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プロローグ

最終更新:

hiroki2008

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プロローグ

ビー玉をどうしてもモチーフにしたくて書いてはみたが
いきなりグラウンドからはじめたほうがスピーディだということになり採用されなかった



部室のドアをノックしたが返事がない。誰もいないのか。ドアを開けるとハルヒだけがいた。机につっぷしている。なんだ、またメランコリーか?
「あれ、ハルヒ、お前だけか」
「ん……」
生返事が返ってきた。ハルヒがぼんやりとしたまなざしで、机の上でなにか転がしている。
「なんだそれ?」
「ビー玉」
それってまさか。俺は転がっていくガラスの球を持ち上げた。ふつーにガラスだな。
「返しなさいよ」
「あ、ああ」
「あんた、ラムネ瓶の中のビー玉を取り出す方法、知ってる?」
「瓶を割ればいいんじゃないか?」
「瓶を割らずによ」
「さあ、知らん。どうやるんだ?」
「瓶の内側と外側を入れ替えるの」
「すまん、なんだって?」
「瓶の内側の世界と、外側の世界を入れ替えてしまうのよ」
なに言ってんだこいつは。哲学にでも凝ってるのか。
「つまりね。今、あたしたちは瓶の中にいるってわけ」
ハルヒが空になった瓶を振ってみせた。

どう返していいかわからず、「なるほどな」とだけ言っておいた。


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