ひょんなことから女の子
◆wjOmYNm0Aw 1-13
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hyon
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59 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:24:19.52 ID:Ne39CJYx0
第13章:本当の真実
第一話
優「全ての疑問を・・・今ここで・・・解き明かすね」
僕は、また優の話を黙って聞く
優「その前に・・・魂と肉体、この二つに関する知識持ってる?」
勇人「いいや・・・」
そんな非科学的で常識外れなことについて知識を持っているわけがない
優「そう・・・じゃあまずそれから話さないとね」
勇人「出来るだけ分かりやすく頼む」
哲学的なこととかは苦手分野だ。理系の人間には難しい
優「分かってる。そんなに難しい話じゃないから大丈夫」
勇人「そいつは助かる」
優「じゃあ・・・始めるよ」
黙って頷いた
60 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:24:38.77 ID:Ne39CJYx0
優「非科学的な話かもしれないけど・・・全ての生物は肉体と魂によって成り立っているの
魂と肉体が出遭い、一つのセットが出来る瞬間。これが生命の誕生
逆に死ぬということは、肉体から魂が取り除かれた状態になることを言う
生命は誕生の瞬間に魂をふきこまれ、魂が肉体から抜け出さないように閉じ込める
けど、肉体は時間と共に魂を抑え込む力が弱まる
肉体が魂を押さえ込むことが出来る時間、これを寿命と言う
病気等で生きる気力が減少するのは、肉体の力が減少し、魂が剥離しそうな状態になるからである
事故等の場合は、その際の衝撃により肉体と魂が分離しそうになる。
その時のエネルギーが強ければ強い程、魂は肉体から分離しやすくなる
そして、肉体の損傷も、魂の剥離度に左右する
事故等、その時受けたエネルギーが弱かったとしても、肉体の損傷が激しい場合、損傷の度合によって魂の剥離度も変化する
また、事故、病気、どちらも無関係でも生命が死ぬときがある
呼吸による細胞が損傷し、どんどん肉体が衰弱し、魂の分離を抑えられなくなるからである。これを老衰という
ただ・・・魂の剥離度は、肉体の損傷だけで左右されるわけではない。
精神が衰弱していても、魂は剥離しやすくなる。代表例として自殺志願者
61 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:24:57.37 ID:Ne39CJYx0
自殺志願者は、自分の生きる価値が見出せず、精神が極端に衰弱している状態の人間を指す
精神が極端に衰弱しているため、魂が非常に剥離、分離しやすい状態になっている
何かふとした拍子に魂を抑えられなくなるのを肉体、および精神が察知すると、彼らは自殺を決行する」
勇人「・・・」
優「肉体と魂は、こういう関係が成り立っているの」
62 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:25:14.93 ID:Ne39CJYx0
第二話
勇人「それで?」
優「何が?」
勇人「それじゃあ魂と肉体の関係を言っただけだろ。肝心なことは何一つ言ってない」
優「・・・この話、信じるの?」
難しい・・・まだ何とも言えない。けど・・・
勇人「HKOK症候群なんて病気がある世の中なんだ。充分信用出来る」
というより、本当でも嘘でも問題ない。僕には、もっと重要な問題があるからだ
優「よかった・・・。じゃあ続けるよ」
勇人「頼む」
優「うん・・・。実はこの体・・・僕のものじゃないんだ」
いきなりそんなことを言われる
優「・・・この魂とこの肉体は、それぞれ別人のものだったの。魂は僕自身だけど、肉体は違う人のもの」
だが僕は驚かない。常識なんて関係ない。
…優が現れたその日から、僕の辞書から常識なんて文字は消えていたからな
63 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:25:33.41 ID:Ne39CJYx0
優「まずはこの肉体の持ち主について話すね
この肉体の持ち主は、生まれつきほとんどの臓器が機能しない人だった
だから・・・生まれてからずっと人口臓器をつけていた
けど、人口臓器にも限界が・・・というよりこの人の肉体が限界だった
人口臓器ではない、誰か他の人間の臓器が必要だった
でも、必要な臓器は腎臓のように提供出来るものだけでなく、提供出来ない臓器も必要だった
だからこの人は、脳死状態になった人から臓器を提供してもらうことにした
けど、当時は臓器提供という考えが世間にあまり広まってなかった
すぐに臓器提供者が見つかるわけがなく、ただ時間だけが過ぎていった
あと一週間以内に臓器提供者が見つからなかった場合、この先の人生を諦めてもらうしかないという状況にまで追い込まれた
ただ、偶然にもその日、臓器提供者が見つかった
その人は脳死状態というわけではなく、脳の損傷により今後一生を植物人間として生きていく人だった
その人の家族から同意をもらい、すぐに手術が開始された
手術は無事成功した。この人はこれからの人生を約束された
64 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:25:51.76 ID:Ne39CJYx0
…けど、現実はそんなに甘くなかった
この人の両親はその後、お互いに仲が悪くなり、離婚してしまった
子供の育成の負担を考えたこの人の両親は、父親が毎月一定額納入するという約束のもとで孤児院に引き取られた
両親と会えなくなったこの人は、絶望のどん底まで突き落とされた
でも、それだけじゃなく・・・更なる追い討ちがこの人に降りかかった
それは・・・学校や孤児院内によるいじめ、迫害
学校でも孤児院内でも、自分の居場所を見つけられなくなってしまった
この人には、唯一の味方であるはずの親の存在も無い
…自殺を決意するまでに、そんなに時間はかからなかった。飛び降り自殺というメジャーな方法を考えた
この人は自分の荷物を全て持ち出して、孤児院を出た
これ以上ないくらいの絶望が理由だったのか・・・魂は、ほとんど剥離していた
ほとんど死んでいる人と同じ状態だった。生きているのか死んでいるのか分からない人間
そして、この人は自殺を決行した
65 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:26:10.11 ID:Ne39CJYx0
けど、自殺しようとした瞬間、異常動作が発生した
ほとんど剥離していた魂を完全に分離させ、そこに僕の魂が入り込んだ
有り得ないことだった。別の人間の魂が魂と肉体を分離させ、その肉体に割り込むなんて考えられないことだった
でも、実際起こってしまった
そして新しい肉体を得た僕の魂は・・・セットとなり、僕を生命として再び誕生させた
あとで分かったことなんだけど、この人の臓器は僕の臓器だったらしい
つまり、あのとき脳死状態になって臓器を提供した人というのは僕のことだった
臓器も肉体の一部、同一人物の肉体と魂は、お互いがお互いを呼び寄せる
浮遊していた僕の魂がこの人の肉体に入り込んだのは、偶然のことではなかった
魂の状態のときは、意識はあるものの、自分の意思で動くことは出来なかった
僕は手に入れたこの新しい体で、第2の人生を歩むことにしたんだ」
66 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:26:27.41 ID:Ne39CJYx0
第三話
優「これが、僕が生まれた理由」
勇人「・・・」
優「戸籍とかを悩む必要はなかった。もともと存在していた人間だから」
優の話を黙って聞き続ける
優「この人は、自殺するときに自分の身分証明書を持って、自分が誰か分からなくする予定だった」
話はまだ続く
優「けど、僕がこの体を支配したとき、身分証明書を持っていたのはラッキーだった。この人の名前で生きていけば問題ないからね」
勇人「成る程・・・」
優「うん。それで僕はこの人の名前を借りて第2の人生を送っていた。これが秋空優誕生の理由」
勇人「・・・」
優「どう・・・こんな話、信じられないよね?」
勇人「いや・・・」
信じる信じないは関係無い。さっきも言ったけど、重要な問題が残っている
だから、僕は一つの質問をすることにした。これの答えが、僕の全てを変える。
67 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:26:57.71 ID:Ne39CJYx0
勇人「なあ・・・」
優「何?」
勇人「またなんだけど・・・一つ聞きたいことがあるんだ。いいか?」
優「うん。いいよ」
勇人「その人・・・つまり、その肉体の持ち主の性別は?」
優「・・・大丈夫。女性だから」
勇人「・・・そうか」
女性なら・・・HKOK症候群に発症したわけではない。優は、明日からも生きていけるんだ
…よかった。本当によかった
例え優が知らない人間でも、僕は多分・・・いや、間違いなく
秋空優という人物に、恋をしていた
68 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:27:15.47 ID:Ne39CJYx0
優「勇人・・・これからもヨロシクね・・・」
勇人「あぁ、もちろんだ」
…だけど
勇人「あのさ・・・」
優「うん」
勇人「あと一つ、問題が残ってる」
優「そっか・・・何故勇人のドッペルゲンガーと偽ったか、だね」
勇人「そう。それが最後の謎だ」
この問題が解ければ、僕が知りたかったことが全て分かったことになる
これで、全ての謎が解ける
優「じゃあ・・・また本題の前に前提条件を話さないとね」
…
69 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/22(木) 23:27:31.92 ID:Ne39CJYx0
勇人「また、あの長い説明があるのか?」
優「・・・大丈夫。今度は短いから」
勇人「そうか、じゃあその前提条件とやらを頼む」
優「・・・うん」
この前提条件とやらを聞いて、僕のドッペルと偽った理由さえ聞けば、全ての謎が解ける
優「その前提条件は、まず僕の魂について。つまり、僕が何者か」
勇人「・・・」
優「僕は・・・」
全ての謎が解ける・・・はずだったのに
優「僕は・・・『私』だよ」
また一つ、謎が増えるとは思ってもいなかった