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 人は狼になるか
 これは人間の発達可能性の最も基本的な「可塑性」に関わる問題である。
 もし、アマラとカマラの話が真実であるとするなら、確かに人間の可塑性、人間の成長・発達の幅は著しく広いものであると考えざるをえなくなる。しかし、この話が真実ではないとすれば、その仮定は大きく揺らぐことになる。もちろん、真実ではないとしても、そのことによって人間の可塑性が否定されるわけではない。ただ、これまで多くの教育学の書物は、人間の可塑性を「狼に育てられた子ども」の存在によって示してきた。その点が否定されることは、人間の可塑性の考え方を大きく変更せざるをえないことになる。
 しかし、大学での授業で、学生の対応は大きく分かれた。
 授業では、アマラとカマラの話への「疑問の提示」という形で示したために、まず学生たちは、あっけにとられ、次にその「疑問」を逆に鵜呑みにした傾向がある。実は別の授業でこの話を扱ったようだが、そこでは「真実」であるという前提で扱われたので、疑問をもたなかったようだ。その点もまた問題であるが。
 一部の学生であるが、「信じたい」という意識から抜け出せない状況がある。科学と宗教の混同というと大げさであろう。しかし、合理的に考えていくという姿勢は、やはり、大学教育においてきちんとつけていく必要があることだと実感した。


最終更新:2007年10月05日 17:25