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逆襲の時!

浅倉翔、彼は実の弟を殺した少年だ。
その事実は否定しようがないほど真実だ。
彼自身も、それを否定すると言う事はしないだろう。
いや、その事実を受け止めたからこその暴走だ。
人殺し、弟殺し、家族を殺すのは重罪だ。
そんなことくらい、知識がないと言い張っている彼でも知っている。

「……龍磨」

一言、彼はつぶやいた。
それは彼の弟の名前である。
彼がその手で、殺害した肉親の名前である。
もう彼は泣いてなんていなかった。
壊れてなんていなかった。
強く生きるんだと、そう決心していた。

「そうだよな、龍磨……俺は、こうじゃなくちゃ性に合わない」

彼は、にっこりと笑顔を作った。
彼の好きな、サッカーをするときと同じ顔。
それを、こんな状況でする。
こんな場所にいようが、希望となろう。
そう、きっと龍磨だってそう望んでいるはずだ。
あいつは、俺にその言葉を残したかったのかもしれない。
強く生きろ――――その言葉を。
正直言えば、これはただの妄想としか言えない。
妄言であるとしか言えない。
それでも、そうやってとらえれば真実になる。
それに、あいつは双子の弟だ。
二卵性双生児であろうが、双子であるのだ。
きっと、考え方だって同じはずだ。
こうやって俺が考えたんだから、そう考えているに違いない。
そうだ、否定するなよ浅倉翔。
これは、俺の罪なんだ。
そして、ここから償って行くんだ、罰を。
さぁ、走ろうぜ俺。
走らなきゃなんにも始まらないだろう。
行くぞ――――キックオフだ。


☆           ☆


「葉月さんは、レックスさんと言う人を探しているんだね」
「はい…えーっと…高原さんは」
「正封でいいよ」
「え、いや……呼び捨てなんて……」
「呼び捨てじゃなくてもいいから……高原さんって言われるのはなんかね」
「じゃあ、正封君……正封君は探している人は?」
「俺はいないよ、探している人はね」

俺は少しだけ悲しい表情をした。
残念ながら、それは演技だ。
俺は殺し合いに乗っているのだ。
理由なんてない、死にたくないからだ。
遼平を殺して、もう俺は覚悟したんだ。
生きて帰るしかない、例え違う殺し合いに呼ばれだそうが、生きなければいけないのだ。
死んでしまった、殺してしまったあいつを冒涜することになるから。

「……じゃあ、レックスさんを探しに行こうか」
「うん、手伝ってくれるなんて、ありがとうね、正封君」
「いや、これくらいはね」

葉月さんが、立ち上がって歩きだした。
俺はポケットからカッターナイフを取り出した。
武器としては心もとない、だが……頸動脈を狙えば殺せる。
俺は、ゆっくりと葉月さんに近づいた。
頸動脈を狙い、思いきり斬りつける。

「あ、そうだ正封く、ッ――――!」
「あ――――――」

振り向かれ、頸動脈に向かっていたカッターナイフが頬に刺さった。
この瞬間、俺の殺害計画が失敗寸前までに追い込まれた。
武器なんてカッターナイフしかないのだ。
奇襲が失敗すれば、不利になる。

「ひっ、きゃああああああああああ!!」
「チッ!うるさい、黙、がぁ!?」

口を押さえつけようとしたところに、後頭部に衝撃が来た。
昔サッカーをやった時に感じた感覚だ。
そのまま俺は前のめりに倒れる事になる。
あ、やべぇ、これ痛いよな。
そんな事を思いながら、額に感じた衝撃とともに意識は闇に消えた。


☆           ☆


「……サイクロンシュート、決まったぜ」
「え、えーっと…君は?」
「俺は、浅倉翔です……貴方は?」
稲垣葉月、よろしくね翔君」

いきなり現れた少年に、私は驚いていた。
いや、それ以前に……正封君が私を殺そうとしていた事に気付かなかった。
あの時振り返らなければ、この子が助けてくれなければ、私は殺されていた。

「えーっと……大丈夫ですか?頬を怪我していますが」
「いや、これくらいは……普段から慣れてるしね」
「普段、から?」

あら、つい言ってしまった。
レックスと一緒に(自主規制)するとき、最初はちょっと痛いのよね。
まぁ、しばらくすると(自主規制)で(自主規制)だから。

以下(自主規制)

「あ、いや……気にしないで」
「……気にしないでって方が無理だとは思うけど、そういうことにしておきます」

彼が話の分かってくれる少年でよかった。
さすがに、純真そうな少年まで引き込んじゃダメよね。
とりあえず、それは置いておいて情報交換をしなくちゃ。

「えーっと、浅倉君……だっけ、貴方は探している人とかは……」
「俺?俺は……一人、謝りたい奴がいるんですよ」
「え、謝りたいって……?」
「…………俺が、ここに来る前に、殺そうとした奴です」
「――――――え?」

私は耳を疑った。
私を助けてくれた彼の口から出た言葉。
殺そうとした、冗談にしては重すぎる。
彼の眼を見ても、冗談であるとは思えない。

「俺は、ここに呼ばれる前にも殺し合いをさせられてたんですよ……。
 そこで俺は、実の弟を殺しました……否定するつもりはありませんよ。
 でも、それのおかげで分かった事があったんです……とは言っても勝手に考えた事ですけどね。
 強く生きていくしかないんだって、ここで殺し合いに乗って……願いを叶えてあいつを生き返らせれたとしましょう。
 あいつは、俺を一生軽蔑していくと思います。
 俺がするべきは、殺し合いを止められるように、強くなる事です。
 そのためにまずは、あいつに、凛に謝らなくちゃ駄目なんだ」

彼は一通り言い終わって、息を吐いた。
そして、彼はにっこりと笑った。
どこか寂しげながら、それを隠しているようだった。

「……じゃあ、凛君っていう人を探したいのね」
「あ、はい……で、葉月さんは……」
「私は……大丈夫よ」
「大丈夫じゃないですよ、自分ばかり探してもらうのも悪いですし……」
「そう?ありがとうね……私が探しているのは、レックスって言うの」
「レックス――――?外国の方なんですか?」
「いや、狼よ」
「……………………は?」

彼が示した反応は、驚愕そのものだった。
そんなに驚く事でもないと思うんだけれど。

「狼、ですか?」
「うん、狼」
「…………わ、わかりました?一緒に探しましょうか」
「ありがとうね、翔君」
「いや、これくらいは……問題ないですよ、じゃあ行きましょう」

翔君は、先ほどのサッカーボールを拾う。
結構距離があったのに当てられるなんて、すごい選手なんだろうと思ってしまう。
なんか、変な名前つけてたりしてたけど、そういう年頃だよね。
色々な事を考えながら、私も動き始めた。

【A-6/平野/一日目/朝】

【浅倉翔@変哲もないオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康
[服装]:特筆事項無し
[装備]:サッカーボール@現実
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2
[思考]
基本:この殺し合いを止める、もうこれ以上誰かを殺したくない
1:葉月さんと行動、レックスさんを見つける
2:凛に襲った事を謝りたい
3:狼……?
[備考]
※変哲オリロワ1話終了後からの参戦です
高原正封の容姿をほとんど見ていません、そのため獣人とは分かっていません

【稲垣葉月@新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]:右頬に切傷
[服装]:特筆事項無し
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:レックスに会いたい、死にたくない
1:翔君と行動、凛君と言う人に会いたい
[備考]
※新訳俺オリロワ参加前からの参戦です。
※高原正封の外見と名前を記憶しました。


☆           ☆


「っ――――痛ぇ」

狐獣人の男、高原正封は目を覚ました。
痛む額をおさえながら起きあがる。
先ほどまでいた、稲垣葉月と言う女性はいなくなっていた。
それと同時に、自分が殺人に失敗した事を理解させた。
もう迷わない、そう決めたが運が悪すぎた。
ふと右手を見ると、カッターナイフの刃が折れていた。
これでは武器として使うのは不可能であろう。

「……はぁ、運がないな」

ため息をつくしかなかったのだろう。
武器になりそうなものは他になかった。
だったら、行く場所は決まっている。

「武器になりそうなものを探さないとな……包丁でもカッターナイフよりはマシだし」

額をおさえながらフラフラと歩き出す。
一度友人を殺してしまった彼の覚悟は、決まっていた。
例え何があろうと、死にたくない。
だから、誰だろうが殺してやる。
彼の覚悟は、変わらなかった。

【A-6/平野/一日目/朝】

【高原正封@新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]:額にたんこぶ、後頭部に痛み
[服装]:砂が大量についている
[装備]:折れたカッターナイフ@現実
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2(武器はない)
[思考]
基本:殺し合いに乗る、優勝を目指す
1:武器を見つける、そのためにはどこに行くべきか……
2:さっきの後ろを襲った奴は……?
[備考]
※新訳俺オリロワ21話「友」終了後からの参戦です
※稲垣葉月の名前と容姿を記憶しました
※浅倉翔の容姿を見ていません

【支給品説明】

【サッカーボール@現実】
浅倉翔に支給。
武器としては心もとないが、新品のためかなり固い。
高校サッカーの競技用である。

【カッターナイフ@現実】
高原正封に支給。
紙や段ボールなども切れる便利品。
ただし刃が折れやすかったりする。
今ロワでは予備の刃は支給されていなかった。


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GAME START 浅倉翔 053:死逢わせ
GAME START 稲垣葉月 053:死逢わせ
GAME START 高原正封 054:マインド・イミテーション

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最終更新:2012年05月13日 16:20