいなヘボ魔術師にはもったいないくらいよ」
厳しいこって。まあ事実だし、反論は出来ないんだがな。
そうするととりあえず次の目的地は街の神社か・・・。
そう言えばあそこって去年SOS団の映画の撮影で使ったよな・・・確かハトにエアガン乱射したんだっけ・・・。

「まあ今後の方針はそんなところね。アーチャー、アンタもそれでいいわよね?」
ハルヒは壁にもたれかかって一部始終を見守っていた己のサーヴァントに声をかける。
アーチャーは、両腕を組み、目を閉じたまま、
「問題ない。ハルヒに任せる」
とだけ言った。
そういやコイツ、ハルヒのこと下の名前で呼ぶんだな。何か違和感があるというか・・・複雑な気分だ。

「そういえばアーチャー、アンタ自分の真名思い出したの?
 真名がわからないままだと宝具も使えないし、困るのよ?」
ハルヒはなじるようにアーチャーを詰問する。
そう言えばアーチャーは記憶喪失で自分の真名を思い出せていないらしい。
アーチャーは表情を変えず、
「いや、まだ思い出せていない。しかし、自分の能力については少しずつ思い出せてきている。
 だから、戦闘において不利になることはそうそうないさ」
と、静かに言い放った。
しかし、やはりこのアーチャーという男、見ているとどこか違和感を感じる・・・。
・・・。
・・・。
・・・。

しかし、今日は長い夜だった。時刻は既に12時を回り、日付は変わってしまっている。
ハルヒは既に寝てしまった。ちなみに俺の家には客用の部屋(もっとも、昔に俺の両親が使っていただろう部屋だが)があり、
1人や2人くらいの宿泊客なら寝床には困らないし、ハルヒや朝比奈さんが泊まっていくこともたまにある。
(勿論、ヘンな意味ではなく、夕食のついでとかでだ。ホントだぞ?)
ただ、俺の部屋ではセイバーが休んでいるはずなので、俺は仕方なく居間で寝ることになる。
しかし、慣れない部屋だったのが災いし、なかなか寝付けない。
仕方なく、俺は庭に出て、1人夜風に当たっている。
すると、そんな俺に近づいてくる1つの人影・・・それはアーチャーだった。

「何か用か?」
俺は赤い外套に身を包んだその男に声をかける。
アーチャーはしばらく黙ったまま俺を見つめていたが、1つ息をつくと、ゆっくりと話し出す。

「ハルヒがよくこの家に通っているというのは本当か?」
「本当だが・・・」
何だコイツ?まさか嫉妬でもしてるのか?
「お前の部活の先輩も通っているらしいが?」
「朝比奈さんのことか?それも本当だ」
アーチャーはまた少しの間黙りこくったかと思うと、
「お前はそれで、そんな状況についてどう思ってるんだ?」
「はぁ?」
コイツは何が言いたいのだろうか?
まさか「カワイイ女の子が2人も通い妻なんてそんなエロゲーみたいな展開は認めん!!」
とか、そんな説教を垂れるつもりだろうか?
「だから、2人についてどう思ってるんだという話だ」
俺はいつからラブコメ漫画の主人公になったのだろうか。
これじゃ放課後の屋上で、1人の女性を巡るライバルに問い詰められる主人公の図、みたいじゃないか。
俺は至極冷静に答えを返す。

「あのなあ、誤解しているようならアレだが、俺はハルヒとも朝比奈さんとも別にそういう関係ってわけじゃないし、
 考えたこともないぞ。2人とも俺が1人暮らしだからって世話を焼いてくれるだけさ。
 ああ、勿論ありがたいとは思ってるがな」
すると男は「チッ」と1つ舌打ちをしやがった。
何か今の答えに気に入らないことでもあったのか?
サーヴァントとやらの思考回路は理解できん・・・。

「質問を変える」
アーチャーはそう言うと、
「なが・・・いや、セイバーのサーヴァント、彼女に見覚えはあるか?」
「いや・・・ないな」
アーチャーはまた何かを考え込むように沈黙する。そして、数刻後、また口を開く。

「お前、あのセイバーについてどう思う?」
「どう思うって・・・」
「セイバーはどうやら初対面の面識もないお前みたいな男を身を挺して守るつもりらしい。
 それについてどう思うかだ」
何やらトゲのある言い方だ。ムッとした俺は思わず語気を強める。
「嬉しいとは思うし、頼もしいとは思うさ。
 ただ、あんな華奢な女の子に守られる男ってのもどうかと思うがな。
 まあ、セイバーにはなるべく無理をさせずに済むようにしてやりたいと思うがな」
アーチャーがその答えに満足したのかどうかはわからない。
なぜなら矢継ぎ早に次の質問をしてきたからだ。

「最後の質問だ。
 ハルヒにその朝比奈先輩とやらに、なが・・いや、セイバーに・・・その3人がお前に恋心を抱いてたとしよう。
 その時、お前はどうする?」
はぁ?ホントにサーヴァントとやらは思考回路はイカれているのだろうか?
どうしてそんな谷口みたいな何でも色恋沙汰につなげたような質問をしてくるのかね?
俺は呆れながらも答える。
「どうするも何もそんな仮定がまずあり得ない。ハルヒが俺のこと好きなワケなんてないし、
 朝比奈さんは・・・少々遺憾ではあるものの右に同じだ。セイバーに至っては今日初めて会ったばかりだぞ?
 考えられるわけないじゃないか」

その答えにアーチャーは「フン」と鼻を鳴らし、俺に背を向け、
「予想通りの甘っちょろい考えだな。聞いた俺が馬鹿だった。
 まあ精々そのガキ臭い『理想』とやらを貫いて、
 この戦争で死なないよう、努力することだな」
と言い放ち、消えてしまった。
何だって言うんだ。自分からヘンなこと聞いた来たクセに、ムカつくヤツだな・・・。

アーチャーのせいで気分が悪くなった。
余計眠気が覚めてしまったし、フザケンナって話だ。
そんな胸糞悪い気分だった俺の前に、新しい人影が現れる。
今度は・・・何とセイバーだった。

「お前・・・もう大丈夫なのか・・・?」
俺の問いかけにセイバーはコクンと小さく首肯することで答えた。
もう自分の足でしっかり立っているし、傷もすっかり塞がったようだった。
「そうか・・・良かった。
 それにしてもセイバーって強いんだな・・・。見た目はただの女の子なのに・・・」
「・・・・・・」
セイバーは答えない。
「何だっけアレ、宝具って言うのか?エクスカリバー!!・・・って」
「・・・・・・」
尚も無言。埒があかない。仕方ないので質問を変える。
「なあ、セイバーも聖杯に願いたいことがあるんだろ?それって何なんだ?」

これもハルヒから聞いた話ではあるのだが、サーヴァントが魔術師の召還に応じ、
その戦いに協力するのは、サーヴァント自身も聖杯で叶えたい願いがあるため、らしい。
でなきゃ過去の大英雄の霊なんかが、一介の魔術師に従属するわけはないとか。
ということは、セイバーも勿論叶えたい願いを持っているワケで。

しかし、そんな俺の質問にもセイバーは黙して語らない。
仕方ない、最後の質問だ。

「なあ、セイバーは何で俺のこと・・・あんなに傷ついてまで助けてくれたんだ?
 ランサーの時もそうだし・・・さっきのバーサーカーの時だって・・・」
しかし、セイバーはひとつも表情を変えることなく、淡々と答える。
「わたしはあなたのサーヴァント。サーヴァントがマスターを守るのは、当然のこと」
俺は、そういう答えが聞きたかったわけじゃないのだが・・・。
まあ、今日のところはそれでよしとするしか・・・ないのかな。

そんな歯に物が詰まったような俺の表情に気付いたのか、セイバーは小さく呟いた。

「それに・・・あなたはわたしにとって大切な人、だから」

「え・・・」
「・・・・・・」
またダンマリになってしまう。
ん?今なんて言った?
セイバーはまた、液体ヘリウムのような視線を向けてきたかと思うと、
「・・・あなたも今日は早く休んだ方がよい。わたしはもう大丈夫。
 だからあなたも、もう自分の部屋に戻っていい」
と、それだけ言い残し、立ち去ってしまった。

それにしても・・・なぜだろう・・・俺はセイバーとやっぱりどこかであったことがあるような・・・そんな気がする。
考えても埒があかない・・・とりあえず眠って疲れた身体を癒すとしよう。
それにしても・・・俺のベッドではさっきまでセイバーが寝ていたんだよな。
それを考えると・・・うーん・・・。何か少しイケナイ気が・・・。
仕方なく俺は、部屋の床で就寝することにしましたとさ。

「アンタいつまで寝てんのよ!起きなさい!」

翌朝、俺を目覚めさせたのは威勢のいいハルヒの声だった。
「何だよ・・・まだ6時じゃないか」
寝ぼけ眼をこすりながら、備え付けの時計に目をやる俺。
というかハルヒ・・・結局泊まっていったのか。

「朝食がもう出来てるわ。あたしが直々に腕によりをかけて作ってあげたんだから、感謝なさい!」
何と、ハルヒが朝食を作ってくれるとは。俺の家によく通ってはいるものの、
普段は殆ど朝比奈さんが料理するだけで、ハルヒはめったに料理はしない。
しかし、コイツは勉強もスポーツも、勿論家事も出来る万能選手であり、料理も上手いのだ。

台所に足を運ぶと、なぜかセイバーがちょこんとテーブルに座っている。
「あれ・・・セイバーが何で?」
するとハルヒは、
「せっかくだからセイバーにも一緒に食べてもらおうと思ったの。本来サーヴァントに食事は必要ないんだけど、
 なんかセイバー自身も興味持っているみたいだしね。ウチのアーチャーはいらないとか言ってどっか行っちゃったけど。
 まあ、霊体化して外で見張りでもしてるんじゃないかしらね」
と、この状況について的確な説明をくれた。
うーん、まあ確かにこうしてみると北高の制服を来ていることもあり、セイバーはサーヴァントには見えない。
普通に朝飯食っても別に問題はないだろう。
「うし、それじゃあ食うか」
腹が減っては戦は出来ぬ。とりあえずハルヒ特製の朝飯でも頂きますか、と箸を手に取ろうとした矢先、

「おはようございます~。今日も頑張って朝食を作っちゃいますよ~」
いつもだったらこの上ない極上の癒しであるはずの、しかしこの状況ではキケンを告げるサイレンのような、
甘~い、甘い、エンジェルボイスが、廊下から聞こえてくる・・・!

しまったーーーーー!!!!朝比奈さんのことを忘れていたーーーーーー!!!

「あれ~涼宮さんももう来てるんですか~?キョンくんももう起きてるみたいですね~?」
朝比奈さんはまっすぐに台所に入ってきてしまった・・・!
うん?どうしてそんなに慌てるのかって?
そうさ、確かに俺とハルヒがいるのは朝比奈さんにとって何ら不思議なことではないだろう。
だがしかしですよ?今テーブルには俺とハルヒともう1人、
なぜか、並んだ朝食をじっと興味深そうに見つめているセイバーさんがいるわけですよ?
あーそう言えば、とっさにアーチャーみたいに霊体化してもらえばよかったかな?って言ったって後の祭りですよ?
「その人・・・誰ですか?」
あーあ、とうとう朝比奈さんにツッコまれてしまったよ・・・。ハイ、修羅場決定。
しかし、そんな軽く諦めかけていた俺に救いの手を差し伸べたのはハルヒだった。

「あー、みくるちゃん、この子はね、昨日北高に転校してきた『長門有希』ちゃんよ」
セイバーの真名をバラしちゃっていいのかとも思ったが・・・ナイスフォローだハルヒ。
「この子、我がSOS団に入団希望らしくてね。せっかくだから団員の紹介も兼ねて、
 こうして、団長のあたしの好意で、キョンの家で朝食に招待してあげたってワケ」
どことなく無理があるような気がしないでもないが、幸いなことにセイバーは我が北高の制服を着ているのだし、
多少は説得力がある言い訳だっただろう。
セイバーもそんなハルヒの言葉に呼応するかのように、コクコクと頷いている。
「そうだったんですか・・・」
朝比奈さんも納得してしまっているようだ。
安心した・・・。

その後、いつものように皆で揃って朝食を食べる。
ただいつもと違っていたのはセイバーがいたこと、そしてセイバーが意外に大食だったことだ。
白米のお茶碗はものの数秒で空になるし、味噌汁のお椀も右に同じだ。
その度ごとに、小さくポツンと、
「おかわり」
と呟き、朝比奈さんが慌てて、それをよそう光景は、ちょっと微笑ましくもあった。

しかし、そんな微笑ましい朝の光景に、爆弾を落としたのはハルヒだった。
「ああ、あたしとキョン、ついでに有希も、今日は学校行かないから」
いきなり朝比奈さんに対し、そんな宣言をかましたのである。
そういえば確かに、今日はキャスター攻略の作戦を立てるため、俺もハルヒも学校は休むということにしていた。
「え・・・そうなんですか・・・?」
と、戸惑う朝比奈さんに対し、ハルヒは更なる爆弾を投下する。
 
「それとみくるちゃん、あなたはしばらくここに来ない方がいいわ」
驚いた。発言の内容も勿論だが、ハルヒが朝比奈さんに対し、ここまで冷たく言い放つなんて。
「・・・それはどういうことですか?」
しかし、朝比奈さんも動じない。真っ直ぐにハルヒを見つめ返す。
え・・・また修羅場ですか・・・?

「あたしとキョン、それに有希は、しばらくやらなくてはならないことがあるの」
「そんなの・・・理由にならないと思いますが」
「あら、立派な理由よ?なぜならみくるちゃん、あなたは『このこと』をするに当たっては、
 正直足手まといなの。詳しいことは話せないけど、それは確かだわ」
「そんな・・・」
いくらなんでもキツく言い過ぎじゃなかろうか・・・。
ほら見ろ、朝比奈さんは俯いてしまったぞ。

「・・・わかりました」
そう言い残し、朝比奈さんは帰っていってしまった。

「オイ、ハルヒ、いくらなんでもあんな言い方はないだろう」
俺は思わずハルヒをなじってしまう。しかし、
「キョンもわかってないわね。これは戦争よ、殺し合いなのよ?何も知らないみくるちゃんを巻き込むつもり?
 あたし達と一緒に行動していれば、絶対に危険な目にあうはずよ?」
そう考えると・・・確かに・・・。俺はそれ以上何も言えなかった。
 

――そして夜がやってくる。
「準備はいいわね、キョン?」
俺とハルヒは、ついに今夜キャスターの根城である、街の神社へと攻め込む。
俺達が立てた作戦は単純明快。
セイバーを前に出し、キャスターの魔術を封じ、スキが出来たところをアーチャーが仕留めるというものだ。
魔術に長けた英雄が割り振られるクラスであるキャスター。その魔術の威力は強力にして想像を絶するだろう。
俺やハルヒじゃ、まず歯が立たない。そこで魔術耐性最強のセイバーを表に出すことで、キャスターを封じ込めるのである。
ちなみに俺とハルヒは、キャスターはセイバーとアーチャーに任せ、マスターを叩く、という段取りになっている。

神社へと続く長い長い階段は静まり返っている。
ここ一帯は、辺りが雑木林に覆われており、頼りになる光は月明かりのみ。
「いくわよ。セイバー、先頭でお願い。アーチャー、アンタは最初は後方から支援よ」
ハルヒの指示を受け、セイバーが俺達の前に出る。
「さあ、待ってなさいね、キャスター。アンタみたいな外道はボコボコのギッタンギッタンにしてやるんだから」

その刹那――
そんな気合の入るハルヒを嘲笑うかのように――暗闇に響く声。
「ようこそ。私の領域(テリトリー)へ、歓迎するわ」
ふと、見上げた先、遥か続く階段の中腹辺りに、それはいた。

「こんばんは。キョン君も涼宮さんもはじめまして、かな?」
ふわふわと宙に浮かぶ黒い物体・・・。

「私がキャスターのサーヴァント――」
それは・・・真っ黒なローブに身を包んだ魔女――否、俺達と同い年くらいの少女。

「『朝倉涼子』よ」
少女はそうして――どこかで聞き覚えのある、己の真名までも宣言した。

第4章 完

 

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