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古泉の懸念
最終更新:
hiroki2008
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古泉の懸念
朝倉涼子が帰った後のシーン
もっとコミカルな会話を入れたかったのだが緊迫感が欠けるので没にした
もっとコミカルな会話を入れたかったのだが緊迫感が欠けるので没にした
朝倉が帰った後、俺たちはああでもないこうでもないと意見を述べ合った。
「彼女たちに上書きされてしまうと、谷川さんの世界が矛盾を生むことになりませんか」
「あるいは、彼女たちが僕の書いた話を演じる、ということになるね」
誰が演じようが、結局は同じ舞台の同じストーリーの上を歩くことになるのか。
「それでは見もフタもない話になってしまう。僕は自分の作品にはそれなりの愛着を感じている。僕自身の世界を守らなくてはならない」
「僕らへの愛ですね」古泉がうなずいた。
「愛だね」
なんだか話がやばい方向に行ってるんで俺は話題を変えた。
「谷川さんが俺たちの世界を作ってるんだとしたら、あいつらの世界は誰が作ってるんだろう?」
「……向こうの世界は、わたしたちの世界から派生している。こちらの世界に、別の作者が存在する」
「谷川さん以外のか」
「……そう」
そいつをとっ捕まえて市中引き回しにでもしてはどうか。
「……探し出すのは、無理」
「彼女たちに上書きされてしまうと、谷川さんの世界が矛盾を生むことになりませんか」
「あるいは、彼女たちが僕の書いた話を演じる、ということになるね」
誰が演じようが、結局は同じ舞台の同じストーリーの上を歩くことになるのか。
「それでは見もフタもない話になってしまう。僕は自分の作品にはそれなりの愛着を感じている。僕自身の世界を守らなくてはならない」
「僕らへの愛ですね」古泉がうなずいた。
「愛だね」
なんだか話がやばい方向に行ってるんで俺は話題を変えた。
「谷川さんが俺たちの世界を作ってるんだとしたら、あいつらの世界は誰が作ってるんだろう?」
「……向こうの世界は、わたしたちの世界から派生している。こちらの世界に、別の作者が存在する」
「谷川さん以外のか」
「……そう」
そいつをとっ捕まえて市中引き回しにでもしてはどうか。
「……探し出すのは、無理」