ひょんなことから女の子
クロ/クロ エピローグ『XX→XY』
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48 名前: 長目 『クロ/クロ』E-1 投稿日: 2006/09/03(日) 23:00:42.90 ID:Wfhe88030
エピローグ『XX→XY』
エピローグ『XX→XY』
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あれから6年が経った。
天才が発表した技術は学会を激震させた。
一部の人権保護団体や宗教団体からは猛烈な反発を受けたが、
一方で性染色体異常や性同一性障害に関わる人々からは絶賛された。
今では法整備も各国で進み、裁判所の許可を始め様々な手続きを踏めば
遺伝子上および戸籍上の性別転換が可能だ。
無論、相応の理由がない限り許可が下りることはないが。
一部の人権保護団体や宗教団体からは猛烈な反発を受けたが、
一方で性染色体異常や性同一性障害に関わる人々からは絶賛された。
今では法整備も各国で進み、裁判所の許可を始め様々な手続きを踏めば
遺伝子上および戸籍上の性別転換が可能だ。
無論、相応の理由がない限り許可が下りることはないが。
あれからアイツは、女としての人生を歩んでいる。
初めてあの日が来た時なんて、泣きながら喜んでいた。
不安要素と言われていた二次性徴前の手術が逆に功を奏したのか、体質も変わり、
今では随分と女らしい曲線的な体つきになった。
多少細身だが、以前のようなやせ細った身体ではない。
……まぁ、胸のサイズと身長は平均未満までしか成長していないが。
その話題に触れると怒るところは相変わらずだ。
初めてあの日が来た時なんて、泣きながら喜んでいた。
不安要素と言われていた二次性徴前の手術が逆に功を奏したのか、体質も変わり、
今では随分と女らしい曲線的な体つきになった。
多少細身だが、以前のようなやせ細った身体ではない。
……まぁ、胸のサイズと身長は平均未満までしか成長していないが。
その話題に触れると怒るところは相変わらずだ。
また、アイツは今も色々な研究を進めている。
俺も助手として手伝ってはいるが、やはり頭の中身が違うというか……
まぁ、俺はあくまで手伝いと精神面の支えになろうと努めている。
今研究しているのは、男性からY染色体を抜き出し、それを女性へ移植する技術――
大抵の場合は父親から娘へ、親子間での染色体の組み替えを比較して解析、
それに沿ってY染色体のデータを組み替え直してから、それを細胞に……
――まぁ、難しい話を省くと、要は女から男になる技術だ。
俺も助手として手伝ってはいるが、やはり頭の中身が違うというか……
まぁ、俺はあくまで手伝いと精神面の支えになろうと努めている。
今研究しているのは、男性からY染色体を抜き出し、それを女性へ移植する技術――
大抵の場合は父親から娘へ、親子間での染色体の組み替えを比較して解析、
それに沿ってY染色体のデータを組み替え直してから、それを細胞に……
――まぁ、難しい話を省くと、要は女から男になる技術だ。
50 名前: 長目 『クロ/クロ』E-2 投稿日: 2006/09/03(日) 23:02:41.04 ID:Wfhe88030
そして、俺は再び最初の被験者となった。
そして、俺は再び最初の被験者となった。
あの激痛を再び味わうのはなかなかにキツいものがあったが、
覚悟ゆえか、天才の技術が進歩したお陰か、前回よりは痛みに耐えられたと思う。
そういえば、女性は痛みに対して強いと聞いたことがある。
もしかしたらそれかもしれない。
覚悟ゆえか、天才の技術が進歩したお陰か、前回よりは痛みに耐えられたと思う。
そういえば、女性は痛みに対して強いと聞いたことがある。
もしかしたらそれかもしれない。
退院のためにロビーで手続きを終え、
出口へ向かうと、そこには見知った顔ぶれが揃っていた。
両親、友人、研究室の同僚たちだ。
出口へ向かうと、そこには見知った顔ぶれが揃っていた。
両親、友人、研究室の同僚たちだ。
葛が一同を代表して、花束を渡してくれた。
葛「ユウキちゃん。退院おめでとうございます~」
俺「おぅ、ありがとう。だがユウキ“君”な。“君”」
葛「でも~、本当に戻っちゃったんですねぇ~」
俺「待て。無視か」
葛「可愛かったのに、残念です~」
ちっとも残念じゃなさそうに葛は笑った。
葛「ユウキちゃん。退院おめでとうございます~」
俺「おぅ、ありがとう。だがユウキ“君”な。“君”」
葛「でも~、本当に戻っちゃったんですねぇ~」
俺「待て。無視か」
葛「可愛かったのに、残念です~」
ちっとも残念じゃなさそうに葛は笑った。
同一同「退院おめでとうー」
同1「うわ、ホントに戻ってる。懐かしー」
同2「えー、私は男の方の顔は初めて見ましたー」
同3「私もー。先輩そんな顔だったんですねー」
俺「おぅ、ありがとう。って俺は見せ物か。こら待て、さわんな。さーわーんなー」
同1「うわ、ホントに戻ってる。懐かしー」
同2「えー、私は男の方の顔は初めて見ましたー」
同3「私もー。先輩そんな顔だったんですねー」
俺「おぅ、ありがとう。って俺は見せ物か。こら待て、さわんな。さーわーんなー」
母「おや、前より男前になったんじゃない?」
父「可愛い娘ができたと思ったら、またむさい男に逆戻りか」
俺「あんたら、好き勝手言ってくれるな」
俺「あぁ、あと父さん。悪いな、実験に色々付き合わせて」
父「ん、気にするな」
父「可愛い娘ができたと思ったら、またむさい男に逆戻りか」
俺「あんたら、好き勝手言ってくれるな」
俺「あぁ、あと父さん。悪いな、実験に色々付き合わせて」
父「ん、気にするな」
51 名前: 長目 『クロ/クロ』E-3 投稿日: 2006/09/03(日) 23:05:16.27 ID:Wfhe88030
と、その時だった。
黒いタクシーが病院の入り口に停まった。
中から、長い髪の少女が下りてくる。
?「ごめんね遅れちゃった」
と、その時だった。
黒いタクシーが病院の入り口に停まった。
中から、長い髪の少女が下りてくる。
?「ごめんね遅れちゃった」
俺「またマスコミに追いかけ回されてたのか?」
?「そう。もう、こっちは大事な日なのに」
俺「まぁ新しい発明だし、色々ついて回るんだろ」
?「それはそうなんだけど」
マスコミがこっちに来ないのは、規制のせいというより、
コイツの方が話題性があるからなんだろうな。見た目とか。
?「そう。もう、こっちは大事な日なのに」
俺「まぁ新しい発明だし、色々ついて回るんだろ」
?「それはそうなんだけど」
マスコミがこっちに来ないのは、規制のせいというより、
コイツの方が話題性があるからなんだろうな。見た目とか。
母「こんにちは」
?「あっ、こんにちは」
慌てて両親におじぎをする少女。
背中の中ほどまで伸ばしたプラチナブロンドが揺れる。
?「あっ、こんにちは」
慌てて両親におじぎをする少女。
背中の中ほどまで伸ばしたプラチナブロンドが揺れる。
俺の隣で、父さんが自分のあごをひとなでする。
父「お前が女になったと聞いた時は驚いたし、また男に戻ったっていうのも驚いたが」
父「しかし、あんな可愛い子を嫁さんにもらうってのが、一番の驚きだな」
母「それもノーベル賞をもらった子だよ? これ夢じゃないの?」
俺「あんたらな……」
父「お前が女になったと聞いた時は驚いたし、また男に戻ったっていうのも驚いたが」
父「しかし、あんな可愛い子を嫁さんにもらうってのが、一番の驚きだな」
母「それもノーベル賞をもらった子だよ? これ夢じゃないの?」
俺「あんたらな……」
葛「夢じゃありませんよ~」
葛「ユウキくん、先生とお幸せに~」
俺「あぁ、ありがとう」
葛「ユウキくん、先生とお幸せに~」
俺「あぁ、ありがとう」
52 名前: 長目 『クロ/クロ』E-4 投稿日: 2006/09/03(日) 23:06:53.02 ID:Wfhe88030
?=天「あ、そうだった!」
天「早く乗って乗って!」
と、天才は俺の手を引いて、タクシーに引っ張り込む。
天「式の打ち合わせ、今日行くって言ったでしょ?」
俺「おいおい、あんまり急いでもしょうがないだろ」
天「早く行こうよ」
俺「――あぁ、そうだな」
俺「じゃぁ、みんなありがとう。ちょっと行ってくる」
天「みんな、またね」
?=天「あ、そうだった!」
天「早く乗って乗って!」
と、天才は俺の手を引いて、タクシーに引っ張り込む。
天「式の打ち合わせ、今日行くって言ったでしょ?」
俺「おいおい、あんまり急いでもしょうがないだろ」
天「早く行こうよ」
俺「――あぁ、そうだな」
俺「じゃぁ、みんなありがとう。ちょっと行ってくる」
天「みんな、またね」
見送りに手を振って、俺たちはタクシーに乗り込んだ。
天「なんか懐かしい。その顔」
俺「そうだろうなぁ。俺もそうだし」
天「改めて見ると、格好良いよね?」
俺「そ、そうか?」
天「んー、ほら、あばたもなんとかっていうでしょ」
俺「待て」
俺「そうだろうなぁ。俺もそうだし」
天「改めて見ると、格好良いよね?」
俺「そ、そうか?」
天「んー、ほら、あばたもなんとかっていうでしょ」
俺「待て」
――にしても、無事男の身体に戻れたのはいいが、一つ大きな問題がある。
今年結婚できるようになったばかりのアイツは16歳。
一方、俺は来年三十路だ。
俺「俺、世間的に見たら、言い訳もできないほどのロリコンだよな……」
天「私は気にしないよ」
俺「俺が気にするんだよ」
今年結婚できるようになったばかりのアイツは16歳。
一方、俺は来年三十路だ。
俺「俺、世間的に見たら、言い訳もできないほどのロリコンだよな……」
天「私は気にしないよ」
俺「俺が気にするんだよ」
今度はコイツと、若返る技術でも研究するかな。
53 名前: 長目 『クロ/クロ』E-5 投稿日: 2006/09/03(日) 23:07:48.02 ID:Wfhe88030
天「あ、そんなことより」
俺「ん?」
天「大事な言葉、今の君の声で聞いてみたいな」
俺「大事な……って、おまっ……今か? 心の準備ってもんが……」
天「聞きたいなー」
俺「…………」
俺「……一回だけだぞ?」
天「えー、一回だけ?」
俺「……今はな」
んんっ、と咳払いを一つ。
天才の目を見詰めると、俺は言った。
天「あ、そんなことより」
俺「ん?」
天「大事な言葉、今の君の声で聞いてみたいな」
俺「大事な……って、おまっ……今か? 心の準備ってもんが……」
天「聞きたいなー」
俺「…………」
俺「……一回だけだぞ?」
天「えー、一回だけ?」
俺「……今はな」
んんっ、と咳払いを一つ。
天才の目を見詰めると、俺は言った。
俺「――愛してる」
天「――私も」
天「――私も」
そして、俺たちは互いの唇を重ねた。
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