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  • ゴシップ探偵、谷口

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

ゴシップ探偵、谷口

最終更新:2020年03月14日 00:16

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集

俺の名は谷口。探偵だ。探偵というのは常に孤高の存在だと思っている人もいるらしいが、そんなことはない。他の職種同様に、同業者やその他の人たちと協力して仕事にあたることが多い。いくら優れた能力を持つ探偵でも、一人の力なんて高が知れている。「あ、間違っちゃったごめんなさ~い」と謝って許してもらえる仕事じゃない分、職務遂行の成功確率を高めるため、チームプレイは重要となってくる。

だから俺も難易度の高い件では、他の同業者とチームを組んで行動することもよくあることだ。

探偵に限らず、自分は一人でなんでもできるから仲間なんていらない、と豪語しているやつはそのうち万里の長城なみに巨大な壁に阻まれて個人の力の小ささを思い知ることになるであろう。

 


今夜は久しぶりに、涼しい夜の風が味わえる。粘着質な湿気をおびた風とは違い、潔いさっぱりとしたドライな風だ。三日月に背を向けて夜のくすんだ雑踏の中を歩く俺には、お似合いの風だ。

いからせた肩で年準無休のオフィスビルの明かりを遮り、ごみごみとした通りを縫うように進んでいく。煩雑な表通りを抜けると、一転して誰もいない荒んだ裏路地が現れる。男が一人で出歩くには、明るいネオンの下よりも、場末のひっそりとした月の下の方がよく似合う。

慣れた足取りで錆びかけた螺旋階段を登って行き、営業しているのかどうかも曖昧な、ひなびたバーのドアを軽く押し開けた。

「そろそろ来る頃だと思ってたよ」

店内に入ると、年よりもずっと若く見える童顔の同期生、国木田が俺を出迎えた。

「久しぶりだね。ここのところ、キミも身辺でいろいろあってバタバタしてたようだから。長いこと会っていなかったような気がするよ」

ああ、俺もだ。長いことこの店に来ていなかった気がする。いつ来ても客のいないこの店の営業が、まだ続いていたのが不思議とさえ思える。

「余計なお世話だよ。せっかく仕事を回してあげたのに」

それに関しては感謝してるよ。最近あまりにヒマだったもんだから、偽ランジェリー企業にはめられかけたり、縁日で的屋をやったりしてたんだ。まともな探偵業なら大歓迎だ。

「まともな探偵業、ねえ。まあ、いいや。依頼の内容はメールで送った通りだよ。見てくれた?」

ああ。目を通したよ。最近人気沸騰中のアイドル歌手、佐々木の身辺警護だろ? うちの助手がえらく喜んでいたよ。佐々木本人と会えるなんて羨ましい、と感動してた。あいつ佐々木のファンなんだ。サインまで頼まれたよ。

「助手って、最近キミが雇ったっていう……長門さんだったっけ? 若い女の子ならアイドルに憧れることは当然だと思うけど、仕事として会うわけだから、そこのところのけじめはしっかり教えておいた方がいいと思うよ」

分かってるよ。でも心配いらないさ。長門はあまり同年代の女の子たちが好きそうな、世俗的なことにさほど興味を持っていないから、アイドル歌手の佐々木なんて知らないと思うぜ。なぜか知らないけどあいつは、依頼主が佐々木健介だと思いこんでるんだ。売れっ子アイドルの佐々木だと知った瞬間、理想と現実のギャップの重みに押しつぶされてシュンとすると思うぜ。

「それならいいんだけど。キミの進退にも関わってきかねないんだから、気合を入れて頑張っておくれよ」

分かっているさ同期生。俺だってVIP相手に、お粗末な失態をさらしたくはないからな。

苦笑まじりに俺は、国木田の出してくれた水を一口飲んだ。俺はこのバーに何度も来店しているが、今まで一度も酒を注文したことはない。今日もするつもりはない。理由は簡単だ。こういう店の商品は総じて値段が高いからだ。

ところで、今回の依頼。俺ともう一人、別の探偵も雇ってるんだって? 要人の身辺警護なんだ。ガーディアンを何人もつれておきたい気持ちは分かるが、俺の相方は誰なんだ? それをまだ聞いてないぜ。

 

俺は気分よくグラスをあおった。こう言っちゃなんだが、この手の仕事はあまりきつい物じゃないからありがたいんだ。あてどもなく聞き込みに東奔西走しなくていいし、ケガをする可能性も低い。警護って言ったって俺たちはボディーガードじゃなくて、あくまで探偵だからな。怪しげな人物がいないかとか、部屋に盗聴器が隠されたりしてないかを調べるくらいの役回りなのさ。まあ、盗聴器なんてそうそう仕掛けられてるものじゃないけどね。

仕事に関しては手も気も抜くつもりはない。きっちり給料分は働くさ。それでも、職務遂行の目処が立っていて危険も少なく、さらに2人仕事となれば気が楽だ。これで仕事の相方が足を引っ張るようなヤツじゃなけりゃ、言うことなしなんだが。

「パートナーとは当日、佐々木さんの事務所に行けば会えるよ」

おいおい。マジで言ってるのか? 試合開始と同時に初顔合わせするサッカー選手がいるか? チームを組んで行く以上、あらかじめ会って打ち合わせをしておく必要があるじゃないか。まったく。つまらない三流ジョークは、知性派キャラのお前には似合わないぜ?

「うーん。僕としては言っても言わなくてもどっちでもいいけどさ。聞きたい?」

じらすなよ。ミリオネアのみのさんじゃないんだから。さっさと言えって。

「キミと一緒に依頼を引き請けたのは、キョンだよ」

 

 

 

国木田の店を出てから3日後。俺とキョンは仲良く芸能プロダクションのビルの一室で、肩を並べてソファーに座り佐々木の到着を待っていた。

それにしても……よりによって、こいつと同席するはめになるとは。俺とキョンはあまり相性がよろしくないから、国木田が言い渋った理由もよく分かる。

なあキョン。このソファー狭いんだから、もうちょっとそっちに寄ってくれないかな? 1mくらい。

「こっちはけっこう壁際なんだぜ。お前の方が横にスペースあるじゃないか。1.5mは寄れるんじゃないか?」

なに言ってるんだよ。そんなに移動したらお前、俺が窓から落ちるぞ。ここ何階だと思ってるんだ。5階だぞ。落ちたらどうするんだよ。

「俺そんなの気にしないから。もう窓際スレスレまででもいいからさ、寄ってくれよ。頼むよ」

やだよ。窓際スレスレで依頼人を迎える探偵ってどんなんだよ。思い切り窓際族とか連想させてマイナスイメージじゃないか。

「そんなことないって。渋みのある社会派みたいで格好いいと思うぜ、きっと」

え、うそ、マジで? そう言われてみれば、よく刑事ドラマなんかでもサングラスの似合いそうな粋な刑事が窓際でブラインドを指でちょいっと下げたりしてるよな。俺もそういう男の本懐的演出をしてみたいな、なんて思ったことがあるんだ。けっこう行けるかも知れないな!

って、んなわけあるか! ビルの5階の窓から外を見つめる大人ってどうなんだよ。デパートの屋上にある100円望遠鏡を覗き込む小学生かよ!? やっぱバカにしてるだろお前!? とキョンにつかみかかろうとした瞬間、俺の背筋にぞっと悪寒が走った。なんだ、この嫌な感覚は……。誰かの視線を感じるような、そんな気配がする。見られて…いるのか?

どうやら俺と同じくキョンも不気味な物を感じたらしく、チェーンレスリングを一時休戦して周囲に目配せしている。部屋の中に特に変わった様子はない。どこの会社にもある、客を招き入れる接待室だ。異変などあるわけがない。しかし、この違和感は……。俺とキョンは、ふと部屋の出入り口に目をやる。

すると。そこには、ドアから半分顔を出して、俺たちの様子を観察するように眺める陰気な女の目があった。

 

俺とキョンは固くなってソファーに腰掛け、背筋を伸ばし、佐々木のマネージャーさんと向かい合っていた。

すいませんでした。いや、マジで。何て言うか、ちょっと興奮しちゃったって言うか。仕事で来たっていうのに、年甲斐もなくはしゃいでしまいまして。申し訳ありませんでした。

「─────」

半開きのドアの向こう側から俺たちを見つめていた女性、周防九曜は音もたてずに風のごとくすーっと部屋の中に入ってきたかと思うと、ゆっくりと机を挟んで俺たちの正面のソファーに腰掛けた。

「────────」

そして無言のまま、なにか言いたげな鬱々とした暗い眼差しで、じっと俺たちを視ている。蝋人形のようにまったく動きを見せず、俺たちの目を、いや、瞳孔を正確に見つめる周防女史。

俺はあははと曖昧な笑いを浮かべ、顔を伏せた。

こえぇぇぇ! この人、怖ぇ! なんで何も言わないの? 普通なにかしゃべるだろ。客だよ、俺たち。極度に内気で人見知りする人でも、この状況じゃ何か話すだろ? いくら俺たちが客間でケンカしてたからと言っても、普通は謝ったら何らかの反応するだろ? なにこの人。ビューティー田村?

俺は嫌な汗をかきつつ、とにかくもう一度呼びかけてみようと思い直し、最高の愛想笑いを浮かべて顔を上げた。

目の前に、信じられないくらい机から身を乗り出して、センチ単位の距離で俺の目をのぞきこむ周防女史の見開かれた血走る目があった。

 

ほぎゃああぁぁぁ! とホラーチックに叫んでソファーから飛び上がりその足で下りの特急に乗ってアパートへ帰りコーヒーを飲みつつ眠りにつきそうになった俺は、なんとか大人としての理性と職務観念だけでその本能的衝動を抑え込んだ。よくやったぞ、俺。ご褒美に後でアイスを食べさせてやる。

あ、あの…周防さん…? な、なんでございましょう……?

「────目が……わるいの────ご────めん────」

そう言うと周防九曜は、のろのろと身体を引き戻しソファーにもたれかかった。まるで妄執にかかった平安時代の宮中女官のように伸びた大量の髪をかき上げる仕草は女性らしいが、ひとつひとつの動作を行っても、その視線は俺とキョンの目を矢のように射抜いたまま動かない。

そ、そうですか。目が悪かったのですか。ははは…。それは大変ですね。食われるかと思った。

「それはそうと、早速依頼の件について詳しい話をお聞きしたいのですが」

気まずい空気を何とかしようと、キョンが脂汗の浮いた額をハンカチで拭いつつ平静を装って口を開いた。よしよし、えらいぞキョン。仕事の話にさえ持ち込めば、まともな空気になるかもしれない。

「────詳しい話は……佐々木────から聞いて────くぁ────」

身を乗り出すというよりも机の上にのしかかるような姿勢で、キョンの顔のまん前まで自分の顔を持って行き、血管が見えるほど開いた目でキョンの顔を見る周防女史。目が悪いのは分かったけど、なんでこの人いちいち人の顔を覗き込んで……おい、大丈夫かキョン!? 気は確かか!?

横目で俺の方を見て、余裕ぶった表情でキョン。汗だくだけど。

メガネをなくしてしまったからこうしないと2人の見分けがつかないんです、とじっくり時間をかけて呟きつつ、周防女史は身体をまたソファーに戻した。だからってわざわざ顔を覗き込まなくても…。

「────ごめん────なさい。私は────昔から────話をするのが……苦手で────」

い、いえ。いいんですよ。誰にでも得手不得手はあるんですから。俺も絶叫マシーンが苦手なんですよ。だからお相子です。

「────気を遣わせて……しまって────ごめんなさい────ごめんなさい────ごめんなさい────ごめ……さい────ごめ────さ────」

佐々木さん!? ちょと佐々木さん!? 早くきて! この人、上目遣いに俺たちの目を見たままエラー起こしてるよ佐々木さん!? プリーズカムヒアー!

 


「どうも、お待たせしました。番組の収録が少し長引いてしまって」

カジュアルなベストを身にまとった佐々木が客室に現れた時には、すでに俺とキョンはぐったり憔悴しきっていた。周防女史と向かい合っていると何かと疲れる…。会話もまったく続かないし、キラーマシーンのような目で見竦められると恐怖以外の感情がわいてこない。

だから佐々木が部屋に入ってきてくれた時には救われた思いがしましたよ。ありがとう。佐々木さん。デビュー曲さえ知らないけれど、これからはテレビとかで見かけたら応援させていただきたいと思います。

「初めまして、僕は佐々木といいます。ご存知かとは思いますが、一応初対面のご挨拶ということで。お二人は探偵と伺ったのですが、実にイメージ通りですね。といってもこのイメージというのは社会通念上の形象ではなく、あくまで僕個人の心象ですが。落ち着きがあり、厳かな雰囲気さえも感じられる」

褒めてくれてありがとう。でもこう言っちゃなんだが、落ち着いているわけじゃなくてあんたのマネージャーさんに相対してたら、否応なくこうなっただけの話だぜ。主に心的な困憊で。

「今日は僕のためにわざわざ足労いただき、ありがとうございます。大したことはないから人を雇ってまで対応することではないと言ったのですが。マネージャーの周防はご覧の通り、頑固な方でして」

くっくっ、と佐々木はのどを鳴らすように笑った。のどの奥にハスキーな手乗り文鳥でも飼ってるのかと思うくらい、余人には真似できそうにない特徴的な笑いだ。

それでは失礼します。と礼儀正しく佐々木は周防女史の隣に腰掛けた。売れっ子芸能人のプライベートなんてただれたものだとばかり思っていたが、なかなかどうして。好い子じゃないか。

テレビで佐々木の出演している番組を観たことがなかったので彼女についてあまり知らないのだが、佐々木の話し方はやたらと婉曲的なものだった。クセなのか仕様なのかは分からないが、聞いていて疲れる特徴的な喋り方だ。

佐々木から聞いた話をまとめれば、あらかじめ国木田から聞いていたような内容になるわけで。最近身辺に怪しい人物が見受けられるとか、個人的なことが外部へ漏れているから部屋に盗聴器がしかけられているのではないか、ということだ。
よくあること、とは言わないが、タレントとしてはそれほど珍しい事ではないのかもしれない。俺は有名人から仕事を受けたことがないからそういった業界の事情には詳しくないのだが、とち狂った熱狂的ファンが行き過ぎた行動に出てしまったり、佐々木の人気を妬む同業者の差し金が彼女にいやがらせをしているとか、そういった想像はできる。それはあくまで俺の推測なわけだから口にはしないし、予断を持つつもりもないが。あくまで可能性の一つというわけだ。

「とりあえず、佐々木さんの家に案内してもらえますか?」

一通り話を聞き終え、キョンはさっそく席を立った。一刻も早くこの部屋から出たいんだろうな。俺も同感だ。というかまだ俺たちを油断なく見つめる周防女史の視界から離れたい。

 

 

周防九曜の運転する車で佐々木の住むマンションの一室にやってきた俺たちは、声をひそめて佐々木宅にお邪魔した。まずは彼女の言う、盗聴器の調査のためだ。

盗聴器が家に仕掛けられているなんていうことは実際、ほとんど無いことだ。特にこういう現代的なマンションはセキュリティがしっかりしているから、盗聴器をしかけようと不審者が侵入することは難しい。万が一盗聴器がしかけられているとしたら、親しい人の犯行と考えていいだろう。

「ただいま」

「────おかえり────」

もし盗聴器を仕掛けられていた場合に備え佐々木と周防九曜には普段通り行動するように伝えてあったが、この2人はいつもこんなやりとりをしているのだろうか。佐々木と一緒にいる時の周防女史の表情はとても落ち着いていて、保護者然としている。何はともあれ、血管の浮き出た目で視つめられることがなくなり、俺もキョンも安心しているところだ。

俺たち2人は静かに、電磁波の探知機を手に部屋の中をぐるぐる回り始めた。盗聴器が稼働していると、その周辺に特殊な電磁波が放出されているらしい。仕組みはよく知らないが、この探知機が反応したらクロ、しなければシロということは説明書に書いてあった。

まあ盗聴器なんてありやしないだろう。そう思いながら気軽に中腰で進んでいると、突然探知機のランプがぴかぴか点滅し始めた。あれ……?

その時、緊迫したようなしていないような、微妙な顔をしたキョンが俺の肩を叩いた。ふり返ると、キョンの手にある探知機も、ランプがちかちか光っていた。

眉をひそめて向き合い、目配せし合う俺たち。キョンがドライバーを取り出し、備え付けコンセントのカバーを外す。

「……盗聴器だ」

そこからは、粗末な構造の盗聴器が検出された。

一気に緊張感が高まるのを感じた。俺とキョンが佐々木の方へ向き直ると、彼女の後ろで周防九曜が、目の前でカンシャク玉が破裂した猫のような目でこっちを見ていた。

 

 

これは由々しき事態です。と言葉を区切りながら呟き、周防九曜はいそいそと車に乗ってプロダクションへ戻って行った。

その間、マンションに残った俺とキョンと佐々木は、居間のテーブルについて、部屋全体から出てきた5つの盗聴器を囲んでサミットを行っていた。

「可能性だけで考えるならば、合鍵などを持つ人物や、佐々木が不在の時間にマンションまで訪ねてきても不審がられない人物が一番怪しいんだが…。心当たりは?」

真面目な表情のキョンが佐々木に問いかけるが、佐々木はさほど事態を重要視していないのか、とりたてて深刻になることもなく飄々とした様子で考えをめぐらせているようだ。こいつ、実はけっこう肝が据わった大物なんじゃないだろうか。

「思い当たる節も、特にはないな。この部屋の合鍵を持っているのはマネージャーの周防だけだが、彼女がそれを悪用するとは到底思えないし。あなたたちの、彼女への第一印象がどういうものだったかを推察するのは実に容易いけれど、彼女はなかなか奥の深い女性だよ。シャイな方なのであまり自分を出すことはしませんが、長くつきあっていれば、それなりに彼女の人となりが見えてくる。奥ゆかしい、日本的な女性だよ。少々変わった女性だという評価は認めざるを得ないけれど、彼女は十分信頼するに値する人だ。少なくとも僕はそう思っている。彼女と出会ったばかりの頃の僕も彼女の風変わりさに戸惑いマネージャーとして信用するしかなかったけれど、今では互いに信頼し合える仲なのです。あ、そういえばお客さんに対してお茶も出していませんでしたね。失礼。ちょっと待っていてください」

おかまいなく。とは言ったものの佐々木は軽く会釈しただけで、キッチンへと歩いて行ってしまった。

 

すごい人物だと思う。主に神経が。自分の部屋から5つも盗聴器が出てきたにも関わらず、平静を崩すことなく、客に対してお茶をいれると言いだすあの態度。そもそも普通の人は探偵が自分の家にやってくるというだけでずいぶん緊張してしまうものなのに、佐々木にはそういった様子もまったく見てとれない。ひょっとして今起こっていることは、ブラウン管のむこう側の、テレビドラマの中の出来事だとでも思ってるんじゃないだろうか。

「ずいぶん変わった子だな」

手元の盗聴器をいじりながら、キョンはキッチンの方へ目をやる。

そうだな。あそこまで身の回りの出来事に対して冷静でいられるというのも、すごいことだ。それともこの期に及んでまだ、自分に限ってこんな非現実的な事件に巻き込まれるはずがない、なんて思っているんだろうか。何にしても、俺にはよく分からない精神構造だ。

「谷口。お前、気づかなかったのか?」

なにが?

「さっきお茶を入れに行くって言って出て行った佐々木。少し足がふるえてた」

俺もテーブルの上に置いてあった盗聴器をひとつ手にとり、弄び始めた。

こんな物が出てきちまったら。お土産のサインどころじゃないな。

 

 

 

  ~つづく~

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