ひょんなことから女の子
◆5oTYnFGYew 1
最終更新:
Bot(ページ名リンク)
-
view
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/08/16(水) 17:06:40.55 ID:McS0nvtb0
7月も終わりに差し掛かった夏休みの土曜日の朝。リビングのドアを開く音。
「おはよ佑太……。コーヒー淹れてくれ~」
リビングでボーっとテレビを見ていると、俺の名前を呼ぶ聞きなれない女の声。
振り返って見るとそこに立っていたのは、眠そうに目をこする見知らぬ女。
Tシャツにハーフパンツという気の抜けた格好をしているが、
眠そうな顔に艶やかな黒髪、シャツを押し上げる大きな胸が何ともいえない色気を放っていた。
「……」
いきなりの美少女の登場に言葉を失う。そこへその美少女が声を掛けてくる。
「なに、ジロジロみてんだよ~。コーヒー淹れてくれって言ってんじゃん」
そう言ってまだ目が覚めていないらしく目を擦りながら俺が座っているソファの隣に腰を下ろす。
「あ……、あの……。どちら様ですか?」
恐る恐るだが、どうしても聞かなければならないことを聞く。今の俺は口をあんぐり開けたままのアホ面であろう。
「何をつまらんギャグをかましてんだよ……。兄の優輝だ。
そんなことよりコーヒーはまだか?ちゃんとギャグにも付き合ってやっただろ。早くしてくれよ~」
あくびを噛み殺しつつ、次々とテレビのチャンネルを変えていく美少女。
(なんだって……?兄の優輝?どこが?)
なんだか途方もないことをいいだす女を見つめて、しばらく動けない俺だった。
「おはよ佑太……。コーヒー淹れてくれ~」
リビングでボーっとテレビを見ていると、俺の名前を呼ぶ聞きなれない女の声。
振り返って見るとそこに立っていたのは、眠そうに目をこする見知らぬ女。
Tシャツにハーフパンツという気の抜けた格好をしているが、
眠そうな顔に艶やかな黒髪、シャツを押し上げる大きな胸が何ともいえない色気を放っていた。
「……」
いきなりの美少女の登場に言葉を失う。そこへその美少女が声を掛けてくる。
「なに、ジロジロみてんだよ~。コーヒー淹れてくれって言ってんじゃん」
そう言ってまだ目が覚めていないらしく目を擦りながら俺が座っているソファの隣に腰を下ろす。
「あ……、あの……。どちら様ですか?」
恐る恐るだが、どうしても聞かなければならないことを聞く。今の俺は口をあんぐり開けたままのアホ面であろう。
「何をつまらんギャグをかましてんだよ……。兄の優輝だ。
そんなことよりコーヒーはまだか?ちゃんとギャグにも付き合ってやっただろ。早くしてくれよ~」
あくびを噛み殺しつつ、次々とテレビのチャンネルを変えていく美少女。
(なんだって……?兄の優輝?どこが?)
なんだか途方もないことをいいだす女を見つめて、しばらく動けない俺だった。
59 名前: ◆5oTYnFGYew [] 投稿日:2006/08/17(木) 15:16:11.68 ID:V9KaVsT70
何故かキッチンに立つ俺。
いきなり現れた謎の女にコーヒーはまだか、なんて急かされて、
淹れている訳だが、頭の中はもう謎の女のことで一杯だった。
(兄……とか言ってたよな?兄?なんで兄なんだ?あいつ明らかに女だろ?てことは姉?
いや待て、家には姉なんていなかったじゃん。意味わかんねーよ!!誰なの?なんなの?)
「お~い。佑太~。何やってんだよ遅いぞ」
あーでもない、こーでもないと考えている俺に、声が掛かる。
その声で思考の迷路から抜け出した俺はさっさとコーヒーの準備をする。
(そうだ。考えてても仕方ないし直接聞くしかないよな……)
出来上がったコーヒーを手にリビングへ向かう。
いきなり現れた謎の女にコーヒーはまだか、なんて急かされて、
淹れている訳だが、頭の中はもう謎の女のことで一杯だった。
(兄……とか言ってたよな?兄?なんで兄なんだ?あいつ明らかに女だろ?てことは姉?
いや待て、家には姉なんていなかったじゃん。意味わかんねーよ!!誰なの?なんなの?)
「お~い。佑太~。何やってんだよ遅いぞ」
あーでもない、こーでもないと考えている俺に、声が掛かる。
その声で思考の迷路から抜け出した俺はさっさとコーヒーの準備をする。
(そうだ。考えてても仕方ないし直接聞くしかないよな……)
出来上がったコーヒーを手にリビングへ向かう。
62 名前: ◆5oTYnFGYew [] 投稿日:2006/08/17(木) 15:28:43.07 ID:V9KaVsT70
無言でコーヒーのカップを目の前に置く。
「さんきゅー」
軽い調子でお礼を言い、カップに口を付ける。ピンク色のふっくらした唇に目を奪われる。
しかし今はそんな場合じゃないと無理矢理に視線を逸らす。
そして気になっていたことをどう聞くか迷っていたが、単刀直入に聞くことにした。
「あのさ、さっき兄とか言ってたけど、ホントのところあんた誰なの?」
手にしていたカップを目の前のテーブルに置き、俺のほうを向きめんどくさそうに答える。
「またそのギャグか……。だから佑太、お前の兄だってば」
先ほどと同じ答え。しかしそんなもので納得いくはずがない。
「兄って優輝?でもあなたは女でしょう?」
俺の視線が顔から胸に移る。そしてつられる様に視線を下ろす女。
「……」
「……」
二人の間に沈黙が降りる。しばらくその状態が続いた後、女の両手がそろそろと胸に伸び、
Tシャツを押し上げているものを確かめるように触る。
そして視線を俺に向けて言った。
「何……これ?なんでこんなのが付いてるの?」
「なんでって……。そりゃ、あなたが女だからでしょうが」
投げやりな感じで答える。そのまま見つめ合うこと数秒。
するといきなり立ち上がり、リビングのドアへと駆け出していった。慌てて追いかけると洗面所に辿り着いた。
そこで自分の顔を引っ張ったり、ペタペタと撫で回したり、
いろいろしたあと傍にいる俺に詰め寄り、潤んだ瞳で俺の顔を見上げこう言った。
「どうしよう佑太。俺女になってる……。」
「さんきゅー」
軽い調子でお礼を言い、カップに口を付ける。ピンク色のふっくらした唇に目を奪われる。
しかし今はそんな場合じゃないと無理矢理に視線を逸らす。
そして気になっていたことをどう聞くか迷っていたが、単刀直入に聞くことにした。
「あのさ、さっき兄とか言ってたけど、ホントのところあんた誰なの?」
手にしていたカップを目の前のテーブルに置き、俺のほうを向きめんどくさそうに答える。
「またそのギャグか……。だから佑太、お前の兄だってば」
先ほどと同じ答え。しかしそんなもので納得いくはずがない。
「兄って優輝?でもあなたは女でしょう?」
俺の視線が顔から胸に移る。そしてつられる様に視線を下ろす女。
「……」
「……」
二人の間に沈黙が降りる。しばらくその状態が続いた後、女の両手がそろそろと胸に伸び、
Tシャツを押し上げているものを確かめるように触る。
そして視線を俺に向けて言った。
「何……これ?なんでこんなのが付いてるの?」
「なんでって……。そりゃ、あなたが女だからでしょうが」
投げやりな感じで答える。そのまま見つめ合うこと数秒。
するといきなり立ち上がり、リビングのドアへと駆け出していった。慌てて追いかけると洗面所に辿り着いた。
そこで自分の顔を引っ張ったり、ペタペタと撫で回したり、
いろいろしたあと傍にいる俺に詰め寄り、潤んだ瞳で俺の顔を見上げこう言った。
「どうしよう佑太。俺女になってる……。」
63 名前: ◆5oTYnFGYew [] 投稿日:2006/08/17(木) 15:30:55.12 ID:V9KaVsT70
「はぁ?女になってるって。あんたは元から女でしょ?」
「違うってば!さっきから言ってるじゃん!俺は優輝。お前の兄の!」
「本気で言ってるの?だってあんた女じゃん。兄ってなんだよ。兄って」
「信じろって!ほんとにお前の兄なの!」
全然信じられる訳が無い。女の格好でお前の兄だなんて言われて、
はいそうですかなんて信じるやつのほうがどうかしてる。俺は疑いの視線をバシバシ飛ばしている。
そんな俺からの視線を受けて女の瞳はどんどん潤んでいく。
「ふぎっ……ひっく」
「いっ!?」
心臓が止まるかと思った。それほどに驚いた。目の前の女が突然泣き出したからだ。
瞳から溢れた涙が頬を濡らす。目の前にいるのはとんでもないことを言っているが、
ここら辺じゃめったに見ないほど可愛い女の子だ。
そんな女の子を泣かせてしまった為かものすごい罪悪感が湧き上がってきた。
「お、おいおい……。泣くなよ」
突然のことでそんなことしか言うことが出来なかった。
「な、泣いてない!……ひっく」
「泣いてないわけな」
「うるさいうるさいうるさい!泣いてないって……ひくっ、……言ってるだろ」
溢れる涙を手で拭っていくが、涙が止まる様子が無い。どうして泣いたりなんかするのか全く見当がつかない。
俺は情けないことにあたふたするばかりだった。
これはもう俺だけではどうしようもないと思い応援を呼ぶことにした。
「あ~、ちょ、ちょっと待ってて。母さん呼んでくるから」
泣いている女をその場に残し庭にいる母のところに駆け出した。
「違うってば!さっきから言ってるじゃん!俺は優輝。お前の兄の!」
「本気で言ってるの?だってあんた女じゃん。兄ってなんだよ。兄って」
「信じろって!ほんとにお前の兄なの!」
全然信じられる訳が無い。女の格好でお前の兄だなんて言われて、
はいそうですかなんて信じるやつのほうがどうかしてる。俺は疑いの視線をバシバシ飛ばしている。
そんな俺からの視線を受けて女の瞳はどんどん潤んでいく。
「ふぎっ……ひっく」
「いっ!?」
心臓が止まるかと思った。それほどに驚いた。目の前の女が突然泣き出したからだ。
瞳から溢れた涙が頬を濡らす。目の前にいるのはとんでもないことを言っているが、
ここら辺じゃめったに見ないほど可愛い女の子だ。
そんな女の子を泣かせてしまった為かものすごい罪悪感が湧き上がってきた。
「お、おいおい……。泣くなよ」
突然のことでそんなことしか言うことが出来なかった。
「な、泣いてない!……ひっく」
「泣いてないわけな」
「うるさいうるさいうるさい!泣いてないって……ひくっ、……言ってるだろ」
溢れる涙を手で拭っていくが、涙が止まる様子が無い。どうして泣いたりなんかするのか全く見当がつかない。
俺は情けないことにあたふたするばかりだった。
これはもう俺だけではどうしようもないと思い応援を呼ぶことにした。
「あ~、ちょ、ちょっと待ってて。母さん呼んでくるから」
泣いている女をその場に残し庭にいる母のところに駆け出した。
589 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日: 2006/08/21(月) 23:16:39.35 ID:BD7DrAmt0
玄関を通り庭にいる母の元へ向かう。
母さんは3年ほど前から趣味でガーデニングをするようになり、熱心に植物の世話をしている。母の背中が見えた。今は植物に水をやっているようだ。
「母さん!!ちょっと来て!!」
「何~?そんなに慌ててどうしたの?」
「いいから来て。大変なんだ」
手首を掴み来た道を駆けていく。後ろでは「痛いよ~。引っ張らないで~」なんて言ってるが、今はそれどころじゃないのでそのまま引っ張っていく。
玄関を通り庭にいる母の元へ向かう。
母さんは3年ほど前から趣味でガーデニングをするようになり、熱心に植物の世話をしている。母の背中が見えた。今は植物に水をやっているようだ。
「母さん!!ちょっと来て!!」
「何~?そんなに慌ててどうしたの?」
「いいから来て。大変なんだ」
手首を掴み来た道を駆けていく。後ろでは「痛いよ~。引っ張らないで~」なんて言ってるが、今はそれどころじゃないのでそのまま引っ張っていく。
「ふ~ん。言われてみれば優輝にそっくりじゃない」
リビングに連れて行き事情を全て説明した後で母さんはそんなことを言ったのだ。
「え!?ホント?」
「ほんとよ~。目元なんかそっくりだわ」
母さんに言われて恐る恐る女の顔を見てみる。
母さんが来るまで大泣きしていたが、泣いている姿を見るや、優しく抱きしめて大丈夫だよとか落ち着いてとか声を掛けて宥め始めた。
そうしていると彼女はものの数分で落ち着いた。そしてリビングで説明している間ずっと不安そうに俺を見ているだけだった。
「確かに、似てるかも……」
「佑太ってばほんとにちゃんとわかってるの?それでも兄弟だったなんて」
「……」
俺は返す言葉も無く母さんを見つめるだけだった。
リビングに連れて行き事情を全て説明した後で母さんはそんなことを言ったのだ。
「え!?ホント?」
「ほんとよ~。目元なんかそっくりだわ」
母さんに言われて恐る恐る女の顔を見てみる。
母さんが来るまで大泣きしていたが、泣いている姿を見るや、優しく抱きしめて大丈夫だよとか落ち着いてとか声を掛けて宥め始めた。
そうしていると彼女はものの数分で落ち着いた。そしてリビングで説明している間ずっと不安そうに俺を見ているだけだった。
「確かに、似てるかも……」
「佑太ってばほんとにちゃんとわかってるの?それでも兄弟だったなんて」
「……」
俺は返す言葉も無く母さんを見つめるだけだった。
590 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日: 2006/08/21(月) 23:19:06.19 ID:BD7DrAmt0
「ところでさ、この人ほんとに兄さんなの?もしかしたらただの似てる人かもよ?
どうやって兄さんだって確かめるの?」
なんだか攻められているみたいなので話題を変えるように母さんに言う。
「そうね~。私達家族だけしか知らないことを聞くっていうのはどうかな」
「他に思いつかないし、まぁ、それでいいか」
他に良い案もないので母さんの案で質問することになった。
「ところでさ、この人ほんとに兄さんなの?もしかしたらただの似てる人かもよ?
どうやって兄さんだって確かめるの?」
なんだか攻められているみたいなので話題を変えるように母さんに言う。
「そうね~。私達家族だけしか知らないことを聞くっていうのはどうかな」
「他に思いつかないし、まぁ、それでいいか」
他に良い案もないので母さんの案で質問することになった。
質問は30分もかからずすぐに終わり、結果として謎の女は兄として認められることになった。
全く信じていなかった俺に恨みのこもった視線が飛んでくる。正直すまなかったと思っている。
「それにしても優輝は可愛くなっちゃったわね。どうしてこんなことになっちゃったのかしら?」
「なんでだろうね?」
「二人して俺を見るなよ……。俺が知るわけ無いだろ」
あたり前だが俺が知るわけが無い。病院にでも行ったら何かわかるんじゃないだろうかとか考えてたら、母さんの声が聞こえた。
「それと佑太。女の子には優しくしなきゃダメよ?女の子を泣かせる子はもてないんだからね」
母さんの突然の物言いに面食らってしまった。そして俺を無視してまた話し始める。
「あ、そうそう。お昼からは優輝の服買いに行こうか?男物はもう着れないでしょ?」
全く信じていなかった俺に恨みのこもった視線が飛んでくる。正直すまなかったと思っている。
「それにしても優輝は可愛くなっちゃったわね。どうしてこんなことになっちゃったのかしら?」
「なんでだろうね?」
「二人して俺を見るなよ……。俺が知るわけ無いだろ」
あたり前だが俺が知るわけが無い。病院にでも行ったら何かわかるんじゃないだろうかとか考えてたら、母さんの声が聞こえた。
「それと佑太。女の子には優しくしなきゃダメよ?女の子を泣かせる子はもてないんだからね」
母さんの突然の物言いに面食らってしまった。そして俺を無視してまた話し始める。
「あ、そうそう。お昼からは優輝の服買いに行こうか?男物はもう着れないでしょ?」
591 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日: 2006/08/21(月) 23:20:54.35 ID:BD7DrAmt0
「え!?別にいいよ。元に戻れるかもしれないし」
「ダメダメ。女の子なんだから可愛くしてなくちゃ」
「なんか楽しそうだね、母さん。兄さんがこんなことになってるのに」
「だって子どもは女の子が欲しかったのよ~。
それにもっとポジティブに考えようよ。こんなこと生きてても経験できることじゃないよ?」
さいですか。どうにも楽しんでるのは母さんのような気がする。
「じゃあお昼の予定も決まったし早めにお昼食べようか。すぐ作るからね」
ほんとにいきいきしてるなぁ母さん。鼻歌なんか歌ってキッチンに向かってる。
「はぁ、いい気なもんだね。兄さんもそう思うだろ?」
兄に目をやるとなぜかそわそわと落ち着かない。
「どうしたの?」
「べ、別に……」
何か気になるので追求してみることにする。
「何か変だよ。ほんとにどうしたんだ?」
「……」
「あ、そうだ。……さっきはごめん」
「なんで?佑太は何か謝らなくちゃいけないことしたっけ?」
「……なんか泣かせちゃったから。ごめん」
再度謝罪する。するとみるみる顔が紅くなる。
「え!?別にいいよ。元に戻れるかもしれないし」
「ダメダメ。女の子なんだから可愛くしてなくちゃ」
「なんか楽しそうだね、母さん。兄さんがこんなことになってるのに」
「だって子どもは女の子が欲しかったのよ~。
それにもっとポジティブに考えようよ。こんなこと生きてても経験できることじゃないよ?」
さいですか。どうにも楽しんでるのは母さんのような気がする。
「じゃあお昼の予定も決まったし早めにお昼食べようか。すぐ作るからね」
ほんとにいきいきしてるなぁ母さん。鼻歌なんか歌ってキッチンに向かってる。
「はぁ、いい気なもんだね。兄さんもそう思うだろ?」
兄に目をやるとなぜかそわそわと落ち着かない。
「どうしたの?」
「べ、別に……」
何か気になるので追求してみることにする。
「何か変だよ。ほんとにどうしたんだ?」
「……」
「あ、そうだ。……さっきはごめん」
「なんで?佑太は何か謝らなくちゃいけないことしたっけ?」
「……なんか泣かせちゃったから。ごめん」
再度謝罪する。するとみるみる顔が紅くなる。
592 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日: 2006/08/21(月) 23:23:19.75 ID:BD7DrAmt0
「だ、だからあれは泣いてないっての!!」
俺の視線から逃れるように顔を横に向ける。
どうやら兄はこのことを気にしていたらしい。俺は兄が泣いたところなんて見たこと無かったし、
兄自身も弟に初めて泣いた姿を見られてどう振舞っていいのか解らないようだ。
そんな兄の様子を見るとイタズラ心が出てしまう。
「へぇ~。あれで泣いてないなんて言うんだ~。どう見ても泣いてましたよ?」
「だから、その、あれは、あの……」
必死に言い訳を考える顔をニヤニヤ笑いながら眺める。
「あ~もう!うるさいな~!泣いてたよ!バカにするんなら勝手にしてくれ!」
泣いたと認めさせて、妙な達成感が溢れてきた。まぁ泣いたことをバカにするつもりは無いから安心して欲しいんだけど。
兄の威厳みたいなのもあるだろうし。
「まぁ気が向いたら嫌になるくらいバカにしてやるよ。ところでなんで泣いてたの?やっぱり俺が何かした?」
これだけはどうしても聞いておきたいので聞いておくことにした。
「……別に佑太は何もしてないよ。ただ怖くなっただけ」
「怖くなったって?」
「いきなり女になってるし、佑太は全然信じてくれないし、
これからのことを考えたら急に怖くなって、頭の中グシャグシャになって
パニックになってそれで……」
そうか、そりゃ泣いたりもするな。そこまで頭が回ってなかった。
いきなり女になってるし、そのことが全然信じてもらえなかったら不安にもなる。
「やっぱごめん。俺が悪かったな。全然信じてやらなくて」
「いや、もう大丈夫。今は信じてくれてるんでしょ?」
「だ、だからあれは泣いてないっての!!」
俺の視線から逃れるように顔を横に向ける。
どうやら兄はこのことを気にしていたらしい。俺は兄が泣いたところなんて見たこと無かったし、
兄自身も弟に初めて泣いた姿を見られてどう振舞っていいのか解らないようだ。
そんな兄の様子を見るとイタズラ心が出てしまう。
「へぇ~。あれで泣いてないなんて言うんだ~。どう見ても泣いてましたよ?」
「だから、その、あれは、あの……」
必死に言い訳を考える顔をニヤニヤ笑いながら眺める。
「あ~もう!うるさいな~!泣いてたよ!バカにするんなら勝手にしてくれ!」
泣いたと認めさせて、妙な達成感が溢れてきた。まぁ泣いたことをバカにするつもりは無いから安心して欲しいんだけど。
兄の威厳みたいなのもあるだろうし。
「まぁ気が向いたら嫌になるくらいバカにしてやるよ。ところでなんで泣いてたの?やっぱり俺が何かした?」
これだけはどうしても聞いておきたいので聞いておくことにした。
「……別に佑太は何もしてないよ。ただ怖くなっただけ」
「怖くなったって?」
「いきなり女になってるし、佑太は全然信じてくれないし、
これからのことを考えたら急に怖くなって、頭の中グシャグシャになって
パニックになってそれで……」
そうか、そりゃ泣いたりもするな。そこまで頭が回ってなかった。
いきなり女になってるし、そのことが全然信じてもらえなかったら不安にもなる。
「やっぱごめん。俺が悪かったな。全然信じてやらなくて」
「いや、もう大丈夫。今は信じてくれてるんでしょ?」
593 名前: ◆5oTYnFGYew 投稿日: 2006/08/21(月) 23:24:36.59 ID:BD7DrAmt0
満開の笑みで俺に問いかける。
メチャメチャカワイイジャネエカ……。正直俺の兄だなんて思いたくないほど可愛い。
そんな兄の可憐な笑顔にあてられたのか、普段の俺なら言わないようなことを口にしてしまった。
「おう、信じてる。それにこれからいろいろ大変だろうし、
俺が兄さんの力になるよ。困った時は何でも相談してくれ」
言った後で自分でもこれはちょっとアレだなと思ってしまった。
兄も予想外の返答のせいかポカンと俺のことを見ている。
「それ、自分で言って恥ずかしくなかった?」
「……うっせー。自分でもちょっとアレだなと思ったよ」
「ちょっとどころじゃねぇよ~。自分なら恥ずかしくてそんなこと言えねぇな」
せっかく兄のことを心配して言ってやったのに、なんだかカチンときたので反撃することにした。
「なんだよ。さっきまでピーピー泣いてたやつが偉そうに」
「な、お前な……!!」
この反撃は効いたようだ。またも顔が紅く染まっていく。
「あれはお前が悪い!お前が信じてくれないせいだ!!」
「さっきは俺のせいじゃないって言ってただろ~」
「うるさいお前のせいだ!!」
この後俺達は母さんのお叱りを受けるまで延々と口論し続けるのだった。
満開の笑みで俺に問いかける。
メチャメチャカワイイジャネエカ……。正直俺の兄だなんて思いたくないほど可愛い。
そんな兄の可憐な笑顔にあてられたのか、普段の俺なら言わないようなことを口にしてしまった。
「おう、信じてる。それにこれからいろいろ大変だろうし、
俺が兄さんの力になるよ。困った時は何でも相談してくれ」
言った後で自分でもこれはちょっとアレだなと思ってしまった。
兄も予想外の返答のせいかポカンと俺のことを見ている。
「それ、自分で言って恥ずかしくなかった?」
「……うっせー。自分でもちょっとアレだなと思ったよ」
「ちょっとどころじゃねぇよ~。自分なら恥ずかしくてそんなこと言えねぇな」
せっかく兄のことを心配して言ってやったのに、なんだかカチンときたので反撃することにした。
「なんだよ。さっきまでピーピー泣いてたやつが偉そうに」
「な、お前な……!!」
この反撃は効いたようだ。またも顔が紅く染まっていく。
「あれはお前が悪い!お前が信じてくれないせいだ!!」
「さっきは俺のせいじゃないって言ってただろ~」
「うるさいお前のせいだ!!」
この後俺達は母さんのお叱りを受けるまで延々と口論し続けるのだった。