【名前】メイプル=アーカイブス
【性別】女
【所属】魔術
【能力】五葬(パンチャ・ダータヴァハ・シャーストラ)
【能力説明】
死者を弔う葬送は様々であるが大別するならば火葬、水葬、土葬、風葬の四つに分けられる。風葬の中には空葬と呼ばれる第五の葬送も存在する。
世界各地に点在する葬送を収集・再編集し簡略化を施した上で、四葬の発祥である古代インドの五大理論と対応させる葬送魔術。
葬送の特性上、火や水などで死傷した逸話を持つ魔術に一定の効果を有する。五大理論を基にした単純な属性魔術も扱えるが全体的には威力や規模は葬送魔術の方が勝る。
他にも魔術として利用できる五大理論を用いる学問はヴァーストゥやアーユルヴェーダなどが挙げられ、メイプルも陣地作りや医学療法などに活用している。

  • 火→南東。銀色。金星。火葬に対応。制御は視覚。
  • 水→北東。黄色。木星。水葬に対応。制御は味覚。
  • 土→南西。緑色。ラーフ。土葬に対応。制御は嗅覚。
  • 風→北西。白色。月。風葬に対応。制御は触覚。
  • 空(空間)→中央。無色。土星。空葬に対応。制御は聴覚。

実戦では火葬を象徴する焼き尽くす火、水葬を象徴する切り刻む水、土葬を象徴する圧殺する土、風葬を象徴する腐食する風をそれぞれ操る。
葬送に最低限必要な魔術的記号を取捨選択し、過不足なく再編集した事によって素早く発動でき、たとえ相手に防御されたとしても各葬送を対象に浴びせた時点でその葬送は形式的に完遂した事となるが威力は基本的に控え目である。詠唱すれば威力は上昇する。
葬送にはいくつかの葬送を順に重ねる複葬という葬制が存在する。これは後者の葬送ほど重要性が高まる性質になっており、メイプルの葬送魔術もこれに倣う。

○対象に降り掛かる土砂から体液や体の一部が付着した土砂を取り出し、人体を描いた木札を中心に土人形を作成し火葬すると従来の火葬より威力や規模を増強させた感染術式に変貌する。人体を描いた木札と土人形という二段構えである事から干渉対象から感染ルートを使って反撃されても木札が身代わりとなり術者に影響は無い。
○火葬を浴びせている対象に水葬や土葬などを重ねていったり風葬を浴びせている対象に水を振り撒き再び風葬を重ねていくと比例的に威力が増していく。これは単に複葬の魔術的記号を強調する他に火葬した遺骨を海川や山に撒く「散骨」や風葬した遺骨を洗い再び風葬する「洗骨」などの魔術的記号を強調するやり方である。組み合わせ方は数多い。

風葬に含まれる空葬とはチベットの葬儀鳥葬を代表するように遺体を野生動物に食べさせて処理する葬送だが、厳密的には野生動物に食べさせるのは手段の一つでしか無く、本質は遺体を天に届ける為に骨ごと肉体を消失させる葬送である。
五大において空間や虚空を意味する「空」と対応させた空葬は「天に届ける為の移動手段」を抽出して空間と対応させた魔術と「骨ごと肉体を消失させる葬送」を抽出して虚空と対応させた魔術に分けられる。
前者の場合メイプルを中心に半径八十m内の複数の区画に空間移動を行う地点を設置する。区画は最大四立方m。設置できる数は五つまで。
後者の場合メイプルを中心に半径二十五m内の一区画に存在するあらゆる物質を削り取り、最終的には大気ごと消失させる。
削り始めてから消失までに掛かる時間はおよそ十五秒。区画は最大一立方m。空葬に複葬は適用されない。

五大の制御には五感が重要な役割を持つ。右目には「アグニ」の魔術的記号を刻む銀色のコンタクトレンズを仕込み、両耳には「アーカーシャ」の魔術的記号を刻む無色透明のイヤリングを装着し、鼻と舌にはそれぞれ「ブーミ」と「ジャラ」の魔術的記号を表す緑色&黄色のサンスクリット文字を鼻腔内及び舌の裏側に刻み、両手の甲に「ヴァーユ」の魔術的記号を表す白色のサンスクリット文字を刻んでいる。
これ等は五大魔術の制御に重要な役割を持つだけでは無く、五大に対応する各々の五感機能を各五大魔術に適用させる為に必須となる魔術的記号である。
つまり、魔術で発生させたもしくは魔術で干渉した火に視覚を、水に味覚を、土に嗅覚を、風に触覚を、空間に聴覚を宿す事ができるのである。
また、何らかの方策でメイプル自身の五感を封じられたり乱されたりすると該当魔術は消失したり制御が乱れたりする。
【概要】
魔術結社『陰陽局』に所属する褐色の少女。魔法名『弔いの導き手となりて(Requiescat649)』。十四歳。
東南アジア出身の魔術師で、かつて東南アジアを襲った大地震の被災者の一人。親戚を頼りに住み家をインドに移した後に現地で魔術の修行に明け暮れる。
被災したメイプル達を支援してくれた者達の中に魔術を扱う者がいた事が切欠で魔術を知り、独学で現在の魔術を習得した。
被災した時に支援してくれた救援隊を通じて日本を知り、インドに住み家を替えた後も進出する日系企業を眺めながら次第に日本という国そのものに興味を持ち魔術修行と並行する形で日本語などを勉強し、路銀も稼ぎ、遂に来日を果たす。
そこで偶然勃発した魔術師との戦闘で『陰陽局』の魔術師と遭遇し協力して敵対する魔術師を倒した事を契機に『陰陽局』の存在を知る。
『陰陽局』の待遇を知り、ここぞとばかりに自分を売り込もうと決意したメイプルは一年に渡る猛勉強の末に国家試験を一発クリア。最年少クラスの魔術師として『陰陽局』に配属された。
元が陰陽師主体の魔術結社ではある為かメイプルは陰陽道に関心が高い。インドの五大とは違う陰陽道ならではの五行を操る局長藤原隆幸のような魔術師には特に強い興味を示す。
藤原にあれこれ質問する姿は二人の体格の差から祖父と孫のやり取りのように映る。『陰陽局』内では一種の緩衝材的存在と化している。
また、メイプルは被災した経験から人の弔い方に拘るようになった。それは魔法名や取得した魔術にも現れている。
被災により両親を失い、大津波により遺体を弔う事もできなかったメイプルは災いを齎す者達には容赦の無い弔いを実行する。
そんな過去の影響からか『陰陽局』に所属する歳の離れた同僚魔術師医王野潮を『師匠』と呼び強く尊敬している。
出張を含め彼が行く先々に出没し、医王野の助手として魔術を用いて裏から治療行為を手伝っている(年齢的に医療的資格を持てない)。
好奇心旺盛で日本各地の和食にはとことん目が無い。出張先では必ずご当地の和食を食べ漁るのでよく姿を晦まし、同行者の医王野を振り回す事が多い。
【特徴】
小学生と見間違うくらい小柄な体格に褐色の肌。色素の抜けた藍色の短髪。開放的な服装が主体で特に白のワンピースを好む。
手には同僚の朝倉俊介からプレゼントされた丸型のサングラスや白い指ぬきグローブを常時装着している。
サングラスも指ぬきグローブも魔術的記号を看破されない道具だが、朝倉の話を真に受けて「これが今ジャパンで流行しているスタイルなのか」と勘違いしている。勿論メイプルは気に入っている。
【台詞】一人称「ワタシ」。二人称「アナタ」。妙に語尾を伸ばす癖がある。詠唱の時は癖が出ない。各詠唱の枕詞として『弔いの刻は今ここに』が付く。
「何ですか小森サン。…これですかぁ?これは朝倉サンに貰った『今ジャパンで大流行している格好良いキメ☆スタイル』のグローブですぅ」
「弔いの刻は今ここに。色は銀色、式は灰燼、熱性・反応の象徴は陽炎の如く揺らめく色彩と化す!」
「へぇ。陰陽道も感染術式は色々ですねぇ。ワタシの術式にも応用できるのは……中々見付からないですぅ」
「遅いですよ師匠!待ちくたびれましたよぅ。…増援ですよ増援。局長にもバッチリ許可貰ってきましたからぁ!さぁ行きましょう!」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年03月04日 00:42