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京都異界案内1 - (2005/12/10 (土) 22:58:39) のソース
**京都異界案内1 古都、京都。 豪華絢爛の平安絵巻の舞台となった裏で有象無象の物の怪どもが跳梁跋扈した異界でもあった。 その闇の世界をここに紹介しよう…… と意味もなく振りかぶってみましたがちょいと思い立ち、京都に一泊二日の旅行に行ってきたのでそのレポートを書いてみる。 一応これでも異界会の末席を汚す身なのでそれなりのスポットに行ってみた。 まず行ったのが「鉄輪(かなわ)の井」と呼ばれる井戸。 平安の世、夫を後妻に奪われた先妻がつれない夫に嫉妬の炎を燃やした。 嫉妬の鬼と化した妻のいでたちは顔に朱をさし、からだに丹を塗り、頭に鉄輪(五徳)をいただき、その三本のツノに火のついたロウソク、口にはたいまつをくわえ、貴船神社に丑の刻参り。 人形にうらみをこめて神木にうちつけ、呪文を二十ペン唱えて釘を打つ。 満願は七日。 満願を前にした六日目、深夜の祈りに弱りきったのか自宅近くのこの井戸のそばで力尽きた…… この伝説は『源平盛衰記』から生まれたといわれ史実であるかどうかは明らかではない。 謡曲「鉄輪」もこの伝説にちなんだ話であるが、ここでは女は呪いが昂じて遂には鬼となり、悪夢に悩まされる夫が陰陽師・安倍晴明の許を訪ねる。晴明は 人形(かたしろ)をもって祈祷を続け、鉄輪の女と対決し、やがて晴明の呪術が勝り、鬼は消え失せたという。