ひょんなことから女の子
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hyon
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39 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/09/01(金) 00:47:38.83 ID:8Jm/NGGl0
空澄み渡る秋の日。学園ではほぼ全員の生徒が、文化祭の準備に追われている。
空澄み渡る秋の日。学園ではほぼ全員の生徒が、文化祭の準備に追われている。
男「これは何だ?」
そんな学園のとある一室に、瞳を輝かせた女子学生と、半眼でそんな彼女を見つめる男子学生がいた。
女「メイド服!」
男「わかってる」
そんな学園のとある一室に、瞳を輝かせた女子学生と、半眼でそんな彼女を見つめる男子学生がいた。
女「メイド服!」
男「わかってる」
彼は一つ嘆息をし、彼女に言う。
男「で、これを俺にどうしろと?」
女「着て♪」
女「着て♪」
簡潔に彼女は告げると、その問題のメイド服を持ち、彼の体に当てる。
女「サイズは大丈夫かな」
男「俺やらなくていいんじゃなかったっけ?」
女「駄目だよ。やっぱお客さんは意外性のあるものに惹かれるんだから」
男「入れ込んでるな」
女「もちろん。せっかくの文化祭なんだから全力で楽しまないと」
男「……俺の楽しみは?」
女「男君、大多数の楽しみのために、わずかの犠牲は必須なんだよ♪」
男「俺やらなくていいんじゃなかったっけ?」
女「駄目だよ。やっぱお客さんは意外性のあるものに惹かれるんだから」
男「入れ込んでるな」
女「もちろん。せっかくの文化祭なんだから全力で楽しまないと」
男「……俺の楽しみは?」
女「男君、大多数の楽しみのために、わずかの犠牲は必須なんだよ♪」
そう言いきると彼女は、教室の入り口へと向かう。
女「じゃあ外で待ってるから、着替えたら呼んでね♪」
とても弾んだ口調で、しかし妙に圧力のある言葉を男に投げかけ、彼女は教室から出た。
一人教室に残された彼は、再度息を吐くとメイド服を手に取る。
一人教室に残された彼は、再度息を吐くとメイド服を手に取る。
男「……着なきゃ帰れないな」
40 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/09/01(金) 00:48:45.38 ID:8Jm/NGGl0
男「いいぞ」
女「はーい♪」
男「いいぞ」
女「はーい♪」
女が勢いよく教室の扉を開けて入ってくる。
教室には、メイド服を着て机に突っ伏している男の姿があった。
教室には、メイド服を着て机に突っ伏している男の姿があった。
女「なんか自然体だね。もっと反応あると思ったのに」
男「今まで何回着させられたと思ってるんだ」
女「じゃあさじゃあさ、これもつけてよ」
男「今まで何回着させられたと思ってるんだ」
女「じゃあさじゃあさ、これもつけてよ」
そう言って彼女が取り出したのは、ヘアバンドにふさふさしたものがついた、俗に言う猫耳のようなものだった。
男「なんで猫耳まで」
女「あ、これ猫じゃないよ。たぶん狐耳だと思う」
男「それは別にどうでもいいんだが」
女「これねー、触ると凄いふわふわしてて、本物みたいなんだ」
男「本物を触ったことは?」
女「ありません、すいませんでした。でも凄い手触りいいんだよ」
男「付ける理由にはならないよな」
女「あ、これ猫じゃないよ。たぶん狐耳だと思う」
男「それは別にどうでもいいんだが」
女「これねー、触ると凄いふわふわしてて、本物みたいなんだ」
男「本物を触ったことは?」
女「ありません、すいませんでした。でも凄い手触りいいんだよ」
男「付ける理由にはならないよな」
拒否の姿勢を見せる彼に、彼女は狐耳のヘアバンドを無理やりつけようと手を動かす。
頭を狙う女の手と、それから逃れようと頭を動かす男の一進一退の攻防が続く中、会話も続く。
頭を狙う女の手と、それから逃れようと頭を動かす男の一進一退の攻防が続く中、会話も続く。
男「そんなものどこで買ってきたんだ?」
女「へへへー、実はね、うちの倉庫に転がってたの」
男「うちって……神社の倉庫にそんなものがあったのか?」
女「なぜかあったんだなー、あ、くそっ!」
女「へへへー、実はね、うちの倉庫に転がってたの」
男「うちって……神社の倉庫にそんなものがあったのか?」
女「なぜかあったんだなー、あ、くそっ!」
41 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/09/01(金) 00:49:39.95 ID:8Jm/NGGl0
あと少しで付けられるというところで、男が頭を動かす。
あと少しで付けられるというところで、男が頭を動かす。
男「そんな得体の知れない物持ってくるなって」
女「大丈夫だよ。昔からあったとかじゃないはずだし」
男「……まあ昔に獣耳作った人がいたらずいぶん時代を先取りしたんだな」
女「ねー、付けてくれてもいいでしょ?一応どんな風になるのか見たいんだって」
女「大丈夫だよ。昔からあったとかじゃないはずだし」
男「……まあ昔に獣耳作った人がいたらずいぶん時代を先取りしたんだな」
女「ねー、付けてくれてもいいでしょ?一応どんな風になるのか見たいんだって」
いつまで経っても捕まえられない男に、彼女は直接頼みこみ始めた。
しぶしぶ、彼は狐耳を受け取る。
しぶしぶ、彼は狐耳を受け取る。
男「……まあいいけどな。なるべく当日は使ってくれないことを望む」
女「似合ってたら使おうよ。せっかく見つけてきたんだし」
女「似合ってたら使おうよ。せっかく見つけてきたんだし」
彼女の言葉に、当日も付けるであろう事を確信しながら、彼はそれを頭に付けた。
途端、男の体が崩れ落ち、ひざ立ちの体勢になる。
途端、男の体が崩れ落ち、ひざ立ちの体勢になる。
女「ど、どうしたの!?立ちくらみ!?」
男「……い、いや……なんか身体が…………」
男「……い、いや……なんか身体が…………」
床に手をつき、うずくまる男。すると、彼の身体に変化が現れる。
まるで映画のように、突然髪が伸び、その色が頭につけた狐耳と同じ茶色がかった黄金色になる。
その変化を唖然とした顔で見る女。
変化が終わると、ふらふらしながらも彼が立ち上がった。
まるで映画のように、突然髪が伸び、その色が頭につけた狐耳と同じ茶色がかった黄金色になる。
その変化を唖然とした顔で見る女。
変化が終わると、ふらふらしながらも彼が立ち上がった。
42 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/09/01(金) 00:50:30.34 ID:8Jm/NGGl0
男「くっ……何だったんだ?」
女「ど、どうしたの、それ……?」
男「どうしたって……あれ?髪が……」
男「くっ……何だったんだ?」
女「ど、どうしたの、それ……?」
男「どうしたって……あれ?髪が……」
彼が髪を払いのける。その顔はほとんど先ほどと変わってないようだったが、よく見ると頬に、猫類のような長い髭が数本見えた。
?『あの……』
男「ん?何か言ったか?」
女「え、私は何も……それよりもその耳、えと、動いてるよね……?」
男「耳ってこの狐……さ、触った感触がある……!?」
?『すいません、あのー』
男「うるさい取り込み中だ。なあ、髪も伸びてるし、なんか胸も変なんだが……」
女「わ、私にも何がなんだか……ところでさっきから誰と話してるの?」
?『そ、そんな無視しなくても……あ、今なら姿見せればいいですね』
男「ん?何か言ったか?」
女「え、私は何も……それよりもその耳、えと、動いてるよね……?」
男「耳ってこの狐……さ、触った感触がある……!?」
?『すいません、あのー』
男「うるさい取り込み中だ。なあ、髪も伸びてるし、なんか胸も変なんだが……」
女「わ、私にも何がなんだか……ところでさっきから誰と話してるの?」
?『そ、そんな無視しなくても……あ、今なら姿見せればいいですね』
男の頭の中に響く声がそう言った途端、教室に突然現れた女性がいた。
その姿を一言で表すとすれば、今の男と同じ容姿というのが一番正しい。
唯一つ違う点を挙げると、巫女服のような布の多い服を着ているということである。
その姿を一言で表すとすれば、今の男と同じ容姿というのが一番正しい。
唯一つ違う点を挙げると、巫女服のような布の多い服を着ているということである。
男「…………」
女「…………」
?「こんにちは……ってあれ、な、なんでじっと見てるんですか二人とも?」
女「…………」
?「こんにちは……ってあれ、な、なんでじっと見てるんですか二人とも?」
突然教室に現れた人間。いや、このような現れ方をするのが人間であるはずは無いのだが。
とにかくそんな彼女を、二人の人間はじっと見詰める。そして先に口を開いたのは男だった。
とにかくそんな彼女を、二人の人間はじっと見詰める。そして先に口を開いたのは男だった。
43 名前: ◆L97/kAofk2 投稿日: 2006/09/01(金) 00:51:40.82 ID:8Jm/NGGl0
男「誰だ?」
女「えっ、この場合「何者だっ」じゃ?」
?「えっとですね、話せば長くなるんですけど……」
男「まず答えてくれ。今起こったことはこれのせいなんだな?」
男「誰だ?」
女「えっ、この場合「何者だっ」じゃ?」
?「えっとですね、話せば長くなるんですけど……」
男「まず答えてくれ。今起こったことはこれのせいなんだな?」
男が自分の頭の上でピコピコ動いている狐耳を指す。
?「まあ、一応そういうことになりますねー……」
男「よしわかった。つまり……」
男「よしわかった。つまり……」
彼が女のそばに近づく。
女「ふぇ?」
男「お前のせいだなお前のせいだなお前のせいだな」
女「いっ、いったたた、ご、ごめんなしゃーい!」
男「お前のせいだなお前のせいだなお前のせいだな」
女「いっ、いったたた、ご、ごめんなしゃーい!」
彼女の頭を握りこぶしで挟んでぐりぐりする彼を見て、突然現れた女性は苦笑いをしながら首を掻く。
?「私のことはいいのかなー、なんて…………うー、また無視されてる……」