「ア、アア、アアアアアアアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!!」
「フフ~ン♪緋花の弱いトコロは・・・やっぱりここかな♪えいっ!」
「ハアアアアアンンンンンンン!!!!!」
「だよね~。私より胸が大きいんだし、予感はしてたけど。このてっぺん2つを重点的に責めてたからかもしれないなぁ。おかげで、随分赤く腫れちゃって・・・フフッ」

ここは、先日捕獲した風紀委員焔火緋花を監禁している部屋。型板ガラスが1つ設置されているこの部屋に、焔火は台の上に四肢を拘束された状態で捕えられている。
周囲にはオーディオ機器のような機械も存在するここは、智暁が自分に宛がわれた部屋に近いという理由で希望した部屋でもあった。

「今日はねぇ・・・私だけじゃ無いよ?『ブラックウィザード』の薬に依存している女の子達も用意してあるんだ。まぁ、そこにもうスタンバイしてるんだけどね。
ジワジワやるのも飽きてきたし、ここいらで集団調教と行きますか!!皆!!来て!!もちろん、下着一丁で♪」

智暁の命令で、傍に控えていた薬物中毒の女性達が一斉に服を脱ぎ出した。その中には、風路の妹である鏡子も居た。
数十秒で下着だけになった女性達が、これまた下着姿になっている智暁の下へ集う。一方、焔火は下着姿とは言え着衣は本来の位置に収まっていなかった。

「皆!緋花を思いっ切り可愛がってあげて!!そこら辺に落ちてる器具とかも使っていいから!そうしたら、飛びっきりの薬が貰えるかも!」
「薬・・・薬・・・わ、私・・・頑張る!!」

智暁の檄に一番反応した鏡子が飛び出し、焔火の首筋を舐めて行く。

「(ペロッ、ペロッ)」
「ハッ、ハッ・・・ヒグッ!!」
「風路さん・・・そこで甘噛み!」
「(ハムッ)」
「~~~~~~!!!」
「いい娘いい娘♪さぁ、皆も早く!」

鏡子に遅れまいと、他の女性達も焔火の体に群がる。鏡子のように舐めたり噛んだりする者、その手付きで揉みしだく者、
智暁の言葉通り手に持つ怪しげな器具を体に接触させて行く者等に分かれ、多種多様の責めを少女に与えて行く。

「(ブウウウウンン)・・・(チュプ、チュプ)・・・(ガブッ)・・・」
「アァン!!ウウウウゥゥゥッッ・・・クゥン!!」
「相変わらずイイ声で鳴きますね。フフッ・・・もっと激しくしてあげる♪ということで皆、出力アップ♪」
「ッッッ!!!」

少女の嬌声に気を良くした智暁が、器具の出力上昇を命じる。響く音が更に大きさを増し、悦楽の波を押し寄せさせる。
全ては、焔火を快楽の坩堝に叩き落すための所業。主に媚薬剤を用いて、少女を快楽の奴隷にするための調教である。

「アアアアアアアアァァァァァッッ!!!アアアアアァァァッッ・・・アアアァァッ・・・」
「理性が吹っ飛んじゃってますね。まぁ、無理も無いですよね。一昨日の晩から、ずっと色んな薬を打ち込まれてますし。調合屋さんの新薬も色々飲まされましたし」

智暁は、一昨日からの相次ぐ薬責めに晒された焔火にほんの少しばかりの同情を抱く。筋弛緩剤や自白剤、それに何時も使っている薬や調合屋の新薬まで投与しているのだ。
とは言え、現時点では調合屋の綿密な計算の下で中~重程度の薬物中毒に至る程の量―何時も用いられている非合法薬物―は摂取していないのだが。
これには、今後焔火が何時も用いている非合法薬物によって重い薬物中毒に至る前に彼女を使って色々実験したい調合屋の個人的意思が入っている。

「ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・。ア、アア、アアアアアアァァッッ!!!」
「それにしても、今度の新薬はスゴイですね。感度ビンビン♪体中が性感帯になったような感覚に陥るって説明でしたけど、まさにその通りの反応です。・・・ガリッ!」
「ガアアアアアアアァァァッッ!!!!!」
「うんうん♪やっぱり、胸の先が弱点ですねぇ。下の方も・・・フフン♪予想通りの濡れ濡れですなぁ。このまま一気に堕とします。
伊利乃さん直伝のテクを今こそ使う時。後でスペシャルゲストも登場しますから、楽しみにしていて下さいね~。では・・・行きます!!」
「ッッッ!!!~~~~~~~!!!!!」

智暁の責めがより一層激しくなる。その押し寄せる快楽の波に、程無くして焔火は失神した。






「ん・・・」

あれから中円からの連絡で調合屋が部屋を訪れ、失神している焔火を無理矢理叩き起こし、自白剤を用いて今晩の作戦に必須な情報を吐かせた。
その後も智暁達の調教は続き、何度も失神した。理性も吹っ飛び、唯快楽の渦に身を委ねた。
そして・・・今は一時の休憩タイム。さすがに、智暁も何時間もずっとというのは辛いのだ。今の彼女達は、夕食を食べに行っている。そんな折に、焔火は目を覚ました。

「・・・ぐうっ!」

目を覚ました直後に頭に走る痛みは、焔火の左耳にセットされているイヤフォンから流れてくる音波の影響である。
このイヤフォンと繋がってる装置―『キャパシティダウン』―から流れてくる音波は焔火の能力発動を封じ込めるための音響兵器であった。
イヤフォンによって指向性を制御されたこの音波は、焔火にだけその効果を発揮する仕組みとなっていた。絶え間無く続く頭痛が、快楽に溺れていた焔火の意識を覚醒させる。

「・・・・・・グスッ。・・・・・・うううぅぅ・・・・・・うううううぅぅ!!!」

それが仇となったのか、焔火は自分が置かれた状況を自覚したために嗚咽を漏らし始めた。そう、このアジトに連れて来られて筋弛緩剤を打ち込まれた時に・・・


『俺は『ブラックウィザード』の幹部だ。焔火。お前と鳥羽は、俺の罠に引っ掛かったんだ。フフッ、成瀬台にも俺達が強襲を掛けた。何人死んだことやら。
そうだ、お前を助けに178支部の真面と殻衣が来たが、不要な“手駒達”と共に爆発に巻き込まれて死んだ。
お前の姉・・・焔火朱花はこのまま“手駒達”として使い潰してやろう。早速薬を投与した。いずれ、立派な“手駒達”としてお前に見せてやろう。
お前は言っていたな。「“ヒーロー”になりたい」と。どうだ?敵対する者の甘言に乗せられ、踊らされた挙句に仲間達を死に追いやった気分は?
これが、お前が目指す「他者を最優先に考える“ヒーロー”」の末路だ。あの“変人”なら・・・「自分を最優先に考える“ヒーロー”」ならこんな末路には至らなかっただろうな。フフッ』


網枷からこう告げられた。自分の愚かな行動を呪った。恨んだ。浅はかな選択が、仲間を死に追いやった。『“ヒーロー”になりたい』という夢を利用されて。

「ううううううぅぅぅ!!!!!うううううううぅぅぅ!!!!!」

取り返しの付かないことをしてしまった。他者のために、皆のために頑張ろうとしていたのに、結果は全て裏目に出た。自分のせいで・・・他者が死んだ。
また、愛する姉が“手駒達”として使い潰されることも確定してしまった。自分のせいで。
そして・・・自分は今何もできないでいる。体は拘束され、調教という名の快楽責めに翻弄され続けている。
自殺も幾度と無く考えたが、口に自殺防止用の猿轡を嵌められているためにそれすらできない。

「(わ・・・私・・・・・・私・・・・・・何で生きてるの?私が・・・私が真面達を殺したのに!!!
私がお姉ちゃんを薬物中毒にさせて・・・“手駒達”にさせるのに!!何で、こんな私がまだ生きてるの!?)」

自分に絶望した。馬鹿で愚かな自分を許せなくなった。だが、拘束されている自分の手足には殆ど力が入らない。
下着も乱され、半ば全裸の状態である彼女の体は調合屋が作った新薬―快楽性を高めに高めた媚薬―に冒されていた。
体中が性感帯と化してしまうこの薬によって、焔火はこの状態でも体の火照りが全く治まっておらず、まるで幽体離脱をしているかのような精神状態であった。
今は薬の効果が幾分和らいでいるためそうでも無いのだが、投与直後はまともな思考すらできなくなり、唯々性欲の塊となってしまう。
昨日からの度重なる智暁達の調教により、自分の体が改造されていく感覚すら覚えてしまう。

「(・・・・・・ゴメンね、拳。私・・・貴方に見せる姿・・・無くなっちゃった。私・・・馬鹿だった)」

数日前に告白した少年の顔を思い浮かべる焔火。彼の返事は、自分の成長した姿を見て貰ってから。そんな“甘ったれた”未来予想図は、木っ端微塵に消し飛んだ。

「(・・・・・・死にたい。・・・死にたい!!こんな辱めをずっと受けて・・・人質として他の皆を命の危険に晒すくらいなら・・・今ここで死にたい!!!)」

灯りは消され、窓から入って来る夕焼けの色しかこの部屋を彩るものは無い。黄昏時・・・それは人の心を不安定にさせる時の魔法。

「(・・・・・・私・・・最初から風紀委員会に参加しなければよかった。固地先輩の言う通り・・・あの時にその選択を取っていたら・・・こんなことにはならなかった!!)」

かつて、“風紀委員の『悪鬼』”に言われたこと。『“風紀委員もどき”を風紀委員会のメンバーから外せ』。固地の言葉は・・・正しかった。その証明が・・・今の状態だ。

「(・・・・・・もう、嫌。こんな自分が・・・嫌。何やってるの、私?私は今まで何をやって来たの?他者に迷惑ばかり掛けて・・・挙句に殺して・・・何よそれ?
これが風紀委員?これが“ヒーロー”?・・・・・・馬鹿みたい。あの倉庫街でもう一度立ち上がった私の決意って・・・・・・一体何だったの?
『諦めなければ』・・・ってさ。それにどんな意味があるの?死んだ人達は・・・私が殺しちゃった人達は・・・もう生き返らない・・・!!!)」

自分だけの信念を見出すために、自分の先を歩く男達の言葉を原動力として立ち上がったあの時の姿は今の少女に見ることは叶わない。そんな気力が・・・もう潰えてしまった。

「(・・・今の私にできることは・・・死ぬこと。それだけは、何としてでもやってみせる!!もう・・・もうこれ以上私のせいで誰かが犠牲になるのは・・・!!)」



ガチャ!



「緋花♪さっきの続きをしましょうね♪」
「・・・!!!」

悲愴にも悲愴な決意を焔火が固めた直後に、智暁が扉を開けて入って来た。鏡子を始めとした薬物中毒の女性達を引き連れて。

「フフ~ン。今回はねぇ、スペシャルゲストを用意してるから♪楽しんでね♪」
「(猿轡を外した時が唯一のチャンス。舌を噛み切って・・・・・・そして・・・・・・)」

智暁の言葉を全く聞いていない焔火は、一瞬のチャンスを狙って自殺することだけを考える。
その思考に体が僅かばかり震えていることに、少女は気付かない。この様子では・・・自殺なんて真似は到底無理だ。

「では、スペシャルゲストのご登場♪それは・・・この人だ!!」

少女の葛藤に気付いていない調教主は、少女にとって自殺を思い留まらせる程の存在を声高らかに呼び付ける。
それは、好奇心のままに蜘蛛井へ何度もお願いしてようやく実現に至ったこと。蜘蛛井も、自身が手がけた『手探り』の調整の成果を確認したかったために彼女の一時的譲渡を認めた。

「愚妹(ぐまい)・・・」
「(お、お姉ちゃん・・・!!!)」
「姉妹の感動のご対面になりました♪フフッ。この方は、緋花のお姉さんの朱花です♪もちろん・・・“手駒達”に所属していま~す♪」
「ッッ!!!」

恐れていた冷酷無慈悲な現実が、またもや焔火に降り掛かる。愛する姉の“手駒達”化。虚ろな瞳を浮かべる姉は、己が妹の姿を見て・・・何とも思わない。

「その証拠に・・・朱花の首の後ろに注目♪ほらっ、黒い斑点が浮かんでいるでしょ?それ程濃くは無いですけど」
「(お姉ちゃん・・・お姉ちゃん!!!)」
「フフ~ン。では、今から朱花を含めた更に過激な調教にレッツ・チャレンジ~!!」

智暁の宣言と同時に部屋の扉が閉まる。姉の惨状を目の当たりにした焔火には、自殺するという思考を浮かべる力さえ残っていなかった。






「それじゃあ、緋花。まずは、お姉さんに私達の関係を見て貰おうね。舌出して」
「だ、誰がそんな・・・・・・えっ・・・!?」

智暁の要求を断ろうとした焔火だったが、体はそんな焔火の意思とは間逆の行動を取る。猿轡を外された少女の口から、ピンク色の舌が出て来た。

「いい娘ねぇ、緋花は。それじゃあ遠慮無く。・・・ングッ・・・ピチャ・・・ゴクッ・・・」
「・・・ングッ・・・ピチャ・・・ゴクッ・・・(ど、どうして・・・!!?)」

ここに連れ込まれてから数え切れない程交わした智暁との接吻。百合好きな智暁にとっては普通なのかもしれないが、ソッチ方面の趣味は無い焔火にとっては異様な行動であった。

「・・・プハッ!自分が取った行動が信じられないって顔ねぇ」
「グッ・・・」
「それはねぇ・・・あなたに投与した薬の影響なの。ここに居る女の子達もそうなんだけど、何時も使っている薬を摂取している人間は何故か私を好いてくれるの。
調合屋さん曰く、『智暁の体から発するフェロモンと共鳴している可能性が・・・』とか何とか言ってたけど、私にはよくわかんないし別に知ろうとは思わない。
だって、そんなことどうでもいいし。今なら弛緩性も多少は緩んでるかな?フフッ・・・緋花。私の胸を・・・舐めて・・・(ズイ)」
「い、嫌・・・嫌・・・・・・そんな・・・そん・・・・・・(ペロッ、ペロッ)」

意思に関係無く体が勝手に動く。否、これは焔火の意思でやっていること。焔火に投与された薬の中には、何時も使われている薬も使われている。
能力が強化されない配合で、その分快楽性や弛緩性を増しているそれは焔火の体を確実に蝕んでいた。

「アッ・・・ハンッ・・・くぅっ・・・!!!」
「(チュプッ、チュプッ)」
「アハッ・・・緋花・・・私に・・・キスして」
「・・・(ムニュ)」
「(ムニュ)・・・・・・」
「「・・・・・・」」

智暁の命令に逆らえない。低レベルの中毒である以上何時もの精神状態なら対抗できただろうが、今の焔火の精神は憔悴し切っている状態だ。
まだ媚薬の効果も抜けていない。そのために、焔火は思う通りにならない己が体に涙を流しながら智暁と舌を絡ませ続ける。

「・・・ハァ!ホントに緋花はいい娘ねぇ。さすがは、私が見込んだ娘」
「・・・うううぅぅ」
「泣く程嬉しいんだね。だって・・・もう風紀委員じゃ無いモンね。この人殺し」
「ッッ!!!」

調教とは、何も物理的な責めだけでは無い。先日の電撃の借りはまだ返し切っていない。幼き調教主は、子供っぽい残虐な視線を焔火に向ける。

「風紀委員達は緋花のせいで死んだの。緋花の愚かな行動で死んだの。いえ・・・あなたが殺したの。これからも、あなたのせいで誰かが傷付く。誰かが・・・死ぬ」
「やめて・・・やめて・・・」
「耳元で聞かせてあげますね。あなたが殺したの。真面も・・・殻衣も・・・他の連中も・・・」
「やめて!!聞きたくない!!やめてええぇぇっ!!!」
「そして・・・あなたのお姉さんはこれから“手駒達”として誰かを殺すのよ?」
「ッッ!!!」
「替えが聞く人形として、あなたのお姉さんは殺人に手を染めていく。あなたのせいで。そして・・・何時か誰かに殺される。お姉さんが死ぬ原因は・・・緋花。あなたよ」
「やめて!!!お姉ちゃんだけは助けて!!お願いだから!!!」
「とは言ってもなぁ・・・」
「お願い・・・!!わ、私はどうなってもいいから・・・お、お姉ちゃんだけは・・・!!!」
「それじゃあ・・・それなりの態度を見せて貰わないとね。朱花。来て」
「・・・・・・」

姉の死を想像した妹の恐怖に染まった瞳が、智暁の心を浮付かせる。永観の気持ちがよくわかる。これは・・・止められない。

「これから、あなたにはお姉さんとあつ~いディープキスをして貰いましょう。その真剣さを・・・調教主の私に見せてみなさい。朱花。服を脱いで下着に。他の皆も」
「なっ!!?」
「一度見てみたかったのよねぇ。姉妹の禁断のキスってヤツを。近親のレズとかって、こう燃えてくるモノがあるんだよな」

智暁の演説の間に、朱花を始めとした女性陣は全員下着姿となった。そして、朱花は何かを口に含みながら焔火の腹の上に乗った。

「緋花。あなたがどうしてもって言うなら、朱花をあなたと同じ私の愛玩奴隷として他の“手駒達”のように特攻へ出さないように網枷さんに交渉してあげる。
つまり、緋花の口で焔火姉妹が私の愛玩奴隷になることを誓うの。わかった?」
「ッッッ!!!」
「・・・余り信じてないって顔ですね。証拠ならありますよ。風路さん!来て下さい!」
「は・・・はは、はい・・・」

智暁に呼ばれた鏡子が焔火の左手に来る。智暁は右手に。

「あなたは知らないのでしょうけど・・・この風路さんは元176支部の風紀委員だったんですよ?」
「えっ!!?」
「・・・・・・」
「私も詳しいことは知りませんが、網枷さんが彼女に疲れが取れるサプリメントとして渡した非合法の薬が切欠で事件を起こしたみたいなんです。
それで、彼女は風紀委員を除籍された。その後、網枷さんが彼女を引き取ったんです。本当なら速攻で“手駒達”入りしてた筈なんですが、網枷さんがそれを止めたんです。
何だかんだ言って、元お仲間さんには情が移るんですかねぇ。・・・もしかしたら、あなたもその1人になるかもしれませんねぇ。
まぁ、そんな網枷さんの情で彼女は未だ殺人には手を染めていません。私が彼女と共に行動するようになってからは、殆ど表立って戦闘には参加させないようにしています。
もし参加していても、できるだけ私の隣に居るようにお願いしています。風路さんは可愛いですからね。余りその手を汚させたくはありません」
「・・・!!!」

智暁の言葉が正しいとすれば、自分が何故“手駒達”化されないのかにも合点がいく。焔火自身も疑問に思っていたのだ。
朱花が“手駒達”にされたのに、何故自分は“手駒達”にされないのか。人質にするなら“手駒達”の方が効率的なのに。そこに、網枷の私情が入っている可能性が・・・ある。

「ん?何だか目の色が変わって来ましたねぇ。で、どうします?私の言葉を信じられないなら、別に無理強いは・・・」
「・・・やる」
「・・・朱花。例のヤツを」
「・・・愚妹。仕置きだ」
「えっ・・・(バチバチ)・・・ギャアアアアアアアアアァァァァァッッッ!!!!!」

奴隷のタメ口に少しムカついた智暁が、朱花に電撃の放射を命じる。場所は・・・彼女の弱い部分。
電撃の応用力で妹を上回る朱花にとって、繊細に調整された電撃を放つことは造作も無いことであった。

「カハッ・・・ハッ・・・」
「愛玩奴隷の分際で、主人にタメ口ですかー?お願いするなら、誠心誠意を見せろって話ですよー?」
「・・・・・・や、やり・・・ます。・・・や、やらせて・・・下さい・・・。お願い・・・します」
「・・・誓いは?」
「わ、わた、私・・・達は・・・あなたの・・・愛玩奴隷・・・になる・・・ことを・・・誓います」
「・・・フフ~ン♪これで、めでたく朱花と緋花は私の愛玩奴隷になりましたねぇ。仮にも風紀委員が『ブラックウィザード』の一員に懇願するんですからねぇ・・・情けない」
「(私は・・・もう風紀委員じゃ無い・・・よ。こんな風紀委員・・・居ない方がマシ・・・)」
「それじゃあ・・・緋花と朱花のあつ~いディープキスを・・・お願いします!」
「愚妹・・・」
「お姉ちゃん・・・」

智暁や鏡子の視線が向けられる中、焔火は近付いてくる朱花の虚ろな瞳を直視する。

「(これで・・・これでお姉ちゃんに少しでも危害が及ぶ可能性が無くなれば・・・。どっちみち、今の私にできることは何も無い。だったら・・・私は・・・)」

以前までなら考えもしなかった姉との接吻。だが、これが姉を危険から遠ざける可能性に繋がれば・・・その一心で焔火は朱花の唇を待つ。そして・・・



ムニュ!



姉妹の唇が重なった。朱花が焔火の口に舌を入れてくる。それを予想していた焔火は、覚悟してそれを迎え入れる・・・



「ングッ!!?」



筈だったが、それは朱花が口に頬張っていたカプセルを焔火の口内に押し込んだことから崩れ去る。
突如感じた異物感に焔火は何とか吐き出そうとするが、朱花の舌が邪魔で吐き出せない。そして・・・



「ゴクッ!!」



飲み込んでしまった。驚愕する焔火を余所に朱花は妹の舌を絡め取り、貪り尽くす。数分後・・・焔火の体に異変が起きる。

「(な、何・・・!?体が・・・熱い!・・・頭が・・・ボーっと・・・)」
「・・・フフッ。体がすごく火照ってきたでしょ、緋花?実は・・・さっきあなたが飲み込んだカプセルは・・・調合屋さんに渡されてた最後の新薬なの♪」
「(なっ!!?)」

智暁は、ニヤける顔を何とか抑えながら目を見開く焔火に説明を続ける。どうせ、もうすぐまともな思考状態を保てなくなる。

「最後の新薬は・・・とっておきの媚薬剤!!あなたに投与された自白剤や筋弛緩剤、そして何時も使っている薬物以外の薬・・・つまりは媚薬剤の中でも飛びっきりの極上品です。
一度飲んだら、効果が薄れるまで緋花は快楽の深奥に一っ飛び!!薄れても何時も使っている薬との相互作用で丸1日は体中が極度に性感帯化するという、
エロの世界への導き手に最も優秀なお薬です!!朱花・・・私にも吸わせて。風路さんも一緒に」
「ムグッ!!?モグッ!!?」

種明かしをした智暁と鏡子が、焔火の唇の端にそれぞれ唇をくっ付ける。朱花と共に2人の舌が焔火の口内へ侵入、少女は3枚舌の侵略に晒される。
そして・・・それを今の焔火は気持ちいいと感じてしまう。もっと欲しいと思ってしまう。体が求めてしまう。

「・・・プハッ!まぁ、最後の一線であるあなたの処女はまだ奪わないであげます。いきなり潰す程、私は鬼畜じゃありません。風路さんと同じく鮮度も保っておきたいですし。
但し・・・その一歩手前までの術ならふんだんに使わせて貰います。『電撃使い』の朱花も参加していますからね。朱花・・・例のヤツを左胸の先に」
「・・・(バリバリ)」
「ングッ!!!ゴクッ!!!クウウウウウウウウウウゥゥゥゥッッッ!!!!!!」

焔火の右胸を揉みながら、智暁は朱花に左胸への仕置きを命じる。それすらも、今の焔火は快感と受け取ってしまう。

「緋花・・・欲しいんでしょ?欲しいって自分の口から言ってみなさい?ほら・・・そうすればまた快楽を味わえるわよ?朱花・・・今度は右の胸へ」
「・・・(バリバリ)」
「ハアアアァァンン!!!・・・・・・しい・・・欲しい・・・もっとぉ・・・もっとぉぉ・・・!!」
「聞こえな~い。もっと大きな声で!」
「もっとぉぉ・・・もっと私にいいぃぃ・・・!!」
「フフ~ン・・・了解です♪それでは、お待たせしました。皆さんには、緋花の下半身をお任せします♪それでは、緋花の調教・・・スタートです♪」
「~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」

そして、再開される原始の宴には無かったであろう催し。快楽の坩堝に叩き落された焔火は、もはや自分が誰なのかすらもわからなくなる程快感の虜と化した。

「(ビリビリ)・・・(グアアアアアンン)・・・(ギリッ、ギリッ)・・・(バチバチ)・・・(ン゙ン゙ン゙)・・・(シュー)・・・・・・」
「(あぁ、ああああぁぁぁ・・・・・・わ、わた・・・だ、だれ・・・・・・も、もぅ・・・わけわかん・・・あああぁぁぁ・・・あああああああぁぁぁぁぁ・・・)」
「良い舌使いよ、緋花♪その調子で、もっと風路さんを楽しませてあげなさい。
そしてもっと喘いで、もっと乱れて、底まで堕ちるの♪フフッ。それじゃあ、私も下を味わいますか♪ムニュ!」
「(みだ・・・みだれ・・・ああああぁぁぁ・・・・・・もっと・・・もっと・・・・・・わたし・・・おちて・・・・・・あぁん、はぁん・・・きも・・・ちい、いぃ・・・)」

女達の舌が、歯が、手が、肌が、器具が、純情な少女の体を覆って行く。性感帯として感じてしまう全ての感覚器を大いに刺激し、少女は何度も喘ぎ、そしてヨガリ狂う。
失神を何度も繰り返し、その度に電撃で叩き起こされ、果ては自ら他の女の体を求めてしまう。智暁の命令にも本能的に従ってしまう少女は・・・邪な百合の楽園で乱れ咲いた。






「シュー・・・シュー・・・」

最後の新薬を飲んでから数時間が経った今も、薬の効果は中程までも切れていない。
数多の搦め手を受けて、体に力が殆ど入らない少女は涎を垂らし続けていることにさえ気付かずにか細い息を吐き続けていた。
あの後、トドメとばかりに体中にローションを塗られて更なる快楽の坩堝で溺れた少女。思考能力は幾分回復したものの、まだ完全には程遠い。
そんな彼女の大きな胸に顔を埋めている智暁は、心地良い疲労をその身に感じていた。

「・・・(コリッ)」
「ヒグッ!!」
「・・・フフ~ン♪やっぱりここが一番弱いですねぇ。朱花の電撃を何度も浴びて完全に腫れちゃってますけど・・・薬も手伝って超敏感ですよね・・・(ガリッ、ガリッ、ガブッ)」
「ングッ!!ハグッ!!クウウウウウゥゥゥッッ!!!!!」
「・・・フフッ」
「ハァ・・・ハァ・・・うううぅぅっ。も、もぅ止めて・・・止めてよぉぉ」

弄ばれ続けた焔火は、もう弱音しか吐くことができなくなっていた。これ以上自分の体を冒されたく無い。でなければ、体も精神もいよいよおかしくなってしまう。狂ってしまう。
湧き上がる恐怖から、少女は泣きながらこれ以上の調教を中止するよう求めるが、その態度が調教主の機嫌を損ねてしまった。

「・・・まだ、口答えする気力が残ってるの?朱花に人殺しをさせてもいいの?」
「お、お姉ちゃん・・・は・・・駄目。うううぅぅっ・・・・・・で、でも・・・だって・・・・・・だってぇぇ」
「だったら頑張りなさい。・・・皆さんもお疲れのようですけど、まだまだやっちゃって下さい!私も頑張りますから!えいっ!」

智暁の視線の先には、焔火の体にもたれ掛かっている女性陣―朱花や鏡子も含む―が居た。全員汗だくだくである。
だが、調教主の命令は下された。その先駆けとして、智暁は焔火の赤く腫れた敏感な部分を握り潰す。

「アアアアアアアァァァァッッ!!!アアアアアアアアアアアアアァァァァッッッ!!!!!」
「これは、『ブラックウィザード』に残る判断をして良かったですねぇ。緋花・・・これからも愛玩奴隷として飼って、思いっ切り可愛がってあげますからね♪・・・(ギリリッッ)」
「アァン!!や、止めてぇぇ・・・止めてよおぉぉ・・・・・・ヒギッ!!ハァン!!」
「緋花だって本当は嬉しいんでしょう?緋花は、もう体も心も責めを悦ぶ状態になっているのよ?フフッ・・・ほら、あなた達も私と一緒に味わいましょう!せーの・・・(ガブッ)」
「「「(ガリッ)」」」
「アアァァンン!!!!!アアアアアアァァァンンン!!!!!」
「愚妹・・・うるさい・・・(ギリッ)」
「グウウウウウウゥゥゥゥッッ!!!!!」
「薬・・・私も・・・欲しい・・・(ムニュ)」
「ングッ・・・チュルッ・・・ピチャッ・・・!!!」

智暁は、再び焔火の胸に顔を埋める。両胸を両手で捏ね繰り回し、その弾力を楽しみながら傍に居る女性達と共に歯先で胸の先を齧り回る。
朱花は妹の嬌声を黙らすために下半身を責め、鏡子は何を思ったのか焔火の口内を貪る。責められる下半身が不自然に震え、接吻によって舌と共に唾液と唾液が交じり合う。

「さっさと受け入れちゃいなさい。そうすれば楽になれるわよ?。皆と一緒にずっと百合の世界で楽しみましょ?こうやってね!・・・(グリリリリッッッ)」
「ッッ!!ッッッ!!!」
「(ジジジ)・・・(ペロッ、ペロッ)・・・(グウウウンン)・・・(ガリッ、ガリッ)・・・(ズプッ、ズプッ)・・・(ビビビ)・・・・・・」
「~~~~~~~~~~~!!!!!」

その他の女性陣も智暁の命令を受けて各々器具を持って焔火の体を覆い尽くし、調教を再開した。不自然な震えが体全体に及び、再び意識が飛び始める。
恥辱の涙を流し続ける少女は、智暁を始めとした女性陣の責めによって再び快楽の坩堝へ引き摺り込まれて行く。

「(わ、わわ、私・・・・・・ずっと・・・・・・このま、ま・・・?飼われて・・・溺れる・・・奴隷の・・・まま?)」

鏡子に口を塞がれている焔火は、意識が朦朧としている中で自分の乱れた姿に深い哀情を覚える。朱花と共に、この先もずっと愛玩奴隷として薬を投与され続け快楽に身を埋める。
今も、自分は押し寄せる快楽に喘いでいる。快感にヨガリ狂っている。そんな現実に慣れつつある自分に・・・底無しの恐怖を感じた。

「(嫌・・・嫌ぁ・・・嫌ああぁぁっ・・・!!た・・・たす・・・助け・・・て・・・!!だ、誰か・・・助けてぇぇ・・・!!!)」






かつて、自分はある警備員に助けて貰ったことがあった。彼に憧れ・・・彼のような人間に・・・困っている人を助けられるような“ヒーロー”になりたい。そう考えていた。



ドンドン!!!



「<智暁!!入るよ!!>」
「えっ!!?ちょ、ちょっと待って下さい!!10秒だけ!!」
「<緊急事態だ!!早くしろ!!>」
「緊急事態!!?み、皆さんも早く服を着て!!風路さん!!緋花の下着だけでも直して!・・・・・・よしっ!完了!!どうぞ!!」



そんな“ヒーロー”になるために、ゴリラ顔の“ヒーロー”に教えられたのが風紀委員。風紀委員になり、皆の力になれば“ヒーロー”になれる。
そう教えられ、彼女は風紀委員となった。嬉しかった。これで、自分もあんな“ヒーロー”になれる。そう思っていた。



「<智暁!!焔火緋花と鏡子を、すぐにここから移動させる!!この部屋はマズイ!!>」
「な、何かあったんですか!?」
「<第17学区の・・ここ周辺の上空に、『シンボル』が現れた!!>」
「ッッ!!?」



しかし、風紀委員になって1ヶ月程経ったある日に出会った“先輩”に敗北してから彼女の人生は大きく変動した。難攻不落の道と化したと言ってもいい。
“風紀委員の『悪鬼』”と出会い・・・“『シンボル』の詐欺師”とも出会い・・・自分の抱いて来た思いを否定され・・・自分の未熟さを指摘され・・・悩み苦しんだ。



「<ここには、型板ガラスが1つ設置されている。普通は外からは中の様子を察することはできないが、あの“変人”は光学系能力者だ!!>」
「はっ!!もし、能力を使ってここを走査されたら・・・」



ピカーッ!!!



「<!!!>」
「!!!」



そして現在、借物の“ヒーロー”像を抱いていた少女は己の矛盾に気付かされた後に敵の手に堕ちた。仲間を死なせ、姉を奪われた。自分に絶望した。底無しの恐怖に染まった。
幼い頃から抱いていた夢が儚い幻となっていく・・・『“ヒーロー”になりたい』という想いが消えていく・・・












「(誰・・・か・・・・・・助けて!!!!!)」












ドカーン!!!!!












それは、少女が待ち望んだ“ヒーロー”では無かったのかもしれない。かつて自分を助けてくれた『他者を最優先に考える“ヒーロー”』とは違う“ヒーロー”。
でも、根幹は同じ“ヒーロー”。最優先に置くものだけが違う“ヒーロー”。そう・・・彼は『自分を最優先に考える“ヒーロー”』。“ヒーロー”を辞めた筈の・・・“英雄”。
“ヒーロー”に憧れ、目指し、堕ちた少女の心の悲鳴(さけび)に応えるかのように、儚くも気高き運命(さだめ)を背負った“英雄”は血塗られし戦渦へ再び舞い降りる。
“希望”と“絶望”を宿した光をその身に纏い、世界の一部足る存在として『いわれある暴力』を振るうために・・・光臨した。












「緋花ああああああぁぁぁぁっっ!!!!!鏡子おおおおおおぉぉぉぉっっ!!!!!」


涙に溢れた焔火緋花の瞳に映った―『“ヒーロー”になりたい』という幻想(ゆめ)が消え逝くのを止めた―碧髪の男の名は・・・“閃光の英雄(ヒーロー)”・・・・・・界刺得世!!!

continue!!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年08月30日 20:03