どこにも使われなかったシーン
初期プロットに入っていた長門の緊急用ナノマシンの一節
先に長門有希の憂鬱Ⅲで液状ナノマシンを使ったので没になった部分
長門が気絶したときに喜緑江美里から受け取ったやつ
長門が気絶したときに喜緑江美里から受け取ったやつ
「今回の再構成で緊急時保護回路を導入した。機能不全に陥っても3分で再起動される」
パソコンのリセットボタンみたいだな。
「……これ」
ハードコンタクトレンズの容器のような、直径2センチくらいの小さな瓶をくれた。
「何だ?」
「液状のナノマシン。わたしの機能を回復させる」
「これ動いてるのか」俺は瓶の中の水色の液体を振ってみた。
「今は休止状態にある。あなたの体温で活性化する。わたしが気絶したら、それを1ccだけ口に含んで、わたしに飲ませて」
前にも同じシチュエーションがあったような。閉鎖空間で。
「そう。Sleeping beauty」
俺は眠れる美女にキスをするところを妄想して、少し赤面した。
パソコンのリセットボタンみたいだな。
「……これ」
ハードコンタクトレンズの容器のような、直径2センチくらいの小さな瓶をくれた。
「何だ?」
「液状のナノマシン。わたしの機能を回復させる」
「これ動いてるのか」俺は瓶の中の水色の液体を振ってみた。
「今は休止状態にある。あなたの体温で活性化する。わたしが気絶したら、それを1ccだけ口に含んで、わたしに飲ませて」
前にも同じシチュエーションがあったような。閉鎖空間で。
「そう。Sleeping beauty」
俺は眠れる美女にキスをするところを妄想して、少し赤面した。
「今、試して」
「え……」
そう言われても、新薬を臨床試験するみたいでムードに欠けるんだがな。
長門はナノマシンの小瓶から数滴取って、俺の唇の先に塗った。俺の腕にもたれて目を閉じた。どうも最初のキスで気絶した記憶が蘇って俺を躊躇させる。
「有希、きれいだよ」
俺はなにか言わないといけないような気がしてそう囁いたが、どう見ても取ってつけたセリフだ。
長門の鼻に、俺の吐息がかかる。長門は一瞬ビクッとした。
数アンペアの電流は、やっぱり怖いようだ。
「やめようか」
「……いい。そのまま、続行して」
俺は、長門の右の頬を支えて、少し斜め上から唇を近づけた。この姿勢だと命中させるのは難しい。
唇の先で頬をゆっくり伝い、柔らかい稜線にたどりついた。
「え……」
そう言われても、新薬を臨床試験するみたいでムードに欠けるんだがな。
長門はナノマシンの小瓶から数滴取って、俺の唇の先に塗った。俺の腕にもたれて目を閉じた。どうも最初のキスで気絶した記憶が蘇って俺を躊躇させる。
「有希、きれいだよ」
俺はなにか言わないといけないような気がしてそう囁いたが、どう見ても取ってつけたセリフだ。
長門の鼻に、俺の吐息がかかる。長門は一瞬ビクッとした。
数アンペアの電流は、やっぱり怖いようだ。
「やめようか」
「……いい。そのまま、続行して」
俺は、長門の右の頬を支えて、少し斜め上から唇を近づけた。この姿勢だと命中させるのは難しい。
唇の先で頬をゆっくり伝い、柔らかい稜線にたどりついた。
時計も、自転も、宇宙の回転もが停止した。
顔をゆっくり離して、呼びかけた。「……長門?」
白雪姫はゆっくりと目を開けた。よかった。
「……二百ミリ秒だけ、思考が停止した」
長門はそのままスヤスヤと眠ってしまった。
このナノマシン、催眠作用があるのか……。少しミントの味がするぞ。
白雪姫はゆっくりと目を開けた。よかった。
「……二百ミリ秒だけ、思考が停止した」
長門はそのままスヤスヤと眠ってしまった。
このナノマシン、催眠作用があるのか……。少しミントの味がするぞ。