ひょんなことから女の子
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hyon
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275 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 20:07:44.90 ID:YXYR/Zm10
俺の町は魔王とかいう奴らの軍勢に襲われた
運良く町の人間は全員逃げ切れた……俺を除いて
唯一捕まってしまった俺は魔王の城とやらに連れて行かれる
俺の町は魔王とかいう奴らの軍勢に襲われた
運良く町の人間は全員逃げ切れた……俺を除いて
唯一捕まってしまった俺は魔王の城とやらに連れて行かれる
女は捕虜。男は奴隷。
こりゃ、俺の短い人生はここで終わり、か
せめて最後に真っ暗闇のこの人生一度くらい日の目を浴びたかった
せめて最後に真っ暗闇のこの人生一度くらい日の目を浴びたかった
魔「お前、名は何という?」
俺「さぁ?どうせ死ぬなら教える必要もねぇだろ」
魔「そうか、死を覚悟しているか、それはちょうどいい」
俺「さぁ?どうせ死ぬなら教える必要もねぇだろ」
魔「そうか、死を覚悟しているか、それはちょうどいい」
こいつは一体何を言っている?
魔「お前の名は今日からエル。我が側近として働いてもらおう」
もう一度いう、こいつは何を言っている?
魔王は言い終わるや否や眩しい光を俺にぶつけてきた
魔王は言い終わるや否や眩しい光を俺にぶつけてきた
魔「皆のもの、下がるがいい」
その号令とともに全ての魔物どもが部屋から去っていく、そんな感じな物音のみ聞こえる
魔「お前は今日から女として生きることになる。私と同じ女としてな」
ようやっと目が見えるようになった頃、目の前には凶悪な面を手にした女の子が一人立っていた
そしてその後ろにある大きな鏡に映し出された人間の姿も女だった
そしてその後ろにある大きな鏡に映し出された人間の姿も女だった
276 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [7000文字くらいだからそれほど長くないかもしれない?] 投稿日: 2006/09/02(土) 20:09:27.35 ID:YXYR/Zm10
魔「さ、これでお互い女の子なんだし固いこといいっこ無しね」
魔「さ、これでお互い女の子なんだし固いこといいっこ無しね」
……は?
こいつはさっきまで魔物どもに偉そうに指図してたあの魔王だよな?
俺の町襲いにきて俺を拉致した魔王だよな?
こいつはさっきまで魔物どもに偉そうに指図してたあの魔王だよな?
俺の町襲いにきて俺を拉致した魔王だよな?
魔「いやぁ、ようやっと人間を一人捕獲することに成功したわぁ」
は?ちょっとまて、俺が知っている情報と色々と違いがありすぎる気がする
魔「いや…ま、いるけど、こんだけともだち付き合いも無いフリーな子って意味で初めてね」
ぐっ心にぐさぐさと突き刺さってくる言葉は女特有のあれで魔王の威厳がひとかけらも無い
そもそもたかだか人間のガキにため口かよ。もうちょっと魔王らしさってやつを見せたら……俺は死ぬな
そもそもたかだか人間のガキにため口かよ。もうちょっと魔王らしさってやつを見せたら……俺は死ぬな
俺「おい、お前が俺をさらったのはよしとしよ。だがしかし、なぜ俺は女にされたんだ?」
魔「だって女の子の方が参考にできる意見が多いかなぁって……」
俺「お前さんが何を参考に仕様としているのかは知らんが記憶が変わらん限り俺は男についてすらまともに語れんぞ」
自分で言っていて情けなくなるが正直俺には友と呼べる人間も、男らしいことをした記憶も無い
トラウマがあって女も苦手だし正直ここで人生終わるのもいいかと思ったくらいだ
だいたい町の奴ら俺のことなぞ放っておいて我先にと逃げやがって、目が覚めた時、目の前に強面の魔物がいた時の気持ちがわかるのか?
トラウマがあって女も苦手だし正直ここで人生終わるのもいいかと思ったくらいだ
だいたい町の奴ら俺のことなぞ放っておいて我先にと逃げやがって、目が覚めた時、目の前に強面の魔物がいた時の気持ちがわかるのか?
魔「あ………!で、でもほら私も女の子だし男と一緒にいるのは危ないじゃない?」
一ついわせてもらおう。今現在危ないのは俺の方だ
277 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [改行が一番の強敵なのは変わりません] 投稿日: 2006/09/02(土) 20:10:37.03 ID:YXYR/Zm10
魔「あ、ほら、でも女の子同士の方が喋りやすいし、私こんな立場だから友達とかいないし……」
魔「あ、ほら、でも女の子同士の方が喋りやすいし、私こんな立場だから友達とかいないし……」
俺が現状を把握してある程度冷静になって、そのまま壁の方でくよくよし始めると慰めるようにこいつは話しかけてきた
人間より優しくね?
人間より優しくね?
魔「いや、貴方が嫌ならいいけど、と、友達としていてくれると嬉しいかな////」
初めてであった女の子がこいつだったら俺はこんな人生歩んでないかもしれなくはないな
どうせ俺が今女だから友達なわけだし
こいつが人間だったら明らかにどっか見てくればっかりかっこいい野郎についていくんだろうし
でも今女なんだから人生やり直し聞くんじゃね?
どうせ俺が今女だから友達なわけだし
こいつが人間だったら明らかにどっか見てくればっかりかっこいい野郎についていくんだろうし
でも今女なんだから人生やり直し聞くんじゃね?
俺「よくわかんないけど、友達の前にお前の部下として頑張るから、それでいいか?」
ぱあっと明るくなる女の子改め魔王の顔を見ると少しほっとする
これからどんな大変なことが待っているかは分からない
それでもできる限りのことは頑張ろうじゃないか
これからどんな大変なことが待っているかは分からない
それでもできる限りのことは頑張ろうじゃないか
魔「人型はこれの着用が義務づけられてるから働いてる間はこれ付けてね」
魔「あと絶対喋ったら駄目だよ。喋るときはこれを使ってね」
魔「あー、肌の露出も厳禁だから、これ着てね」
魔「あと絶対喋ったら駄目だよ。喋るときはこれを使ってね」
魔「あー、肌の露出も厳禁だから、これ着てね」
最初にこいつが付けていたような仮面が渡される
次はそれっぽい杖そして完全に姿の隠れるマントみたいな布
俺の装備は「男物の服」「変な仮面」「怖そうな杖」「ぶかぶかなフード」
見た目的には死の使いって感じ
町にいたのときよりは面白い生活が送れそうだ
次はそれっぽい杖そして完全に姿の隠れるマントみたいな布
俺の装備は「男物の服」「変な仮面」「怖そうな杖」「ぶかぶかなフード」
見た目的には死の使いって感じ
町にいたのときよりは面白い生活が送れそうだ
278 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [ホント終わっても起こらないで下さい] 投稿日: 2006/09/02(土) 20:12:04.47 ID:YXYR/Zm10
側近の仕事はたいして面倒ではなかった
魔物がつれてきた人間に杖を通して幾つか質問を投げかけ
小さなオモチャみたいな家の敷き詰められた箱に入れる
なんでも魔力とかいう奴で構成された異空間で捕まった人間のほとんどがそこに収容される
側近の仕事はたいして面倒ではなかった
魔物がつれてきた人間に杖を通して幾つか質問を投げかけ
小さなオモチャみたいな家の敷き詰められた箱に入れる
なんでも魔力とかいう奴で構成された異空間で捕まった人間のほとんどがそこに収容される
問題は女としての生活だ
はっきりいって面倒くさい
周りからは見えないがまず胸が邪魔
どちらかと言えば貧乳に分類されるのだが服とこすれ合ってうざい
男のときには感じなかった微妙な感覚が果てしなくうざい
それは体全体にいえることなのだが……
だからといってあいつが裏で着てるような女物の服を着ようとは思えないし
裸で過ごすわけにもいかない
はっきりいって面倒くさい
周りからは見えないがまず胸が邪魔
どちらかと言えば貧乳に分類されるのだが服とこすれ合ってうざい
男のときには感じなかった微妙な感覚が果てしなくうざい
それは体全体にいえることなのだが……
だからといってあいつが裏で着てるような女物の服を着ようとは思えないし
裸で過ごすわけにもいかない
そのことさえ無ければ他に対して不満は無かった
しょくじは美味しいし、特に重労働もない
夜は魔王と同じベッドで寝る
最初は抵抗が合ったが今では女同士だと自分に言い聞かせている
その時の会話もまた面白い
魔族はとても純粋な生き物らしい
人間のように複雑に絡み合った嫉妬、妬み、恨みなどが無く
男が思い浮かべる理想の精神をしている……と思う
しょくじは美味しいし、特に重労働もない
夜は魔王と同じベッドで寝る
最初は抵抗が合ったが今では女同士だと自分に言い聞かせている
その時の会話もまた面白い
魔族はとても純粋な生き物らしい
人間のように複雑に絡み合った嫉妬、妬み、恨みなどが無く
男が思い浮かべる理想の精神をしている……と思う
俺はそんな生活が楽しかった
279 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 20:13:04.50 ID:YXYR/Zm10
俺はいつものように人間の選別を始める
魔族は人のいう正義、愛を嫌う
魔物にそういうものが無いわけでなく
人間の基準とするそれが苦手なだけだが……
俺はいつものように人間の選別を始める
魔族は人のいう正義、愛を嫌う
魔物にそういうものが無いわけでなく
人間の基準とするそれが苦手なだけだが……
人間はそのほとんどが心が醜い
何人かの友達であったというグループ
「もしお前とそれ以外の人間。どちらかの命を助けるとしたらどちらを選ぶ?」
そう全員に聞く
だいたいがこう答える
「私を助けて」
その後のいいわけは十人十色だがおおよそがそうだ
女はまず相手の命より自分を重くおく、そんな気がする
男はたまに下らない英雄心から自分を犠牲にしようとする
それでも地下の薄暗い階段を一段一段下りていくにつれ不安が顔に表れ
扉を前にすると助けを懇願する
何人かの友達であったというグループ
「もしお前とそれ以外の人間。どちらかの命を助けるとしたらどちらを選ぶ?」
そう全員に聞く
だいたいがこう答える
「私を助けて」
その後のいいわけは十人十色だがおおよそがそうだ
女はまず相手の命より自分を重くおく、そんな気がする
男はたまに下らない英雄心から自分を犠牲にしようとする
それでも地下の薄暗い階段を一段一段下りていくにつれ不安が顔に表れ
扉を前にすると助けを懇願する
人間なんてそんなものだと思っていた
ある二人組がきた
俺は両方に同じように聞いた、もちろん別々な部屋でいかにもお前にだけそれを決める権限があるというかのように
「お前が死ねば相手は助けてやろう。さてどうする?」
どうせ帰ってくる答えは同じだと思っていた
俺は両方に同じように聞いた、もちろん別々な部屋でいかにもお前にだけそれを決める権限があるというかのように
「お前が死ねば相手は助けてやろう。さてどうする?」
どうせ帰ってくる答えは同じだと思っていた
「私を助けて」
一人目からそう聞いた時、俺は特に何も考えなかった
いつもと変わらない作業の一環なのだから二人目もまた同じだろう……と
いつもと変わらない作業の一環なのだから二人目もまた同じだろう……と
281 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [内気魔王じゃないような気もするんですけどね] 投稿日: 2006/09/02(土) 20:16:01.45 ID:YXYR/Zm10
「僕が犠牲になればあの人はたすけていただけるのですね?」
「僕が犠牲になればあの人はたすけていただけるのですね?」
彼は確かにそういった
「なら僕を食べてください」
食べられるとうのは彼の一方的なイメージであろう
そもそもこの城にきてから人間の血というものを一度も見ていない
武器のチェックをした時でさえ人間の血は欠片も付いていなかった
そもそもこの城にきてから人間の血というものを一度も見ていない
武器のチェックをした時でさえ人間の血は欠片も付いていなかった
「そう…か。ではついて来い」
俺は扉の鍵を開け先程の友人の元へ連れて行く。彼が見えないようにマントをかぶらせ…
「お、お前。俺は助けてくれるのか!?あいつが犠牲になれば俺は助けてくれるんだよな!?」
人間の悲痛の叫び、生への執着心
「そうだ」
そう答えいつもの通り醜い人間を小さな箱の中へと飛ばす
そして後ろに立っているマントの中の男へ質問をする
そして後ろに立っているマントの中の男へ質問をする
「お前はこれでもこんな奴のために犠牲になろうというのか?」
彼の答えは変わらなかった
「いいです。僕を殺してください」
282 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 20:16:41.35 ID:YXYR/Zm10
地下へと続いていく階段を二人歩いていく
俺はこいつが選んだ答えが気になって仕方ない
地下へと続いていく階段を二人歩いていく
俺はこいつが選んだ答えが気になって仕方ない
「お前は友に裏切られたから“死”を選ぶのか?」
階段を下りていくなかで少しも表所を変えず、むしろ少しの微笑みを感じる
「あの人が“死”を受け入れられるくらい生きていけたら僕は嬉しいから
でも彼はまだやり残したこととかいっぱい合って、だからあんな風に言っちゃって
僕は沢山貰ったけど、あのにはに僕は沢山の喜びをあげられなかったことかなぁって
僕はあの人のために何かしてあげたいと思う。だって僕の友達ですからね」
でも彼はまだやり残したこととかいっぱい合って、だからあんな風に言っちゃって
僕は沢山貰ったけど、あのにはに僕は沢山の喜びをあげられなかったことかなぁって
僕はあの人のために何かしてあげたいと思う。だって僕の友達ですからね」
心に少しも曇りが無い
人間として気持ち悪いほど、まだ若いとは思えぬ程に世を悟りきっている
人間として気持ち悪いほど、まだ若いとは思えぬ程に世を悟りきっている
なんとなく魔王に似ている
顔とかそういう意味ではなく心のあり方
顔とかそういう意味ではなく心のあり方
あいつは魔王って言ってるくせに一人の人間も殺したことが無い、そう言っていた
283 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 20:17:30.09 ID:YXYR/Zm10
扉の前、初めて開く扉
今まで一人も通ったことの無い道
できることならこれはこの人を助けてやりたい
しかし一切の負の感情を持たない人間は決してあの空間では暮らすことができない
扉の前、初めて開く扉
今まで一人も通ったことの無い道
できることならこれはこの人を助けてやりたい
しかし一切の負の感情を持たない人間は決してあの空間では暮らすことができない
「本当にいいのか?」
「心配していただかなくても…ぼくが選んだ道ですから」
「……ごめんなさい」
杖を介さず自分の声で喋る
「あはは、貴女そっちの声だととってもかわいいですよ。…最後にお顔見せていただいてもいいですか?」
ルール違反だってのは分かってる
ただ俺は黙って仮面を外した
ただ俺は黙って仮面を外した
「貴女、やっぱり女の子だったんですね」
笑顔で語る彼を直視することはできず顔を背ける
ちゅっ
頬にあたる柔らかい感触
ちゅっ
頬にあたる柔らかい感触
「元気の出るおまじないです。こういうのって普通女の子がやるものですけど」
これから殺される(彼はそう思っているはず)というのにどうしてそんなに他人の心配をできるのか
扉に入っていった彼の後ろ姿が消えないうちに俺は扉の鍵を閉めた
扉に入っていった彼の後ろ姿が消えないうちに俺は扉の鍵を閉めた
285 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 20:18:54.19 ID:YXYR/Zm10
魔「ねーエルー。なんかあったの?」
魔「ねーエルー。なんかあったの?」
夜、いつものように軽い声。もう少し魔王としての自覚を持てと言いたい
俺「どうしてお前が人を殺さないのか考えてた」
俺はぶっきらぼうに答える
そういえばこいつはこの話題になるといつも話をそらす
だが今日は違った
そういえばこいつはこの話題になるといつも話をそらす
だが今日は違った
魔「聞いても絶対に笑わないでよ……。私勇者様に一目惚れしちゃったの」
!、そう語る少女の目はどこか遠い所を見ており憧れに目を輝かせている
魔「最初はひいが何個かつくおじいさまを倒した4人連れの“自称”勇者がいるってきいて勇者なんて大嫌いだったんだ
初めて勇者様に会った時、彼らから見れば人間じゃないじゃない?
それなのにまだ幼かった彼は怪我した私に治療してくれて「こっちは危ないから早く帰りな」って言ってくれて
彼が勇者になったって聞いて心が痛かった
どうせ人間のために私たちを殺して回る悪魔みたいな所行を重ねるんだからって
でも彼は一人で町々を巡って解放してはいくけど一人もとどめを刺さずにただ二度と近づかないよう警告するだけだった……」
初めて勇者様に会った時、彼らから見れば人間じゃないじゃない?
それなのにまだ幼かった彼は怪我した私に治療してくれて「こっちは危ないから早く帰りな」って言ってくれて
彼が勇者になったって聞いて心が痛かった
どうせ人間のために私たちを殺して回る悪魔みたいな所行を重ねるんだからって
でも彼は一人で町々を巡って解放してはいくけど一人もとどめを刺さずにただ二度と近づかないよう警告するだけだった……」
恋する乙女は嬉しそうに過去を語る
だがなぜ今更にこんなことを語る?
だがなぜ今更にこんなことを語る?
魔「勇者様がもうこのお城のそばにまで来てるんだって、私は死なない限り人間の恐怖は消え去らない
だからもう少しで貴方ともお別れ……そう思ったら話したくなっちゃった」
だからもう少しで貴方ともお別れ……そう思ったら話したくなっちゃった」
魔王は決して幸せにはなれない。頂点に君臨し続け、死を待つかor殺されるか。その二つの道しか選ぶことはできない
298 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:24:30.64 ID:YXYR/Zm10
俺「お前の代わりに俺が魔王をやってやろうか?」
俺「お前の代わりに俺が魔王をやってやろうか?」
俺は何を考えていたか分からない
ただ初めて俺に心から接してくれたつのために何かしてやりたい。そう思っただけだった
ただ初めて俺に心から接してくれたつのために何かしてやりたい。そう思っただけだった
魔「で、でも、そしたら貴方死んじゃうのよ?」
俺「最初っから死ぬ覚悟はできている。その時死ぬか、これから死ぬか。たいした違いじゃないさ」
問題はこいつだ。この城の本で読んだ。自らの力を他人に譲り渡す術
そのときに力とともに何かを失ってしまう
そのときに力とともに何かを失ってしまう
俺「お前がどれだけ勇者に会いたいのか。お前が勇者に見てもらえるかすら分からない。それでもあいつの所にいきたいなら、俺は魔王をやってやる」
魔「……ごめん、もう少し考えさせて」
この日はそのまま一言も会話を交わさず眠りについた
299 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:28:46.43 ID:YXYR/Zm10
俺は次の日、魔王として王座についた
あいつはこの城の近くの町と城との間に小屋を建てそこに住むことになった
俺が新しい王となったことを知っているのは二人
俺は次の日、魔王として王座についた
あいつはこの城の近くの町と城との間に小屋を建てそこに住むことになった
俺が新しい王となったことを知っているのは二人
俺「俺はお前達の主のために新しく王として立つことになった
だが所詮は元人間。お前達二人が望むのであれば俺は力をどちらかに譲りどこへでも幽閉してくれ」
だが所詮は元人間。お前達二人が望むのであれば俺は力をどちらかに譲りどこへでも幽閉してくれ」
最初に俺はそう聞いた
「「我々の主は魔王様のみ。その命は貴方に使えること。我が命、貴方に奪われることも我が喜び」」
人間ははたしてこうやって生きることができるのか
魔物こそ、この世に生きるには素晴らしいのではないかと思うこともある
魔物こそ、この世に生きるには素晴らしいのではないかと思うこともある
俺「そうか…では今より我が命、汝等の物。我は王なり!城の命運とともに我が道あり!」
絶対にあり得ない
昔なら口にするどころか考えることも無かった言葉
昔なら口にするどころか考えることも無かった言葉
今、この言葉に偽りは無い。勇者に打たれるもまた我が道
300 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:31:06.35 ID:YXYR/Zm10
……なんて格好いいことを言ったが勇者が来るまでの間、たいしてすることも無く平和に過ぎていった
そもそももう襲おうとする場所も無いし後は勇者を待つだけだし
……なんて格好いいことを言ったが勇者が来るまでの間、たいしてすることも無く平和に過ぎていった
そもそももう襲おうとする場所も無いし後は勇者を待つだけだし
そういえばあいつ勇者に会えたのか?
たとえ合えたとしても相思相愛は無理だろうなぁと予測する
たとえ合えたとしても相思相愛は無理だろうなぁと予測する
だって勇者だぜ?
いろんな村々町々回って格好いい姿みせてりゃそりゃ勇者を思う女の子の一人や二人いるはずだし
いろんな村々町々回って格好いい姿みせてりゃそりゃ勇者を思う女の子の一人や二人いるはずだし
ーそれにあいつは人間になる代償に『声』を失ってしまったー
とりあえず個人的にはあいつが幸せになれるよう祈っているよ
勇者、お前に見る目があるならそいつは最高の伴侶となるはずだ、頑張れ勇者
勇者、お前に見る目があるならそいつは最高の伴侶となるはずだ、頑張れ勇者
時間が有り余っていると色々な考えが浮かんでくる
人生の楽しみ
人間のあり方
共存の難しさ
人生の楽しみ
人間のあり方
共存の難しさ
そして扉に入っていったあいつ
あいつとなら友達になれたのだろうか?いったいどんな環境に今いるのだろうか
考えているうちに城の中に声が響き渡る
考えているうちに城の中に声が響き渡る
『勇者が来たぞ!』
301 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:32:58.16 ID:YXYR/Zm10
魔王ってのは実際にかなり強かったりする、その強大な力を盾に自己再生、攻撃魔法などなど
勇者ってのも実際にかなり強かったりする、精霊の加護とやらで回復していく傷、人間とは思えぬ程の力
魔王ってのは実際にかなり強かったりする、その強大な力を盾に自己再生、攻撃魔法などなど
勇者ってのも実際にかなり強かったりする、精霊の加護とやらで回復していく傷、人間とは思えぬ程の力
しかし絶対の差がある
あいつは痛みに顔を歪ませるということだ
あいつは痛みに顔を歪ませるということだ
お互い、相手の攻撃をよけつつの戦いではたいしたダメージを与えられない
俺は特に痛みもなく、ただ回復だけしていく
だが相手は痛みを感じているにもかかわらず決してその力が弱まることがない
俺は特に痛みもなく、ただ回復だけしていく
だが相手は痛みを感じているにもかかわらず決してその力が弱まることがない
勇者「!」
勇者の手が止まる
入り口には見慣れた少女
入り口には見慣れた少女
勇者「何で君は来た!ついてきた者には皆来ないよう言ったはず!」
……もし勇者が彼女に好意があるならば無力な少女をかばうため自分のみを犠牲にするだろう
力は炎へと形を変え、勇者ではない人間へと飛んでいく
目をつむり恐怖に震える少女は焼き消えることは無かった
勇者「もう泣かないで。大丈夫だから」
彼女に見える顔は決して苦痛の浮かばない勇者の笑みであろう
こちらから見える鎧の砕け肌の焼けた後ろ姿からは想像できない優しい声
これがきっかけにでもなれば喋れないあいつでも何とかなるだろ
こちらから見える鎧の砕け肌の焼けた後ろ姿からは想像できない優しい声
これがきっかけにでもなれば喋れないあいつでも何とかなるだろ
302 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [何の話しだかわけかんなくなってきた] 投稿日: 2006/09/02(土) 22:37:12.20 ID:YXYR/Zm10
王座の間に青い光。対象を部屋にいる全ての人間と定めた回復の光
王座の間に青い光。対象を部屋にいる全ての人間と定めた回復の光
勇者「なぜ魔王が勇者の傷を回復させる」
なぜっていわれたって、このまま負けた方がいい感じがするんだよね
守るべき者ができた人間は強いらしい。最初の展開がウソのように俺は今追いつめられている
キィィン
仮面が宙へと飛ぶ
勇者「お前、女だったのか……」
今にも俺を一刀両断しそうに剣を構えている勇者
そう言えばそうだったね、今の私は女だ
男として生まれ、女として死ぬ、か
そう言えばそうだったね、今の私は女だ
男として生まれ、女として死ぬ、か
「どうせ死ぬんだったら一つ聞かせてくれ。どうしてお前は勇者などやっている?」
勇者「……昔一度だけ会った子が可愛かったから……自分が勇者になれば人間じゃなかったその子を倒そうとする人間もいないだろうと思っただけだ」
ぷっ、ふははは、 どうも周りには馬鹿ばっかりだ
特になにするでもなく無気力に暮らしてたってのになんでこんなに輝いてる奴ばっかりなんだ
特になにするでもなく無気力に暮らしてたってのになんでこんなに輝いてる奴ばっかりなんだ
勇者「笑うならお前が魔王をやっている理由でも聞かせてもらおうか?」
なぜ?簡単なことだ。友達のために自分ができることがそれだけだったから
304 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:40:11.87 ID:YXYR/Zm10
この城での暮らしとか、あいつのこととかは一切喋らないで自分が魔王をやっているのは最高の親友のためだと言っておいた
勇者の横で村娘Aが涙を流しているけど一応今の私とは何の関係もない
この城での暮らしとか、あいつのこととかは一切喋らないで自分が魔王をやっているのは最高の親友のためだと言っておいた
勇者の横で村娘Aが涙を流しているけど一応今の私とは何の関係もない
勇者「もし俺とお前、違う出合いをしていたら友になれただろうか?」
そいつは可能だろうね。実際お前の横には元魔王がいるわけだし
でもそう答えるのはしゃくに触る。だいたい私もそんなことで悩んでるんだから
でもそう答えるのはしゃくに触る。だいたい私もそんなことで悩んでるんだから
「女と男に友情は存在しないさ。お前は私と友達になれると思うなら別だがね」
勇者「そうか……」
振り下ろされる剣
ああ、死んだな
ああ、死んだな
目を開けても何も見えないが確かに目の前には勇者がいるのは分かる
勇者「お前の部下に聞いたが魔王はつのを失うと力を失うらしいな。これからは人間として生きるがいいさ」
マジ?そう言えば力と同時に何か失うんだっけ。私の場合は視力か
勇者「ちなみにこの城を未開のもりに包み込む石とやらもあるんだ。ちなみに閉じ込められていた人間も箱ごと外に運び出してあるとか」
あいつ等、ほんと主思いのいい奴らだな
「そうか……だが私は人間としては暮らさない。この城の運命が私の道だからな」
どうせだったらあの地下の奥の部屋へ行ってみたい。目には見えないが死に場所としてそう悪くもないしな
305 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:42:53.61 ID:YXYR/Zm10
何度も通った道は目をつぶっていても何とか進むことができた
階段を一歩一歩おりていく
ここへ向かっていった人間達とは違い今の私はかなり気持ちが高ぶっている
何度も通った道は目をつぶっていても何とか進むことができた
階段を一歩一歩おりていく
ここへ向かっていった人間達とは違い今の私はかなり気持ちが高ぶっている
一度もはいったことの無い世界
城の外に一気に森が広がっているであろう振動が伝わってくる
目が見えなくなったことにより他に感じることも多い
目が見えなくなったことにより他に感じることも多い
ごつん
扉に頭をぶつけた
扉に頭をぶつけた
とうとうたどり着いた扉
鍵だけは魔王になっても持ち続けていた
鍵だけは魔王になっても持ち続けていた
ギィィィ
扉の中はどうなっているか分からない
それでも私は中へ一歩一歩歩みだした
それでも私は中へ一歩一歩歩みだした
307 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:45:54.00 ID:YXYR/Zm10
「どなたですか?」
「どなたですか?」
懐かしい声。魔王の次に印象強かったあいつの声
「貴女はあの時の……どうしてここへ?」
「お前は人間だから魔王が消えた今、この城から出て行くべきだと思って」
「だとしたら今の僕にはその資格はありません」
「どうして!?」
「それ以上近づかないでください。こんなことを言うのもあれですけど僕貴女にだけはこの姿を見られたくないんです」
「姿?もしかして……」
「ええ、今の僕は人間を襲う魔物の成りをしています。だから貴女にだけは見られたくない」
「どうして?私も同じまもn
「貴女、本当は人間でしょう?」
「!」
「人間が怪物の姿に魅かれるわけありませんから、だから姿は見せられません」
「お前は人間だから魔王が消えた今、この城から出て行くべきだと思って」
「だとしたら今の僕にはその資格はありません」
「どうして!?」
「それ以上近づかないでください。こんなことを言うのもあれですけど僕貴女にだけはこの姿を見られたくないんです」
「姿?もしかして……」
「ええ、今の僕は人間を襲う魔物の成りをしています。だから貴女にだけは見られたくない」
「どうして?私も同じまもn
「貴女、本当は人間でしょう?」
「!」
「人間が怪物の姿に魅かれるわけありませんから、だから姿は見せられません」
私は今なに考えてるんだろうな
なんかこいつに拒絶されてメチャクチャ傷ついてるわ
ただ仲間はずれにされる感じじゃなくて
私のことを嫌ってないのに拒否されてるのが辛い
一番つらいのは彼なような気がして…
なんかこいつに拒絶されてメチャクチャ傷ついてるわ
ただ仲間はずれにされる感じじゃなくて
私のことを嫌ってないのに拒否されてるのが辛い
一番つらいのは彼なような気がして…
「私は別に見た目なんか気にしn「そんなことない!
「あ、いや……ごめんなさい。でも僕は貴女にだけは嫌われたくないんです」
「あ、いや……ごめんなさい。でも僕は貴女にだけは嫌われたくないんです」
完璧に見えた男の唯一の人間らしさ
彼が男で、私が女で……彼が私を好いていてくれる
まるで夢のようではある。あの時から心を奪われたのだから
彼が男で、私が女で……彼が私を好いていてくれる
まるで夢のようではある。あの時から心を奪われたのだから
308 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/02(土) 22:48:42.89 ID:YXYR/Zm10
「……私は…」
「……私は…」
ここまで言いかけて言葉が止まる
目が見えないから、だから貴方は気にしないでとでもいうつもりか?
それでいいのか?
いったいそうだとしてどうなる
目が見えないから、だから貴方は気にしないでとでもいうつもりか?
それでいいのか?
いったいそうだとしてどうなる
「僕は、恥ずかしい話ですが貴女のことしか考えられなくなってしまって…
気がついたら日に日に体は変わっていって…
君に会いたい。そう思っていたはずなのにいざ君が来たら臆病になってしまう」
気がついたら日に日に体は変わっていって…
君に会いたい。そう思っていたはずなのにいざ君が来たら臆病になってしまう」
「あの時言ったよね?僕は友人のために死ねるんだったら喜んで身を投げ出すって
でも今の僕は違う。キミに会いたかった、話したかった、抱きしめたかった、もう一度触れたかった」
でも今の僕は違う。キミに会いたかった、話したかった、抱きしめたかった、もう一度触れたかった」
まるで人間らしくなかった彼の人間らしい告白
私は一体何を思っているのか
私は一体何を思っているのか
「私はずっとここにいます。貴方が怪物の姿の限り会えないというのなら私も同じ道を通ります」
精一杯の言葉
彼は怪物になった私になど興味を示さないかもしれない告白は以下の文へと続く
彼は怪物になった私になど興味を示さないかもしれない告白は以下の文へと続く
「貴方に本当の自分を見せられないのはこちらも同じですから」