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とある少女の性書目録

とある少女の性書目録 ◆mfN0eC9miI



 はぁ……疲れた。

 薄暗い山道を照らす月明かりを浴びながら、俺――高須竜児は心の中で溜息を落とす。

 現在の時刻は午前0時40分。御坂と出会い、街へ向かって出発してから30分程が過ぎていた。
本来ならC-2にある神社についていてもおかしくは無いはずだが、先ほどから視界に映る景色は森、森、森。
 山道を照らす月明かりもその全てを照らすには力及ばず。真っ暗な視界の中、風に揺られてガサガサと揺れる木の葉は正直怖い。
 加えて、視界が悪い山道のせいか普段以上に体力を消耗してしまい、たった30分程の行程でヘトヘトだ。
 無論、俺より年下の女の子が平気で歩いているのにそんな事は言えない、が。

「なぁ、御坂の知り合いもこのゲームに参加させられてるのか?」

 疲労を訴える全身の叫びを無視するように、前方の少女に声をかける。

「まぁ……何人か、ね。アンタの方は?」

「俺も、ダチが何人か連れて来られてる。……ったく、あの女達は何を考えてんだろうな。バトロワがしたいなら自分達でやっとけばいいだろっ」

「んな事、私に言ってもしょうがないでしょーが。グチグチ言ってる暇があんなら足動かしなさい、足。」

「お、おおぅ。それはわかってるんだけどよ……納得できないと言うかなんと言うか」

「それはわからないでもないわよ……でも、今の私達にはあいつらのところに行く方法は無い。
 この忌々しい首輪を外さないと、逃げ出すことも出来ないしね」

「首輪か……外そうにもどうすればいいかさっぱりだししなぁ」

「アンタの知り合いにいないの? 何か首輪外せそうな機械に詳しい人とか」

「んな都合のいいやついたら苦労しないだろ。御坂の知り合いにはいないのか?」

「ちょっと、厳しいわね……私ならもしかしたら外せるかもしれないけど、構造も何もわかんない状態じゃちょっと無理かも」

「おぉ……これが前途多難って奴か……。ん? そういや俺、まだ支給品のチェックしてないんだが」

 会話を進めるたびに絶望的になって行く状況。
 ともすれば鬱になってしまいそうな心を切り替えようと、別の話題を振ってみる。
 が、それが間違いだった。

「ハァ!? 馬鹿じゃないのアンタ? もしかしたら滅茶苦茶良い物が入ってるかも知んないのよ!?」


 言った途端、烈火の如く目を吊り上げた御坂に怒鳴られる。
 なんだろう。俺はそんなにも悪い事をしてしまったのか?

「い、いや、それはわかってる。だけどいきなり御坂に会って、すぐに移動ってなったから確かめる暇が無かったんだよっ!!」

 うん。その通りだ。いきなり御坂に連れられたせいで確認できなかったわけで、俺は悪くな――

「それならそうと言いなさいよっ!!」

 悪いらしい。

 確かに、支給品を確認しないのは大きな失敗だが……そこまで怒鳴らなくてもいいと思うのは俺だけか?

「な、何よ!? そんな目付きしたって悪いのはあんたでしょーが!」

 いや、全くそんなつもりは無いんだが……。どうやら御坂には、俺の目付きが殺人者の目付きに見えたらしい。
 ハハ、こんなのには慣れてるさ。慣れてるけど……やっぱり傷つくぞ。

「ほら、そんな怖い顔してないでさっさと確認しなさいよ!」

「……おぅ」

 願わくば、荒みきった今の俺の心を癒すものが出てきて欲しい。
 切に、そう願う。

 とりあえず立ちっぱなしもなんなので、木陰に腰を下ろすことにした。
 疲れたように顔をしかめながらデイバッグを漁る俺の方に、好奇心たっぷりの視線が飛んでくる。

 コイツ……どんだけ楽しみにしてるんだ。

 その視線に、図らずともプレッシャーを感じながらデイバッグの中を覗く。
 中に入っていたのは水、ランタンやコンパス、紙、ペン、菓子パンがざっと三日分。
 とりあえずこれがあいつらの言っていた基本支給品らしい。問題は、次だ。
 御坂じゃないが、どうやら俺もワクワクしているらしい。席替えのくじ引きを引く時の小学生のように緊張しながら、デイバッグの中に手を伸ばす。

「何だ……これ?」

「……さぁ?」

 出てきた物を見るなり、思わず首を傾げる。
 それは古ぼけたファイルだった。ぱらぱらと適当にめくってみる。

「宇宙人に寄生虫か……オカルトチックだな」

「はぁ……これが何の役に立つってのよ。次、次行くわよ」

 まぁ、俺にもこれが役に立つとは思えない。
 気を取り直してデイバッグを探してみると、次にでてきたのは、ナイフだった。

「お、おぉ……ナイフか。これは結構役に立ちそうだな」

「まぁ、当たりっちゃ当たりね。他には入ってないの?」

 っと、言われてまたデイバグを探すがどうやら二つしか入ってなかったらしい。
 意味のわからんファイルとナイフか……一応武器が入ってた分だけマシだったのかもな。

「そういや、御坂の支給品は何だったんだ?」

「え? あ、ほら、さっき見せたでしょ? あ、あのコインよ?」

 露骨に焦りだす。怪しい、こんなキョドッた姿を見せられて怪しまないとでも思ってるんだろうか?

「いや、それは無理があるだろう。いいから見せてみろよ」

「あ、ちょ……っ」

 多少強引だったが、御坂からデイバッグを奪い取る。
 基本支給品は無視。まず出て来たのはぎっしりとコインの詰まった布の袋。
 これはさっき見せてもらったからよし、と。次は……ん?


「お前……これは」

「違うっ!! これは、勝手に入ってただけであって私が望んだわけじゃ……っ」 

 顔をこれでもかというくらい真っ赤に染めて、御坂が怒鳴る。
 御坂のデイバッグから出て来たのは、やけに胸の大きい煽情的な格好をしたスタイルのいい女性が表紙の雑誌――所謂、エロ本と呼ばれるものだった。

「いいから、返しなさいよっ!!」

 先ほどまでとは完全に立場が逆転。
 羞恥に頬を染めて、瞳を潤ませながらこっちを睨みつけてくる御坂は、その……グッとクルものがあった。
 第一印象からして、健康的で可愛いだった。そんな少女が、顔を真っ赤にして涙ぐんでいる。
 ……先に言っておくが俺はロリコンではない。ロリコンではないが――

「……ふぇ?」

 そお、体の一部分が反応してしまうのは仕方が無いだろう?

 生物は死の危険が迫ると生存本能が働いて、種を残すために性欲が上がるらしい。
 今の、俺もそんな感じの状況なんだと思う。
 しかも目の前には可愛い少女がいて側にはエロ本があるんだ!! これで興奮しない男がいるだろうか? いやない!

「あ、あ、あ、あ、あ、あ……」

 パクパクと口を開け閉めしながら御坂が俺を見る。
 そこで気付いたが、どうやら俺の思考はダダ漏れだったらしい。
 さっきで限界だと思っていたが、それ以上に顔を赤くしながら俺を睨みつけてくる。

「この――変態っ……いっぺん死んどけゴルァァァァァァ!!!」

 誤解だ!

 その四文字を言いきる余裕もなく、御坂の髪から雷撃の槍が放たれる。
 おぉ……何だこれ。超能力って本当にあったんだな。
 これは帰ったら櫛枝に教えてやんねぇとな……ってアイツも参加させられてるんだっけ?
 早く、早く会いたいなぁ……。

 そこで

 俺の意識は

 闇に消えた



【D-2 山の中/1日目・深夜】
【高須竜児@とらドラ!】
[状態]:気絶、微かに体が痺れている、軽く興奮
[装備]:朝倉のコンバットナイフ
[道具]:支給品一式、34号文書
[思考・状況]
1:なんつーか、ごめんなさい
2:知り合いを捜しても良いが、なるべく人と会いたくない

【朝倉のコンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱】
朝倉涼子がキョンを殺害する為に使った凶器。
シンプルながら白銀色の刃が冷たい印象を与える片手用コンバットナイフである。


【34号文書@ひぐらしのなく頃に】
鷹野三四からレナに渡されたファイルの一つ。
園崎家の陰謀や寄生虫こそがオヤシロさまの祟りの真相であるなどの情報が書かれている。

【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康 、極度の羞恥
[装備]:布の袋
[道具]:支給品一式、エロ本
[思考・状況]
基本:対主催
1:何でこんなもんが支給品なのよっ!!?
2:北の市街地へ行き、知り合いを探す

【エロ本@現実】
何の変哲もないただのエロ本。
表紙にはスタイルのいい女性が映っている。


29:Banjo Frenzy 時系列順 31:真夜中の病院で何を思う
29:Banjo Frenzy 投下順 31:真夜中の病院で何を思う
10:びりドラ! 高須竜児 42:交錯~crosspoint~
10:びりドラ! 御坂美琴 42:交錯~crosspoint~


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最終更新:2009年12月05日 11:42