西の空に光が沈みつつ、遥か上の広大な空間に赤みが映えている、この時。
ここは、有栖学園の屋外に備え付けられた長椅子。
この時間は、丁度校舎の日陰が掛かる位置にあり、夏の日差しに晒される事は無い。
この時間は、丁度校舎の日陰が掛かる位置にあり、夏の日差しに晒される事は無い。
正面に望むことが出来る運動場からは、運動部員たちの、若々しい掛け声が響いていた。
そのBGMが、この赤い空間を色付ける。
そのBGMが、この赤い空間を色付ける。
「ここはとっても気持ちがいいね。いつもの騒がしさが嘘のようだよ」
「そう…、日々平穏が一番……」
「そう…、日々平穏が一番……」
二人は、職員室から持ってきた麦茶の一杯を口に運ぶ。
コップの水滴の冷たさが心地よい、至福のとき。
コップの水滴の冷たさが心地よい、至福のとき。
目の前のその空間を眺める。
静かに、ただ静かに。
静かに、ただ静かに。
薔薇水晶は、残りの麦茶を咽に流す。
「さてと…、残りのお仕事もがんばらなくっちゃ……」
赤い空間が、ただ静かに、彼女を見送っていた。