ひょんなことから女の子
◆wjOmYNm0Aw 1-14
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hyon
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97 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:04:01.00 ID:gPynlHHI0
最終章:星空の下で
第一話
優「僕は・・・『私』だよ」
…
ドッペルゲンガーじゃないと分かってから、秋空優の正体が分からなくなった
その後、優に魂と肉体の関係についての話を聞いた
はっきり言って、信用出来るものではなかった
僕としては、優が明日も生きていられることさえ分かれば充分だった
けど・・・どうしても納得がいかないことがあった
それは・・・土曜日、それも優が現れた日、に優に質問した『ドッペルゲンガーテスト』である
優は・・・あれを全問正解した
あのドッペルゲンガーテスト、相当難易度の高いものである。かなり親しい友達以外は正解出来ない問題だった
勇人「優・・・お前・・・」
おかしいと思ったんだ、魂と肉体の関係の話を聞いたときから・・・ずっとおかしいと思ってた
98 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:04:28.29 ID:gPynlHHI0
もし、魂と肉体の話が嘘なら、あのドッペルゲンガーテストを全問正解出来た理由が思いつかない
つまり、魂と肉体の話は本当だったことになる
それなら・・・僕の親しい友達の魂が入っていることになる
勇人「お前の魂って・・・もしかして・・・」
僕の親しい友人は魂を失う・・・つまり死んだやつなんかいない
誰一人として、死んだやつはいないんだ
…自分のことを、僕と呼んで
大切なときは、私と呼ぶ・・・
僕の・・・恋人を除いては・・・
勇人「もしかして・・・ユウ・・・新井ユウなのか?」
優は・・・無言で頷いた
99 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:04:52.14 ID:gPynlHHI0
第二話
勇人「ユウ・・・本当にユウなのか・・・?」
優がもう一度頷く。
優「そう・・・。この・・・僕の魂は、一年と半年前に交通事故でこの世を去った、秋空勇人の恋人、新井ユウの魂」
勇人「ユウ・・・」
泣きたくなった。またユウに逢えるとは思ってなかったからだ。でも、必死に涙をこらえる
優「何で勇人のドッペルゲンガーと偽ったのか・・・もう言わなくても分かるよね・・・?」
勇人「ああ・・・」
優「でも・・・あれから・・・僕の魂がこの体に入ってからのことを言ってなかったよね」
勇人「・・・」
優「そのことを・・・話すよ。これを話せば、全てが終わるから」
そして、優の話が始まった
優「僕は、この体で第2の人生を送るようになった。
一応生きている人間だから、生きていくために必要なことは色々ある。
その問題を手っ取り早く解決するために僕は、この人がいた孤児院に戻ったの
100 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:05:20.23 ID:gPynlHHI0
そこは・・・本当に酷かった・・・この人が自殺しようと思った理由がよく分かるほど酷い有様だった
それでも僕は耐えた。せっかく手に入れた体だから
あの事故のとき、後悔しないようにしたけど、やっぱり未練はたくさんあった
その未練を、奇跡的に得られたこの体で・・・やり遂げることにした
でも・・・日に日にエスカレートするいじめで、僕も自殺を考えるようになってしまった
せっかく手に入れた体だけど、楽になりたいなんて思ってしまった・・・」
勇人「・・・」
優「そんなとき・・・勇人のことを見かけたの・・・」
勇人「僕を?」
優「そう・・・勇人を見かけた僕は、勇人に話しかけようとした。でも、話しかけられなかった・・・」
優の声が小さくなる
優「今の私は・・・かつての私じゃないんだって・・・勇人の知らない人間なんだって思ったら、足が動かなくて・・・」
さらに声が小さくなった・・・自分のことを私と呼ぶあたり、余裕がないのだろう・・・『あの時』と同じように
101 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:05:42.15 ID:gPynlHHI0
優「つらかった・・・」
優の顔をよく見ると・・・優の目から涙が流れていた
優「つらかった・・・苦しかった・・・。勇人と話したくても・・・話せなくて・・・」
勇人「・・・」
優「話しかけて・・・それで、知らない人間だからって、勇人に拒絶されるかもしれないって思ったら・・・怖くなって・・・」
勇人「ユウ・・・」
優「そして勇人に着いていって、家に入って・・・勇人に見つからないよう隠れて・・・そして勇人が寝たのを確認して、私は勇人の傍で眠った」
…
優「勇人が起きて、私に話しかけてきたとき・・・嬉しかった・・・嬉しくて、泣きたかった・・・」
優が続ける
優「けど、私は涙をこらえて・・・勇人のドッペルゲンガーと名乗った」
102 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:06:05.10 ID:gPynlHHI0
第三話
勇人「それが・・・秋空優誕生の真実か・・・」
優「・・・うん」
勇人「成る程・・・だからわざわざあんなこと言ったのか・・・」
優「・・・何が?」
勇人「ほら、何て呼ぶか考えていただろ?そのときさ」
優「勇人という漢字を合わせて、優ってのはどう?・・・って私が言ったんだよね」
勇人「・・・勇と人という漢字を合わせても、優にはならないからな」
優「うん・・・どうしても・・・どうしても・・・私のこと・・・ユウって呼んで欲しくて・・・」
優がまた泣いていた。僕は・・・優しく優を抱き締めた
勇人「泣きたいときは・・・豪快に泣くんだ。僕が隠してやるからさ・・・」
優「勇人・・・ありがとう・・・ありがとう・・・!」
優は思いっきり泣いた。『あの時』の僕と同じくらい強く泣いた
103 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:06:32.79 ID:gPynlHHI0
勇人「大丈夫か?」
優が泣き止んでから、僕はそう聞いた。
優「・・・うん。もう大丈夫」
勇人「そうか・・・でも優もそそっかしいな、アイツみたいだ」
優「アイツって?」
勇人「・・・一年半くらい前に死んじゃった、僕の恋人だよ。今でも好きなんだ・・・2番目だけど」
優が驚いた表情になる、そのあと少し表情を曇らせて
優「じゃあ・・・1番は・・・?」
と聞いてきた
勇人「・・・さっきまで僕の目の前で泣いていた、とある泣き虫さんだよ」
そう言って、また優を抱き締めた。優が泣いていたからではない
優「ゆう・・・と・・・。ありがとう・・・」
そう言って優はまた泣いた
勇人「ほら・・・ここは冷えるから病室に戻ろう」
優「・・・うん」
104 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:07:00.02 ID:gPynlHHI0
そう言って僕は、扉に向かって歩き始めた。けど、優が動こうとしない
勇人「優、どうしたの?」
優「あ・・・あのさ」
優が何かを言いたそうにしている
勇人「うん?」
優「秋空優としてこれから生きていくことを記念して・・・お願いしようと思ったんだけど・・・」
勇人「お願い?」
僕は優にそう聞いた
優「うん・・・あのね・・・」
と言って優は、自分の唇を指した
優「あ、でも・・・僕、あのときにもう最後のお願いって言っちゃったか」
…
勇人「別に問題無いだろ」
優「え?・・・でも」
今は『ユウ』じゃなくて『優』なんだ。『ユウ』が最後のお願いって言っても『優』には関係無い
105 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:07:24.29 ID:gPynlHHI0
でも、本当の理由は違う
勇人「・・・僕がお願いすれば済むことだ」
優「あ・・・うん。じゃあ・・・」
そう言って、僕と優はお互いに向き合う
勇人「僕は・・・秋空優のことが・・・」
ここで言葉に詰まってしまう。顔が赤くなるのが分かった。いざ自分で言うとなると死ぬ程恥ずかしいな・・・
優「へ、変なところで止めないでよ!聞いてるこっちだって恥ずかしいんだから!」
優がそんなことを言ってくる。暗いけど、優の顔が赤くなってるのも分かった
勇人「あー・・・じゃあ改めまして・・・」
再度優を見て・・・はっきりとした声で言う
勇人「僕は、秋空優のことが好きです。キスしてください」
優「うん・・・喜んで♪」
そう言って僕たちは、唇を重ねた
106 : ◆wjOmYNm0Aw :2007/02/23(金) 00:07:48.99 ID:gPynlHHI0
一度目のキスは、死と血の味がしたけど・・・
二度目のキスは、幸せの味がした
絶望のあとには・・・より大きな幸せが来る・・・
そしていつか消える幸せも、いつかまた大きな幸せになって帰ってくる
ふと、そんなことを思った
今日は晴れていたのか、夜空にはたくさんの星が見えた
-完-