浅倉威の猛烈な攻勢を前に、瑞鶴は苦戦していた。
それは技術的、力量的な差の問題というよりもむしろ、彼女が単にこの毛むくじゃらの全裸の筋肉モリモリマッチョマンの変態を、生理的に受け入れられなかったがゆえのことであった。
「ひやぁあぁぁぁ!? いやぁぁあぁぁぁ!?」
「はっはっはっはっはァ――!!」
弓を構える手も震え、ろくに矢も番えられない彼女は、振り回される浅倉威の剛腕の前に、ほとんど逃げ惑うことしかできない。
彼女の視線はもはや、浅倉の股間で屹立し、攻撃の度にぶるんぶるんと躍動する逸物への恐怖にほとんどが占められている。
そんな瑞鶴の様子を遠巻きにしながらほくそ笑んでいるのは、金と純白の衣装に身を包んだ闇の商人、
武田観柳その人であった。
彼はシルクハットの中から取り出した純金を、おもむろに巨大な砲へと成型しながら、下卑た笑い声を零している。
「ふふふ、この隙に、この回転式機関砲であの女を撃ち殺すんですよ! 完璧ですね!」
「か、観柳さん、交渉するんじゃ……!?」
「さっきしたじゃないですか」
操真晴人が戸惑い混じりにたしなめる言葉を、彼はあっけらかんと受け流す。
金の機関砲を腰だめにして構え、遠方の戦いを望む彼の表情には、話し合う気配など微塵もない。
軽く指先の動きで昼夜にショーを生み出し、高い計算の末に瞬時に敵玉さえ買い取る。
それこそが武田観柳のやり口であった。
「こちらが丁寧にご説明したというのに、あちらは半狂乱になって攻撃してきた。
これでは、こちらも然るべき対応をしなければなりませんよねぇ?」
「なっ……!? 説明って言ったって、完全な脅しだったじゃないですか……。ヤクザの手口ですよ」
武田観柳の一行は瑞鶴に対して、この島の南西の端に作られた航空基地への黄金による質量爆撃とともに一応の説明を行なっていた。
それは、観柳のテレパシーブローチによる通信を妨害していたと思しき機構を破壊するための措置であり、同時に瑞鶴に対する威圧であった。
ある意味仕方ないものだったとは言え、そこで怯えた相手が抵抗してくるのは当然のことだ。
瑞鶴はそこで武田観柳たちに対し、弓から放った矢を戦闘機や爆撃機に変化させる手法で反攻した。
しかし、想像のついていたその攻撃手段は、浅倉威と操真晴人に容易く対処され、高高度に達する前にカンガルージョルトと狙撃で悉く撃墜された。
そのまま浅倉威はたちまち瑞鶴本人へと襲い掛かり、武田観柳は止めるそぶりもないまま今に至る。
晴人としては、この仕打ちは彼女に対して余りにも理不尽ではないかと思っていた。
「私はですね操真さん、恵さんの件で学習したんですよ。自信と技術のある女を中途半端に活かしておくと碌なことにならないとね。
メルセレラさんたちは自信がなかった上に阿紫花さんが説得済みでしたので良かったんですが。そこの小娘はいけません。薫さんとか恵さんと同じ匂いがします」
「なに……?」
しかし武田観柳は、最初から瑞鶴を仕留める心づもりでいた。
敵は赤、代償は白三角、戦利品を黒と定めれば、観柳が予測する帳簿上、赤黒処理の末に利は消え去る。
彼が把握している限り最低でも島の約1/4を覆う航空網と通信妨害を敷けるこの少女は、武田観柳が収容や保護をするには明らかに利益より損失の方が上回っていると思われたのだ。
『それに、まだテレパシーは回復していないね。どうやら妨害の発信源は彼女の装備のようだ』
「ええ、見たところ彼女の技術はあの矢とか装備品に集約されている様子。彼女の頭を吹き飛ばしたところで、試供品の回収には支障ないでしょう」
観柳の肩のキュゥべぇも、特に少女一人の命などどうとも思ってはいない。
未だ連絡手段が復帰していない以上、諸悪の根源と思われる少女を終了させることは已む無いことだと考えるばかりだ。
晴人は必死に食い下がった。
「ちょっと待てよ観柳さん! だからといって、彼女も脱出させるべき人間じゃないのか!?」
「そもそも私の連絡手段を妨害してくれただけで万死に値すんだよあの無礼者は!
折角、私が脱出に貢献してやろうとしていたのに、あの女がしたことは邪魔と無差別放火だ! 脱出する気あるように見えます!?
殺してやることこそがあなたの言う希望でしょう? 違いますか?」
そしてその発言は、烈火の如き観柳の怒りに噛み砕かれた。
彼としてはありったけの情けと打算を以て布陣していた脱出計画を、真っ向から邪魔されているのだ。瑞鶴にかけられる恩情や情状酌量の余地など欠片も無い。
その理論に、操真晴人は見るべき真実がわからなくなった。
彼の意気は、観柳の気迫に買い取られた。
「くそ……!」
「はい、レッツプレイ!!」
そして、晴人の妨げがなくなるや否や、観柳は即座にその機関砲の引き金を引いていた。
彼の放った数多の凶弾は、逃げ惑うばかりの瑞鶴の体を、過たず蜂の巣にするかと見えた。
@@@@@@@@@@
「ハッハッハッハッハ――、グギャ!?」
「浅倉さん!?」
しかしその瞬間は、まさに浅倉威が瑞鶴を追い詰め、彼女に飛び掛かっていたのと同時だった。
黄金の弾丸は全て、瑞鶴に覆いかぶさっていた浅倉威の体に命中し、彼を絶命せしめてしまっていた。
観柳は舌打ちし、瑞鶴は自分の幸運に一転して気力を取り戻す。
「ちっ、折が悪かったですね……」
「ひ、ひひ、や、やった、同士討ち!? 同士討ちね!?
私の航空基地を潰した報いを受けてもらうわよ、米帝――!!」
「ま、それでも、ここからが浅倉さんの本領でしょうけどね」
「え……」
それでも、観柳は余裕を崩さなかった。
ぴゅるっ。ぴゅるっ。ぴゅるっ。ぴゅるっ。
浅倉威の全裸の死体の下から這い出ようとする瑞鶴の顔から胸にかけて、何やら生温かい液体がかかっていた。
瑞鶴は思わず頬に手をやり、そして粘つきながら糸を引いたその液体を見て、理解した。
「――ひぎゃあぁぁぁぁあぁぁぁぁ~~!!」
「後は浅倉さんがもう一回生まれるまで待ちましょうか、操真さん」
「えげつねぇ……。えげつなさすぎるだろもう見てられない……」
浅倉威の末期の精が、瑞鶴の胎内を目指して一斉に襲い掛かり蠢動する。
狼狽する白濁液まみれの少女を前にして、武田観柳は何でもないことのようにそう嘯き、操真晴人は頭を抱えて目を伏せることしかできなかった。
瑞鶴は身体に付着した液体を必死になって払おうとし、そのままもつれるような足取りで走った。
その行く先は、観柳の質量爆撃で倒壊し出火し始めていた、航空基地の管制塔だった。
「あ、いけませんね……。耐え切れずに焼身自殺を選びましたか。装備品は回収したいところだったんですが」
「心配する所そこですか観柳さん……!?」
「あと浅倉さんの白子も焼けちゃいますね……。できれば無事でいて欲しかったんですが」
炎の中に飛び込んだ少女の姿に、観柳は筋違いにも思える落胆の吐息を零す。
その瞬間、矢が、武田観柳の頭蓋を貫いた。
「ぎっ……!?」
「観柳さん!?」
『うわっ』
高速で額に突き刺さった矢は、観柳の体を衝撃でのけ反らせた。
魔法少女である観柳の意識は、それでも保たれていた。
彼は自分の状態を見て、理解してしまった。
「あっ、たっ、たすっ……。あしはなさ……」
そして次の瞬間、その矢は彼の頭に刺さったまま爆発する。
熟れすぎたスイカのように爆裂した観柳の頭部からは、隣にいた晴人に雨のような血飛沫が吹きかかっていった。
爆発で、彼の肩に乗っていたキュゥべぇも吹き飛び、操真晴人の胸にキャッチされる。
『ハ、ハルト、気をつけて! 出てくるよ!!』
咄嗟に管制塔の瓦礫に目を向けた操真晴人の眼には、炎の中から飛び出してくる、やけど一つないツインテールの少女の姿が映っていた。
「あ、あの炎の中に入って無事なのか!?」
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
「くっ――」
走りながら弓を構えようとする少女に対し、彼は一瞬、その右手の指輪を振るった。
――コネクト・プリーズ。
魔法陣が、瑞鶴の足下に出現した。
晴人はそのまま彼女の脚を掴み、身を引きながら魔法陣内に引き込んだ。
「うぎゃっ!?」
「ふんっ!」
瑞鶴はつんのめって、顔面をしたたかに地に打ち付ける。
晴人はその隙に彼女の胴体のど真ん中までを魔法陣に引きずり込み、続けざまにその陣の口径を引き絞った。
彼の右手は、魔法陣から掴んだ瑞鶴の脚を万力のように握り締めている。
「ぎゃああああああ――!?」
「頼む、抵抗しないでくれ! このまま魔法陣を閉じれば君の胴体は真っ二つになる!
極力手荒な真似はしたくないんだ! 暴れずに、従ってくれ!」
それは空間を結合させるコネクトウィザードリングの魔法を、攻撃に転用する手法だった。
結合した空間の中途に物体をおいたまま、結合を作っている魔法陣を閉じてしまえば、当然その物体は別々の空間に分断されて置き去りとなる。
瑞鶴は、その両肘ごと腰を魔法陣に締め付けられ、激痛に呻いた。
空間を直接結合・離開させる以上、こうなってしまった対象に抗う術はない――。
晴人がそう考えた、その時だった。
「ふ、ざ、けん、なぁぁぁぁ――!!」
「うおっ!?」
瑞鶴は、苦し紛れにその両脚をバタつかせた。
ただそれだけの行為で、大の大人である操真晴人の足は地面から浮いた。
信じられない力で、彼は少女に振り回され、そして地面に叩き付けられる。
衝撃で彼は瑞鶴の脚から跳ね飛ばされる。
「な、なんて力だッ――!?」
「死ねぇぇぇぇ――!!」
晴人が体勢を立て直した時には、既に瑞鶴も魔法陣から這い出して、その手に弓を携えたところだった。
しかしその瞬間、瑞鶴の両手首は、弓ごと消失していた。
――コネクト・プリーズ。
遅れて、すっぱりと切断された手首の断面から、真っ赤な血が流れ落ちる。
繰真晴人は、唇を噛んでいた。
「……やるしか、ないんだな。仕方がない。こうなった以上、俺が最後の希望だ」
「うあ、ああ、ああああ――!?」
彼はその手に瑞鶴の弓を掴んでいた。そこには、斬り落とされた瑞鶴の両手首が、血を流してぶら下がっているままだった。
「うあああああ――!!」
瑞鶴は猛った。狂ったような叫び声を上げて、彼女は特攻するかのように、腕の血を振り飛ばしながら晴人に走る。
――コネクト・プリーズ。
その彼女の右足が、ふくらはぎから空中でばっさりと斬り落とされて消失する。
バランスが崩れ、倒れた瑞鶴はその勢いのまま地面を転げた。
ばらばらと背の靫から矢がこぼれた。
「い、いぎゃがぁぁぁぁ――!! 痛い痛い痛い痛いいぃぃ――!!」
「ごめんよ。だが、もう終わりだ」
繰真晴人は、斬り落とした彼女の右足を放り捨てながら、辛い表情で彼女に歩み寄った。
鮮血を吹きこぼしてのたうち回る彼女には、傷口を押さえる手もない。
彼がコネクト・ウィザードリングの力を初めから最大限に活用しようとしていれば、このような攻撃も造作もないことだった。
ヒグマのような触れることすら困難な相手でなければ、いつでも可能だったはずだ。
決断が遅くなった事に対する申し訳なさが、彼の心を占めていた。
逃げることもままならなくなった彼女に、晴人はゆっくりと右手を差し向ける。
そうして、彼が彼女の首を空間ごと分断しようとした、その時だった。
歩み寄る晴人を猛然と睨んた瑞鶴は、左足だけで跳ね、地面に落ちた矢の一本をくわえ上げていた。
そのまま、片足立ちとなった瑞鶴の体が捻られる。
繰真晴人の反応は、その予想外の彼女の行動に、遅れた。
「死ャッ!!」
「うおおぉぉ!?」
全身のバネと吐息で、吹き矢のように瑞鶴はそれを投擲していた。
のけぞった晴人の鼻先を掠め、空中に飛んだ矢は、続けざまに五機の富嶽に変化する。
「んなろぉ!!」
晴人は咄嗟に身を翻し、その手にウィザソードガンを掴んだ。
後方に駆け出しながら瑞鶴に向けて数発の弾丸を撃ち込む。
「ぎゃっ!」
命中はしたらしいが、その様子を確認している余裕は晴人になかった。
彼は首のない武田観柳の肉体を抱え、マシンウィンガーにまたがることだけで精一杯だった。
追ってくる富嶽の編隊をウィザーソードガンで撃ちながら、エンジンをフルスロットルにして晴人は逃走する。
晴人は自分の詰めの甘さを悔やんだ。
「くそ! ドーナツじゃないんだから!! 甘すぎたっ!!
相手を一瞬でも、人間の女の子だと思うんじゃなかった!」
『そうだね。魔法少女に近しい存在であった以上、あの少女の身体能力も人外のものだと想定して然るべきだったかもしれないね』
瑞鶴の幸運は、繰真晴人が優しすぎたことだった。
彼が攻撃し、止めを刺そうとするタイミングは、常在戦場のこの島においてはあまりに遅すぎたのだった。
「阿紫花さん! 頼む、出てくれ!!」
富嶽を撃墜し、操真晴人は一縷の望みをかけて胸のブローチに語り掛ける。
去り際の銃撃で、あの少女の通信妨害機構を破壊できたのかはわからない。
しかし、観柳が頭部を失い戦線離脱してしまった以上、もはや一行の他のメンバーに合流することしか、晴人に希望は残されていなかった。
『――はい、阿紫花です。ようやく繋がりましたね。何だったんですかい?』
そして最後の希望は、ブローチの先から返答した。
【101人の二代目浅倉威の1人@仮面ライダー龍騎 死亡】
※生き残っている浅倉威はあと10人です。
@@@@@@@@@@
「ばばんばばんばんばん……、ばばんばばんばんばん……っと」
長い黒髪が、白い湯けむりの中に透ける。
水面に零れたその毛先を掬って、手袋を嵌めた細くしなやかな指先がそのうなじを掻き上げる。
鎖骨から厚い胸元までの曲線を惜しげもなく主張させて、その人物は温泉の中で伸びをした。
「ああ~、良い湯ですわ。これでここが殺し合いの会場でなかったらどれだけ極楽だったでしょうねぇ……」
その長い黒髪と、人形遣い特有のしなやかな指を持つ男性は、もちろん黒賀村出身の殺し屋、
阿紫花英良である。
いつ襲撃にあってもいいように、水際にグリモルディとプルチネルラを待機させながらの入浴でさえなければ、この温泉の泉質は、彼が今まで入ってきた中で最高の風呂と言っても良かった。さすが北海道というべきであろう。
『でも良かったですね。なんとか魔法を妨害して来た敵は倒せたみたいで』
「ええ、シャオジーさんとまた意志疎通が取れるようになって一安心ですわ」
彼の方に湯中を近寄って来たヒグマは、隻眼2である。
彼らと
フォックス、ケレプノエの一行は、浅倉威の軍勢の襲撃に会った後、戦いの汚れを落とすために、D-6からまっすぐに南下し崖の上を東に辿って、E-8の温泉にやってきていた。
広大な温泉は、外界でそれを初めて見たケレプノエを興奮させるのに十分であり、そこで同時に見つけた温泉小屋の惨状は、阿紫花英良を警戒させるのに十分だった。
全自動麻雀卓の設えられた温泉小屋は、その内部に二人分の血だまりと
支給品が遺されていた。二人はどうやら、だいぶ前にヒグマに捕食されてしまっていたらしい。
麻雀をしていたと推察されるその現場には、恐らくもう1人誰かがいたようだが、その人物は二人が捕食されている間に逃げおおせたらしい。
どこまで逃げられているかは不明であるが。
この現場を確認してしまった以上、阿紫花英良やフォックスにはこの温泉も決して安全地帯とは思えなくなってしまった。
温泉にいれば、一日の汚れを落としにやってくる生存者がいるかも知れないという彼の推測は、決して外れとは言い切れなかったが、現実には生存者などおらず、血だまり二つしか出迎える者がなかったというのは軽く落胆ものだった。
操真晴人から、テレパシーによる通信が復帰したとの一報が入るまでは、彼の気分は一向に晴れなかったのだ。
そうこうしているうちに、阿紫花の座標を捕捉したらしい晴人の魔法陣が、洗い場の上に出現してくる。
バイクごと出現した彼は、息を切らせてあたりを見回していた。
「お、繰真さんお疲れさんです。難儀でしたね、通信妨害してくる敵がいたとは」
「あ、ああ、阿紫花さん……。倒し切れたかどうか確証がないんですけどね……。
艦娘とかいうんでしたっけ、話を聞いてくれない上に、予想以上にしぶとくて……。
観柳さん確保して逃げてくるのが精一杯でした……」
湯から上がって挨拶した阿紫花の前に、彼は首のない武田観柳の肉体を横たえる。
隻眼2も阿紫花も、思わず観柳の姿に身を退く。
胸元のソウルジェムは何とか無事であるようだが、彼が魔法少女でなければ間違いなくそれは死体になっていたところだった。
彼のソウルジェムが髪留めなどでなかったのは幸運だったろう。
「うわ、無茶しましたね観柳の兄さんも……。これはできる限りイケメンに造形しないとですねぇ」
「晴人様ー、お帰りなさいませー」
「ちょ、ちょ、ケレプノエ! はしゃいでんじゃねえよそんなカッコで!!」
「うお、ケレプノエさん!?」
タオルで体を吹きながら観柳の損壊具合を把握し、阿紫花がおもむろに魔法少女衣装を纏ったくらいのタイミングで、温泉の奥から1人の少女が駆け寄ってきていた。
晴人はその姿に思わず目を覆う。
年の頃ならば14,5才程度に思える、成長期特有の伸びやかな肢体を晒しているにも関わらず、走り寄ってくる紫の髪の少女はあまりにも無邪気だった。
後から走って来た筋骨隆々たるフォックスが、犯罪じみた絵面で抱き留めるまで、彼女が裸体のままはしゃぎ回るのは止まらなかった。
阿紫花が呆れ交じりにその両者を奥に追い払う。
「フォックスさん、ちゃんと面倒見てやって下せえよ」
「わかってるよクソッ……」
温泉小屋の二人――
杉村タイゾーと
伊藤芳一の支給品から失敬したタオルで、フォックスが彼女の裸を覆ってやる間、ケレプノエは終始にこにこと上機嫌のままだった。
フォックスとケレプノエの二人は、安全のため温泉の中でも区切られた露天風呂の一角に追いやられていた。
それは言わずもがな、ケレプノエの水溶性の猛毒のためであり、魔法少女となってある程度の制御がつくようになったとはいえ、うっかり毒が溶けだしてしまえば、周りの者はほとんどが即死してしまう。
そこで、温泉の存在すら知らなかった無邪気な彼女の子守りをできるのは、既に死体であり、毒に暴露してもこれ以上死なないことが確認されているフォックスのみであるということで、彼にその責務が回って来たのである。
「あたたかいお水がこんなに気持ちのよいものだとは知りませんでしたー。楽しいですねー、フォックス様ー」
「……お湯ってんだよ、こういうのは」
「おゆ、ですかー。おゆ、おゆ、おふろ、おふろー!」
再び露天風呂の端に戻ってきたケレプノエは、岩場の縁に腰かけてぱちゃぱちゃと水面をその脚に遊ばせている。
フォックスはその様子に、濡れそぼった髷を指に絡ませ、がりがりと頭皮を掻いた。
無垢にすぎる彼女の姿を、フォックスは直視できなかった。
先程までも、やれ体を洗ってほしいだの、一緒に水遊びをしてほしいだの、ケレプノエの要求はフォックスの体を興奮と羞恥で貫き続けていたのだ。
年頃の華やかな少女の表情と仕草でそんな仕打ちをされれば、ほとんどの男性は理性のタガが外れてもおかしくないと思えた。
世紀末の、女に飢えている時分の男にとっては尚更だ。
フォックスはそれでも必死で、「こいつはヒグマだ」「こいつはヒグマだ」と自分に言い聞かせ続けることで、正気を保とうと努めている。
そこにつけて、彼は気力を振り絞って、吐き捨てるように先程の彼女の行為をたしなめるのが精いっぱいだった。
「あとな、素っ裸のまま男連中の前に出るのはやめろ! 困るんだよ!!」
「え? どうしてですかー?」
ケレプノエは、そのまま屈託のない笑顔で振り返る。
その見返りの姿に、フォックスの中で、何かが切れたような音がした。
「……ほんっと、何にも知らねぇんだな」
フォックスの尾骶骨の下から、何か黒い衝動が脳天まで駆け上がったように感じた。
そして彼の脚は、気が付けばひとりでに走り出していた。
「こうされるかも知れねぇってことだよ!!」
「ひぁ……」
彼はそのまま、ケレプノエの華奢な体を抱きかかえ、露天風呂のほとりに力任せに押し倒す。
はぁはぁという荒い息遣いが、フォックスは自分の耳にも五月蝿かった。
ふたりの間には、もはやタオル一枚のへだたりもなかった。
彼はそのまま獣のように、ケレプノエの胸のわずかな膨らみを乱暴に掴んでいた。
フォックスはそして、ケレプノエと目を合わせた。
きょとんとしていたケレプノエは、暫くしてにっこりと微笑んだ。
「……ケレプノエは、フォックス様にいっぱい触ってもらえるなら、とても嬉しいですー」
ガツンと脳天を殴られたように感じた。
フォックスはめまいを覚えた。
彼は額を押え、ふらふらとケレプノエの上から歩み去った。
「……すまねぇ。何でもねぇ。忘れてくれ」
「どうしたのですかー? 何か、ケレプノエが助けになれることはありませんかー?」
「ねえよ! ただの湯あたりだ! ちょっと一人で俺を涼ませてくれ!!」
フォックスは恥じいった。死んでいるのにも関わらず、心臓が動悸を打って仕方がなかった。
男だけでなく、女子供をいたぶり続け、我が身可愛さに卑劣な戦法を使っても生きようとし続けていた過去の自分の全てが、余りに恥ずかしいものに思えて仕方がなかった。
@@@@@@@@@@
「ひぃ……、ひぎぃぃ……」
その頃、B-8の区画では、一人の少女が、両腕と片脚を斬り落とされた血まみれの姿で、全身に弾痕を開けたまま呻いていた。
操真晴人に重傷を負わされた彼女は、それでも幸運だった。
マシンウィンガーから放たれた13発の弾丸は、全て彼女の脳や大血管という急所を外れて命中し、彼女を死に至らしめることはなかったのだ。
その分猛烈な痛みと苦しみに、意識を保ったまま彼女は直面しているのだが、命があることは間違いなく幸運であると言えよう。
「修理しなきゃ……。入渠しなきゃ……」
彼女は呻き、蠢き、そして手近にあった浅倉威の死体を必死に貪った。
すると、一口食べるごとに、彼女の傷口は少しずつ塞がっていった。
傷が塞がった後は、欠損した肉体が少しずつ生えてくるようだった。
――直る。直る、けれど。
この修理のされ方は、何かおかしくないだろうか。
いや、確かに以前から、燃料補給で元気にはなっていたけれど。
肉を食べて手が生えるなんてことが、以前にあっただろうか?
朦朧とした瑞鶴の頭では、それ以上考えても何の結論も見いだせはしなかった。
だから瑞鶴はもう考えるのをやめて、自分の体が直りきるまで、ひたすら周囲の金属や肉片を食べ漁り、機械油と血液を啜った。
それでも、そんな彼女の頭には、ある一つの考えが行き交って離れなかった。
「ああ……、お風呂、入りたい……」
それこそが最低限の、艦娘らしい修理のされ方ではなかったか――?
朦朧とした瑞鶴の頭では、それが正しかったかどうか、思い出せなかった。
【B-8 破壊された航空基地/夕方】
【瑞鶴改ニ甲乙@艦隊これくしょん】
状態:疲労(大)、幸運の空母、スカートと下着がびしょびしょ
装備:12cm30連装噴進砲 、試製甲板カタパルト、戦闘糧食(多数)
コロポックルヒグマ&艦載機(富嶽、震電改ニ、他多数)×100
道具:ヒグマ提督の写真、瑞鶴提督の写真、連絡用無線機
[思考・状況]
基本思考:
艦これ勢が地上へ進出した時に危険な『多数の』深海棲艦を始末する
0:深海棲艦を殺す……。殺し尽くさなきゃ……。
1:危険な深海棲艦が多すぎる……、何なのよこの深海棲艦たちは……ッ!!
2:偵察機を放って島内を観測し、深海棲艦を殺す
3:ヒグマ提督とやらも帝国とやらも、みんな深海棲艦だったのね……!!
4:ヒグマとか知らないわよ。ただの深海棲艦の集まりじゃない!!
5:クロスレンジでも殴り合ってやるけど、できればアウトレンジで決めたい(願望)。
[備考]
※元第四かんこ連隊の瑞鶴提督と彼の仲間計20匹が色々あって転生した艦むすです。
※ヒグマ住民を10匹解体して造られた搭載機残り100体を装備しています。
矢を発射する時にコロポックルヒグマが乗る搭載機の種類を任意で変更出来ます。
※CFRPの摂取で艦載機がグレードアップしましたが装甲空母化の影響で最大搭載数が半減しました。
※艦載機の視界を共有できるようになりました。
※艦載機に搭乗するコロポックルヒグマの自我を押さえ込みました。
※
モノクマから、『多数の』深海棲艦の『噂』を吹き込まれてしまっているようです。
※お台場ガンダムを捕食したことで本来の羆謹製艦むす仕様の改ニに変化したようです。
※穴持たずカーペンターズが転生した建築コロポックルヒグマ達によってB-8のテーマパーク跡がリニューアルされ航空基地が建設されましたが、武田観柳によって破壊されました。
※本来使用できない艦種、陸上機、水上機を思考リンクにより無数に行使できるようになりました。
※機械や肉を食べることで自己修復できるようになりました。
【戦闘糧食】
瑞鶴がお台場ガンダムの装甲(CFRP)を握り飯状に手で丸めて作った瑞鶴お手勢の携帯食料。
食べると戦意高騰と共に艦載機が補充される。美味しそうだが人間が食べると
歯が欠けたり人体に有害な成分を摂取して死に至るので注意しよう。
@@@@@@@@@@
「とにかく無事で良かった……! いや、温泉とは良い場所確保しましたね阿紫花さん!」
「色んなものの襲撃食いましたからねこちらも。多少なりと癒しがないとやってられませんわ。
でもタイミングが悪かったのか、他の生存者さんとは会えませんでしたねぇ……」
「そこの温泉小屋も見ましたけど、もう少し早ければと悔やまれますよね……」
「ありゃ状態からしてもう10時間以上前でしょ。後悔する以前の問題です」
『折角だからボクは御先にシャオジーと一緒に温泉に入っておくよ。カンリュウが起きたら呼んでくれ』
「勝手にしてくだせぇ」
温泉周囲を一回りして偵察から戻って来た操真晴人に、阿紫花英良は武田観柳の修復をしながら語る。
まず、観柳の持っていた紙幣でハリボテの型のようなものを作り、破壊された彼の頭部に魔力の糸で縫いつける。
細胞治癒の添え木にしてやることで、回復を促進させるのが狙いだ。
事実、観柳の頭部は自身の魔力で傷口が塞がっており、少しずつ自己修復されてはいる。
頭の中身は、彼の魔法の金を熔かして流し込むことで代用した。
何となく仏像でも鋳造している気分だ。
外身の紙幣部分に、顔面のディテールを刺繍しているくらいで、観柳の細胞は何とか魔力によって頭部の再生を果たした。
瞬きをした観柳に、阿紫花は一息ついて微笑む。
「お、良かった。気が付きやしたね兄さん。どうです、元の顔よりイケて――」
「こ、この無礼者がぁぁ――!!」
しかしその瞬間、武田観柳は、阿紫花が言い終わるのも待たず、その顔面を思い切り殴りつけていた。
洗い場に倒れた阿紫花は、ぱちぱちと目を瞬かせたが、何故殴られたのか、全く理解できなかった。
観柳は肩を震わせ、怒りと口惜しさをありありと口調ににじませながら叫ぶ。
「なんで来なかったぁぁ!! 私を守るのがテメェの契約だろうが!!
連絡が取れなくなったら血眼で探しにくるのが当然だろ!?
それを一体、テメェ……。雇い主ほっといて風呂とか……」
叫んだあと、観柳は辺りを見回し、そして更にその怒りを増したようだった。
彼はそのまま、洗い場に倒れている阿紫花の腹部をけたぐった。
「何様のつもりだクソがぁぁぁぁ!!」
「ぐふっ――!?」
操真晴人が慌てて観柳を羽交い絞めにし、阿紫花から引き剥がす。
「ちょ、ちょ、観柳さんやめて!!」
「なんであそこにいなかったんだよアシハナァァァ!!
せめてテメェが居れば、こんな大損害は喰らわなかったんだよぉぉぉ――!!」
観柳は体を抑えられながら、あらん限りの声で叫んでいた。
起源は『運』、興亡は『根』、道のりは『愚鈍』。
彼の今回の商戦の履歴を見返せば、その敗因は明らかだった。
彼は咽び泣いていた。
悔し泣きだった。
「落ち着いてよ観柳さん……!!」
「そもそもテメェが余計な口挟んでなきゃもっと早くに撃ち殺せてたんだよ!!」
観柳は叫びながら、晴人の静止を振り払った。
驚いた晴人の視線と、観柳の視線は、暫くの間重なっていた。
目を閉じれば、正気の視野に『運』など無い。
そのことは、もう観柳自身も晴人も誰も、気づいていたはずだった。
だがこの時、晴人も観柳も、眼を閉じることなく、睨み合うことしかできなかった。
「畜生ぉぉぉ――!!」
観柳は耐え切れなくなり、温泉小屋の方に駆けて行った。
彼の方を一度見やり、晴人はまず倒れ伏す阿紫花へ、その手を差し伸べた。
「だ、大丈夫ですか!? 阿紫花さん!?」
「……繰真さん。フォックスさんへの魔力供給、代わってくれやしませんかね」
だが、のろのろと身を起こした阿紫花の言葉は、自身の安否ではなく、抑揚のない声で発された一つの依頼だった。
彼の声は、セメントのように色も無く、乾いていた。
「ど、どういうことですか!?」
「……もうそろそろ、あたしの契約は仕舞いみたいですわ」
阿紫花の手の甲のソウルジェムは、まったく不透明な黒真珠のように、濁り切っていた。
いつか交わしたはずの、契りの記憶は、遠い。
【E-8 温泉/夕方】
【武田観柳@るろうに剣心】
状態:魔法少女
装備:ソウルジェム(濁り:小)、魔法少女衣装、金の詰まったバッグ@るろうに剣心特筆版、テレパシーブローチ
道具:基本支給品、防災救急セットバケツタイプ、鮭のおにぎり、
キュゥべえから奪い返したグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ(残り使用可能回数1/3)、紀元二五四〇年式村田銃・散弾銃加工済み払い下げ品(0/1)、詳細地図、南斗人間砲弾指南書、南斗列車砲、テレパシーブローチ×15
基本思考:『希望』すら稼ぎ出して、必ずや生きて帰る
0:なんで思い通りに行かないんだよ!! 畜生が!!
1:李徴さんは確保! 次は各地の魔法少女と連携しつつ、敵本店の捜索と斥候だ!!
2:津波も引いてきたし、昇降機の場所も解った……! 逃げ切って売り切るぞ!!
3:他の参加者をどうにか利用して生き残る
4:元の時代に生きて帰る方法を見つける
5:おにぎりパックや魔法のように、まだまだ持ち帰って売れるものがあるかも……?
6:うふふ、操真さん、どう扱ってあげましょうかねぇ……?
[備考]
※観柳の参戦時期は言うこと聞いてくれない蒼紫にキレてる辺りです。
※観柳は、原作漫画、アニメ、特筆版、映画と、金のことばかり考えて世界線を4つ経験しているため、因果・魔力が比較的高いようです。
※魔法少女になりました。
※固有魔法は『金の引力の操作』です。
※武器である貨幣を生成して、それらに物理的な引力を働かせたり、溶融して回転式機関砲を形成したりすることができます。
※貨幣の価値が大きいほどその力は強まりますが、『金を稼ぐのは商人である自身の手腕』であると自負しているため、今いる時間軸で一般的に流通している貨幣は生成できません(明治に帰ると一円金貨などは作れなくなる)。
※観柳は生成した貨幣を使用後に全て回収・再利用するため、魔力効率はかなり良いようです。
※ソウルジェムは金色のコイン型。スカーフ止めのブローチとなっていますが、表面に一円金貨を重ねて、破壊されないよう防護しています。
※グリーフシードが何の魔女のものなのかは、後続の方にお任せします。
【操真晴人@仮面ライダーウィザード(支給品)】
状態:健康
装備:
ジャック・ブローニンソンのイラスト入り
宮本明のジャケット、コネクトウィザードリング、ウィザードライバー、詳細地図、テレパシーブローチ
道具:ウィザーソードガン、マシンウィンガー
基本思考:サバトのような悲劇を起こしたくはない
0:阿紫花さん! まずいよ!!
1:今できることで、とりあえず身の回りの人の希望と……、なってやるよ!
2:キュゥべえちゃんも観柳さんも、無法な取引はすぐに処断してやるからな……。
3:観柳さんは、希望を稼ぐというけれど、それに助力できるのなら、してみよう。
4:宮本さんの態度は、もうちょっとどうにかならないのか?
[備考]
※宮本明の支給品です。
【キュウべぇ@全開ロワ】
状態:尻が熱的死(行動に支障は無い)、ボロ雑巾(行動に支障は無い)
装備:観柳に埋め込まれたテレパシーブローチ
道具:なし
基本思考:会場の魔法少女には生き残るか魔女になってもらう。
0:ちょっと得体の知れない魔力が増え過ぎだ。適当に潰れてくれるといいんだけど。
1:いやぁ、魔法少女が増えた増えた。後はいい感じに魔女化してくれると万々歳だね!
2:面白いヒグマがいるみたいだね。だけど魔力を生まない無駄な絶望なんて振りまかせる訳にはいかないよ? もったいないじゃないか。
3:人間はヒグマの餌になってくれてもいいけど、魔法少女に死んでもらうと困るな。もったいないじゃないか。
4:道すがらで、魔法少女を増やしていこう。
[備考]
※
範馬勇次郎に勝利したハンターの支給品でした。
※テレパシーで、周辺の者の表層思考を読んでいます。そのため、オープニング時からかなりの参加者の名前や情報を収集し、今現在もそれは続いています。
【阿紫花英良@からくりサーカス】
状態:魔法少女
装備:ソウルジェム(濁り:極大)、魔法少女衣装、テレパシーブローチ
道具:基本支給品、煙草およびライター(支給品ではない)、プルチネルラ@からくりサーカス、グリモルディ@からくりサーカス、余剰の食料(1人分程)、鎖付きベアトラップ×2 、詳細地図、テレパシーブローチ
基本思考:お代を頂戴したので仕事をする
0:ああ、終わりですわ。これで。
1:雇われモンが使い捨てなのは当たり前なんですが、ちゃんと理解してますかね皆さん……?
2:費用対効果の天秤を人情と希望にまで拡大できる観柳の兄さんは、本当すげぇと思いますよ。
3:手に入るもの全てをどうにか利用して生き残る
4:何が起きても驚かない心構えでいるのはかなり厳しそうだけど契約した手前がんばってみる
5:他の参加者を探して協力を取り付ける
6:人形自身をも満足させられるような芸を、してみたいですねぇ……。
7:魔法少女ってつまり、ピンチになった時には切り札っぽく魔女に変身しちまえば良いんですかね?
[備考]
※魔法少女になりました。
※固有魔法は『糸による物体の修復・操作』です。
※武器である操り糸を生成して、人形や無生物を操作したり、物品・人体などを縫い合わせて修復したりすることができます。
※死体に魔力を注入して木偶化し、魔法少女の肉体と同様に動かすこともできますが、その分の維持魔力は増えます。
※ソウルジェムは灰色の歯車型。左手の手袋の甲にあります。
【フォックス@北斗の拳】
状態:木偶(デク)化
装備:カマ@北斗の拳、テレパシーブローチ
道具:基本支給品×2、袁さんのノートパソコン、ローストビーフのサンドイッチ(残り僅か)、マリナーラピッツァ(Sサイズ)、詳細地図、ダイナマイト×30、テレパシーブローチ
基本思考:死に様を見つける
0:くそ、なんだよ、この気持ちは!!
1:確かに女子に出会いたいとは思ったがよぉ!? なんでケレプノエなんだよ!!
2:死んだらむしろ迷いが吹っ切れたわ。どうせここからは永い後日談だ。
3:義弟は逆鱗に触れないようにすることだけ気を付けて、うまいことその能力を活用してやりたい。
4:シャオジーはマジで呆れるくらい冷静なヤツだったな……。本当に羆かよ。
5:俺も周りの人間をどう利用すれば一番うまいか、学んでいかねぇとな。
[備考]
※勲章『ルーキー
カウボーイ』を手に入れました。
※フォックスの支給品はC-8に放置されています。
※袁さんのノートパソコンには、ロワのプロットが30ほど、『
地上最強の生物対ハンター』、『手品師の心臓』、『金の指輪』、『
Timelineの東』、『鮭狩り』、『クマカン!』、『手品師の心臓』、『
Round ZERO』の内容と、
布束砥信の手紙の情報、盗聴の危険性を配慮した文章がテキストファイルで保存されています。
【隻眼2】
状態:隻眼
装備:テレパシーブローチ
道具:なし
基本思考:観察に徹し、生き残る
0:不穏だ……。
1:ケレプノエさん、良かったですねぇ……。
2:ヒグマ帝国……、一体何を考えているんだ?
3:とりあえず生き残りのための仲間は確保したい。
4:李徴さんたちとの仲間関係の維持のため、文字を学んでみたい。
5:凄い方とアブナイ方が多すぎる。用心しないと。
[備考]
※キュゥべえ、白金の魔法少女(武田観柳)、黒髪の魔法少女(
暁美ほむら)、爆弾を投下する女の子(球磨)、李徴、
ウェカピポの妹の夫、白黒のロボット(モノクマ)、メルセレラ、目の前に襲い掛かってきている獣人(浅倉威)が、用心相手に入っています。
【ケレプノエ(穴持たず57)】
状態:魔法少女化、健康
装備:『ケレプノエ・ヌプル(触れた者を捻じる霊力)』のソウルジェム、アイヌ風の魔法少女衣装
道具:テレパシーブローチ、杉村タイゾーと伊藤芳一の基本支給品
基本思考:皆様をお助けしたいのですー。
0:フォックス様! フォックス様! ありがとうございますー!
1:皆様にお触りできるようになりましたー! 観柳様、キュゥべえ様、ありがとうございますー!
2:ラマッタクペ様はどちらに行かれたのでしょうかー?
3:ヒグマン様は何をおっしゃっていたのでしょうかー?
4:お手伝いすることは他にありますかー?
5:メルセレラ様、どうしてケレプノエに会って下さらないのでしょう……?
[備考]
※全身の細胞から猛毒のアルカロイドを分泌する能力を持っています。
※島内に充満する地脈の魔力を吸収することで、その濃度は体外の液体に容易に溶け出すまでになっています。
※自分の能力の危険性について気が付きました。
※魔法少女になりました。
※願いは『毒を自分で管理できること』です。
※固有武器・魔法は後続の方にお任せします。最低限、テクンペ(手甲)に自分の毒を吸収することはできます。
※ソウルジェムは紫色の円形。レクトゥンペ(チョーカー)の金具になっています。
※その他、モウル(肌着)、アットゥシ(樹皮衣)などを身に着けています。
最終更新:2017年10月15日 13:35