(1D6)


一つの六面ダイスをご用意下さい。
しなくても構いません。

   ●

                                                    どすん。

地響きがする――と思って戴きたい。
地震ではない。
これは〈奴〉の足音だ。
〈奴〉は人間じゃない。
〈奴〉は殺戮の武神だ。
                                       どすん。

我我は混乱した。
総ての常識は覆されつつあった。
身を引くことはできなかった。
今は後悔している。
仲間は次次と殺られた。
多分もう、自分が最後の一人なのだろう。
否――

                             どすん。
足音が部屋の前で止まった。
もう――時間がない。
この記録もここまでかもしれ 
               ばん。

来た。
殺られる前にばんばんばん。ばんごんばん。べしゃ。


   ●

私に名前はない。
いや、ないことはないんだろうが、名乗る必要がない。
主催側の部下その1、所謂モブキャラの私に名前なんぞ要らないのである。
名前も要らないし、どんな奴なのかという説明も要らない。
どうしても必要なら、

1.成人男性
2.成人女性
3.ヒグマ
4.ロボット
5.サメ
6.宇宙的恐怖

だと思ってくれればそれで宜しい。
おいコラ訳が分からんぞと、大方の人はそう思っている事だろう。
まあ要するにどうでもいいんだから、取り敢えずダイスを降って決めてくれと、そういう事である。
別にやらなくてもいい。
で。
何だってこんな訳の分からない形で私が出てきたのかと云えば。
ルールが追加されたからである。

参加者名簿は60/60で打ち止めですが、今後も名簿外のキャラを予約してもOKです』
『ただしその話の内に誰も死ななかった場合、名簿キャラの誰かの首輪がランダムで爆発して死亡します』

――ランダム。
ランダムって。突っ込んでも仕方ないけど。
そもそも、首輪の存在がそれ以前のルールに記述されていない。
一応OPで存在はしているが、実際爆破されてはいないから凄く地味だ。
後、首が何処にあるのか分からないキャラとか首飛ばしただけじゃ死なないキャラもいるし制限も特にないが、死ぬのだ。
この辺りお約束というかマンネリズムというか、ともかくそういう感じである。
無理矢理に解釈すれば、首輪が爆発すると何らかの因果関係が発生して、そのキャラが死に至るような事態が発生するのだろう。
と言うか、大量の名簿外のヒグマを登場させればそれで参加者全滅である。達成感も何もないのである。
それにも抜け道はあって、普通に参加者として登場させた後に、
※ヒグマ扱いです。
とか書いたりすればいいのだが。
まあ書く方は空気を読めと言うことなのだろうが。
実際に作中で爆破する方は困るのだ。色色と。
取り敢えず候補として用意させて頂いたのが、以下の六名である。

1.デデンネ@ポケットモンスター
2.コロッケ@コロッケ!
3.タケシ@ポケットモンスター
4.武田観柳@るろうに剣心
5.バーサーカー@Fate/zero
6.フランドル@怪物王女

あ、別に何らかの作為がある訳ではない。
作品被りがあったり最近登場したばかりのキャラもいるが、ランダムである。マジに。

死亡者や予約があるキャラやこれを書いてる間に登場したキャラやヒグマだかそうでないんだかよく分からないキャラを除外したり追加したりして抽選ソフト使ったのである。何やってんだか。
ともかく、私が何らかの操作を行って首輪を爆破すれば、この中の誰かが六分の一の確率で死ぬ――の、だが。
死なないのだ。
こんな話で殺されるのは納得いかんのは勿論なのだが、それ以前の問題がある。
そのキャラの死を描写する必要があるのだ。ハイ首輪爆破、死亡。では駄目なのである。
死亡するのは名簿キャラ、つまり既に登場しているキャラである以上、それで終わらせてしまっては拙い。
と云うか、実際ランダムに決める事はできても、それが本当にランダムであるかどうかなぞ他人に証明する事はできない。
だから上記のリストは特に意味は無い。
つまり、実際にこのルールが適用される時は、例えば

1.4.全くリレーされない
2.5.単独行動している
3.6.明らかに出オチな

キャラを選び、首輪爆破で死亡する話をまあテキトーに書くと、そのような感じになると思うのだが。
うーん。
あまり言及しない方がいいのかこれは。次に行く。

『日本語以外で投下された場合は自動的に夢オチとして処理されます』

これも――なあ。
どの辺りが『日本語以外』の範疇に入るのか。例えばAAは個人的にはアウトだと思うのだが。
アスキーアートである。絵なのである。文字ですらないのである。
携帯から見ればなんだかぐじゃぐじゃした記号の集まりである。
いやいや。
インパクト狙えばいいもんじゃないぞとか、文で表現できないからAAに頼るんじゃないのかとか、そんな文句を云うつもりは一切無い。
そんな事云うのは正しく空気読めてないのである。思ってても云わないのが正解なのである。
思ってもいない。いや本当に。本当に。
ま、誰がどう考えてもこれはどうかなあと思ってしまうような話も時にはある訳で。

1.All English
2.Это русское в целом.
3.世〃ω、ζ,〃≠〃ャ儿м○U〃
4.がっぱど津軽弁だんず
5.之総て古文と云ふものなり
6.ヴォイニッチ手稿

ただ。どんな形にしろ夢オチがアリって事にしちゃうともう普通の話でも何でもアリって事に――なってるよなあもう。うん。
そう、何でもアリ――なのである。
正確には、面白ければ何でもアリ、だ。
何も面白いのは作品だけではない。

感想なり何なり言い合って、騒ぐのも面白いのだ。
まあいくら面白くてもこれはちょっと、なんてのもあるが、それは普通の所で起こる問題だからここでは関係なくて。
色んな意味で凄い作品でも、騒げるのならそれはそれで面白い、と云う事になるんじゃないかなあと思う。
騒いだだけ騒いだら、後は適当にどうにかすればいいのだ。
否、ここに限らず――外野の反応とか、リレーの結果妙な事になったりとか、その辺りがメインの面白さで。リレー小説のメリットは、その辺りに集約されるのではなかろうか。
作品自体の面白さはどう頑張っても玉石混交になってしまう以上。
や、飽く迄も個人的な意見であるのだが。
だからまあ、面白くないもの――例えばこの話とか――はルールなんぞ無くても勝手にスルーしちゃう訳で、それこそランダム爆破の対象にでもしちゃえば、と。
云っちゃいかん事だろうか。
後、あんまり関係はないのだが。
差別も虐殺も、どんな文化でも規模はどうあれそれなりに起こっちゃってる訳で。日本も切支丹迫害とか色色してる訳で。
けれどもみんながみんな差別的だったのかと云えば当然そんな事はない訳で。反骨精神に溢れる人もいた訳で。
例えばニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』は哲学書であると同時に、当時の基督教をもう大丈夫なのかコレってくらい批判した本でもある。
実際大丈夫じゃなくて、肝心のところである超人思想が曲解されたりナチ党のプロパガンダに使われたりしてしまったのだけれども。
いやまあ、何が言いたいのかと云えば、どの地域、どの時代でもやってる事はそう大して変わってないと云う事である。
最近のラノベのタイトル長すぎ、とか時々聞くが
『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』はどうなのよ、みたいな。
本邦における所謂オタク文化も昔ながらのものであり、お江戸には
『いっそもう 路考が出ると いっそもう 金玉の あるのが路考 不足なり』
などと云う、今で云う所の「○○ちゃん萌え! これで男じゃなければ」レヴェルの狂歌を詠まれた大人気の女形がいたりしたのである。

要するに。
面白ければOK、エンジョイアンドエキサイティングと云うのも、割と世界共通なんじゃないかなあ、と。
言いたい事も言えない世の中じゃ、とは云うが。
だからこそ、こんな所ではやりたい事をやったもんが勝ちなのだ。
どんなに苦しくてもやり遂げる(Gガンダム)なんて気合を入れずともいいのである。

閑話休題。
で、ルールの話に戻るのだが――。

                                                               どすん。

地響きがする――と思って戴きたい。
ただ、話題は変えない。今の地響きに関連する話だからである。

                                                         どすん。

『あまりにも放置されてるキャラはヒグマに捕食されるので注意してください』

                                                      どすん。

放置キャラを始末するルールは――存在している。
だが、具体的な『放置キャラ』の定義は不明である。
昔懐かしの三国志ロワでは「>>500までに禁止エリアから出る話を書かないと死にます」なんて放送が普通にあったりして、
感想書くのも命懸けと云う体を張ったギャグと云うか何と云うかな感じだったのだが、流石にここでもそれは――ありそうだな。うーん。
何にせよ。
現在の状況で『放置キャラ』を挙げるとするのなら。
有冨春樹――であろう。

で開幕から登場して以降、名前はちょくちょく出ているが、本人の登場は皆無である。自己リレー推奨であるにも関わらず。
このルールが適用されるならば、間違いなく捕食されるのは彼の人である。
恐らく、もう喰われた。

                                              どすん。

いや、主催だし――と云うことなかれ。
主催だろうがヒグマだろうが何だろうが、作品内のキャラクタである事に変わりはないのだ。
放置されれば放置キャラだ。
そして、主催側の部下である私をも〈奴〉は狙っているのだ。
多分。私が最後だ。

                  ばん。

私の前に、ヒグマが立っていた。
〈奴〉は言葉を発した。

「レスしずらい」
分かってはいるんです。
じゃあ書くなよ。
そして私は、

1.ヒグマに喰われた。
2.どうにかして会場から脱出した。
3.自害した。
4.14へ進んだ。
5.そのまま放送の準備をした。
6.振り直し

【有冨春樹@とある科学の超電磁砲(アニメ版) 死亡】

【主催ヒグマ】
状態:健康
装備:なし
道具:なし
基本思考:前主催の代わりに主催として振る舞う。
1:この【死亡確認】って、原作バトロワの七原達が死亡を偽装する仕掛けの為にあるようなものだから、
その手のギミックがないロワではあんまり必要がないんじゃないかなあ。

※主催は変更されましたが、ロワは問題なく進行します。


No.043:カウボーイ 本編SS目次・投下順 No.045:山月記
No.043:カウボーイ 本編SS目次・時系列順 No.045:山月記
No.000:ある日の夜、森のくまさんに出会いました。 有冨春樹 死亡
主催ヒグマ(キングヒグマ) No.089:第一回放送

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最終更新:2014年12月14日 23:07