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御使堕し(エンゼルフォール) - (2010/12/26 (日) 21:06:52) の編集履歴(バックアップ)


【種別】
魔術

【元ネタ】
Angel Fall=「天使の落下」

【初出】
四巻

【解説】
上条刀夜が偶然発動させてしまった大魔術
仕組みとしては『大地の気』のエネルギーを『上条刀夜』が変換し、
おみやげ術式』に注ぐという流れで発動。
発動元は神奈川県の上条家であり効果範囲は地球全土に及び、
日本を通り越しロンドンのウィンザー城最深部まで結界を抜け到達していた。

その効果は『天使(の魂)を天界から人間界へと引き摺り下ろす』というもの。
上位セフィラから下位セフィラへと強制的に天使が移動させられたため、
その揺らぎによって10のセフィラが形作る四界に影響を与えている。
天使は人間の肉体に入りその人間の魂を追い出すので、
いす取りゲームのように次々と魂が入れ替わっていく(誰かは玉突きで天使の肉体に入るようだ)。
といっても入れ替わりは三次元上ではなくセフィロトの樹と呼ばれる抽象概念上で起きるため、
座標的には精神・肉体は動かず、
当麻のように術の範囲外から他者を見た場合は肉体のみが変化しているように見える。
しかし、術の影響下にある人間から見た場合は、
『入れ替わった魂』ではなく『本来そこに居るべき人間(肉体)』の外見を認識するので、
入れ替わりには気付けない。

上条達例外からは、服や靴のサイズ・指紋や血液型などの情報・写真やビデオの映像まで
各種記録も入れ替わっているように見える術式でもある
(アニメ版では記録は変わらないという設定。しかし影響下の者は記録と外見の食い違いに気づけない)

神裂土御門のように術の効果を中途半端に防いだ場合、
精神の入れ替わり(「自分が本来誰なのか」という自覚を失う事)は防げるが、
術の影響下にある者から見た外見は『本来入れ替わるはずだった別人』のものになってしまう。
(例としては土御門が自分は土御門元春だという自覚はあっても、
 『一一一』という肩書きに呑み込まれてしまう等)
なお、二重人格者は二つの魂を持っているようで、
入れ替わっているのに外見が変化しないと言うことがありうる。
この術式自体は比較的無害だが、堕とされた天使が戻ろうとして危うく大災害になりかけた。
解除されると、入れ替わっていた人間が発動中過ごしていた記憶は入れ替わる前の人間の物となる。
即ち、精神的には最初から入れ替わっていなかったように感じるということ。
例えばインデックスの記憶は、インデックスの姿をしていた誰かではなく、
(当麻視点で)青ピ姿のインデックスが体験した物になる(それ故に噛みつかれた)。

つまり肉体そのものは変っているわけではないので
例えばあの日、上条刀夜とインデックスが夜の行為に及んだとしても
肉体的には上条刀夜と上条詩菜になるため
インデックスが肉体的被害を受ける事はないのである

同じような理論で、例えば肉体(スポーツ選手)・魂(車椅子に座るような老人)だったとしても
肉体的にはスポーツ選手であるため、この日にスポーツの大会があったとしても
肉体的に何の問題も存在しない(加えて、一般人からはスポーツ選手の外見で見えてるため、外見的にも問題がない)

【備考】
入れ替わりは演劇に例えると、若干理解の手助けになる。

四巻では【配役】:【役者】として、
海の親父:ステイル その息子:御坂妹 乙姫:美琴 
ステイル:神裂 一一一:土御門 キャスター:小萌先生 
詩菜:インデックス インデックス:青ピ 当麻:当麻 
火野:エンゼルさま(多重人格の片割れ) ミ(サ)ーシャ:天使『神の力』 刀夜:刀夜
をそれぞれが担当していると考える。

  • 術を防いだ人間(当麻)
完全に術の外側にいるため、演じている【役者】(入れ替わった後の人間)の姿が見える。
術前の記憶も残っているので、【役者】と【配役】のずれを認識する。
(例えば教師であるはずの小萌がキャスターをするのはおかしいなど。)
また、【配役】側からも本人に見えている。
【配役】としても【役者】としても同一人物として存在しており、ある意味【観客】の立場。

  • 中途半端に術を防いだ人間(土御門・神裂)
当麻と同じく【役者】を認識でき、「自身が本当は誰か」も理解しているが、
術が完全にかかった者からは【配役】として扱われる。

  • 術に完全に巻き込まれた人間(当麻・土御門・神裂・刀夜・ミーシャ以外の人間)
何かが起こったことすら感知できず、【配役】だけを認識するので違和感を覚えない。

  • 術に巻き込まれたが特殊な場合(刀夜・ミーシャ)
刀夜は術式の施術者なので入れ代わっていないが、
意図して行ったものではないため自身も巻き込まれている。
【役者】を認識できず、【配役】だけを認識するので違和感を覚えない。

ミーシャは自身が「堕ちてきた」ものなので術の存在は理解しているが、
元々を知らないので、周囲で「誰が誰を演じているのか」までは理解していない。
(土御門たちと同じように【役者】で見えているのか、一般人と同じ視点なのかは不明)

【仕組みについての考察と推測】
御使堕し(エンゼルフォール)の入れ替わりについての仕組みが不明確であるため、ここに考察するとする。
また、考察にあたって【御使堕し時の世界】を〈演劇・舞台〉、【外見】を〈魂・役者〉、
【中身】を〈肉体・配役(役割)〉と仮定する。(このページ内の【備考】の引用である)
さらに、基準の視点を【御使堕しの影響を全く受けていない人物】代表「上条当麻」とし、
上条の視点において、【中身】が入れ替わったように見えるのは、
〈実際は【外見】が入れ替わっているが、座標的に【外見】は動けないので【中身】が変わったように見えるだけ〉
ということも重ねて念頭に置いておく。

※1【入れ替わっている人物】は【御使堕し影響下の人物】からどのように見えているのか。

この点においては二つの仮説があげられる
  • 1 入れ替わる前と同じように見える
    例 〈【外見】青髪ピアス【中身】インデックス〉はこれまで通り、
      〈【外見】インデックス【中身】インデックス〉に見える。

  • 2 もともと入れ替わった後の姿だったかのように記憶が改ざんされている
    例 インデックスは生まれた時から
      〈【外見】青髪ピアス【中身】インデックス〉
      だったという扱いになる

考察材料
  • 写真や衣服までもが入れ替わりに伴い変更されている。(ように上条達例外からは見える)
  • 上条の視点においてインデックスは〈【外見・魂】青髪ピアス【中身・肉体】インデックス〉に見えている。
つまり、上条達例外は中に入っている【魂】が外見だと視認している
  • 刀夜は、〈【外見・魂】青髪ピアス【中身・肉体】インデックス〉を、〈女の子〉と呼んだ。
つまり、術式に掛かっている人間には【肉体】が外見だと視認している
  • 神裂が、【御使堕し影響下の人物】から、〈女ことばのステイル〉に見えている。(神裂・土御門については後述)

※2 神裂・土御門の矛盾について

神裂や土御門は、入れ替わった後も〈神裂〉〈土御門〉として動いているにもかかわらず、
【配役】〈ステイル〉〈一一一〉として扱われている点について。

考察材料
  • 神裂や土御門が「中身・ステイル」「中身・一一一」と発言している。
  • 上条から見ると二人は【中身】と【外見】が一致している。
  • 御使堕しが解除されたとき、〈【外見】インデックス【中身】上条詩菜〉は、
 〈【外見】上条詩菜【中身】上条詩菜〉に戻っている 
 =【肉体】の変更が起きているにもかかわらず、土御門の【肉体】は土御門のままだった。
  • 元に戻った時、〈【中身】に一致する【外見】に戻る(【中身】は移動せず、【外見】が移動する)〉というルール

ここで論点となるところは、【御使堕し時】の神裂と土御門の【中身】と【外見】は何だったのか。
ここでは例を土御門とする。

土御門は作中、「中身・一一一」と発言しているため、おそらくは、〈【外見】土御門元春【中身】一一一〉
と思われる。しかしそうなると、【中身】一一一なのにもかかわらず、土御門として動いているのはおかしい。
そのうえ、御使堕し解除時【中身】に一致する【外見】に戻るというルールに反して、
土御門の【外見】は土御門のままだった。
(ルールに則ると、御使堕し解除時、土御門は一一一なるはずである)
しかしここで逆説、【中身】=【配役】とも扱われる。つまり、
考えようによっては、〈【外見】青髪ピアス【中身】インデックス〉は、
青ピがインデックスの役をやっているだけともとれる。
(作中でも、〈母親【役】〉という表現は存在する)
ならば〈本来、【配役】一一一として動かなくてはならない土御門元春が、
【舞台】上にたってもなお、役を無視して土御門元春として動いたらどうなるか〉
ニュアンスとしては、一一一の衣装を着た土御門が、土御門役をやっているといったところだろうか。

結論
神裂・土御門はもともと結界を張って御使堕しから逃れた人間であり、
どういう理屈で術から逃れたのかも作中で明記されていないため、
「例外だから」と言ってしまえばそれで終わりである。
つまるところ不明。
ちなみに上記の理屈だと一応ステイルが一人二役?やっている理屈にもなる。
(海の親父役のステイルと、ステイル役を放棄した神裂)