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  • 涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)
  • YUKI burst error ⅩⅠ

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

YUKI burst error ⅩⅠ

最終更新:2020年03月19日 00:02

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集

YUKI burst error ⅩⅠ

 

 

 長門と古泉のつばぜり合いは続き、朝比奈さんは長門がこっちに攻撃を仕掛けてきたときのみ迎撃するという陣形を崩さないままでいる。
 そんな朝比奈さんの後ろで佐々木は滔々と説明してくれた。


 そう、長門の親玉でさえ抹消させることができるハルヒの能力をかすめ取った長門が世界改変を断行した中でただ一人、その難を素で逃れることができた存在がいたのである。
 それは言うまでもなく情報統合思念体という存在よりも別の位置に存在する天蓋領域を親玉に持つ周防九曜だ。
 長門が天蓋領域を消し去ることができなかった理由は長門の親玉が天蓋領域とのアクセスができないからである。情報統合思念体が天蓋領域とアクセスできないということは長門もまた天蓋領域とアクセスできないことになる。情報統合思念体は長門を通じてハルヒを観察しているから常に繋がっているわけでだからこそ消し去ることができるのである。ということは逆に何の接点もなければ情報操作できないということでもある。よって天蓋領域を消し去ることができなかった。たまたま未来にいた藤原は世界改変に巻き込まれずに済んだとのこと。まあ、あいつは普段、こっちにいることがあまり好きではないみたいだからな。暇があり指令さえなければ未来にいることの方が多いのだろう。
 とと話を戻すが、九曜の設定が光陽園学院に通っていることになっていることが幸いした。世界の異変には感づいたらしいのだが、それが確信に変わったのは学園内にハルヒと古泉が居たからで、そこでようやく行動を開始できたらしい。まあ考えてみれば長門の親玉と九曜の親玉がアクセスできない以上、九曜からも長門とアクセスする方法がないんだ。漠然が確信に変わらない限り、行動を起こせなかったんだろうぜ。ただ、ハルヒと古泉が記憶を取り戻すことを知っていた九曜は、まず今日の昼、俺と分かれた佐々木を捕まえて、有無言わせず記憶を取り戻させたとのこと。
 返す刀で同じく橘京子の記憶も戻し、そしてここからが今の俺もハルヒも知らない、俺が長門の波動砲に飲み込まれてからハルヒの時間遡行までとその後のサイドストーリーだ。
 九曜と記憶を取り戻した佐々木は即座に北高に向かった。橘京子は北高校門前に待機、の予定だったのだが、むろん橘京子側の機関も消滅していたものだから急いでレンタカー屋に走ったとのこと。
 どうも俺たちは気付けなかったのだが、俺たち四人が文芸部室に着いたのとほぼ同じ頃に文芸部室手前まで来ていたとのことだ。
 そして俺の危機を察知した周防九曜が不可視遮音シールドと防御シールドを展開して俺の前に立ち、長門のレーザー砲から俺を守ってくれたらしい。
 もっともその余波で俺たちは裏庭まで吹き飛ばされてしまったとか。
 裏庭への墜落はもちろん九曜が守ってくれて俺と九曜は、階段手前の中庭に降りてきた佐々木と合流して多少の説明を受けてから再び今度は三人で文芸部室を目指す。
 どんな説明かは後の展開だ。
 ちなみに九曜が不可視遮音シールドを展開していた理由はハルヒが俺が消え去ったところを見ていないとハルヒと朝比奈さんが時間遡航するという歴史が生まれないからだという説明には今回は朧けながら納得と理解ができないこともなく、当然、長門も俺を抹消したと思い込んだ。
 んで、俺たちが文芸部室の前に着いたのとハルヒと朝比奈さんが時間遡航して消滅したのがまったく同時だったとか。
 そして俺たちは古泉が炎の塊に飲み込まれた瞬間を目撃したらしいのだが、当然、今の俺には記憶がない。佐々木が説明してくれたところによると俺たちが動いていいのはハルヒと朝比奈さんが時間遡行を敢行した後でなければならなかったそうだ。
 という訳で古泉が焼失する前に九曜が再び助け出し、そのまま裏庭から古泉の肉体情報を再構築しながら逃走。
 俺たちも長門に見つかる前に退散し、中庭を経由して校門前で九曜となんとか一命を取り留めたというか完全復活した古泉と合流したのだが、既に長門と九曜がバトルを始めていた。
 九曜は俺、佐々木、古泉を守る位置で長門の攻撃をしのぎ、ようやく到着した橘京子の車に乗り込んで逃げの一手を打ったらしい。
 相手が長門だから表現として正しいかどうかはいささか疑問ではあるのだが、迫りくる長門の攻撃を橘京子のハンドルさばきと車の屋根の上に乗った九曜が迎撃をしながらのカーチェイスを夜になっても繰り広げるさなか、俺が急に意識を失くしたと同時に、古泉がハルヒの閉鎖空間発生を察知して、その場所に向かい、佐々木が自分の内面世界と連結して、橘京子が全員をその世界に招いたとのこと。
 その間、藤原は未来へ行って、朝比奈さん(大)の存在を話し、朝比奈さん(小)のTPDD無断使用の処罰を取り消したそうだ。この辺りは過去の改変を嫌う未来人らしいとでも言えばいいのか。
 まあそうだよな。
 朝比奈さん(大)は朝比奈さん(小)の延長線上にいるわけで、朝比奈さん(小)がいなくなれば朝比奈さん(大)も当然いないことになる。となれば、四年前の七夕は言うまでもなく、今年の二月や去年の十二月以前に、あの去年の五月(つっても今いるここはその五月でもあるらしいのだが)の危機で俺は朝比奈さん(大)から白雪姫のヒントをもらえていないことになり、その時点で世界が終っていた可能性さえあるんだ。だとすれば未来人は何が何でもそれを回避せざる得なくなる。長門のsleeping beautyの脱出ヒントだけで俺がきちんと行動できたかどうかは何とも言えんしな。
 んで、その後、復活した朝比奈さん(小)を連れて再びこの時代に時間遡航。外で待っていた橘京子と供に閉鎖空間へと入り込んだらしい。
 そして九曜が今、何も手出しできないのは、ここにいる九曜が意識体のみで、本体は閉鎖空間の外で、意識を失ったままの俺を世界改変を断行した方の長門から守るために奮闘しているからなのと、この意識体がハルヒと佐々木の閉鎖空間を連結させているからなんだとよ。。
 おっと、これも言っておかなければいけないが周防九曜が今回、俺たちを守ろうとしたのは、(あるかないかは別にして)佐々木との友情とか言うより、天蓋領域の意思が深く関わっているからである。
 元の長門曰く、天蓋領域もまた、ハルヒに興味が湧いたらしくハルヒを観察していたのだが、天蓋領域が望むのはハルヒの力の奔流であり、長門が改変させた世界ではハルヒも力を失うことから、それが見れなくなることは是が非でも避けたいとのことで今回、周防九曜に世界改変阻止を通達したとのこと、だそうだ。


 何つうか……これが本当だとすればとんでもない話だよな。
 というか、小学生時代の俺が望んだ展開そのままじゃないか。中学を卒業するころにはもうこう言う夢を見ることからも卒業していたつもりだったんだが……
 なるほどそうか。さっき橘京子がびっくりした顔をしたのはそういうわけだったのか。
 ったく、ややこしい。
 俺は渋面を露骨に表情に出していたが、次の佐々木のセリフを聞いた途端、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
「――ここまでは未来から見ても正常な歴史なんだよキョン。しかしだね、今、僕たちが遭遇しているこの出来事は未来への分岐点となる」
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「キミは不思議に思わなかったのかい? 未来人である朝比奈さんが元の記憶のままでいたことを」
 そりゃまあ思ったさ。長門が世界改変をしたってことは未来が変わったって話になるからな。
 なのに朝比奈さんは元のままだった……
 てことは長門の世界改変は規定事項ってことか!?
「そうさ。しかしここからが違う。
 一つは僕たちが長門さんに全滅させられれば、長門さんは世界改変を完了し、文字通り未来が変わる。
 一つは僕たちが長門さんをなんとかすれば世界は元に戻り、僕たちには知る由もないが予定されていた僕たちの未来となる。
 もっとも長門さんを元に戻す方法が今現在皆無に等しい。ましてや先ほど九曜さんは長門さんのエラー部分を切り離してと言っていたが、元の長門さんがエラーなのか今の長門さんがエラーなのかは正直判断できない。
 さて、キミならどっちを選ぶ?」
 いたずらっぽい笑顔も、あのなんとなく含み笑いでしてやったりに近い佐々木特有のくつくつ笑いも浮かべることなく真剣な表情で俺に聞いてくる佐々木。
 ……究極の選択にもほどがあるってやつだなこれは……
 そのまま受け取るなら、場合によっては俺たちの未来には長門はいないってことになるし、長門の未来には俺たちがいないってことになる。
 正直言ってどちらも選びたくないぞ、これは。




 わたしの中に何とも説明しがたいプログラムが増えてくる……

「ぐはっ!」

 目の前の相手――ESP所持有機生命体の息を吐く音が聞こえる。

 わたしの一撃を受けたから……

 なのに……

 わたしの方が胸を締め付けられるような感覚に襲われる……

 なぜ……?

 彼はわたしに敵わないことが解っている……

 それなのになぜ……あなたはわたしに憎悪の感情を抱かない……

 わたしを見つめるその視線がわたしの内にエラーを発生させる……蓄積させる……

 眼下の異時間有機生命体もそう……

 彼女も真剣なまなざしは向けてくるが、しかしその瞳に敵意はない……

 どうして……?

 彼女の装着している色彩付きコンタクトレンズには、高い指向性を持つ不可視帯域のコヒーレント光と超振動砲の力がある……

 しかし彼女にはそれを攻撃的思考を.もって使用する意思はない……

 あくまで迎撃のみ…….わたしの粒子砲を消滅させるためのみにしか使用する意思はない……

 わたしにはそれが解る……

 どうして……?

 二人は抹消させなければならない相手……わたしの邪魔をする存在……

 二人だけじゃない……

 彼女の後ろにいる天蓋領域の意識体も含めた六人もそう……

 それなのに……

 わたしのエラー蓄積と供にその思考が薄れてゆく……

 なぜ……?




「さて、キョン。キミは今、自分がどういう立場に置かれているのか分かっているかい?」
 佐々木?
「まさかとは思うが、キミはこのまま傍観者という観客のつもりでこの場にいるのではないだろうね?」
 どういう意味だ?
 確かに俺には不思議な力は何もない。古泉のように長門を力ずくで抑えることもできなければ、朝比奈さんのように超科学の兵器も持たないさ。
 だがな。俺だって長門を止めたいという気持ちは持っている。
 ただ、それをどうすればいいのか今はまだ、分からないだけだ。
「それを聞いて安心したよ」
 ん? 珍しいな。
 こいつの屈託のない笑顔を見たのは初めてのような気がするぞ。いつもは悪気はないのだろうがどこか含み笑いに近いものがある笑顔だってのに。
「そうさ。今、この場にいる以上、キミにも当然、役目がある。涼宮さんと僕が互いの内面世界を創り出し連結させたように、九曜さんと橘さんがここまで僕たちを連れてきてくれたように、藤原くんが朝比奈さんを復活させたように、古泉くんと朝比奈さんが戦っているように、それぞれが自分の役割を無意識にしろ、理解していたがためにその役目を最大限に生かし、僕たち全員が今、ここにいる。
 だからキミにも役目がある。
 特殊な力があるなしじゃない。いや役目に特殊な力は関係ない。キミにしかできないことが何かある。それをキミが見つけ出すんだ。
 それがおそらくはここにいる全員を助けることに繋がることだろう。もっとも残念ながら僕にはそれが何なのかは分らないんだがね」
「俺の役割……俺のすべきこと……」
 佐々木の説明を聞いて俺もまた深刻な表情をした。
 長門を止めるにはどうすればいいか。
 ひとつは長門を抹消する。
 ひとつは長門を前の長門に戻す。
 俺の望みは当然後者だ。むろん俺だけじゃなく、橘京子と藤原と周防九曜は知らんが、後のみんなは俺と同じ気持ちだ。
「なあハルヒ……お前は俺に何ができると思う……?」
 視線を上空に据えたまま、俺はなんとなくハルヒにそう聞いてみた。
「真面目な話をするなら何もできないでしょうね。あ、言っておくけど、これは能動的手段って意味よ」
 だろうな。
 長門の力は強大だ。長門から見れば俺なんかミジンコ並みの力しかないわけで、気づかれない内に倒されてしまうってのがオチだ。
「あとはそうね。説得ができるかどうか、ってところかしら。でも、前にあたしがうまくいかなかったことがあんたにうまくできるとは思えないけどね」
 一言余計だ。
 が、残念ながら今のハルヒの言葉は的を射ている。
 俺でなくても大丈夫そうな気はするが、俺ができることと言えば言葉を長門に届けることだけだ。
 では、何と言えば長門の耳にそれが届くかだ。
 今の長門は俺の知っている長門じゃない。
 ハルヒは長門も苦しんでいるとは言っていたが、いや、実際に俺の目にもそう映るのだが、だからと言って普段の長門じゃないことだけは明白なんだ。
 そして佐々木の言葉も間違いじゃない。
 今の長門が本当なのか、それともいつもの長門が本当なのかの区別が俺にも付かないんだ。
 どうする?
 ……いや待てよ……?
 俺の脳裏に一つの考えが浮かぶ。




 もう向かってきてほしくない……

 わたしは目の前の……古泉一樹に切にそう願う。

 向かってくればわたしはまた貴方を……

 理解不能……

 思考ではわたしはこれ以上の戦いを望んでいない……でも……身体機能は防衛本能が失われていない……

 ターミネートモードが……解除できない……

 しかし古泉一樹はわたしの期待を裏切る……再び……わたしへと向かってくる……

「うぐっ!」

 ターミネートモードは解除されない。

 できることと言えば、攻撃意志を抑えることのみ……

 どうすればいい? どうしたらいい?

「長門!」

 そんな意味不明のバグエラーが積み重なるわたしの聴覚がとある声を捉えた。




 俺は精一杯の声を張り上げた。
 俺の声が長門に届いているかどうかはなんとも言えん。なぜなら長門がこちらに視線を移さないからだ。
 その視線の先に居るのは今、常に自分に向かってくる相手、古泉がいる。
 おそらく隙を見せたくないのだろう。しかし構わん!
「長門! お前も役割と快楽の両方を楽しめばいいんだよ!」
 今一度、俺は大声を張り上げる。
 そうさ。もうどこにも隠す必要なんざない。
 ハルヒは俺たちの正体を知ってしまったんだ。なら、真実を告げても問題にならん。
「古泉や朝比奈さんが自分の役割を果たしながら、SOS団の活動を楽しんでいるように! お前もハルヒを注視しつつ、普段を楽しんで構わないんだ!」
 当然だ。
 役目があるからと言って、物事を楽しんじゃいけない、なんて法律なんざないんだ。
 ハルヒの力の所為かどうかは知らんが今の長門は、自分のことを『対有機生命体コンタクト用インターフェース』、つまりはアンドロイドだと思っているんだ。
 てことは今、自分が感じている気持ちが自分に組み込まれたプログラムに無いと思っているからこそ、その葛藤がエラーとなったと思いこんでいるんだ。
 だからこそ、自我を持つことと任務への責務のどちらが正しいのかが解らなくなって、前の時みたいに何もかも、自分さえも壊してしまおうと考えてしまったのかもしれん。
 なら、答えは簡単だ。
 両方とも楽しめばいいんだ。そうすれば、長門は長門でいられるはずだ!
「だから――だから普段の長門に戻ってくれ! 今の俺の言葉が届くならお前はもう悩む必要はないはずだ!」
 俺の嘆願に等しい咆哮に、明らかに長門の様子が変化した。
 その場にまるで立ち尽くすかのように静止する。
 が、タイミングが悪かったようだ。
「な、長門さん!」
 突っ込んできた古泉のタックルをもろに受けてしまったのである。
 吹っ飛ばされた先に待つのは――
「今!」
 佐々木が声を上げた。


 そう――ハルヒと佐々木の閉鎖空間の境界線――


 って、待て佐々木! 今、長門は元に戻りかけたはずだ!
「そうさ。だからチャンスじゃないか」
 んな!?
「今なら長門さんは自分のエラー部分を切り離せるはずだ。そしてそれが我々の一番望んだことだろ?」
 佐々木のいつものどこか含み笑いっぽい笑顔が遠くなる。
「じゃあキョン、僕たちは先に元の世界で待っているよ。もちろん、長門さんも一緒にだ」
 佐々木が足で引いたラインに沿って、まるで大地が割れたように俺たちは互いに遠くなっていく。割れた大地の底は漆黒の闇が永遠に続くのみ。
「またね」
 今度は打って変わって、まるで一年五組初代クラス委員長のような笑顔を見せる佐々木がさらに遠くなり、やがて完全に見えなくなる。その後ろには橘京子、藤原、周防九曜もいる。三者三様に佐々木とはまた違った表情を浮かべて――




 彼はわたしの知りたい答えを言ってくれた……

 それがキーワードとなり、わたしからターミネートモードが解除された……

 これが古泉一樹の攻撃を受けてしまった理由……

 わたしは今、次元断層の狭間の真下に居る……

 上空には行ってしまえばもう二度と戻ることのできない狭間の吸引力がわたしをトラストする……

 確かに彼が佐々木と呼んでいた彼女の言葉通り、今ならばわたしは今のわたしが思う異常をきたしたプログラムを切り離しあの向こうへと追いやれることだろう……

 しかしわたしは許されない……わたし自身がわたしを許せない……

 涼宮ハルヒを悲しませ、古泉一樹を傷つけ、朝比奈みくるを嘆かせて、そして彼に心配をかけて……

 ……? なぜこんなことをわたしは思う……?

 わたしは自律意志で世界を改変したのではなかったか……?

 しかしもうそんなことはどうでもよくなっている……

 ならば……わたしが取るべき道は一つ……




 上空で、長門が俺たちに視線を向けたと思ったら、
 って、なんだと!? んな馬鹿な!?
「み、みくるビーム!」
 慌てて朝比奈さんが左目から再び怪光線を放つ!
 もちろん、俺だってまさか長門がまた、光の粒子を俺たちに向かって放つなんて少しも思わなかったんだ。
 だから朝比奈さんが慌てて撃っても仕方がないってもんだ。
 俺たちから見た長門はいつもの長門に戻ったように見えたんだ! じゃなけりゃ長門が古泉の攻撃を受けるはずがない!
 じゃあ何か? まさか、異常動作をしていたと思っていあの長門が本来の長門なのか!?
 が!
「なっ!?」「うそ!?」「えっ!?」
 俺と朝比奈さんとハルヒの驚嘆の声が漏れる!
 そりゃそうだ。
 朝比奈さんのレーザーが長門の光の粒子を打ち砕いたんだ!
 そんなはずはない!
 しかもその勢いは衰えないままなんだぜ!?
「そんな! あたしのレーザーと長門さんの粒子砲の威力は同じはずなのに!? なんで!?」
 朝比奈さんが泣きそうな声で絶叫を上げるがもう遅い!
 その先には当然、長門がいる!
「長門、避けろ!」「有希、逃げて!」
 悲痛の叫びで声を上げる俺とハルヒ!
 もちろん俺たちだって焦ったさ! だから、とっさに出る言葉は当然長門を守るための言葉に決まっている! なんたって俺には超能力なんてものはない! テレポテーションなんて不可能だ!
 避けることを推奨するしかできない!
「長門さん!」
 古泉が長門へと手を伸ばす!
 しかし――
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 俺は、いや俺だけじゃない!
 ハルヒも朝比奈さんもそして、古泉も驚嘆に目を見張ったんだ!
 なぜなら――


 鈍く濁った、それでいて重い震動が周囲を震わせて。
 この場が白黒反転する衝撃に支配され、俺たちの全てが止まる。ただ一点だけを凝視して。


 そう――長門がすべてを受け入れるような、どこか悟りきったような表情で瞳を伏せ、朝比奈さんの放ったレーザーに自身の眉間を貫かせたから……

 

 

YUKI burst error ⅩⅡ

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