創作発表板 私メリーさん まとめ @ ウィキ

私メリーさん、今あなたの家の前に居るの

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iammary

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201 :創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 18:33:33 ID:QCVW1WNT

「私メリーさん、今あなたの家の前に居るの」
「……おふくろ、いい加減にしてくれよ」
携帯にかけてきた母親に向けて、俺は嘆息する。
ったく、こちとら容疑者の確保に忙しいってのにたまったもんじゃねえ。
俺は、『自称メリーさん殺人事件』と揶揄される事件を追う刑事だ。
「今はまだ職場だよ。悪いが今日は帰ってくれ」
「目里さん! ホシの奴の携帯が割れました!」
部下の一人が慌てた様子で声をかける。
「ああ、分かったすぐいく! じゃ、そういうことだから」
ぽちっと電源を切ると、俺はホシの番号を打ち、発信ボタンを押す。
数回の呼び出し音の後、がちゃり、と音がした。
「……もしもし?」
見知らぬ番号からかかってきた電話に、ホシと思しき男は怪訝そうな声を出す。
俺はにやり、とほくそえんだ。
急に家を訪ねてくるような迷惑なおふくろだが、一つありがたいもんを俺にくれている。
「……私、メリー。今、あなたの後ろに居るの」
そう呟いた瞬間。俺は一人の男の後ろに立っていた。
唖然とした顔でこちらを振り向いた男の手に、手錠をかける。


俺の名は『目理 伊三(めり いぞう)』
元祖『メリーさん』の【血】を受け継ぎ、彼女の最大の能力である瞬間移動を、
『相手の携帯電話に私メリーと名乗る』という条件下で発動することのできる妖怪刑事である。
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