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  • 幸せの定義

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

幸せの定義

最終更新:2020年03月13日 09:19

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集
「キョンって子供は何人欲しい?」

湯呑みへと液体が注がれる独特の音色を耳にしながら、鼻腔を擽る何とも「和」らしい匂いを感じ碁盤を睨みつける。
暖房器具があろうとも貴金属は一定の温度を保ち、触れればひんやりとしたものを感じさせ、恰も冬らしい冬を演出している。
たまに乾燥した部屋を換気させるために開ける窓から訪れる寒気に身震いするのも、冬の一幕。
各々が変わらぬ、何時もと同じ日常を過ごしている時に、その一言はやってきた。

「なんだその質問は、意図が解らん。」

唐突なのは、別段変わりない事。
その内容は何時だって驚かされるものなのに、その驚かされるという事に慣れているというのは矛盾も良いところだ。

「別に、暇だから。あるでしょ、人生設計みたいなの。」

ただ、今回は驚きの内容も少し勝手が違う。
何というか、ハルヒから驚かされる事は、正常な人間ならば到底理解出来ない理ばかり。
非日常的なものを求めるが故の非日常的行動、そういう風に思える節だってある。というか実際そうだ。
それ故に、今回の質問には少々驚かされる。
何となくだが、唐突にこの質問をされても戸惑いはあるだろうが、日常内ではあってもおかしくない質問だと思う。
言うなら常人がそれを聞いてきても別段おかしくない内容だけにハルヒには似合わない、なんて思うわけだ。

「唐突という点を除けば、お前らしくない質問だ。」

「何ソレ?」

吊り上げられる目と眉。
少々の不機嫌さを表しながら、「理由は?」と無言で語り掛けてくる。

「一般人ならしそうである質問だからな、お前らしいとは思えなかった。」

別段隠す理由も無いので、きっぱりと思うがままに口から零す。

「日常的とか非日常的とかじゃないでしょ、こういうのは。」

勿論そんなものは解っているが、何分お前さんとこうして付き合い始めたらその当然の常識が欠落していくのだ、と心の中で返事をするが
口にするだけで色々と面倒そうなので結局は心の中だけで言う。

「『幸せ』を求めるが故の妄想。『幸せ』になる為への道標。
人生設計ってのは、自分がこうしたい、こうでありたいという自分だけの『幸せ』の定義の産物。」

何となくその説明口調が長門っぽい。
透き通る声で、感情が目一杯詰まってるというところ以外だけだが。

「そんな自分だけの『幸せ』に、日常も非日常もないのよ。
誰も馬鹿に出来ないし、してはいけない。それはその人の『幸せ』の定義なんだから。」

それがハルヒの考えなら否定もしないし肯定もしない。まぁ、どちらかと言うなら肯定できる。
ならば、そうやすやすと質問するのもどうかとは思ってしまうのは捻くれているからとかではないと思う。

「何も馬鹿正直に全てを語れ、って言わないわよ。
あんたにだってあるでしょ、『結婚したら子供は何人ぐらい欲しい』とか考えたことぐらい。」

真剣にでは無く曖昧にではあるが、似たようなことなら考えたことはある。
どちらにせよ、そんなものは恥ずかしくて誰にも語る気はしないが。

「些細な夢の未来の欠片を教えて欲しいって言ってるの。」

ことん、と静かに置かれた湯呑み。
置くタイミングを計っていたのだろう。朝比奈さんは、実にキリの良いところでお茶を提供してくれた。
可愛らしい「どうぞ。」という声に笑顔付きで。

まぁ、無理とは解っているがタイミングを計るということぐらいはハルヒにもできてほしいものだ。
そんなありもしないことを願いながら順々に湯呑みを置いていく朝比奈さんを眺め、ごくりと一口茶を啜る。

「で、あんたは何人ぐらい子供が欲しいの?」

何時ものことに比べれば、幾分答えられやすい質問だ。
しかし、子供ねぇ。曖昧としか考えてなかっただけに少し頭を捻ってしまう。
ハルヒにとってもただ、他人はどう思ってるのか不意にちょっとした好奇心で疑問に思ったのだろう。
話題を振られたということもあるだろうが、幾分自分にもその好奇心が植え付けられているのだから。
だから、自分にもう少し考える時間を持つことと、他人の答えを聞きたいが為に、その質問を別の人間へと移す。

「古泉は、どうだ、考えたことあるか?」

突然自分に話題を振られたにも関わらず、動揺もせず、何時もの笑顔を貼り付けたまま口を開く。
何となくそのにこにこ顔が何時もよりも強めに出ているのは気のせいにしても、早く次の手を打って欲しいものだ、勝負が再開されない。
まさか、こちらの遣り取りを見ている方がおもしろいからという理由で、何もしてなかったのではないだろうな。

「僕ですか?んー、そうですね・・・、やはり一人は欲しいと思いますよ。」

まぁ、何が基準になっているのか自分でもさっぱりなのだが、それが妥当だろうと思ってしまう。

「性別は?」

「強いて言うなら・・・女の子でしょうか。特に理由はありませんけど。」

成る程、どこまでも有り勝ちでどこまでも普通の答えなのだが、詰まらないとは思わない。
他人の人生設計が垣間見えるというのは、適切な言葉ではないだろうがおもしろいものだ。

「朝比奈さんは?」

全員に茶を配り終えた朝比奈さんは質問をされるとは思っていなくとも、自分の中でそれなりの設計をしていたのだろう。
考える素振りも見せぬまま、すらすらと答えてくれた。

「そうですね、子供って可愛いですし、たくさん欲しいって思っちゃいますね。」

現実ではそのたくさんというのは経済的に無理があるだろうが、良い答えだ。
その答えも朝比奈さんらしいとさえ感じてしまう。
ただ、それを想像するとお母さんよりも保母さんの方が朝比奈さんには似合っていると思うのは失礼なのだろうか。

「長門は?」

今までと何も変わらず、これからも変わることはないだろう。いや、変わるとすれば読んでいる本ぐらいか。
こんな話になろうとも読書に耽たまま、取り留めて関心や興味を惹かれることもなく、ただ淡々と文を読んでいる。
それが解っているだけに、こうやって長門へと質問をぶつけるのはどうかと思うし、答えも淡白なもんだろう。
別段何かを期待しているわけじゃないし、それが長門という存在なのだ。

「ふたり」

ぼそり、とそれだけを何時もの長門の口調で答える。
単調な答えではあるが、俺の個人的意見としては長門なら、いらない、やら、興味ない、などそんな答えが返ってくるとばかり思っていた。
いや、普段の長門を知っているが故の意見だ。悪意があってのことではない、ということだけは理解して欲しい。
そんな長門がこうやって明確な定義を答えてくれている。
古泉と同じく性別なども詳しく聞きたいと思う欲求はあったが、何となくやめておくことにした。

それにしても、全てが本気でのことにないにしろ、皆それぞれ曖昧ながらの考えは持っているものなのだな。
他人のそれに触れることは何となしではあるが、くすぐったい暖かさを感じるがどこか寂しさも感じる。
先へと進む為、それをするが為の考えだからだろうか。

「で、あんたは?」

そんな風に心で哀愁を噛み締めていた自分に、その質問を答える順が回ってきた。
考える時を得る為に回した質問だったが、他人と自分の違いに関心ばかり抱くだけで、肝心の自分の考えを纏めていない。

「あー、いやまぁ、そうだな・・・。」

真剣に考える必要性はないのは解っているのだが、どうも適当に答えるわけにもいかない気がする。
変な緊張感に襲われながらも、曖昧ではあるものの自分の定義とやらを答えてみる。

「うむ、やはり1人は欲しいよな、やっぱり。」

どちらかで答えるなら子供は好きだ。妹がいるということもあってのことだろう。
小さい頃から妹の面倒は良く見ていた方だとは思うし、可愛がっていたつもりだ。
それが自分の子供となれば、まだ理解できない感情ではあるが、愛せないわけがない。

「へぇ、性別は?」

「んー・・・、どっちでも。」

「ふーん。」

興味があるのか無いのか、良く解らない答え。
まぁ、俄然興味が無い答えなのだろうが、自分から始めた質問なのだから、もっとこう、喰いついてくるなりなんなりするのが言い出した者の責任ではないかと思う。

「二人とか三人じゃ嫌?」

そんな俺の心の声が届いたのか、はたまたただの気紛れか、どちらにせよ、質問の考案者らしく、話題を膨らませる追加の質問がやってきた。

「いや、多ければ多いほど良いとは思う。子供は好きだしな。」

「じゃあ、何で一人なのよ?」

「現実を思えばの結果だ、やはり子育てというのは大変だろうからな。」

その答えがハルヒ的にはよろしくなかったのだろう、ぶちぶちと、現実とか考えるな、と不機嫌さを配慮させることなくこちらへと投げ掛ける。
まぁ、何時ものことだが。

「それじゃあ、そんな現実家なキョン君は一体どんな家に住みたいのかしら?」

まいった、どうやら先ほどの答えのお陰で罰が自分に下ることになったようだ。
まぁ、普段のものに比べれば心にも財布にも優しいので、少々の羞恥心ぐらいなら喜んで我慢し、答えられる範囲で答えさせて貰おう。
勿論、範囲が広い逆鱗に触れないように、現実的に考えず。

「在り来たりだが、白い庭付き一軒家。」

「王道ですね。」

透かさず入る的確な突っ込み。ちょっと期待していただけに、突っ込んでくれた古泉に感謝してしまう。

「王道だから良いんですよねー、お庭でぽかぽかお日様に照らされながらお昼寝とか。」

「ですね。両隣に奥さんと子供が一緒にとなれば更にモアベターです。」

ちょっと想像してみた。
が、自分の想像という概念のボキャブラリーの少なさが仇となり、もやもやとした妄想部屋で広がる絵はSOS団の面々が仲良く日向ぼっこなんかしている図。
まぁ、これはこれで良い絵だな、とは思いつつ、少し照れてしまう。

「その隣にいる奥さんはやっぱり美人?」

なるほど、一問一答形式の罰、か。
こんなので罰になるのかねぇ、と思ってしまうが、もしハルヒと出会う前の自分なら小っ恥ずかしくて言わない、の一点張りだっただろうな。
いやはや、慣れとは本当に恐ろしい。

「そんなものは俺の『幸せ』の定義には関係ない。俺の奥さんというポジションにいるなら、それはどんな人であれ俺が愛する人だ。」

言ってから自己嫌悪。本音と言えば本音なのだが、あれだ、臭すぎる。
なーに、言ってくれちゃってんの、俺は。
これも慣れによる羞恥心の弱体を露にしているのかね、それはとても重要な懸案事項だぞ。
しかし、まぁ、ハルヒの質問に少し苛立ちを覚え、一気に捲くし立てた感もある。

その質問はどれほどの頻度かは解らんが、有り勝ちな部類の質問だ。
それに対して、胸が大きい人が良い、やら、超美人じゃないと嫌だ、とか答える者もこの昨今多いことだろう。
だがそこにいるのは妻というポジション、つまりは自分の確固たる愛を授ける人だ。
何時の時代も、自分の好みと反する人が自分の隣で笑っている、という事態があってもおかしくない。
それをあーだこーだと自分色の『もの』を、想像という原理内でも造り出すのは如何なものか。

勿論、そんな答えもそれぞれ己の定義なので反論はしない。属にイメージされる宇宙人姿の奥さんは誰だって嫌だろうし。
が、納得はしない。
だから納得がいかなくとも俺の定義にも反論してほしいものではない。
なので、この場合文句を言えるのは俺だけの特権。

臭いったらありゃしない。馬鹿じゃなかろかね?

「素敵な答えですね。僕には考えるどころか思い付きもしませんでした。」

普段の笑顔より少々軟らかい雰囲気を持ちながら、感嘆的な感想。
いつも思うのだが、本当に古泉がここにいてくれて良かったと思う。今の発言をしたから余計に。
割合的に女性の方が多いこの団で、ぽろりと無意識に零す臭い台詞は何だか好かれようとしての発言と思われてしまいそうだ。
簡単に言えばポイント稼ぎってやつだな。

それを同姓のコイツがいるお陰で何となしではあるが中和されている感はある。
まぁ、結局のところ、自分がそう思うことで安堵感を得たいだけなのだが。

でも、色々な面でお前がいてくれて良かったよ、ほんと。むかつくからそんな事言ってやらんけどな。

「キョン君らしいです。そんな風に想われたら幸せなんだろうなぁ・・。」

薄っすらと目を細めてどこか遠くを見ているかのように瞳の焦点を合わせぬまま、思い耽っているのだろう。
貴方が望むなら何時だって俺はそう思いますよ。ええ、想いますとも。

「ま、72点ってところかしら。ギリギリ合格ね。」

そんな強い希望を胸に秘めた俺に、どこか冷めた口調でそんな事を言われる。
なんの採点だ、なんの。
訳が解らないうちに点数を付けられて不愉快ではあったが、70点が合格ラインだというのだけは理解できた。

「で、愛情溢れるキョン君は、奥さんには何を求むの?」

なんだよ、まだあんのかよ。
どうせ拒否したところで無駄なのは解っているが、精一杯の抵抗として溜め息の1つは漏らさせて貰う。

そうだな・・・、と一言だけ零し暫し考える。
どこか期待というか楽しみにしているというか、目を輝かせて俺の言葉を待つ朝比奈さんと古泉は自分らでその質問を自分に例えて考えているのはやめたようだ。
何となく白状だと感じる。
長門は長門でいつもどおり興味無し、と言わんばかりにぺらりぺらり、と一定のタミングでページを捲りどこか現実離れしている音を奏でている。

「愛してくれること。浮気しないこと。俺よりも先に死なないこと。」

如何で御座いましょう、ハルヒ嬢?
貴方が嫌ってやまない、普通の条件が出揃って御座います。
雑用係の私としましては、これでも精一杯のことなのです、故に私はまだまだ一般人の部類でしょう。

つまり何が良いたいかと申しますと。こん畜生、死ぬほど恥ずかしいぞ!ってことなのです。

「なにあんた?女の子みたいなこと言っちゃって。」

ケラケラとそれはもうおもしろそうに笑う姿。
人様の情事にこうも笑えるものかと、憤慨しそうになるが、確かに自分の言った事柄は全て、乙女が言いそうなこと。

何、馬鹿正直に答えちゃってんの?
そんな言葉が頭でリフレインし、なぜか「はははは」と口から笑いとも取れない言葉だけが零れてくる。

「いやいや、強ち馬鹿にしたものじゃないですよ?どれも大切なことではあります。」

「簡単に言えることだからこそ難しいものですもんねぇ。」

フォローするかの如く、2人がやんわり相槌を打ってくれる。
が、さすがにこれは似合わなかったのだろう、心成しか2人とも肩が時折、ビクッと震える。まるで笑いを堪えるように。
長門に到っては、見た目は普段と変わらないが一向に本のページを捲ろうとしない。
ええい、忌々しいったらありゃせん。

「愛して貰えないとやっぱり不安?」

まだ笑みを壊さず、玩具を玩ぶかの如くまたまた質問を投げ掛ける。
正直、精神的に苦痛を強いられるものだが、如何せん、何かが吹っ切れてしまった。
後は野となれ山となれ、だ。

「相思相愛を望んで何が悪い。」

うんうん、と呼吸ぴったりに古泉と朝比奈さんが頷く。
そのポジションにいる古泉を妬ましく思うものの、ハルヒの止まらぬ投げ掛けに、余計な考えはできそうにもない。

「ほー、アンタからそんな単語を聞けるなんて、明日は槍でも降りそうね。じゃあ、やっぱり浮気されたらショック?」

「へこむ自信はある。というか立ち直れんかもしれん。」

「意外にも硝子のハート?あんたの心には毛でも生えてると思ったのに。」

貴様だけには言われとうないわ!!
声を大にして言いたいことが、これほどまでにあっただろうか?
ま、当然ではあるがこんな言葉を言ってしまえば、恐ろしい目に合うので、これまた心の中に収めておく。
今まで収めてきたものを見ることができるなら、そりゃあもう俺の中は満員御礼のぎっしり状態だ。
俺がそのうち閉鎖空間を生み出しても何の疑問もないぞ。

「で、愛する人の死に際は見たくないってわけ?」

「先に逝かれたら、これまた立ち直れる自信がない。」

「それは相手も一緒じゃないの?それってアンタの我が侭なんじゃない?」

「だろうな。2人同時にぽっくりと、というのが理想だ。」

「何の理想だか。」

やれやれ、とでも言いた気に両手を出して溜め息を漏らす。古泉の真似でもしてるつもりか?

「やれやれ。」

で、言ってるし。

「キョンにこんな事聞いても仕方なかったわね。ま、ちょっとした退屈しのぎにはなったわ。」

あれだけの質問をしておいて良く言うもんだ。
取りあえずは、自分への質問はこれにて終了、ということに安堵するべきなのだろうな。

結局何時ものハルヒに振り回されるぐらい疲れた。たまんねぇよ。

で、そこでふと思い立った。
この中で何1つ質問に答えていない奴がいるんじゃないか?
というか答えてない。
まぁ、発案者だから、と言うことで何となしに除外していたが、少なからずある興味心と逆襲のつもりで、自分が問われた言葉をそのまま返す。

「ハルヒは何人子供が欲しいんだ?」

「答える必要はないわ。」

あっさり終了。おい、こら、それアリか?
今までSOS団として盛り上がってた会話――もっぱら俺の回答で楽しんでるだけだったが――だぞ。
団長様がそれに乗らなくてどうするよ?別に、ゲームを遣り込んでいるかどうか聞いてるんじゃない。なんだ、必要はない、って。
正直、予想していたがな。

「と、言いたいところだけど教えて上げないこともないわよ。」

理不尽なハルヒ法律に憤りを感じている所に、意外にもハルヒらしからぬ答えが返ってきた。
それは周りの3人も同じだったらしく、古泉はおや?と言いながらニコニコ顔をして、朝比奈さんは大きく目を見開いて何度も瞬きしている。少々、驚きすぎだ。
長門に到っては、表情は変わらずとも、本から目線を外して、ハルヒに向けている。

「何よ、みんなして。」

そんな各々の態度が気に喰わなかったのだろうか、不機嫌さを表すように頬をぷくっと膨らませ、怒っていることをアピールする。
ふん、そんな姿が可愛いとは言ってやらんし、思ってもやらん。

「だったら聞こうじゃないか、子供は何人欲しい?」

「お願いします、は?」

おい、今直ぐ俺に優秀な弁護士を雇ってくれ。
この独裁者、涼宮 ハルヒを日本社会に置ける正規に則った制度で、清く正しく罰せられるべきだ。
強いてはどんな相手だろうと指先を突きつけて「異議あり!」なんて叫ぶ弁護士が良い。
コイツの証言に何回突っ込むことになるか解らんが。

「ほらほら、お願いします、は?」

殊更、嫌みったらしい笑顔を見せ付け、っつーか顔を持ってくるな、気持ち悪い。近いんだよ。
って、待て。
俺か?俺が言わないといけないのか?
そんな理不尽な事があってたまるか、それならば俺の全ての暴露に対して1つ1つ「オネガイシマス」と土下座付きで今からでも言うべきだ。
なんて、至極当然のことを思っていたのだが。

ギラリ、と光る6つの瞳。
未来人、宇宙人、超能力者の2つずつの瞳が俺を捕らえて離さない。
嘘でしょ?なんて懇願の目をくるりと6つの瞳に向けるが、駄目、の一言が書かれた瞳で返される。
今ほど力が欲しいと思ったことがない。後々、力が勝手に暴走することになってもかまわないから。

「・・・・・オネガイシマス。」

しかし、SOS団唯一のしがない一般高校生の俺には何の術もなく、結局のところこうやって三つ指付きながらぺこり、と頭を下げている。
間違いない、今日『も』仏滅だ。明日『も』仏滅だ。

そんな俺の態度にお嬢様はお気に召されたようで。
椅子を引き、仁王立ちしたかと思えば満面の笑みですらすらと述べていく。

「その耳の穴かっぽじってよーく聞きなさい。子供は1人!私は何人でも良いけど相手があんまり面倒見てくれなさそうだからね。
家は、まぁ、相手が不甲斐ないし庭付きの一軒家で許すとしても、私を毎日退屈させないこと、毎日『好き』と言うこと、浮気なんてその場で打ち首獄門、読んで字の如く地獄を見せるわ。
で、絶対に何時までも一緒にいてくれること!」

述べていく、というか一気に捲くし立てられた。
ハルヒらしいと言えばハルヒらしいんだが、ぶっちゃけ恥じらって欲しかった。
ハルヒが少しでも、ほんの少しでも、鉋で削ったほどでも、鰹節ほどでも恥じらいを見せてくれさえいれば、少しは自分が救われた。
これじゃあ、あの反応をした俺が乙女ではないか。

キョン、行くわよ?ええ、良くってよ、なんて言い合いながら駆け出すか?何処に?あの世だな、俺だけ。

「ふふん!」

で、言いたいことを言ってのけました、と豪快に鼻を鳴らし、どうだ!と言わんばかりの勝利を確信した表情。
さっきの点数といい何を競ってんだ、コイツ?

さてさて、さきほどの早口言葉を、脳から取り出すのが不可能になる前に整理してみるか。
子供は1人。まぁ、妥当だな。
家は庭付き一軒家。王道だ。
相手に望む条件は、退屈させないこと。ハルヒらしいわな。
毎日『好き』ということ。恋愛感情は一種の精神病と言ってた癖にしっかり乙女してるじゃないか。なんだ、忌々しい。
浮気は打ち首獄門。どこの時代劇だよ、久しぶりに聞いて驚いたぞ。しかもどんなことをするのが打ち首獄門か知らないが、コイツならやりそうだ。否、やるな。
で、最後は何時までも一緒に。思いっきり乙女じゃないか。これをもう少し恥じらいを込めて頬でも染めてたら二重丸をくれてやったぞ。

ふと、思った。
おい、ちょっと待て。
これほとんど俺が言ったやつと一緒じゃないか。妙な違和感はそういうことか。
あれか、あれですか。
てめぇに教える答えはねぇ!ってやつですか?


久々にキレちまった、グランドに行こうぜ。

勢い良く立ち上がり抗議の声を高らかと、宣言するかのように叫ぼうとした。

だが、そこにはまたしても6つの瞳。
その瞳達は1億6千万の瞳を圧倒するほどのパワーをひしひしと感じる。現に立ち上がれないのだから。

で、馬鹿にされた自分にどうしてこんな仕打ちをされないといけないのかほとほと疑問だ。
それぞれの瞳には、なにか言うべきことがあるだろう、なんて圧力も込められているし。
一体全体何だって言うんだ?
取り合えず、ハルヒが言った事柄はほとんど全て俺のもの、だ。
となれば、否定なんてせずに、ここは肯定的意見を述べておくのが一番だろう。

「中々、良いんじゃないか?」

こんなことしか言えないが、今回は憂鬱にならずにすみそうだ。
当然だろう?本来なら怒るべき場面で、それ以外の事をコメントしなければならないのだから。
但し問題なのはこのコメントで正解だったのかどうかと言うことだが。

「でしょ~?」

どうやら正しいコメントだったようだ。
ほっ、と一安心し、6つの瞳にこれで良いんだろう?と目配らせをする。


なんでしょう、この冷めた目線。
はぁー、と大きな溜め息を漏らされるわ、がっかりです、と言わんばかりの目で睨まれるわ、ぼそりと、幻滅、なんて言われるわ。
もうどうしたら良いんだよ。訳が解らん。

がっくりと頭を項垂れて自分の不幸を味わっていると、1人テンションの高い、嬉々とした声が頭上から聞こえてくる。

「そういえば、もう1つ質問あったの忘れてたわ。」

なんだ、まだあったのか。

正直なところ、その質問が有り難いと思ってしまう。
だって、そうだろ?こんな居た堪れない状況で、それを打破できる可能性があるのだから。

「なんだ?」

にやっ、と猫が笑うとこんな感じなんだろうな、と思わせる笑顔で指先を突き出してこう言った。

「プロポーズするならどんな言葉?」

もはや反論する気も起きない。こんな質問を有り難いと思ってしまった自分を呪うね。心底。
ま、でも、ここは真剣に答えるものでもないし、元々そんな言葉用意していない。
ならば、在り来たりだが一番解りやすいもので今は妥協するのが一番だろう。

「無難に『愛してる、結婚しよう』みたいなもんだろうな。」

それを聞いた途端、ハルヒは目頭に手をやりほんとに困ったもんだ、と言わんばかりに眉を吊り上げる。
器用なやつだ。

「ほんと困った奴ね。」

で、言うんですね、やっぱり。

「ぜっんぜん足りない!『俺にはお前しかいない。世界で唯一お前しか愛さない。どうか、一生、いや、永遠に俺の隣にいてくれないか?』ぐらいは欲しいわね!」

あらやだ、ハルヒさん、だっいたん。
しかし、なんだ足りないというのは?
別に本当にこれを使うわけでもないし、ハルヒに基準を決められるものでもない。まぁ、女の子の意見は貴重なので有り難いことにはなるが。
この場合、ハルヒっていうのがなぁ。しかし、結構真ともなことも言っている。
っつーかそれってお前の願望じゃないのか?それを俺に押し付けるのはどうかと思うぞ。

そんな言葉がもう喉元まで出掛けていたのだが
パタン、と。
お決まりの閉会式が行われ、本日の団はこれにて終了と相成った。
って、もうそんな時間か?

「さーて、それじゃあ帰りましょうか!」

晴れ晴れと、すっきりとした表情で両手を腰に当てながら不適に笑う。
対する俺は、言い掛けたことを言えないままもやもやとした気持ちを残したままである。

帰り支度をしながら、先ほどとは違い、まぁ、それが貴方らしいですよ、と三者三様の目線を向けられ部室を後にする。
それが余計にもやもやとした気持ちがしこりとなって大きくなる。

結局、3人が求めてた答えはなんだったのか解らないし、教えてもくれないだろう。
ま、これからも知る術はないんだろうな。

すい、と目を外に向ければカラスがアホー、と言いながら羽ばたくにはお似合いの紅い夕焼け。
どれだけ夢中になってたんだか。
ま、でも相も変わらず楽しめましたよ。それだけは確か。
非日常の中の日常か、はたまた日常の中の非日常か。
どちらにせよ、これからもこうやって続いていくんだろうな。それもまた確か。

なーんて、哀愁漂わせる俺にハルヒはベシッ!と背中を大きく叩き、今日一番の輝く笑顔で言ってくれた。

「ほら、何ボサッとしてんのよ!さっさと行くわよ!」

そんな、悪くない笑顔を見ながら曖昧にも、ああ、と答えながら、唐突に、本当に唐突だが


1人目の子供は奥さん似の可愛い女の子が良いな、なんて思ってしまった。

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