ひょんなことから女の子
ID:igaHqJDG0 狐っ娘
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630 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/09(土) 11:16:09.38 ID:Pr/G/dfM0
ひと月ほど前、男の子に助けていただきました
人間と狐とは相容れないことくらい分かってます
それでも私はあの子を忘れられません
ワラにもすがる思いでご神樹と呼ばれる木へ向かいます
ひと月ほど前、男の子に助けていただきました
人間と狐とは相容れないことくらい分かってます
それでも私はあの子を忘れられません
ワラにもすがる思いでご神樹と呼ばれる木へ向かいます
私「神様、私を人間の所へいけるようにしてください!」
別に叫ばなくてもいいらしいけど気持ちの問題で大声で
?「いいよ」
軽っ!貴方はどなたですか?
?「ほれ」
ものすごい閃光
前足で光を遮る……えっ?
前足が人間みたいに動く
地べたに座っている足も狐のそれとは違う
ぱああと気持ちが明るくなる
これなら、これならあの子にあえる!
急いで立ち上がってあの子の暮らす町へ走っていく
前足で光を遮る……えっ?
前足が人間みたいに動く
地べたに座っている足も狐のそれとは違う
ぱああと気持ちが明るくなる
これなら、これならあの子にあえる!
急いで立ち上がってあの子の暮らす町へ走っていく
私「ありがとー神様ー!」
精一杯の感謝、ぶんぶんと手を振りながら小さくなるご神樹を離れていった
?「尻尾と耳、そのままにしてあるのはロマンだよね」
655 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/09(土) 15:19:03.04 ID:Pr/G/dfM0
たったかたったか頑張って走っていきます
たったかたったか頑張って走っていきます
はぁ……はぁ……
いままでより筋肉が落ちたのか走る速さも遅いよう
ちょっと一休み
そこらへんの切り株に腰を下ろします……ん?
ちょっと座りづらい
後ろを見てみるとふさふさした尻尾
ちょっと一休み
そこらへんの切り株に腰を下ろします……ん?
ちょっと座りづらい
後ろを見てみるとふさふさした尻尾
こんなの人間には無かったよね
どうしよう!?こんなんであの子にあっても普通に見てもらえない
どうしよう?どうしよう?
どうしよう?どうしよう?
街までは後少し。でもこれじゃあ行けないよぉ
うぅぅ……うわあああああぁぁぁぁぁぁぁあん!
泣く。泣きじゃくる。これじゃあ解決されない事は分かっているけど
それでもやっぱり悲しすぎるよ
切り株に腰掛けたまま泣き続けた
それでもやっぱり悲しすぎるよ
切り株に腰掛けたまま泣き続けた
?「大丈夫、最近は仮装が流行っている。狐娘?No problem。問題ない」
765 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/10(日) 04:19:08.85 ID:oT8WOYZV0
「どうしたかね?」
「どうしたかね?」
ずっと泣いていたら知らないおじさんが声をかけてきた
「その耳と尻尾は飾りか?最近の娘の考える事はよくわからん」
私の事をジロリと見てから一人考え込んでいるおじさん
耳もついてるの?これはもうダメかもしれないね
耳もついてるの?これはもうダメかもしれないね
「時に娘」
急な口調に「はひぃ」と舌を噛みかける
「この辺りにご神樹と言う木があるらしいのだが知らぬか?」
あれ?ご神樹って動物の間だけの話かと思ってた
私「そ、それならあっちにまっすぐ行くとあります」
「ム、そうか。ありがとう。娘よ礼にこれなぞどうだろう?」
そういっておじさんは布のつばの着いた水色の帽子をくれた。こんな物貰っていいの?
帽子屋をやっているんだ、今度買いにきてくれと鞄の中の沢山の帽子を見せてくれた
ありがとー、と手を振ると手を振替してくれる
これで何とか耳は隠せるやった
帽子屋をやっているんだ、今度買いにきてくれと鞄の中の沢山の帽子を見せてくれた
ありがとー、と手を振ると手を振替してくれる
これで何とか耳は隠せるやった
?「服はNotサービスこれは正義。ようするに全裸…って耳は隠すなぁー!」
784 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/10(日) 07:53:00.44 ID:oT8WOYZV0
街の近く、どんどん大きな建物が見えてくる
街の近く、どんどん大きな建物が見えてくる
「おい、お前さん」
またしても声
「服もきないでなにしとる」
服?
自分の体と見比べると確かに目の前のおばあちゃんは何かを見にまとっている
自分の体と見比べると確かに目の前のおばあちゃんは何かを見にまとっている
「服もきんと尻尾さぶら下げてどうした?」
どうしたって言われても……
言葉に困っているとおばあさんはこっちへこいと手招きしてくる
言葉に困っているとおばあさんはこっちへこいと手招きしてくる
「これ着ろ。嫁に行った娘んだが何も着んよりましじゃろ?」
手渡されたのは大きな服と帯、おばあちゃん曰く娘のお古の着物
「よしよし似合うじゃないか」
自分ではどうしても着れないのでおばあちゃんに着させてもらう
綺麗な赤い色が何とも素敵。
これならあの子も振り向いてくれるかな?
綺麗な赤い色が何とも素敵。
これならあの子も振り向いてくれるかな?
?「狐+着物。ヤバいね。水色の帽子は不必要だけどね」
862 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [?が正直なところ気持ち悪い] 投稿日: 2006/09/10(日) 16:59:08.16 ID:oT8WOYZV0
あ、いやでもちょっとお尻のところが窮屈
普通人間には尻尾なんてないもの。着物も対応はしていない
あのおばあちゃん……これどうにかできませんか?
あ、いやでもちょっとお尻のところが窮屈
普通人間には尻尾なんてないもの。着物も対応はしていない
あのおばあちゃん……これどうにかできませんか?
「そうかい、そうかい。お前さん山の神様だな?」
え?あ、いや違いますけど
「そんなら仕方ねぇ。ちょっとそこで待っとってくだされ」
そういって着物を脱がせとなりの部屋にもっていくおばあちゃん
さっきまで服を着ていなかったけどこうやって脱がされると恥ずかしく感じる
胸とかを隠すための布を巻いてもらったけどそれがまた……ね
さっきまで服を着ていなかったけどこうやって脱がされると恥ずかしく感じる
胸とかを隠すための布を巻いてもらったけどそれがまた……ね
「狐の神様、これでどうでっしゃろうか?」
何がどう変わったのか先程の着物をもう一度着付けしてくれるおばあちゃん
あ、今度はきちんと尻尾が出た
あれ?尻尾出ちゃまずかったんじゃない?
あ、今度はきちんと尻尾が出た
あれ?尻尾出ちゃまずかったんじゃない?
「うんうん、よう似合っとります。これで着物も喜んどりますでしょ」
とても嬉しそうに着物のずれてしまった肩周りを直してくれる
こういう人が沢山いればきっと幸せなんだろうなぁ
こういう人が沢山いればきっと幸せなんだろうなぁ
?「ハァハァハァハァハァハァ(*´д`*)……うっ………ハァ…ハァ」
870 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [予定は未定] 投稿日: 2006/09/10(日) 18:17:36.29 ID:oT8WOYZV0
おばあちゃんから貰った着物は走れなくなるけど可愛らしい
これならきっとあの子も見てくれるかな?
紅い服に真紅の帯、そして水色の帽子。どれも素敵。くれた人もみ~んな素敵
おばあちゃんから貰った着物は走れなくなるけど可愛らしい
これならきっとあの子も見てくれるかな?
紅い服に真紅の帯、そして水色の帽子。どれも素敵。くれた人もみ~んな素敵
「お嬢ちゃん。ちょっとこっち来てくれるかい?」
今度はマントを羽織ったような顔も見えない変な人
「お嬢ちゃん!」
そう言いながら変な男は走って近寄ってくる
えっ?あっ…きゃっ!
男は布をかぶったまま突進してきたから私は地面に倒されてしまった
あ…着物が汚れちゃった……
えっ?あっ…きゃっ!
男は布をかぶったまま突進してきたから私は地面に倒されてしまった
あ…着物が汚れちゃった……
「お嬢ちゃん。可愛いねぇ」
ハァハァ言いながら倒れている私に近づいてくる
私「あ、いや、やめて…」
何でだろう?すっごく怖い。怖い…怖い…怖い…怖い……
「そんなコスプレしちゃって…君こういうの好きなんでしょ?」
いや…やだ……近寄らないで……
お願い…お願い…もう来ないで……
お願い…お願い…もう来ないで……
?「…………冷静になってみるとこのヒロインのグラフィック、関節バキボキだな。このCGはいらん」
871 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [一気にくらくなった(´・ω・`)ちょっと反省中] 投稿日: 2006/09/10(日) 18:18:52.31 ID:oT8WOYZV0
押し倒され、上にのしかかられて…
いやだ、お願いだからもう離して……
押し倒され、上にのしかかられて…
いやだ、お願いだからもう離して……
ごか!
どさっ
鈍い音がした後に男が倒れてくる
「大丈夫?」
気持ち悪い布で視界を遮られ声の主は分からない
「今助けてあげるから」
そう言われ、やっと助かった事を理解する
「大丈b
バチンッ!
男の子の出してきた手を反射的にはじいてしまった
だめ……来ないで…
あの子に会いにきただけなのにどうしてこんな目に遭うの?
ねぇ……どうして…?
だめ……来ないで…
あの子に会いにきただけなのにどうしてこんな目に遭うの?
ねぇ……どうして…?
私「来ないで…誰も来ないで…」
今私の目には何も映っていない
あるのは恐怖と…うすぼんやりした汚れた着物だけ……
あるのは恐怖と…うすぼんやりした汚れた着物だけ……
165 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:13:16.45 ID:MqdzsUnP0
「大丈夫?」
「大丈夫?」
外はそろそろ日が落ちる頃
蝉も鳴くのをやめ、辺りの赤さが目立つ
蝉も鳴くのをやめ、辺りの赤さが目立つ
「大丈夫?」
もう何度目だろう…
一度手を払いのけたのにまだ私の事を心配してくれている
一度手を払いのけたのにまだ私の事を心配してくれている
私「…………………」
流石に目にたまっていた涙も乾きはじめている
でもまだ立ち上がる決心がつかない
でもまだ立ち上がる決心がつかない
変態「つつ……」
さっき倒れた男が立ち上がる
座ったまま頭を抱え自分の体が震えだすのを感じる
…だ……やだ………もうやだ……
震えが止まらない
怖い……怖い………怖い…
昔、人の声も理解できなかった時人間に追いかけらたような恐怖
今、違う事。私は逃げる術を持たない
…だ……やだ………もうやだ……
震えが止まらない
怖い……怖い………怖い…
昔、人の声も理解できなかった時人間に追いかけらたような恐怖
今、違う事。私は逃げる術を持たない
166 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:14:06.18 ID:MqdzsUnP0
変態「うがっ!?」
変態「うがっ!?」
また男が倒れた
「どうしよ…またやっちゃった」
先程のようにまた倒された男
マントの下に服を着ていないのはどうしてなのか…
マントの下に服を着ていないのはどうしてなのか…
「どうしよ…どうしよ…」
襲われた側が怖がるなら分かるけど男の子は男を倒したのに青い顔をしている
ザァァァァ
今まで晴れていた空が暗くなり雨が降り始める
ピシャ! ゴロゴロゴロ…
遠くの方で稲妻が鳴り響く
「君もこっち来て」
一瞬体がこの子を拒絶した。それでも強く引っ張る彼の手に連れられて走っていく
雨に濡れる体は冷たいけど、ぎゅっと握られた私の手は温かかった
雨に濡れる体は冷たいけど、ぎゅっと握られた私の手は温かかった
241 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/13(水) 08:00:30.96 ID:sWq0vvoe0
「雨やまないな…」
「雨やまないな…」
まるで独り言のように呟く男の子
ふるい小さい神社の下で雨宿り
ふるい小さい神社の下で雨宿り
ザァァァァ
さっきまで綺麗な赤を映し出していた空も今は暗い雲しかない
少し前までならきっと私の心もこんなもの、と思ったと思う
少し前までならきっと私の心もこんなもの、と思ったと思う
「その着物、濡れちゃって大変でしょ?」
男の子は自分も濡れているのに私の心配ばかり
「ホントに大丈夫?」
こくんと小さく縦にうなずく
すこしほっとしたような顔でそれでも少し心配そうな顔
本当はね私の目的は昔助けてくれたあの子に会いにいく事なの
だけど今だけはこの子と一緒にいたい
どうしてか分からないけどあの子もこの子も一緒にいると不思議な気持ちになれる
すこしほっとしたような顔でそれでも少し心配そうな顔
本当はね私の目的は昔助けてくれたあの子に会いにいく事なの
だけど今だけはこの子と一緒にいたい
どうしてか分からないけどあの子もこの子も一緒にいると不思議な気持ちになれる
だからお願い
もう少しだけ雨、降っててね
お願いします
もう少しだけ雨、降っててね
お願いします
降り止まない雨の下で彼の肩に寄りかかる
暖かいのは体なの?それとも……
暖かいのは体なの?それとも……
17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/13(水) 20:52:58.55 ID:sWq0vvoe0
「…い…おい、起きろー」
「…い…おい、起きろー」
誰かに体を揺すられ目を覚ます
「よく眠れるね」
まだ目の前を沢山の水の粒が地面へと落ち続けている
「僕の膝、寝心地いい?」
あわ!ご、ごめんなさい
急いで頭を持ち上げ記憶がなくなる前の状態へと体を起こす
急いで頭を持ち上げ記憶がなくなる前の状態へと体を起こす
「あはは、顔真っ赤だよ」
そんな事を笑顔で言われちゃったら何も言いかえせない
ただうつむいて時々男の子の顔をちらっと見るくらいしかできなくなる
ただうつむいて時々男の子の顔をちらっと見るくらいしかできなくなる
「雨、全然やまないね」
まだまだやみそうにない空だけど私は一体どのくらい眠ったのか
男の子の服も、そして私の着物も少し湿っている程度で
いまではほとんど濡れていない
男の子の服も、そして私の着物も少し湿っている程度で
いまではほとんど濡れていない
「僕、傘をとりにいこうか?」
さっきは反射的に彼を拒絶してしまった。怖かったから…
今は無意識に彼の服の裾をぎゅっと掴んでいる、やっぱり怖いから…
今は無意識に彼の服の裾をぎゅっと掴んでいる、やっぱり怖いから…
27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [皆さん健康に気をつけて] 投稿日: 2006/09/13(水) 22:11:58.09 ID:sWq0vvoe0
「君は家に帰らなくてもいいの?」
「君は家に帰らなくてもいいの?」
結局私と一緒にこの神社で雨宿りを続ける事になった彼は言う
人間の姿になってしまった今の私に帰る家はない
人間の姿になってしまった今の私に帰る家はない
「お家の人心配しちゃうよ?」
そのお家の人は昔にどこかへいってしまった
だから私は一人で過ごしてきた
でもそれは自然界での話で人間の姿をしている今一人で過ごせるとは思えない
だから私は一人で過ごしてきた
でもそれは自然界での話で人間の姿をしている今一人で過ごせるとは思えない
「……大丈夫?」
そんなに深刻な顔をしていたのだろうか
私の顔を覗き込んでくる彼の顔には少しの不安が浮かんでいる
私の顔を覗き込んでくる彼の顔には少しの不安が浮かんでいる
私「……大丈夫」
よく考えてみるとこの子は今初めて私の声を聞いた事に気づいた
あの時から一度も喋る事ができなかったっけ
あの時から一度も喋る事ができなかったっけ
「…可愛い声」
「あ……あ…い、いや何でもないよ////」
「あ……あ…い、いや何でもないよ////」
この子はとても素直で優しい
もし、もし私が家がない事を伝えたのなら家に止めてくれるかな?
でも、もし拒否されたら私は“いま”のようではいられないと思う
まるで舌の上で凍り付いたかのように私の口から言葉がでてくることはない……
もし、もし私が家がない事を伝えたのなら家に止めてくれるかな?
でも、もし拒否されたら私は“いま”のようではいられないと思う
まるで舌の上で凍り付いたかのように私の口から言葉がでてくることはない……
187 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/15(金) 07:55:21.61 ID:AVHbytrF0
今でもまるで鳴り止む気配のない雷
この光がやむまでのあいだは私はこの子と一緒にいられる
雨が、雷が強くなるにつれて私と彼の距離が近くなっていく
…はずなのに男の子はさっきからどうも調子がおかしい
私が起きて、もう一度夢の世界にいきそうになった辺りからだろうか
今でもまるで鳴り止む気配のない雷
この光がやむまでのあいだは私はこの子と一緒にいられる
雨が、雷が強くなるにつれて私と彼の距離が近くなっていく
…はずなのに男の子はさっきからどうも調子がおかしい
私が起きて、もう一度夢の世界にいきそうになった辺りからだろうか
私「…大丈夫?」
「う、うん。大丈夫」
そうは言うものの少しも落ち着いておらず
その目ははっきりとどこかを見ているわけでもなく
ただ視線が宙をさまよっている
その目ははっきりとどこかを見ているわけでもなく
ただ視線が宙をさまよっている
今の今まで気づかなかったけど男の子の左ひざに擦り傷がある
とうに血が固まっているけど泥が少しついていて痛そう
とうに血が固まっているけど泥が少しついていて痛そう
「わ!」
男の子の前へ回って傷口を舐めていく
傷を癒す時は舐めていくもの
傷を癒す時は舐めていくもの
人間の舌は狐のそれと違い困難だった
男の子の右足にに手を絡めて顔を近づけるとようやっと届く
男の子の右足にに手を絡めて顔を近づけるとようやっと届く
「そ、そんなことしなくていいよ!舐めれ…もう血は止まってるし!」
でも…私に出来る事と言えばこれくらい
それに…君に触れられるなら……
それに…君に触れられるなら……
139 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/17(日) 04:00:02.73 ID:gpm+cSJY0
「あのー、そろそろやめてくれる?」
「あのー、そろそろやめてくれる?」
どれくらい立ったか…ようやっと男の子が口を開いた
「ほらもう血は出てないんだし、ね?」
そうかぁ…まだ、もう少しだけ舐めていたかったけどな…
綺麗な脚…太ももに触れていた手をそっと離す
この子が何度も使っていた言葉“大丈夫”
気持ちが落ち着いてきて初めてこの言葉の意味が分かる
綺麗な脚…太ももに触れていた手をそっと離す
この子が何度も使っていた言葉“大丈夫”
気持ちが落ち着いてきて初めてこの言葉の意味が分かる
「僕は大丈夫だけど…君はもう平気?」
そう。相手が本当に平気なのかは見ただけではよくわからない
だから気にかける
だから気にかける
私「うん……さっきはありがと」
感謝の言葉。同じ言葉であってもその言葉にこもった思いが違う
それは表情であったり、態度であったり
人間はそれを非常に大きく表現できる
それは表情であったり、態度であったり
人間はそれを非常に大きく表現できる
「ところでその耳と尻尾…飾り物?」
こう言われた瞬間、それをとても感じた。表情は凍り付いて石のように固くなる
なんで今更そんなことを言うのよぉ…
なんで今更そんなことを言うのよぉ…
141 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/17(日) 04:23:46.71 ID:gpm+cSJY0
なんと説明していいやら
実は私狐なんです!なんて真顔で言ったらきっと嫌いになるよね…
でも取り外せないから飾りですとも言えないし…
なんと説明していいやら
実は私狐なんです!なんて真顔で言ったらきっと嫌いになるよね…
でも取り外せないから飾りですとも言えないし…
「ちょっとさわってもいい?」
男の子の声には少しだけわくわくといった好奇心の色がする
ぴょこぴょこと動く耳を頭ごと男の子の方へ近づける
ぴょこぴょこと動く耳を頭ごと男の子の方へ近づける
「わぁ、本物みたい」
本物なんですそれ
それにしても触り方が上手いぃぃ
フワフワと優しく時に強く、それでも決して痛くない
それにしても触り方が上手いぃぃ
フワフワと優しく時に強く、それでも決して痛くない
私「ふぁぁ…あぁ……ぁ…」
あくびみたいな声が口から出てくる
「あれ?これ飾りじゃないの?」
そういいながらより細かに耳を刺激していく
最初は片手だったのが両手で両方の耳をフワフワ、にぎにぎと揉まれる
最初は片手だったのが両手で両方の耳をフワフワ、にぎにぎと揉まれる
「いいなぁ……」
何がいいのか分からないけどとても楽しそうな男の子
あ…そこそこ、もうちょっと左…ん…そう…そこぉ……
あ…そこそこ、もうちょっと左…ん…そう…そこぉ……
142 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/17(日) 04:36:44.89 ID:gpm+cSJY0
…結局私を昔に助けてくれた男の子に会う事は出来なかった
…結局私を昔に助けてくれた男の子に会う事は出来なかった
「なに考えてるの?」
「貴方に初めてあった頃のことを思い出して…」
あのときのあの出合い。それが未来、私の現在を作ってくれた
いまではお義父さんお義母さんだけど家のない私をおいてくれた男の子のご両親
しばらくの間耳と尻尾の消えなかった私をいつも守ってくれた彼
ほかに素敵な人もいたと思う……それでも私を選んでくれた彼
いまではお義父さんお義母さんだけど家のない私をおいてくれた男の子のご両親
しばらくの間耳と尻尾の消えなかった私をいつも守ってくれた彼
ほかに素敵な人もいたと思う……それでも私を選んでくれた彼
「僕と一緒に世界を見に行きませんか?」
それがプロポーズの言葉だった
その言葉通りに世界中を旅して多くの人に出会った
その言葉通りに世界中を旅して多くの人に出会った
今、私のお腹の中には新しい命が入っている
そのためにまた初めて出会ったこの街へとやってきた
現在でも残っているご神樹
そこに誰かがいる気配は全くない
そのためにまた初めて出会ったこの街へとやってきた
現在でも残っているご神樹
そこに誰かがいる気配は全くない
誰かがいるでもない木にお礼を言う
ざわわと流れる風はどういたしましてと言っているようにも聞こえた
「私は幸せです」 終わり