180 :創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 12:52:37 ID:kQBIwetk
通学途中のテケテケに、一人の女性が声をかけてきた。
女性の割には大きく190以上はある。
自分とは違う長身に、テケテケは少し圧倒された。
「ひとつ尋ねたいんだけど、この町に『渡目』という姓の家を知らない?
この家をたずねてこの町にきたんだけど…」
「『渡目』? さあ~、ちょっと知りません。町の人口が5万3千人もいますから」
女性の質問にテケテケは首を傾げた。
名前を言われただけではピンとこない。
「なるほど……それもそうね」
女性は懐から手帳を取り出し、ふたたび尋ねる。
「なら住所ではどうかしら? 『元興寺1の6』」
「ああ、その住所なら」
テケテケは向かいにあるバス停を指差した。
「元興寺ならあそこから3番のバスに乗れば行けます。
この時間タクシーはあまり来ませんよ」
「ありがとう」
そのままテケテケはバス停まで女性と一緒についていく。
バス停の噴水広場にさしかかると、数人の女性が目に入った。
一人の少女の周りを女学生が取り囲み、何やら口論をしているようだった。
「何しとんじゃッ!」
「何のつもりだきさまっ!」
怒鳴られる状況を理解しているのか、少女は茫洋とした顔で答えた。
右手で携帯を触っている。
「何ってその……この池のカメが冬眠からさめたみたいなんで写メでもとろうかな~って
思ってたんです。カメってちょっと苦手なもんで、触るのもおそろしいもんで、その、
怖さ克服しようかなぁ~と思って」
「……なこたぁ聞いてんじゃねーっ! 立てっ! ボケっ!」
間延びした声に、女学生達はさらにイラついたようだった。
少女が立ち上がるとウェーブがかかった銀髪が、腰まで垂れ下がる。
よく手入れしてあるらしくさらさらと風になびく。
まるで人形がそのまま大きくなったかのような可愛らしさをみせる。
少女は女学生の胸までしか高さが無く、自然と見上げる格好になった。
女性の割には大きく190以上はある。
自分とは違う長身に、テケテケは少し圧倒された。
「ひとつ尋ねたいんだけど、この町に『渡目』という姓の家を知らない?
この家をたずねてこの町にきたんだけど…」
「『渡目』? さあ~、ちょっと知りません。町の人口が5万3千人もいますから」
女性の質問にテケテケは首を傾げた。
名前を言われただけではピンとこない。
「なるほど……それもそうね」
女性は懐から手帳を取り出し、ふたたび尋ねる。
「なら住所ではどうかしら? 『元興寺1の6』」
「ああ、その住所なら」
テケテケは向かいにあるバス停を指差した。
「元興寺ならあそこから3番のバスに乗れば行けます。
この時間タクシーはあまり来ませんよ」
「ありがとう」
そのままテケテケはバス停まで女性と一緒についていく。
バス停の噴水広場にさしかかると、数人の女性が目に入った。
一人の少女の周りを女学生が取り囲み、何やら口論をしているようだった。
「何しとんじゃッ!」
「何のつもりだきさまっ!」
怒鳴られる状況を理解しているのか、少女は茫洋とした顔で答えた。
右手で携帯を触っている。
「何ってその……この池のカメが冬眠からさめたみたいなんで写メでもとろうかな~って
思ってたんです。カメってちょっと苦手なもんで、触るのもおそろしいもんで、その、
怖さ克服しようかなぁ~と思って」
「……なこたぁ聞いてんじゃねーっ! 立てっ! ボケっ!」
間延びした声に、女学生達はさらにイラついたようだった。
少女が立ち上がるとウェーブがかかった銀髪が、腰まで垂れ下がる。
よく手入れしてあるらしくさらさらと風になびく。
まるで人形がそのまま大きくなったかのような可愛らしさをみせる。
少女は女学生の胸までしか高さが無く、自然と見上げる格好になった。
181 :創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 12:53:38 ID:kQBIwetk
「ほほ~、ちんちくりんなやっちゃ」
「おいスッタコ、誰の許可もらってそんな格好をしてるの?
中坊のときはツッパってたんのかもしんねーが」
「うちに来たらわしらにアイサツがいるんじゃあっ!」
眼前に突き出されたカメをみて少女はたじろぐ。
「ちょ……、ちょっと、爬虫類ってやつは苦手で、こ、こわいです~~」
「うだら何ニヤついてんがぁーっ!」
女学生が少女の頬を張る。バス停に乾いた音がした。
「ゴメンナサイ、知りませんでした先輩!」
「知りませんでしたといって、最後にみかけたのが病院だったて奴ぁ
何人もいるぜ……てめーもこのカメのように…してやろうか、コラーッ!」
深々と頭をさげる少女に対して、女学生は持っていたカメを地面に叩きつける。
叩きつけられたカメは甲羅が割れ、苦しそうにもがいていた。
女学生は少女を睨みつけ、冷たく言い放つ。
「ケッ! 心がけよくせーよー、今日のところはカンベンしてやる。
そのスク水とブルマも脱いで、置いておきな」
「それと銭もだな。献上してってもらおうか」
無茶な要求に少女は逆らわず、また頭をさげる。
「はい、すみませんでした!」
事の成り行きを見守っていたテケテケの肩が叩かれる。
横をむくと女性が、先に行こうと促している。
興味なさそうに首を横に振り、言った。
「自業自得って奴だ。目をつけられるのがいやなら、あんな格好するなって事。
逆にムカツクのは、カメをあんな風にされて怒らないあいつの方」
肩を押され、バス停のほうへと促されるテケテケの後ろから、会話が聞こえる。
「おい腰抜け!きさまの名前をきいとくか!」
「はい、一年B組 渡目……理沙です」
その言葉を聞いて、女性の足が止まった。
訝しげに後ろを振り向く。
「なにぃ……渡目 理沙……!」
名乗った理沙に、女学生は口々好き勝手な事をいう。
「渡目? 三途の渡しに目付けで、渡目?」
「理沙?」
「ケッ!これからテメーを理沙!メリーさんって呼んでやるぜ!」
「はあ…どうもありがとうございます」
間延びした声で、少女はけだるそうに返事をした。
その声に女学生はイラついた声をあげる。
「コラ!さっさと脱がんかい!バスが来ちょったろが!チンタラしてっと
その型遅れの携帯も取り上げっど!」
その言葉を聞いて少女の手がピタリ、と止まった。
「おい……先輩、あんた今…アタシの携帯の事何て言った!」
先ほどとは違う、地獄の底から響くようなドスのある声。
その迫力に、女学生達はたじろいだ。
「……え?」
あんぐりと口をあげていた女学生の一人が、次の瞬間空を待った。
周りの人間も何が起こったのか理解出来なかった。
苦しそうに女学生がのた打ち回る。
(今…こいつ「携帯」を見せた…今たしかに…携帯に何らかの画像がみえた!)
テケテケの横で見ていた女性だけが、事の成り行きを理解していた。
肩をいからせて、少女は倒れている女学生に近づいていく。
「アタシの携帯にケチつけてムカつかせたヤツぁ何モンだろうーと許さねぇ!
この携帯がPCエンジンGTみてぇーだとォ?」
「え!そ…そんなことだれも言って…」
弁解しようとした女学生だったが、顔を少女に踏み潰され二の句を言う事が出来なかった。
「確かに聞いたぞコラーーーーッ!」
「おいスッタコ、誰の許可もらってそんな格好をしてるの?
中坊のときはツッパってたんのかもしんねーが」
「うちに来たらわしらにアイサツがいるんじゃあっ!」
眼前に突き出されたカメをみて少女はたじろぐ。
「ちょ……、ちょっと、爬虫類ってやつは苦手で、こ、こわいです~~」
「うだら何ニヤついてんがぁーっ!」
女学生が少女の頬を張る。バス停に乾いた音がした。
「ゴメンナサイ、知りませんでした先輩!」
「知りませんでしたといって、最後にみかけたのが病院だったて奴ぁ
何人もいるぜ……てめーもこのカメのように…してやろうか、コラーッ!」
深々と頭をさげる少女に対して、女学生は持っていたカメを地面に叩きつける。
叩きつけられたカメは甲羅が割れ、苦しそうにもがいていた。
女学生は少女を睨みつけ、冷たく言い放つ。
「ケッ! 心がけよくせーよー、今日のところはカンベンしてやる。
そのスク水とブルマも脱いで、置いておきな」
「それと銭もだな。献上してってもらおうか」
無茶な要求に少女は逆らわず、また頭をさげる。
「はい、すみませんでした!」
事の成り行きを見守っていたテケテケの肩が叩かれる。
横をむくと女性が、先に行こうと促している。
興味なさそうに首を横に振り、言った。
「自業自得って奴だ。目をつけられるのがいやなら、あんな格好するなって事。
逆にムカツクのは、カメをあんな風にされて怒らないあいつの方」
肩を押され、バス停のほうへと促されるテケテケの後ろから、会話が聞こえる。
「おい腰抜け!きさまの名前をきいとくか!」
「はい、一年B組 渡目……理沙です」
その言葉を聞いて、女性の足が止まった。
訝しげに後ろを振り向く。
「なにぃ……渡目 理沙……!」
名乗った理沙に、女学生は口々好き勝手な事をいう。
「渡目? 三途の渡しに目付けで、渡目?」
「理沙?」
「ケッ!これからテメーを理沙!メリーさんって呼んでやるぜ!」
「はあ…どうもありがとうございます」
間延びした声で、少女はけだるそうに返事をした。
その声に女学生はイラついた声をあげる。
「コラ!さっさと脱がんかい!バスが来ちょったろが!チンタラしてっと
その型遅れの携帯も取り上げっど!」
その言葉を聞いて少女の手がピタリ、と止まった。
「おい……先輩、あんた今…アタシの携帯の事何て言った!」
先ほどとは違う、地獄の底から響くようなドスのある声。
その迫力に、女学生達はたじろいだ。
「……え?」
あんぐりと口をあげていた女学生の一人が、次の瞬間空を待った。
周りの人間も何が起こったのか理解出来なかった。
苦しそうに女学生がのた打ち回る。
(今…こいつ「携帯」を見せた…今たしかに…携帯に何らかの画像がみえた!)
テケテケの横で見ていた女性だけが、事の成り行きを理解していた。
肩をいからせて、少女は倒れている女学生に近づいていく。
「アタシの携帯にケチつけてムカつかせたヤツぁ何モンだろうーと許さねぇ!
この携帯がPCエンジンGTみてぇーだとォ?」
「え!そ…そんなことだれも言って…」
弁解しようとした女学生だったが、顔を少女に踏み潰され二の句を言う事が出来なかった。
「確かに聞いたぞコラーーーーッ!」
メメタァッ!
「やれやれ……こいつが…こいつが探していた…じじいの身内だとは!」