ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

74式の思い出

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
74式は思い出の戦車だ。
作りは単純だが、信頼性が強い。
しかし、私は"戦車砲の動かし方"を知ったにすぎない。

「前方11時の茂みまで前進する。操縦手、前へ!」
私は照準器を覗いている。
外界の様子を知るための、唯一の道具だ。
双眼式だが私にはあまり意味がない。だが、もう慣れたものだ。
照準器のレンズには方位やスケールが表示されていて、目標との大体の距離を求めることができる。
しかし、ボタン一つで射撃統制装置が精確な数値を割り出してくれるので、あまり使うことはない。
「操縦手、止まれ! 1時の方向、敵戦車発見! この目標に対し射撃する!」
敵戦車といっても、ただの張りぼてだ。
素早く、そして精確にそのダミーを撃ち抜けばよい。
距離はおよそ2500メーター、十分に狙える距離だ。
「砲手、目標敵戦車、徹甲弾!」
装填手が弾庫から徹甲弾を取り出し、砲に詰める。
「装填した!」
「撃て!」
すでに目標はレクティル中央にある。
射撃統制装置から射撃可能を知らせるビープ音が鳴った。
私は引き金を引く。
車体が揺れ、発砲音が耳に木霊した。
火球が空を舞う。
1.5秒くらいした後、張りぼてに到達した。
「命中した!」
張りぼてが中心から粉々に崩れた。
あれがT-72なら、砲塔が吹き飛んでさぞ面白かっただろうに。
「本部から11、ご苦労様。5発中5発が目標中心に命中、優勝は君たちだ」
毎日毎日、訓練漬けの毎日に私は飽き飽きしていた。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー