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迷い猫オーバーラン!

迷い猫オーバーラン!


海が見える場所に建つ邸宅。
大きな母屋の他にプール付きの庭、高級車が停められた車庫が存在する。
富豪の別荘か、それとも本宅かは分からないがとにかく立派な家だった。

「はふぅ……お客様……今宵は私、長谷川智美をご指名頂きありがとうございます……。
今宵は心行くまで私の身体をお楽しみ下さい……」

広間のテーブルの上で猫獣人の少女が股を開き艶めかしい声を発していた。
衣服らしい衣服は身に着けておらずほぼ全裸の状態。

「……一人芝居は飽きたなぁ……」

彼女――――長谷川智美は、テーブルから下りて背伸びをする。
先程の彼女の言動は彼女なりの一人芝居である。
しかし、やはり大した興奮は得られなかったらしく、不満そうな表情を智美は浮かべていた。

「はぁーあ、何で殺し合いなんかしなくちゃいけないんだか……。
首には変な首輪まではめられて……まあ、ちょっと興奮するけど……爆発さえしなければ。
殺し合いなんかより気持ち良い事をしたいんだけど……」

ソファーの上に置いた自分の支給品の方に目をやる。
ランダム支給品は全部で三つ。
自動拳銃グロック19と予備弾倉3個。
四式陶製手榴弾なる恐ろしく古い手榴弾が3個。
更にビニール袋に入れられた「国分由貴」なる少女の衣服。
銃と爆弾は分かるが使い古しの衣服はどうなのだろうか。
衣服は一度破かれたような形跡があり、大雑把に縫い付けられ補修されている。
辛うじて着れるレベルだが恐らくこのような服を着て外に出ようなどと思う者はいないだろう。

「たまには服着てみようかな、これ、サイズ合いそうだし」

長谷川智美は別として。


◆


「あれは何だ? ……豪邸だな」

行木団平は神社を後にした後、野原を突っ切り、海が見える場所に建てられた豪邸と思しき家を訪れた。
高級車が停められた車庫にプール付きの庭、大きな母屋。
誰か参加者が潜んでいる可能性は十分に考えられる。
豪華な装飾の施された玄関扉を開け中に入る。
広い玄関ホールが団平を出迎えた。

(誰かいるか……?)

取り敢えず正面方向に見える居間への扉へと団平は近付く。

(! 物音……いるな、誰か)

居間の方から物音が聞こえ団平が警戒する。
もし神社で出会ったジャック・ザ・リッパーのように殺し合いに乗っている者であれば、
恐らく、いや間違い無く戦闘へと発展する。
いつでも戦えるように気を引き締め団平は意を決して居間の扉を開けた。

「! 誰?」
「……!」

そこには、猫のような外見をした――獣人――と言う存在だろうか。
猫の獣人の少女、がいた。
何やら大雑把な縫い目のある服を着ている。

「驚かせて、すまない。俺は行木団平と言う……警察官だ。殺し合いには乗っていない」
「……私は、長谷川智美。私も殺し合う気は無いよ」
「そうか……」

猫少女の目を見る限り、嘘をついているようには思えない。
団平は猫少女――長谷川智美を信じる事にした。

「ここには君一人か?」
「そうだね、家の中回ってみたけど私以外には誰もいないみたい」
「分かった……長谷川さん、この殺し合いに君の知り合いはいるか?」
「名簿見たけど知ってる人はいないね。それに、名簿には私の名前が無かった」
「何……?」

団平は自分の荷物から自分の参加者名簿を取り出し確認してみる。
確かに「ハセガワトモミ」と読める名前はどこにも無い。
一体どういう事なのだろうか、まさか名簿に入れ忘れたと言う事は流石に無いと思うが。
智美には首輪もはめられ、デイパック、ソファーの上には彼女の物と思しき支給品もある。
長谷川智美が参加者の一人だと言う事は確実だろうが――――。

「……何でだろうね」
「俺にも分からないが……何かあるんだろうな」
「ふぅん……」
「……俺の前に誰とも会っていないか?」
「私、ここがスタート地点だったんだよ。だから誰にも会っていないよ」
「分かった」

はぐれてしまった狭山雪子から聞いた彼女のクラスメイト三人の手掛かりは得られなかった。
特に雪子の親友だと言う瀬戸麗華については優先的に捜したい所だったが。

「長谷川さん、一緒に行かないか。一人でいるのは危険だ」
「うーん、そうだね、良いよ、一緒に行っても」
「そうか、宜しくな」
「うん」

団平は智美を同行させる事にした。
人外だが少女を一人のまま放っておく事も出来ない。
警察官として非戦闘員の保護は当然の事とも思っていた。
先刻はぐれた雪子の事は気がかりではあったが。


◆


(良い男だなぁ……でも、エッチ頼んでも多分断られそうな感じの人だね、諦めよう……)

行木団平と言う男を観察した長谷川智美の感想である。
良い男は彼女の大好物だったが、どうも誘惑して何とかなる人物ではなさそうだ、と智美は思った。

(でも、良い人そうだし、一人でいるのもあれだったしね……エッチは出来なさそうだけど、良いか)

とても頼れそうな男と一緒になれたのは、殺し合いと言う状況下においては幸運だ。
智美はそう考え落ち着く事にした。
行為は行いたい――――その思いは変わらないが。



【E-7/豪邸/一日目/朝】

【行木団平@DOLバトルロワイアル4th】
[状態]:疲労(中)
[服装]:特筆事項なし
[装備]:折れたアイアン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品(2)
[思考]
基本:《わずかな正義》を執行して殺し合いを潰す。
1:狭山さんは無理には探さない。瀬戸麗華を優先して探したい。
2:殺し合いに乗った参加者は殺すが、説得してみてどうにかなりそうなら説得も試みる。
3:長谷川さんを同行させる。
[備考]
※ロワ参加前からの参加です。
※《無双劇場》は特に規制されていないようです。

【長谷川智美@DOLバトルロワイアル3rd】
[状態]:健康、眠気
[服装]:国分由貴の服@DOLオリロワ
[装備]:グロック19(15/15)
[道具]:基本支給品一式、グロック19弾倉(3)、四式陶製手榴弾(3)
[思考]
基本:殺し合いはしたくないが行為はしたい。
1:行木さんと行動。
[備考]
※DOLロワ3rd参戦前よりの参戦です。



≪支給品紹介≫
【グロック19】
長谷川智美に支給。
オーストリアの自動拳銃グロック17のコンパクトモデル。
手ごろな大きさで扱い易い。

【四式陶製手榴弾】
長谷川智美に支給。
第二次世界大戦末期に日本海軍で製造された手榴弾。
弾体部分の材料に陶磁器を使用している。破片が細かく威力は小さい。

【国分由貴の服@DOLオリロワ】
長谷川智美に支給。
DOLオリロワ内で長谷川祐治により破かれた国分由貴の衣服。
大雑把に縫われ辛うじて着れる状態になっている。


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010:正義の味方 行木団平 067:されど罪人は狼と踊る
GAME START 長谷川智美 067:されど罪人は狼と踊る

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最終更新:2012年11月27日 16:14