314 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:38:48.99 ID:.CHHgvI0
第二話
第二話
学校へ到着。教室に入るとすでにマキがいた
「よう勇人、おはよう」
「おはよう」
いつもの挨拶なのだが、僕にはちょっと罪悪感があってつらかった。日曜、月曜と遊びの誘いを断ってしまった・・・というより嘘ついてしまったからである
僕はそのまま自分の席に着いて、荷物の整理をしたあと机に伏して寝る
低血圧なのか何なのかよく分からないけど、朝は眠いからいつもこうしている。これが毎朝の僕の日課と言えよう
しかし、そんな僕の毎朝の日課を邪魔するやつがそろそろ・・・
「おはよう勇人!」
やはりというか予想通りというか、うるさい奴がやって来た
しかしそこはいつものこと、僕は寝たまま挨拶を華麗にスルー。え、挨拶は人がいるいない関係なくするもんだろって?それとこれとは話が違うのだよワトソン君
なんてくだらないことを考えていたら
「何スルーしてんだよ!返事しろっての!」
スパァンッ!
「いてっ!」
何かで思いっきり頭を叩かれた。そこまで痛くはなかったのだが、そういう問題ではない
315 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:39:13.53 ID:.CHHgvI0
「おいこら!何しやがる!」
315 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:39:13.53 ID:.CHHgvI0
「おいこら!何しやがる!」
すかさず机から頭を起こして怒鳴りつける。ちなみに今ので眠気全部吹き飛んだ
「何しやがるはこっちのセリフだ!人の挨拶無視したから自慢のデスノートで制裁してやったんだ!」
そういって右手を僕の目の前に突き出してきた。その右手にはノート、しかも丸めてある
本人はこれをデスノートと呼び、毎朝僕を叩き起こすのに使っている。しかもこれ数学とか英語のノート使ってるわけではなく、僕を叩き起こすための専用ノートになっているとのこと。資源の無駄遣いだろ・・・あと起こすのにデスってどうなんだよ、それ永眠じゃねーか。というか毎朝それカバンからわざわざ出してるのかよ。もう突っ込み所多すぎてどうしようもないぞ
「だからって何も叩くことないだろ・・・常識的に考えて」
「常識的に考えて挨拶無視するほうが悪いだろ!」
む・・・確かにその通りかもしれない
「その通りかもしれないじゃなくてその通りなんだよ!」
「おい人の頭の中覗くのはよろしくないぞ・・・」
「単純なんだよお前が!」
失礼なことを言うやつだ。僕は再度机に伏して寝る態勢を整える。顔だけは一応真夏のほうへ向ける
そうそう紹介が遅れてしまったようだ。さっきからこのぎゃーぎゃーうるさくて失礼なやつは東雲真夏(しののめみなつ)という。漢字だとまなつなのに読みはみなつと風変わりな名前が特徴だ。まあそんなこと言ったらマキもそうだが
「今ちょっと失礼なこと考えなかったか?」
「いやいやそんなことありませんよ、真夏さん。毎朝毎朝ぎゃーぎゃー騒がしい上に失礼な奴だなんて思ってませんよ、ええ」
「へぇ・・・そういう風に思ってるんだ・・・」
316 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:39:45.81 ID:.CHHgvI0
おいおい、何でそんな怖い顔してるんだよ・・・きちんと思ってませんって否定したじゃないですか。人の背中に回りこんでどうするつもりですか、怖いんで止めてくださいよ
316 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:39:45.81 ID:.CHHgvI0
おいおい、何でそんな怖い顔してるんだよ・・・きちんと思ってませんって否定したじゃないですか。人の背中に回りこんでどうするつもりですか、怖いんで止めてくださいよ
だがそんな脳内での弁解も空しく、背後から腕が伸びてきて首を締め付ける・・・苦しいっす・・・
「お前にはこの影殺しが必要らしいな!」
影から忍び寄って、首を絞めて[ピーーー]から影殺しらしい。ネーミングセンス悪いぞ・・・というかそれただのCQCじゃないっすか
「さあどうだ!参ったか!参ったと言えば許してやるぞ!」
正直なところ、けっこう限界に近い。だが前にも言ったであろう、僕は性格が捻くれているのである。簡単にギブアップなんかするはずがない
「ぜ、全然苦しくないぜ・・・お前の大きな胸がクッション代わりになってるからまだまだ余裕っすよ」
「んな・・・!このセクハラ野郎!息の根止めてやる!」
そう、実はこいつ『女』なのである。こんな乱暴な言葉遣いしているという点から男と勘違いする人が多かったりする
だから普段話しているときは、男友達といるような感覚になる・・・わけなのだが、今みたいなときには男女の体つきの違いを実感、というか痛感してしまうせいで凄い恥ずかしい・・・というわけだ
背はそこまで高くないのだがその反動なのか胸が大きかったりする。顔は可愛いの部類に入ると思う。だがしっかりものというオーラを放っているように見えるせいか、可愛いというだけでは評価しきれない部分がある。なんというか、美しいと可愛いの丁度中間にいるような感じのやつだ。それゆえ、結構モテるらしい
い・・・今はそんなこと考えている場合じゃなかった・・・!
「さあ、どうだ!これでもまだ余裕だと言い張るつもりか!」
かなり苦しい・・・!だがその分・・・真夏の豊満な胸の感触が強くなっていく・・・!肉を切らせてなんとか戦法・・・だ!でもはっきり言う・・・と、真夏の胸に興味とか・・・全くなかったりする!締められ損の・・・くたびれもうけだ・・・!ちょっと・・・違うけ・・・ど・・・やば・・・げんか・・・い・・・
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った、どうやら助かったようだ。真夏はチャイムが鳴るとそれをゴングにでもしているのか、攻撃を止めるのである
317 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:40:07.67 ID:.CHHgvI0
「ちっ」
317 : ◆wjOmYNm0Aw :2008/10/18(土) 16:40:07.67 ID:.CHHgvI0
「ちっ」
真夏が舌打ちして自分の席へ帰る、あのままだったらかなり危なかった・・・
僕は中指を立てて真夏を挑発する。真夏はこれに気付いているのだが、毎朝こんなやりとりをしているから慣れてしまったらしい。習慣化しているようだ
しかし、今日の影殺しはいつもより強かったな・・・
- あいつ、また胸大きくなってないか?
それ以上考えるのは止めておいた。僕の脳に気を遣った結果だ