【種別】
魔術


【初出】
創約二巻

【解説】
アンナ=シュプレンゲルが使用する術式。
両手の指を火・水・風の三属性に対応させ、指の動きで文字を示すことで、「世界の全てを表現できる」ほどの様々な現象を生み出す。

原理としては、カバラの世界では『ヘブライ二十二字』によって世界の全てを説明できることに関連付け、
『ヘブライ二十二字』から『七金属』と『十二宮』を引き、
隠された三つの文字である『火のシン』、『水のメム』、『風のアレフ』という三要素を、
『七等分の輪』と『十二色』で囲う事によって世界の全てを表現している。

五指は親指から順に、エーテル、水、火、土、風の五大属性に対応する。
この内、上記の三要素に対応する人差し指(水)、中指(火)、小指(風)を命令に合わせて折り曲げる事で、
基本となる火、水、風のオンオフを行い、掌の中で文字を自由に合成し、
天使を制御して様々な現象を引き起こす。

「世界の全てを表現できる」という触れ込み通り、単純に全部で22通り(『生命の樹(セフィロト)』の『チャネル』の数)の攻撃パターンではなく、
『ゲマトリア』という暗号法を用いることで、生み出せる現象の数は100万通りを軽く超える。

アンナはこの術式を振るう際、上条の『幻想殺し』に合わせて「右手」のみを使用し、
攻撃に『○○殺し』と名付けて使用する遊びをしていた。
これはあくまで「遊び」であり、実際は「左手」でも使用できる上、現象に名前をつける必要もない。

【命名された現象】
  • 構造殺し(ストラクチャブレイカー)
掌に触れたもの全てを、次元や空間ごと削り取る能力。腕を振るった場合は全て切り裂く5つの斬撃が飛んでいく。
斬撃は指の動きと連動しているため、腕を振り抜いて隙が生じた状況でも、指を曲げ伸ばしして攻撃を行うこともできる。

  • 資源殺し(アーティクルブレイカー)
指を鳴らして青白い火花を散らし、周囲の通電している機械を片っ端から爆発させる能力。
作中では、これを受けた液晶看板、照明器具、空調設備、列車の高圧電線等が、溶接のような閃光を放ち次々と爆発していった。

  • 逃亡殺し(エスケープブレイカー)or遮蔽殺し(シールドブレイカー)
掌を突きつけることで、完全な暗闇の中であっても標的を正確に追跡する能力。

  • 重力殺し(グラビティブレイカー)
指を一本上に立てて回すことで、周囲の重力を操作する能力。
作中では、周囲の金属製のゴミ箱、清掃ロボット、街灯、風力発電のプロペラを次々と束ねて、モーニングスターのように振り回し上条へと叩き込んできた。

【名前のない現象】
  • 二本の指を閉じて標的の首を挟んで斬る「見えざる大顎」を空間に形成する
  • 人差し指と中指を閉じるハサミのような仕草を行うと、上空を飛ぶ飛行船の気嚢が破れ、オレンジ色の流星となって落ちてくる
  • 投げキッスのような動作をすると、何かが虚空を焼く
  • 二本の指を横にして唇に当て、指笛のように息を吹くことで、周囲一帯を埋め尽くす粘ついたオレンジ色の炎を放つ
  • 上記のオレンジ色の炎が広がる表通りを、真っ白に凍りつかせる
  • 広げた5指を交差させて、垂直落下による重力を加えた『砂鉄の剣』を止める
  • 掌を上空に差し向けて大気や気圧そのものを掴み、局所的なつむじ風を発生させ積雪や看板等を毟り取って舞い上げていく
  • 周囲の空間全体から固体・気体問わずあらゆる炭素を掌に吸着し、丸薬より少し大きい程度の薄汚れた黒い球体を作り出す
  • 紫電を放ち、宝石店のショーケースが内側から弾け飛ぶ
  • 掌を振ると、立て続けに三度の爆発が起こる
  • 暴風が吹き荒れる
  • 強酸がアメーバのように広がる
  • 掌から閃光を放つ

【詠唱】
「ゲブラーよりホドへの進入路を開放、我が右腕に宿れ」

【備考】
本頁の初版は、
アンナ - とある魔術の禁書目録強さ議論・強さランキングWiki - アットウィキ
の記述を参考にしている。

最終更新:2020年11月16日 13:44