【名前】スザク
【性別】男
【所属】魔術
【魔術】『黄泉津大神』『八雷神』『十拳剣・蛇之麁正』
【魔術説明】
『黄泉津大神(ヨモツオオカミ)』
日本神話において数多の神々を産んだ母なる女神にして、黄泉国の主宰神『黄泉津大神』の異名を取るイザナミに自身を対応させる。
具体的には『古事記』『日本書紀』等の文献を元に抽出したイザナミの魔術的記号を、自身の肉体に組み入れ改造・制御している。
イザナミは女神であるため本来は女性が取り扱う術式なのだが、フォーマットの一部を強引に書き換え、使用を可能にした。
ただし元々高度な術式に無理矢理アレンジを加えたようなもので、弊害として女体化が進行し、寿命まで削られている。
『黄泉』を司る性質上、イザナミ系統の魔術には自らの魔力のみならず他者の霊魂を使用して発動するという制約があるが、個人レベルで賄える霊魂といっても限界があるため、足りない場合は自らの魂の一部を消費する事すら厭わない。
これによりイザナミに纏わる伝承を行使できるが、彼の力量では黄泉の軍勢や恐るべき鬼女を召喚するといった事は肉体的精神的に不可能。
唯一イザナミの体に生じた八柱の雷神の伝承については親和性が高いため、専ら『八雷神』への派生元として扱う。
単体の魔術としても『死』に関する術式への高い抵抗力や、『道敷大神』という異名で語られる側面から虚空に足場を作る事が可能。
『八雷神(ヤクサイカヅチノカミ)』
『黄泉津大神』の状態でのみ発動できる魔術であり、イザナミの体に生じた八柱の雷神の伝承を独自の解釈で再現している。
そもそも地下世界である黄泉における雷とは、その天蓋である大地を走っているものであるとして、大地を轟かすもの――即ち地震であると解釈。
まともに立つ事すら困難な地面の揺れの中で、天空から撃ち下ろす雷撃とは一線を画する、地底より撃ち上げる不意の雷撃が対象を襲う。
八つの雷撃にはそれぞれ雷が起こす現象を示す神の名と符号する『
パターン』が与えられており、即ち
最も強烈な威力を誇る『大雷神』、火の属性を孕み火炎をもたらす『火雷神』、出現と同時に対象を暗闇で覆う『黒雷神』、高い切断能力を有する『咲雷神』、AEDの要領で対象を蘇生する『若雷神』、ブーメランのように地面に戻る『土雷神』、轟音で相手を怯ませる『鳴雷神』、地面を這うように迫る『伏雷神』である。
伝承通りに全身に雷撃を纏う事で接触した相手を感電させる事が可能。またこの状態では地中を自由に移動する事もできる。
『十拳剣・蛇之麁正(とつかのつるぎ・おろちのあらまさ)』
日本神話に登場する十拳剣『天羽々斬』の別名であり、そのレプリカ。柄に蛇の皮を用いた片刃の鉄刀、全長一二〇cmの大太刀。
神話において高天原を追放され出雲国に降り立ったスサノオは、ヤマタノオロチが酒に酔って寝てしまった隙に、この剣で斬り刻んだと伝えられる。
ヤマタノオロチを討った事から蛇殺し・龍殺しの性質を持ち、『蛇』や『竜』の記号を含む魔術に相性がよく、並みの術者が相手ならほぼ無効化できる。
ヤマタノオロチは『洪水の化身』とも解釈され、即ちオロチの退治は治水を表す。これにより水属性の魔術に対しても威力を大幅に減衰させる効果がある。
また「ヤマタノオロチの尾を斬った時に剣の刃が欠けたので、尾を裂いてみると剣が出てきた」という伝承により、獲物の破損が新たな獲物を得る契機となったと解釈する事で、この霊装を傷つけた武具の『所有権』を奪い、通常兵器・霊装問わず我が物とする事が可能。対象が武器系の霊装に魔力を通しているならばリンクを切断し、手元に引き寄せる。奪い取った武具の扱い方を心得ていればそのまま使用する事も可能。
伝承との関連から、オロチの尾から出た剣『天叢雲剣』と、それと同一視される刀剣に対しては特に強力な効果が発揮される。
後から習得したイザナミ系統の魔術とは異なり、彼の家系に代々伝わる彼本来の力の象徴たる霊装である。
【概要】
魔術結社『
革命者の王冠』に所属する17歳の魔術師。魔法名は『Recuperare833(君をもう一度この手の中に)』。
結社の中ではやや新参者ながら、諜報や暗殺を目的とした『第三瑠璃暗躍部隊』の幹部の一人であり、
首領にその実力を高く評価されている事が伺える。
冷静沈着な性格で、よほどの事がなければ顔色を変える事がない。自分に与えられた使命・任務に忠実であり、常に求められる以上の結果を出す事を信条とする。
闇に紛れる技術に秀で、単独任務での潜入・諜報・暗殺指令に従事するアサシン。特に『八雷神』による不意打ちは回避が困難なため恐れられている。
反面任務以外での人付き合いは苦手なようで、結社内でも言葉を交わす人間は限られている。首領には流転の身を拾ってくれた恩義を感じており、忠誠を誓っている。
元々は
神道系皇室派に属する魔術師であり、本名は橘朱雀(たちばな すざく)。
橘飛鳥の実家である橘流宗家の『本橘』から別れた分家の『分橘』に生を受けた身。飛鳥とは従兄弟の間柄である。
幼い頃から神童と謳われるほど魔術の才気に溢れ、どの術式系統を修めるにしてもその将来を期待された逸材であった。
宗家の橘兄妹とは宗家・分家のしがらみを超えて親しくしており、飛鳥とは良く剣の腕前を競い合っていた。また飛鳥の
妹には淡い想いを寄せていたという。
しかし数年前に橘兄妹の部隊が任務中に壊滅し、妹が逝去したという報せを受け、想い人の死を深く嘆いた彼は彼女を蘇生させようと、禁忌とされる死霊の秘術に手を出す。
だが彼の才覚をどれだけ注ぎ込んだとしても『死者の蘇生』という背理は覆らない事を悟り、そればかりか皇室派の『忌』に触れた事が明るみに出てしまい、追放されてしまう(橘の姓はこの時失われている)。
そして当て所もなく世界を彷徨っていた所に魔術結社『革命者の王冠』と行き逢い、首領に力を見出され迎えられるに至った。
今は結社のために働く事を生きる目的としているが、心の奥底では未だ未練を振り切れておらず、
自分以上に黄泉の業を極めた元皇室派魔術師の行方を探ったり、
分家に潜入先を伏せてスパイ活動を行い、今も何処かでのうのうと生き永らえているだろう『妹を守れなかった男』に暗い感情を募らせたりしている。
【特徴】
身長は飛鳥と同じくらい。イザナミに似せた肉体改造と女体化の弊害により、肉体的にはほぼ女性のそれとなっている。
長い白髪と赤眼が特徴的で、元々女顔だったのが女体化によって更に妖艶な色気を漂わせる。色白の肌に浮かぶ電撃傷はイザナミの体に生じた八柱の雷神を象徴している。
普段は女物のような黒系の着物に身を包み、潜入時は様々な衣装を使い分け変装もこなす。胸囲については晒しを巻いても服の上から分かる程度にはあるという所。
【台詞】
「仰せの儘に、我らが首領」
「――Recuperare833(君をもう一度この手の中に)。俺が本当の意味で魔術師になったのは、きっと絶望の淵でこの名を魂に刻み付けたあの時だ」
「お前の所為だ。お前が守ってやれなかったから、アイツは……ハクは死んだんだよ! 俺だったら、この命に代えても守り通した! 絶対にだ!!
……もしもお前と逢う事があれば、必ず斬ると心に決めていた。先にあの世で詫び続けていろ! 飛鳥ァァァあああああああああああああッッ!!」
「白、鳳……? 本当に……、ハク、なのか? ……夢じゃないよな、生きていてくれたんだな!? あぁ、何て事だ。こ、こんな事って。…………!
や、やめっ……見るな! 頼むから見るんじゃない!! ……こ、こんな情けない俺の姿を見ないでくれェェェえええええええええええええッッ!!」
【SS使用条件】
お好みで
最終更新:2016年01月31日 20:44