ひょんなことから女の子
◆wjOmYNm0Aw 1-5
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hyon
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300 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 19:58:14.92 ID:ihCRI2bL0
第5章:俺と僕
第一話
トモ「その『事故』の被害者とお前、どういう関係だったんだ?」
トモにその質問をされた僕は固まってしまった。時間が永遠のように長く感じる
トモ「・・・そうか。いや、答えたくないなら答えなくていい」
潔くトモが言う。だけど僕は何でも答えると約束してしまった・・・だから
勇人「・・・分かった」
トモ「え?」
勇人「今まで誰にも言わなかったけど・・・でも、トモならきっと」
きっとの後の言葉が思いつかなかった。でも何が言いたいか分かるだろう。
トモ「いいのか、勇人」
勇人「うん、大丈夫。いつまでも過去に囚われるわけにはいかないから」
トモ「・・・」
トモが無言になる。そして僕がそのときのことを話し始める
勇人「あれは・・・夏真っ盛りの8月のことだった」
306 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:33:17.27 ID:ihCRI2bL0
第二話
7月某日
?「おーい、勇人ー。はやくはやくー。チャイム鳴っちゃうってー」
勇人「ちょっと待ってよ。まだ時間あるから」
?「そんなこと言ってるとホントに遅刻するぞー?」
勇人「ダイジョーブダイジョーブ」
?「はぁ・・・ホントに勇人はマイペースだなぁ」
俺は秋空勇人、現在中学3年生。7月だと受験で忙しい時期なのだが、俺の学校はエスカレーター式
なので、そんなに熱心に勉強しなくても進学出来るという。怠け者の俺には丁度いい学校である
なので、そんなに熱心に勉強しなくても進学出来るという。怠け者の俺には丁度いい学校である
?「おーい、ホントのホントに遅刻しちゃうぞー?」
前で叫んでる少女は新井ユウ(あらいゆう)。名前がそのままカタカナなのが特徴である
それと、何故かたまに男口調。まぁ悪くはないんだけど
それと、何故かたまに男口調。まぁ悪くはないんだけど
勇人「んー、人生焦っていいことないぞ。俺のモットーは急いてはなんちゃら」
ユウ「もう少し僕を見習ったらどうなんだい?」
朝、一緒に登校しながらそんなことを言う。男女で登校なんて仲いいなとか言われるかもしれないが
お互いそんなことは思っていない。ただ同姓での友人が少ないからたまたま家が近い二人がよく話す
ようになり、気付いたら一緒に登校するようになってただけだ
お互いそんなことは思っていない。ただ同姓での友人が少ないからたまたま家が近い二人がよく話す
ようになり、気付いたら一緒に登校するようになってただけだ
307 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:34:27.41 ID:ihCRI2bL0
勇人「俺がユウから習うことなんて何一つないぞ」
ユウ「ひっどいなー。何一つないわけじゃないでしょ?」
勇人「ぶっちゃけ見当たらない」
ユウ「僕を何だと思ってるんだ・・・」
ユウは女性なのに何故か自分のことを僕と呼ぶ。兄の影響らしい
そんな会話をしながら歩いていたら
キーンコーンカーンコーン
ユウ「やばっ!ホントに鳴っちゃったじゃない!」
勇人「んー、いいのいいの。よくあること」
ユウ「よくあることじゃない!いいから走るよ!」
ユウに言われるまま走る
校門をくぐるときも、廊下を走っているときも、誰一人見当たらなかった。遅刻だから当然か
教室のドアを開けたら既に朝のHRが始まっていた
ユウ「すみません、遅刻しました」
勇人「やー、すみません」
309 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:35:41.46 ID:ihCRI2bL0
先生「お前らまた仲良く遅刻してるのか?」
ユウ「いや、僕は急いでたんですけど・・・」
勇人「でもユウも結局遅刻したじゃん」
ユウ「勇人のせいだろ!」
先生「HR中だ。痴話喧嘩してないでさっさと座れって」
クラス中から爆笑が起こる。中には下手な口笛を吹くやつまでいる。だが俺もユウもそんなこと気にしない
そんな幸せのような毎日を過ごしていた。ユウとは異性の親しい友達レベルでそれ以上の進展はないけど
俺自身そうは望んでいなかった。ユウとはこのままでもいい。いや、このままでいたい。そう願っていた
俺自身そうは望んでいなかった。ユウとはこのままでもいい。いや、このままでいたい。そう願っていた
何も変わらなくても、幸せが目の前にある。なら、何も変わらなくていい。それが俺の願いだったんだ
でも、人の願望何て・・・一瞬で消えてしまうものだって
そんなこと・・・このときの俺が・・・予想出来るわけないだろ?
310 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:36:15.18 ID:ihCRI2bL0
第三話
8月某日
その日、俺とユウは買い物に出かけることにした。ユウが向かえに来てから俺が出発という感じである
ピンポーン ドアホンが鳴る
勇人「ほいほーい」
ドアを開けると、そこにはユウの姿があった。しかもやけに可愛い服装。そのせいかユウがいつもより可愛く見える
ユウ「やーやー、来たよ?」
勇人「おお、可愛いじゃねーか。似合ってるぞ」
ユウ「そう?苦労した選んだ甲斐があったってものだな、うん」
勇人「出たな男口調。まぁ俺はもう準備万端。ってなわけで行くか?」
ユウ「そだね。しゅっぱーつ。レッツデート!」
勇人「デートなのか?」
ユウ「さぁ?どうなんだろ?」
いつもの様に、こんな感じである。赤面という言葉は俺らになかったようだ
311 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:37:11.84 ID:ihCRI2bL0
それからバスで色々な方面へ向かった
まぁ一番時間使ったのが服の購入になんだけどね・・・一応ユウも女ということか
ユウ「どう?これ似合う?」
服を持って俺にそんなことを聞いてくる。ノロケ全快かもしれないが、こいつは可愛いから何着ても似合うだろ
勇人「お前は別に何着ても似合うんじゃね?」
そのまま言ってやった
ユウ「うーん・・・でも多少の違いはあるわけだし」
やっぱりこいつの辞書には赤面というものがないようだ。今更だけどな
ユウ「うん、これに決めた!」
君に決めた!だったら某小型怪物の主人公だったのにな
ユウ「荷物持ち手伝ってよー?」
勇人「え?マジで?」
ユウ「当然」
…ま、いっか
それから他の店にも行った、昼食後も店巡り。本来ならつまらないはずなのに、ユウと一緒というだけで楽しかった
312 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:37:42.84 ID:ihCRI2bL0
楽しい時間が過ぎるのは早いのは世の真理なのか、すぐに夕方になってしまった
せみの声と、僅かだがひぐらしの声も聞こえる
勇人「そろそろ家帰らないか?もう夕暮れの時間だ」
ユウ「うん、そだね」
帰宅しないか提案したらユウはあっさり承諾、というよりこれ以上荷物持てない
勇人「ちょっと買いすぎだろ。縦に積んで持ってるから前が見えないというオチだ」
ユウ「大丈夫大丈夫。僕が誘導するから」
こいつに誘導させるなんて危ないにも程がある。とりあえず自分一人で歩くことにした
ユウ「大丈夫?何か左右にヨロヨロしてるけど」
勇人「ヨロヨロしてるんじゃない。前が見えなくて真っ直ぐ歩けないだけだ」
ユウ「あ、信号赤だ。止まってー」
辛うじて交差点の歩行者信号が赤になってるのが見えた
信号が青になるまでボーっと立ってる
313 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:38:26.69 ID:ihCRI2bL0
そのときだった・・・本当に一瞬の出来事だった
ユウ「危ないっ!!!」
ユウがそう叫んだのと同時に左から何か力が加わり、俺の体が右方向へ吹き飛んだ
積んでいた荷物が倒れ、目の前の視界が広がる
そのとき俺が見たものは・・・俺を突き飛ばしたユウの姿と、そのユウ目掛けて高速で走ってくる
自動車の姿があった
俺の目の前で・・・ユウは・・・
10メートル近く・・・吹き飛んだ
314 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:39:12.78 ID:ihCRI2bL0
第四話
全てがスローモーションのように感じられた
だが、自動車が電柱にぶつかる音がして・・・俺の世界の速度が戻った
俺は死ぬ気でユウのもとへ走っていった。
何も考えずにユウのもとへ走っていった。そして、ユウが倒れている場所に辿り着く
そのとき俺が見たものは・・・血だらけで倒れている・・・ユウだった
勇人「ユウ!!」
これ以上出せないくらいの大きな声でユウのことを呼んだ。だがユウから返事がない
勇人「ユウ!!おい、ユウ!!しっかりしろ!!ユウ!!」
ユウの血が周辺に飛び散っている。でも、俺の脳は・・・目の前のユウ以外の情報を遮断していた
ユウがコホッと血を吐く、まだ息はあるみたいだ
勇人「どうして・・・どうして・・・」
声が震えてしまう。どうして震えるのか分からなかった。いや、本当は分かっていたのだろう
声が震える理由を・・・無意識に認めたくないと俺が思っていたのだろう
315 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 20:39:35.13 ID:ihCRI2bL0
ユウ「ゆう・・・と・・・」
ユウが辛うじて声を出す。だがユウとは思えないくらい弱々しい声
勇人「ユウ・・・俺のせいで・・・こんな・・・」
ユウ「違うよ・・・体が・・・私の体が・・・勝手に・・・動いてた」
私と言うあたり、余裕がないのが分かってしまった。また分かりたくないことを分かってしまった
勇人「待ってろ!今救急車が来るから!それまでの辛抱だから!!」
ユウ「大丈夫だよ・・・私は・・・もう助からない・・・自分のことは・・・自分が・・・一番分かるもん」
勇人「!!」
どうして・・・どうして・・・
勇人「どうしてそんなこと・・・言うんだよ・・・」
目から涙が流れる。涙は頬を伝っていき、ユウの頬にポトッと落ちた
ユウ「もう助からない・・・だからこそ・・・出来ることが・・・あるんだよ」
勇人「ユウ。もう喋るな、血が・・・」
それでもユウは話すのを止めない
ユウ「聞いて欲しい・・・私の・・・最後の願い・・・」
321 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 21:01:17.16 ID:d47t50WBO
最後・・・この言葉がここまでつらい響きを持っていたなんて・・・
勇人「あぁ・・・もちろんだ」
ユウはアリガトウといいたげに微笑んだ
ユウ「実はね・・・もう・・・分かってると・・・思うけど」
言葉をゆっくりと紡いでいく。俺は・・・ユウの最後のお願いを、黙って聞く
ユウ「勇人のこと・・・好きだった・・・。異性として・・・好きだった」
勇人「・・・」
ユウ「でもね・・・勇人が私のこと・・・異性として・・・恋愛対象として見てくれなかったらって・・・思ったら」
ユウの目からも涙が溢れる
ユウ「だから・・・聞けなかったんだけど・・・」
勇人「大丈夫だ。俺もユウのことが好きだ。友達としてではなく。異性として、恋愛対象として好きだ」
ユウが驚いたような表情をする・・・けど、すぐに笑った
ユウ「じゃあ・・・私の人生・・・最後のお願い」
ここまで来たら・・・もう・・・聞かなくても分かってる
けど、俺はユウからこの言葉を聞かなかったら・・・一生後悔する。だから黙って聞くことにした
322 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 21:03:50.85 ID:d47t50WBO
ユウは少し間をおいて・・・それから、小さいけど、はっきりした声で言った
ユウ「勇人が好き・・・です・・・。キス・・・してください」
ユウ「勇人が好き・・・です・・・。キス・・・してください」
勇人「あぁ・・・もちろんだ・・・」
そして・・・俺とユウは・・・唇を重ねた
永遠にも感じられる長い時間・・・ずっとこうしていたかった
けど、俺は自分から顔を離した
ファーストキスだった・・・。初めてのキスは・・・死と、血の味がした
ユウ「ありがとう・・・ゆう・・・・と・・・・・・・」
ユウは静かに目を閉じた
この世に未練など全くない・・・そう言いたそうな表情である
323 名前: ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/19(月) 21:05:35.58 ID:d47t50WBO
勇人「ありがとうだって・・・俺が言いたいよ。俺だってずっとユウのこと好きだったのにさ。
でも・・・そう言うの、恥ずかしくって・・・ユウが好きだって言えなくて・・・
言いたいのに言えなくて・・・でもユウから・・・ユウから言ってくれた・・・
俺のこと・・・好きだって・・・キスまでしてくれて・・・
お礼を言いたいのは・・・こっちなのに・・・」
でも・・・そう言うの、恥ずかしくって・・・ユウが好きだって言えなくて・・・
言いたいのに言えなくて・・・でもユウから・・・ユウから言ってくれた・・・
俺のこと・・・好きだって・・・キスまでしてくれて・・・
お礼を言いたいのは・・・こっちなのに・・・」
声が続かない・・・涙が滝のように出る・・・我慢の限界のようだ・・・
勇人「うわあああああああああ!!!!!!!ユウうううううううううう!!!!!
何で!!!何でだよ!!!!!!!!!!!うわああああああああああああ!!!!!!」
何で!!!何でだよ!!!!!!!!!!!うわああああああああああああ!!!!!!」
俺は・・・ありえないくらい大きな声を出して泣いた・・・声が枯れるまで泣いた
声が枯れたって・・・大声で泣いたって・・・ユウは帰ってこない
そんなこと分かってるのに・・・でも・・・溢れてくる涙と感情を抑えることが・・・
どうしても出来なかった