ひょんなことから女の子
クロ/クロ 1『XX(1)』
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61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 13:42:05.11 ID:LngAyqCP0
天「……X染色体を転写して、Y染色体は分解……」
天「……換えが終わった細胞を誘導、分化……」
天「……レオチドとRNAを摂取させた上でDNAポリメラーゼを活性……」
延々と講釈を垂れる天才。
それを俺は今にも停止しそうな頭で聞いていた。
天「……換えが終わった細胞を誘導、分化……」
天「……レオチドとRNAを摂取させた上でDNAポリメラーゼを活性……」
延々と講釈を垂れる天才。
それを俺は今にも停止しそうな頭で聞いていた。
俺もあの研究室に入れるくらいだ。自分の頭には自信がある。
だが、それでもコイツの言ってることには分からないところが多々ある。
だが、それでもコイツの言ってることには分からないところが多々ある。
とにかく分かったことを簡単にまとめると、
俺は遺伝子情報を女のものに書き換えられ、
さらに細胞をいじって女の身体に再構築されたということだった。
俺は遺伝子情報を女のものに書き換えられ、
さらに細胞をいじって女の身体に再構築されたということだった。
…………。
な ん て こ と し や が る こ の ガ キ 。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 13:45:20.43 ID:LngAyqCP0
なおも講釈を垂れ流す天才をさえぎって、
俺は一番さし迫っている問題を聞いた。
なおも講釈を垂れ流す天才をさえぎって、
俺は一番さし迫っている問題を聞いた。
俺「で、これ、半年後には元に戻るんだよな?」
天「戻らないよ」
きっぱりと、即答された。
天「戻らないよ」
きっぱりと、即答された。
俺「……は?」
天「今説明したでしょ。XYの両方の染色体を持つ男から、女への変化は容易なの」
天「で、今の君の身体にはX染色体しか残ってない」
天「染色体レベルの操作では転写が今のところ限界だから……」
その後も再び講釈を垂れだす天才。
だが、俺の耳には半分も入ってこなかった。
天「今説明したでしょ。XYの両方の染色体を持つ男から、女への変化は容易なの」
天「で、今の君の身体にはX染色体しか残ってない」
天「染色体レベルの操作では転写が今のところ限界だから……」
その後も再び講釈を垂れだす天才。
だが、俺の耳には半分も入ってこなかった。
……もう戻れない?
じゃあ、これからどうすりゃいいんだ?
じゃあ、これからどうすりゃいいんだ?
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 13:47:55.21 ID:LngAyqCP0
とりあえず、思い浮かんだ手段を口にしてみた。
とりあえず、思い浮かんだ手段を口にしてみた。
俺「よし、訴えてやる」
天「やってみれば?」
あっさりと切り返す天才。
天「やってみれば?」
あっさりと切り返す天才。
段々と分かってきたことがある。
コイツがこうやって即答する時は大抵
――俺にはどうにもできないところまで事態が進んでいる。
コイツがこうやって即答する時は大抵
――俺にはどうにもできないところまで事態が進んでいる。
天「日本の裁判にそんな前例はないし、君がサインした同意書もある」
俺「対策は万全て訳か……」
天「それがわざわざアメリカからこっちに来た理由だもん」
天「それに、君が書類によく目を通さないのが悪いんだよ」
俺「あんな辞書みたいな資料読めるか……簡単な実験だと思って油断した……」
天「日本ていいよね。考え方が平和で」
悪魔のようなをこと言う天才。
しかも、笑顔だけは天使のようで、一層タチが悪い。
俺「対策は万全て訳か……」
天「それがわざわざアメリカからこっちに来た理由だもん」
天「それに、君が書類によく目を通さないのが悪いんだよ」
俺「あんな辞書みたいな資料読めるか……簡単な実験だと思って油断した……」
天「日本ていいよね。考え方が平和で」
悪魔のようなをこと言う天才。
しかも、笑顔だけは天使のようで、一層タチが悪い。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 13:51:22.43 ID:LngAyqCP0
天「という訳で、これから半年、経過の観察をするから」
俺「“という訳で”って、具体的には何をしたら良いんだよ?」
天「普通に生活してくれればいいよ。必要なのはそういうデータだから」
天「食事とか体温とか病気とかはまめに記録してね」
天「という訳で、これから半年、経過の観察をするから」
俺「“という訳で”って、具体的には何をしたら良いんだよ?」
天「普通に生活してくれればいいよ。必要なのはそういうデータだから」
天「食事とか体温とか病気とかはまめに記録してね」
天「どうせだったら、適当な相手を見つけて出産までしてくれると助かるけど」
出産? ……この場合、相手って男のことか?
俺「気色悪いこと抜かすな!」
天「でしょ? じゃあ、普通でいいよ」
出産? ……この場合、相手って男のことか?
俺「気色悪いこと抜かすな!」
天「でしょ? じゃあ、普通でいいよ」
天「それとこれ、はい」
と、ベッド脇の戸棚から一抱えもある紙袋を取り出すと、俺の隣に置いた。
俺「なんだコレ?」
天「着替え。ブラは一通りサイズを揃えたから合うのを選んで」
ぐあ。
そういえば、そういうものもありましたね。
と、ベッド脇の戸棚から一抱えもある紙袋を取り出すと、俺の隣に置いた。
俺「なんだコレ?」
天「着替え。ブラは一通りサイズを揃えたから合うのを選んで」
ぐあ。
そういえば、そういうものもありましたね。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 13:53:58.75 ID:LngAyqCP0
俺「いや、つうかそれは着けたくねーんだけど」
もう男の身体に戻れないのは分かった。だが、まだ心の準備というものが……。
これを着たら、早くも大事な一線を越えてしまう気がする。
俺「いや、つうかそれは着けたくねーんだけど」
もう男の身体に戻れないのは分かった。だが、まだ心の準備というものが……。
これを着たら、早くも大事な一線を越えてしまう気がする。
天「ノーブラ派? それは好きにしたらいいけど、将来垂れるっていうよ?」
俺「今の俺には将来よりも今の方が重要だ」
天「そう。じゃあパンツだけね」
俺「そういうことじゃねぇー!」
俺「今の俺には将来よりも今の方が重要だ」
天「そう。じゃあパンツだけね」
俺「そういうことじゃねぇー!」
怒鳴ってからふと我に返り、一回咳払いをする。
どうもこの声の高さが落ち着かない。ていうかちっとも怒ってる風に聞こえない。
そして、俺は改めて言葉を繋ぐ。
どうもこの声の高さが落ち着かない。ていうかちっとも怒ってる風に聞こえない。
そして、俺は改めて言葉を繋ぐ。
俺「なんで俺が女物の下着を着なきゃならないんだ、ってことだ!」
天「じゃあ、男物の下着を着たい? それとも、下着はなし?」
俺「…………」
天「じゃあ、男物の下着を着たい? それとも、下着はなし?」
俺「…………」
……駄目だ、どうしようもねえ。
俺は両手で顔を覆い、天を仰いだ。
俺は両手で顔を覆い、天を仰いだ。
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 13:57:27.90 ID:LngAyqCP0
俺「痛てて……」
天「うわ、身体固いね。運動してる?」
くそ、どうしてブラのホック一つ留めるのにこんなに苦労しなきゃいけないんだ。
俺「こんなの毎日やんないといけないのか?」
天「そんなに面倒くさがることでもないでしょ」
天「ほら、こうやってホックを前で留めて、後ろに回してから上げれば楽でしょ?」
俺「…………」
天「何?」
俺「いや、そういう結構知ってるんだな。ブラなんて必要なさそうな胸なのに」
ベチン!
俺「痛ってえ! 今のはマジで痛えぞ!」
鼻っ柱に平手を喰らった俺は、鼻がむずむずするのをこらえながら、涙目で抗議する。
と、そこで動きが止まった。
天才が、俺と同じく涙目で、こちらを睨んでいた。
天「人の体型ことは言わないの! デリカシーないな!」
顔を真っ赤にして、本気でショックを受けたような表情だった。
――なんだよ、まだまだガキじゃないか。スタイルなんか気にすることでもないだろうに。
俺「……わ、悪かったよ」
結局、その表情に押されて、俺はただ謝ることしかできなかった。
俺「痛てて……」
天「うわ、身体固いね。運動してる?」
くそ、どうしてブラのホック一つ留めるのにこんなに苦労しなきゃいけないんだ。
俺「こんなの毎日やんないといけないのか?」
天「そんなに面倒くさがることでもないでしょ」
天「ほら、こうやってホックを前で留めて、後ろに回してから上げれば楽でしょ?」
俺「…………」
天「何?」
俺「いや、そういう結構知ってるんだな。ブラなんて必要なさそうな胸なのに」
ベチン!
俺「痛ってえ! 今のはマジで痛えぞ!」
鼻っ柱に平手を喰らった俺は、鼻がむずむずするのをこらえながら、涙目で抗議する。
と、そこで動きが止まった。
天才が、俺と同じく涙目で、こちらを睨んでいた。
天「人の体型ことは言わないの! デリカシーないな!」
顔を真っ赤にして、本気でショックを受けたような表情だった。
――なんだよ、まだまだガキじゃないか。スタイルなんか気にすることでもないだろうに。
俺「……わ、悪かったよ」
結局、その表情に押されて、俺はただ謝ることしかできなかった。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 14:00:53.45 ID:LngAyqCP0
身体の痛みもほぼ完全に引き、ついに退院する日がやってきた。
身体の痛みもほぼ完全に引き、ついに退院する日がやってきた。
天才に渡された私服に袖を通す。約半月ぶりのまともな服だ。
服はカラージーンズとTシャツを選んだ。スカートよりは万倍マシだろう。
つうか、身体縮んだなぁ俺……サイズ一回り小さいぞ……。
服はカラージーンズとTシャツを選んだ。スカートよりは万倍マシだろう。
つうか、身体縮んだなぁ俺……サイズ一回り小さいぞ……。
天「こんにちは。退院おめでとう」
ロビーで退院の手続きをしていると、天才が声をかけてきた。
コイツは毎日毎日、必ず様子見にやってきている。ご苦労なことだ。
俺の観察が実験の目的とはいえ、一見するとただの暇人みたいだな。
それとも兄――いや、姉、か?――想いの妹か。
ロビーで退院の手続きをしていると、天才が声をかけてきた。
コイツは毎日毎日、必ず様子見にやってきている。ご苦労なことだ。
俺の観察が実験の目的とはいえ、一見するとただの暇人みたいだな。
それとも兄――いや、姉、か?――想いの妹か。
天「はいこれ、退院祝い」
天才はポケットから鍵を取り出し、俺に差し出す。
天才はポケットから鍵を取り出し、俺に差し出す。
俺「なんの鍵だ、コレ?」
天「今日から君の住む部屋の鍵。あ、前のとこは引き払っておいたよ」
天「安心して、前の部屋より良い部屋なのは保証するから」
俺「…………」
もうなんでもアリだな、コイツ。
そろそろ何が来ても驚かない自信があるわ。
天「今日から君の住む部屋の鍵。あ、前のとこは引き払っておいたよ」
天「安心して、前の部屋より良い部屋なのは保証するから」
俺「…………」
もうなんでもアリだな、コイツ。
そろそろ何が来ても驚かない自信があるわ。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 14:04:22.33 ID:LngAyqCP0
病院を出た俺は、その足で、渡された地図に示された場所へ向かった。
そこは大学から徒歩で5分ほどのマンションの8階だった。
悔しいが、確かに今まで住んでいた下宿より良い部屋だ。
入り口で暗証番号が必要だとか、いかにも金持ちの住む場所じゃないか。
慣れないシステムに四苦八苦して、ようやっと部屋に辿り着き、ドアを開ける。
病院を出た俺は、その足で、渡された地図に示された場所へ向かった。
そこは大学から徒歩で5分ほどのマンションの8階だった。
悔しいが、確かに今まで住んでいた下宿より良い部屋だ。
入り口で暗証番号が必要だとか、いかにも金持ちの住む場所じゃないか。
慣れないシステムに四苦八苦して、ようやっと部屋に辿り着き、ドアを開ける。
部屋に入ると、つやつやしたフローリングの床が出迎えてくれた。
中を一通り見て回る。リビング、キッチン、寝室、バスルーム……ベランダには鉢植えがあった。
「ブルジョアめ……!」
意味もなく毒づいてみる。
あぁ、くそ、自分で言うのも難だが声が可愛い。ちっとも毒づいてるっぽくねぇ。
中を一通り見て回る。リビング、キッチン、寝室、バスルーム……ベランダには鉢植えがあった。
「ブルジョアめ……!」
意味もなく毒づいてみる。
あぁ、くそ、自分で言うのも難だが声が可愛い。ちっとも毒づいてるっぽくねぇ。
タンスや棚を開けると、俺の私物が綺麗に収められていた。
服(男物)だけは段ボールに詰められたまま、部屋の隅に置いてあったが……。
そして、これは極めて重要なことなのだが――
エロ本だけがいくら探しても見つからない。
あのガキ、捨てやがったな。
服(男物)だけは段ボールに詰められたまま、部屋の隅に置いてあったが……。
そして、これは極めて重要なことなのだが――
エロ本だけがいくら探しても見つからない。
あのガキ、捨てやがったな。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 14:07:02.52 ID:LngAyqCP0
部屋の改めだけで夜になってしまったので、その日は寝ることにした。
腹は減ったが、外に買い出しに行くだけの気力はない。
服を着たままでベッドに倒れ込む。
病院のものと違って、ベッドが柔らかく、俺はそのまますぐ眠りに落ちた。
部屋の改めだけで夜になってしまったので、その日は寝ることにした。
腹は減ったが、外に買い出しに行くだけの気力はない。
服を着たままでベッドに倒れ込む。
病院のものと違って、ベッドが柔らかく、俺はそのまますぐ眠りに落ちた。
ゆさゆさ。
?「……だよ、起きて……」
……誰だ、俺の安眠を妨げる奴は。
薄目を開ける。
カーテンのすき間から光が射している。もう朝か。
?「おーい、起きてってば。初日からダレてちゃ困るよ」
俺「って、なんでお前がいるんだオイ!」
?「……だよ、起きて……」
……誰だ、俺の安眠を妨げる奴は。
薄目を開ける。
カーテンのすき間から光が射している。もう朝か。
?「おーい、起きてってば。初日からダレてちゃ困るよ」
俺「って、なんでお前がいるんだオイ!」
跳ね起きると、天才がすぐ傍らにいた。
なんで朝が俺の天才にモーニングコール!?
なんで朝が俺の天才にモーニングコール!?
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/13(日) 14:09:45.43 ID:LngAyqCP0
?=天「なんでって、観察実験だもん、私がいなくちゃ困るでしょ」
俺「鍵は!?」
天「これ、合い鍵」
俺「研究室はどうするんだよ! つうか他の奴らは!?」
天「この実験は極秘。大人数でおおっぴらにやる訳にも行かないでしょ」
天「それとも、君、研究室の子全員に私生活を覗かれたい?」
俺「……いや、それは勘弁してくれ」
天「大丈夫、他の子たちにはちゃんと別の仕事を与えてあるから」
天「あと1人、口の堅そうな子を選抜してあるから、観察はその子とやるわ」
?=天「なんでって、観察実験だもん、私がいなくちゃ困るでしょ」
俺「鍵は!?」
天「これ、合い鍵」
俺「研究室はどうするんだよ! つうか他の奴らは!?」
天「この実験は極秘。大人数でおおっぴらにやる訳にも行かないでしょ」
天「それとも、君、研究室の子全員に私生活を覗かれたい?」
俺「……いや、それは勘弁してくれ」
天「大丈夫、他の子たちにはちゃんと別の仕事を与えてあるから」
天「あと1人、口の堅そうな子を選抜してあるから、観察はその子とやるわ」
俺「…………」
……あ、開いた口が塞がらねぇ……。
……あ、開いた口が塞がらねぇ……。
天「それと、私の部屋はお隣だから」
天「これから毎日来るからね。よろしく」
天「これから毎日来るからね。よろしく」
……そ、
俺「そんな話があるかあああぁぁぁぁ!」