さて
補助教材に関しては、著作権法の規定を理解しておく必要があるので、ここで著作権について説明をしておく。
著作権とは著作物を創作した人の権利を守るものであり、学校では他人の著作物を多数利用するので、権利を犯さずに使用することが必要である。
著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」であり、本や絵画などだけではなく、映画、テレビ放送の内容、翻訳等上記に係わる創作物は基本的にすべて含まれると考えてよい。そしてその公表形態も書籍だけではなく、放送、芝居、演奏等さまざまな形態がある。著作物に対して著作権を付与する形式は国によって異なり、届け出を必要とする国と必要としない国があるが、日本は届け出を必要とせず、著作物として公表されると自動的に著作権が付随することになる。
著作権とは様々な権利の総称とも言えるが、具体的には、著作者人格権として、「公表権」「指名表示権」「同一性保持権」がある。公表権とは、その著作物を公表するかしないかを自由に決定できる権利であり、著作権者の許可のない著作物を公表することはできない。また、公表の際には著作者の氏名を表示する権利をもち、他人が勝手に内容を変更してはならない。原作をもじったパロディーなどが、同一性保持権を侵害しているのか、あるいは新たな創作であるのかということが争われることがある。狭義の著作権に含まれるのは、「複製権」「上演権及び演奏権」「公衆送信権」「口述権」「展示権」「譲渡権」
「貸与権」「翻訳権・翻案権」等がある。こうした著作物を利用する場合には、原則として著作権者に対価を支払う必要があるわけである。
しかし、著作権は無制限のものではなく、特に教育機関において、教育上必要とする場合には制限がある。
(学校その他の教育機関における複製等)
第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
この規定によって学校の中で授業を目的として使用する場合には、著作物を利用することが大幅に認められているが、しかし、それが不当に著作者の権利を侵害するような形になってはならないのである。例えば、教材として利用するために、一部をコピーして生徒に配るのは許されるが、それが本の大きな部分に及ぶような場合には、購入させて使用すべきであり著作権を侵害したことになる。授業で利用する場合には良識的な範囲で行うようにしなければならない。
ただし、これは著作権者の意思が尊重されるのであって、インターネット上に自由に利用されることを前提として著作物を公表している場合などは、コピーは自由に行ってよいと考えてよい。インターネットでは copy free という考え方が伝統的に存在しているが、しかしその場合でも、著作者人格権を侵害することは認められていない。まったく別の場所で勝手に公表したり、氏名を伏せたり、また内容を変更したりすることは、インターネットにおける公表物にしても許されない。
最終更新:2008年07月25日 21:32