あ!やせいのヒグマがとびだしてきた!


「あれはタケシだ!おーいタケシー!聞こえるかー!?」
サトシか!?無事だったのか!」

ポケモンマスターを目指し旅を続ける少年サトシと
ポケモンブリーダーを目指しサトシ達と共に旅を続ける少年タケシ。
ゲーム開始直後に彼らは運良く合流することに成功した。

「大丈夫だったか?タケシ」
「あぁ、今のところはまだあのヒグマというのには見つかってない。サトシはどうだ?」
「俺もまだ見てないぜ。なぁタケシ、あのヒグマっていうのはポケモンなのかな?」

タケシに率直な疑問をぶつけるサトシ。彼らの世界での生き物はポケモンであり
ヒグマは存在しないのだ。インドゾウについては深く考えないで欲しい。

「いや、あのポケモンは見たことないな・・・リングマとは違うし別の地方のポケモンかもしれないな・・・」
「新しいポケモンだったらこれでゲットできるかもしれないぜ」

サトシは持っていたカバンを漁ってある物を取り出した

「これが入ってたんだよ」
「これは・・・モンスターボールじゃないか」

サトシが取り出したものは赤と白の球体、名前はモンスターボール。
野生のポケモンを捕まえるのに欠かせないポケモン界を生きるにおいて重要なアイテムだ。

「これがあるってことはあのヒグマをゲットできるかもしれないだろ?」
「けどなサトシ、もしゲットできなかったら・・・」

彼らの話し合いはここで遮られることになる。
二人の横を眩い光の光線が突然突き抜けていったのだ。
今まで生えていた木々はなぎ倒され少しばかりの熱気が充満する。

「タ・・・タケシ・・・今のはまさか・・・」
「多分・・・破壊光線だ・・・」

急な事態に色を失った彼らの前に現れたのは・・・説明するまでもなくヒグマ
いやリングマの技を使うヒグマ、ヒリングマである。

「出た・・・出た!サトシ逃げるぞ!!」
「待ってくれタケシ、あのポケモンゲットしてみる!」

取り出したボールを手に持ちサトシはヒリングマと目線をあわせる。
ポケモンならモンスターボールでゲットできるはずだ。サトシは覚悟を決めた。

「無茶だサトシ!あれはリングマじゃないしポケモンかどうかも分からないんだぞ!」
「そんなのやってみないとわからないぜ!」
「捕まえられる保証なんかない!早く逃げよう!」
「破壊光線ができるってことはポケモンかもしれないってことだろ!」

タケシの説得を尻目にモンスターボールの中央のボタンを押し歩を進めるサトシ。
今まさに2人に襲いかからんとする獰猛な捕食者にサトシは戸惑うことなく近づいていく。

「いけ、モンスターボール!!」

ヒグマが攻撃する前にサトシはモンスターボールをヒリングマに投げた。
彼の放ったモンスターボールはヒリングマを飲み込み地面に落下する。



だめだ!ボールからヒリングマがでてしまった!




しかしヒリングマは捕獲されることなく速攻にボールから出てしまった。

「くそっ、やっぱり駄目だ!サトシ、早く逃げ・・・」

タケシの言葉はサトシに届くことはなかった。
ボールから出たヒリングマは反応させる余裕を与えることなくサトシの体を切り裂いた。
そして止めとばかりに重い拳をサトシの頭上から叩きつける。
サトシは縦に踏み潰された空き缶のように圧縮され呆気なく惨殺された。

長い間共に旅を続けた友の突然の死。
何が起こったのか一瞬理解できなかった。しかし思考はすぐに元に戻った。

サトシが惨たらしく殺された。次にあのように殺されるのは「自分」だ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

死にたくない、あのようになりたくない。
恐怖に駆られたタケシは脇目もふらず全力疾走で逃走した。

ヒリングマはタケシを追わなかった。
理由は単純空腹だったからである。
食べやすいようにペシャンコにしたサトシにヒリングマは齧り付くのであった

【F-8森/深夜】

【タケシ@ポケットモンスター】
状態:恐怖
装備:無し
道具:基本支給品、ランダム支給品0~2
基本思考:逃げる
※支給品は確認していません


【ヒリングマ】
状態:食事中
装備:無し
道具:無し
基本思考:取り敢えず狩った獲物を食べる
※リングマの技を使えます
※見た目は普通のヒグマです

※サトシの支給品F-8の森に落ちています

【サトシ@ポケットモンスター 死亡確認】


No.021:地上最強の生物対ハンター 投下順 No.024:銀と銀
No.021:地上最強の生物対ハンター 時系列順 No.024:銀と銀
サトシ 死亡
タケシ No.040一流の仕事
ヒリングマ No.078俺は人間じゃない

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最終更新:2014年10月04日 20:50