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  • 間違いだらけの文化祭 Scene4

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

間違いだらけの文化祭 Scene4

最終更新:2020年03月13日 23:04

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集

 ぐったりした俺にひきかえ、佐々木は通常モードだ。
 なんだか、散歩したくないのに飼い主によって我侭放題あちこち引きずり回された犬の気分だぜ。
 まあ佐々木は別に暴君ではないのだが。
 俺はガラステーブルに乗っているお茶を掴んで残りを飲み干した。
 佐々木が途中で持ってきてくれたやつだ。馴染みのない味だが、嫌いではない。
 ちょうどよく差し出された手にグラスを渡す。
 受け取った佐々木は、お盆に空のグラスを2つ乗せた。
 
 佐々木に促されるまま階下に降りてダイニングに移る。
 佐々木の部屋よりさらに広い。
 大きいテーブルにあわせて椅子がいくつもあるが、人がいないせいか寂しく感じられた。
「適当に座って。何か食べたいものはある?」
「任せる」
「嫌いな物は?」
 俺は食べたくない物をいくつか挙げた。
「じゃあ、そのフルコースにするよ」
「おいおい」
「キミは任せると言った。早くも前言撤回か」
 俺を見る佐々木の目は崩した線のように笑っていた。俺で遊んでやがるな。
 何を作れるのかわからないんだから仕方ないだろ。
 作るのはお前なんだ、お前の好きなもんを作れ。俺の嫌いな物以外で。
「腹減ってるからすぐ作れる物で頼む」
 曖昧な注文をした。手間をかけさせても悪いしな。
 佐々木は冷蔵庫から野菜を取り出し、慣れた手つきで料理を始めた。
 普段からやっているのだろう。
「ああ、そうだ。今のうちに手を洗うといい」
「ん」
 俺は佐々木の言葉に従って立ち上がった。
 食事前のうがいと手洗いは大事らしい。学校の水飲み場にも張り紙がある。
 しかし、俺がまともに石鹸を使って行うようになったのは3年になってからだ。
 佐々木の長ったらしい説教を毎度聞くより、さっさと洗うことを俺は選択したのだ。
 第一、佐々木が手を洗い終わるまでどうせ手持ち無沙汰なんだから、付き合って手を洗うほうが暇を持て余さなくて済む。
 思い返すと、佐々木による修正を他にも受けている。
 食事時の細かい行儀が少々改善されたし、手洗い後にハンカチを使うようになった。
 以前はハンカチ持ってても手を振って終わりだったな。あとは自然乾燥だ。
 どうも佐々木に染められてる気がする。
 悪いところが良くなってるんだから感謝すべきなのか?
「洗面所は左のドアから……おや、遅かったか」
 既に俺は佐々木の横へ移動していた。
 佐々木は流しにある野菜や皮むき器を左の台に移動させた。
「石鹸はこれを使うといい」
「悪いな」
 手を洗った俺は、さっき座っていた椅子へ戻った。
 手伝おうかと聞いてみたが、間髪入れずに断られた。
 客だから大人しく待っていてくれとのこと。ありがたくそうさせてもらう。
 
 しばらくして出てきたのは、皿に大盛りのチャーハンだった。
 育ち盛りの中学生に不足ない量だ。彩りも綺麗だな。
 ついでに、別の器にそれぞれリンゴとオレンジが乗っている。
 スプーン以外に用意されてるフォークはこの果物用だな。
 飲み物は問答無用で牛乳だった。聞かれもしない。おそらく栄養バランスを考えてのことだろう。
「他に飲みたいものはあるかい?」
「いや、特に無い」
 喉が渇いたらその時に頼むとしよう。
 佐々木は俺の隣の席に腰を下ろした。準備完了のようだ。
 よし、食っていいな。
「んじゃ、いただきます。……うん、美味い」
「キミの口に合ったようで良かったよ」
 料理評論家のような褒め言葉は思いつかないが、確かに美味かった。
 牛乳を飲むことも忘れ、半分ほどガツガツ食ったあたりで注意が入った。
「キョン、果物も食べたらどうだ」
 それもそうだな。
 視線をずらすと、一切れのリンゴが宙に固定されていた。
 別に浮いてはいない。佐々木のフォークがそれを持っている。
 えーと、佐々木さん?
 リンゴが差し出されてる方向は明らかに俺の口だ。これを食えってことか。
 思わず目線が泳いでしまった。
 食べさせてもらうのは抵抗がある。
 どうして佐々木は平然と、疑問のない顔でリンゴを差し出しているんだ。
 ……この状況は、あれだ……こうすればいいんだ。
 俺の頭は見事な解決策を閃いた。
 
 俺は皿に乗っているリンゴへとフォークを伸ばした。
 大昔の串刺し刑よろしく深々と突き刺す。2個刺さった。変に力が入ってしまったな。
 口に入れると酸味のある爽やかな甘さが広がった。
 うん、美味いなこのリンゴ。
 冷たい視線が注がれている気がするが、気にしてはいけない。
「行儀が悪いな、キョン」
「ああ、すまん」
 リンゴとオレンジを適当に自分の皿に放り込んで、あとはひたすら皿だけ見る。
 たぶん今佐々木のほうを見たら食わされてしまう。
 それは断固拒否する。
 俺は佐々木と違って、自然な行為だと思えんのだ。
 なんていうかだ、俺もそういうのを意識する年頃ということだ。
 この点だけは佐々木に染められないぞ。嫌だぞ。
 やがて諦めたらしい佐々木は自分の皿の攻略へ戻っていった。
 YOU WIN! 格闘ゲームの勝利メッセージが音声つきで脳内再生される。
 ……何の勝負か俺もわからんが。
 
 
 
 午後も演劇練習に費やし、佐々木の家から帰る頃には暗記した量がかなり増えていた。
 外はすっかり暗くなっている。
 それにしても精神的に疲れた。セリフがクサすぎるんだよ。
 いつか俺が誰かと付き合い出しても、こんな言葉は絶対言わない。佐々木もそうだろう。
 佐々木の性格ではロマンチックな口説き文句は使いそうにない。
 本能とか形而下とか存在意義とか、口説くのに普通使われない単語が入り混じったものになる。多分。
 それを思えば、ロミオとジュリエットの主演は貴重な体験である。
「またくだらないことを考えてるみたいだね」
 玄関で黙って靴をはいてるのだが、なんでわかるんだ。
 背を向けてるってのに。
 
 緩んでいた靴紐を結び直しながら、疑問を後ろに投げた。
「お前が男を口説くならどんな言葉になるかってな」
「僕と結婚しないか、だ」
 ……即答ですか。そしていろいろすっ飛んでませんか、佐々木さん。
 俺がこいつの思考を読もうなんて無理だったな。勝てねぇよ。
「なんでいきなりプロポーズなんだ」
「前提として、僕が異性を口説く状況はパートナーを欲している時と仮定した。
人生を共に歩む相手と必ずしも結婚する必要はないが、周囲の圧力の軽減や社会保障を考慮すると、法律上の婚姻関係を成立させる利点はある。
もちろん相手によっては利益より損失が大きいだろうけどね。
互いに利益が生まれる相手に、その内容を告げて結婚を申し込むのがいい」
 すごく打算的だな。
 理想の相手を聞いてもそういう話にしかならなそうだ。
「キョンは口説く時にどんな言葉を使うのかな?」
「俺か? お前に答えてもらって悪いんだが……思いつかん……」
 好きだとか可愛いとか、単純な単語しか出てこない。
「キョンらしいな」
 悪かったな。
 
 靴をはいた俺は立ち上がり、佐々木のほうへ振り返った。
「今、口説くならどうなる?」
 結婚がまだ遠い中学生の現在でだ。
 佐々木は今度も考える間を置かなかった。
「あなたとの別れは、甘くて切ない気持ちで胸がいっぱいになります。
できるなら、朝までずっとおやすみと言い続けていたい」
 ……そう来たか。
 ならこう答えよう。
「お前の瞳に眠りが、胸に平安がありますように。
その眠りと平安にこの身がなる事を夢見るとしよう」
 芝居がかったコレは当然俺が考えたものではない。
 ロミオとジュリエットのセリフのアレンジである。
「ちゃんと覚えているようだね」
「役が逆だけどな」
 佐々木が言ったのは俺のセリフを本来のジュリエット風に戻した言葉で、俺の返事はロミオのセリフを少しだけ俺の口調に合わせたやつだ。
「これも口説き文句になるかもしれないが、使わないだろ」
「諸外国では引用を自然に会話に入れるものだよ。シェイクスピアは使用頻度が高い物の一つだ」
「ここは日本だ。日本でそんな洒落た真似ができる男は少数派だ。いきなり言われても反応できん」
 こんなくだらん統計をとったことも聞いたことも無いから、俺の予想だが。
「数の問題じゃない。キョンは期待に応えてくれた」
「お前に散々叩き込まれたからな。普通は無理だぞ」
「だろうね」
 佐々木はこだわりなく肯定した。
 なんだよ、口説く言葉を真面目に考える気がないなら最初から言えって。
「さてと。いい加減帰らないとな。長いこと付き合わせてすまん」
「いや、構わないよ。それじゃ、また明日」
 佐々木は端正な顔立ちに柔和な微笑みを広げた。
「わたしの胸の内にある甘美な安らぎがあなたの心にも訪れますように」
 ……またか。
 佐々木に言われると胸に何かつかえた気分になるな。
 まあ、俺から振った話題だし付き合ってやるか。
「おやすみ、愛しい人。きっと明日、夢の続きを見よう」
 うわ、背中がむずむずする。
 セリフを聞いた佐々木は普通にしてるが、こっちはどうにも落ち着かない。
 やはり俺には向いてないぜ。金輪際言いたくねえ。
 むず痒さをごまかすために一言付け加えることにした。俺の言葉を。
「じゃあな」
 やれやれ、別れ際まで演劇練習っぽくなったな。
 行きも乗ってきたチャリにまたがって夜道を走る。
 秋の冷たい風が、少し熱くなった顔に心地よかった。
 
 
 
 
 恐れた日がやって来た。
 雷が落ちて体育館の一部が破壊されろという俺の願いもむなしく、見事な快晴。
 ――文化祭当日だ。
 我がクラスの演目はロミオとジュリエット。割り当ては午後の部だ。
 演劇をやることに今更異論はないが、どうして俺が恋愛劇の主役なんだろうね。
「まだ言ってるのか、キョン。諦めが悪いな」
「全校生徒の前でやるのに簡単に開き直れねぇよ」
 階段を上りながら佐々木に返事をする。
 佐々木のおかげでセリフは全て覚えたが、完璧にこなす自信はない。
 俺の灰色の脳細胞は本番直前になっても真面目になってくれないようだ。
 でも頭をけっこう使ったつもりだ。
 午前中に台本を読み耽って、他クラスの展示物や出し物なんざほとんど見ていない。
 
 疲れた頭に栄養を補給するとしよう。
 ……コンビニ弁当だけどな。
 給食がないことをお袋に伝え忘れていたので、出かける前に金だけもらった。
 屋上の床に弁当とペットボトルを置いて準備完了。
 今日はどこで食おうと自由だから、弁当ならではの場所を選んだ。
 せっかくいい天気なんだしな。青空の下で昼飯というのもいいもんだ。
 これで頭を悩ませる演劇がなければ最高なんだが。
 
 屋上には見覚えの無い女子グループも何組かいる。
 先客からなるべく距離をとったが、完全に見えない位置ではない。
 チラチラとこちらを伺っているのは気のせいか。
「彼女たちは僕の知り合いだ。2年生だよ。挨拶するか迷っているのだろう」
「そうか」
 俺たちが前を通った時に声をかければ済んだのに。まあいい。
「さっさと食おうぜ」
「ああ。それは賛成だけど……」
 佐々木は俺の弁当に視線を固定していた。
 炭水化物と蛋白質しか取れなそうな唐揚げ弁当だ。
 いいじゃないか、たまにはこういうのが食いたいんだよ。
「キミは成長期に必要な栄養を軽視していないか」
「今日だけだ。細かいこと気にするなって」
「一生影響する重大な問題だ。身体能力および脳の発達が著しい時期なんだ。
キョン、キミは身長がまだ伸びて欲しいと思わないか?
約4年半の個人差はあるが、男子は今頃の時期から発育の最終段階に入る。キミの現在の身長と半年の観察から推測するに、キミは今まさにその段階にいる。
この時期に食事を疎かにしてはいけない。一日でもだ。
身体の成長以外に、生涯にわたる食生活の習慣が決定される。怠惰な態度をただちに矯正することを勧めるよ」
 佐々木は真剣な顔をしていた。
 お前の気持ちはありがたいが、わざわざ俺の成長を案じてくれなくてもいいんだぞ。
 背はもうちょっと欲しいがな。
 明日から気をつけるから今日は見逃してくれ。
「今でなくてはならないよ、キョン。僕らは午後から演劇を行うのだから」
「劇をやる人間はコンビニ弁当を食っちゃ駄目なのか?」
「亜鉛の吸収を妨げる添加物が入っている可能性が高い。亜鉛は神経細胞間の刺激伝達物質を合成する成分で、記憶力の維持に必要だ」
 そりゃ大事だな。
 でもコンビニ弁当しかないんだから仕方ないだろ。
「心配は不要だ」
 ああ、なんだか嫌な予感が……。
 
 佐々木は自分の弁当箱を開けて俺を見上げた。
 2人並んで腰を下ろしてるので、やはり俺のほうが高い。
「キョン。僕はキミの健やかな成長に協力したい」
 佐々木が卵焼きを挟んだ箸を向けてきた。
 ……前も同じことがあったような……。
 そんなに俺に食わせたいのか。いったい何が楽しい。
 さっさと食えと言わんばかりに卵焼きが迫る。前の日曜より強引だ。
 栄養を取らせるという使命が佐々木を積極的にしているらしい。
「お前の弁当からちょっともらうのは駄目なのか」
 せめてもの妥協案を出してみる。
 佐々木が手ずから俺に食わせる必要なんてないんだ。
「だからキミにあげようと意思表示をしているじゃないか」
「いや、そういう意味じゃなくてな。お前、わかっててやってないか」
「これが一番手っ取り早い」
 そうだろうか。佐々木が譲ってもいいと思ったってことだから確認作業はしなくて済むんだろうが……。
 これは俗に言う『あーん』ってやつだろ?
 お前は平気なのか? 俺の戸惑いをわかれ。
 そう言葉にする代わりに唐揚げをひとつ箸でつまんだ。
 そのまま佐々木の顔に近づけてやる。目標は口だ。
 無駄かもしれないが、俺と同じことを感じてくれれば止めてくれるだろう。
 溺れる者は藁をも掴むってな。これでも俺は必死だ。
 
 佐々木は瞬きもしないで俺の顔を見ていた。お、効果ありか?
「……どうしたんだ、キョン」
「お前が無理に食わせようとするからな。仕返しみたいなもんだ」
「なるほど。いや、そうか……くっくっ」
 おかずを相手に向け合ったまま会話する俺たちはさぞ滑稽だったろう。
 ええい、先に始めた佐々木が悪いんだ。俺は悪くない。
 いくら思ったことが顔に出やすいからってな、もうからかうのは止めてくれ。
「キョン、キミは実に面白い」
 佐々木様は何がおかしいのかまだ笑っていらっしゃる。
 笑わそうと思ってやってるんじゃないんだが。
「わかったよ」
 おお、止めてくれるのか?
 佐々木は俺の箸へ顔を近づけた。ってオイ。マジでやるつもりなのか?
「亜鉛の吸収はいいのか」
「僕はセリフを完璧に覚えている。微量なら問題ない」
 俺が凝視する中、佐々木は俺の唐揚げを口に含んだ。
 ……普通に食いやがった。
 なんだなんだ、普通のことなのか? ためらう俺がおかしいのか?
 誰か俺と佐々木に一般常識と恥じらいの心を説いてくれ。
「さ、キョン」
 佐々木はゆるやかに微笑んで箸を伸ばしてきた。勘弁してくれ。
 しかし佐々木にやらせて俺がやらないのは卑怯くさい。
 俺は抵抗を諦め、佐々木の箸から卵焼きを食べたのだった。
「……美味いな」
「キミにそう言ってもらえると嬉しいよ」
 ああ、佐々木が作ったやつなのか。大したもんだ。
 ところで何でまたミニトマトを刺した箸を俺に向けてるんだろうね?
「まだ必要だ。キミのその昼食は栄養が偏りすぎている」
 何回やるつもりだ、お前は。
 再び唐揚げを盾にしたが意味はなかった。先程と同じやり取りが繰り返されただけだ。
 どこかから「バカップルだよね」と聞こえたのは空耳だろう。そうしておきたい。
 佐々木の知り合いらしい2年生たちが生暖かい目でこちらを見てるのも、0円スマイルを顔に張り付けて「お気になさらず続けてください」と言ってきたのも、きっと精神的に疲れた俺が生んだ幻であろう。
 しかし、尚もおかずを差し出す佐々木だけは幻影で片付かない。
「……なあ、佐々木。楽しいか……?」
「これは快不快で差し図る問題ではないよ。より現実的で物質的なことだ」
「……そうかい」
 色々どうでもよくなって投げやりに答えた。
 屋上を吹き抜けていく無駄に爽やかな風は、俺の疲労を連れ去ってはくれなかった。
 

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