夜9時から始まる電脳歌姫の学園都市レイディオ~

電脳歌姫(以下、歌姫)「みんナ~!こんばんワ!みんなの架空のアイドル!電脳歌姫だヨ!今日も学園都市レイディオを聞いてくれてありがとウ!今日はみんなが待ちに待ってたバレンタインデー!貰えた男子はおめでとウ!貰えなかった男子!え~っと・・・・大丈夫!来年があるヨ!」

歌姫「――――ってことで、今日は科学やらオカルトやら時間軸とか時空を超えて、色んな人に今日の戦果を聞いてみるヨー!それでは、まずこの方!」

持蒲「みなさん。こんばんは。持蒲鋭盛です。」

歌姫「噂に来ていたけど、さすがイケメン!やっぱり、チョコの数も多いんですカ?」

持蒲「う~ん、今年は1個だった。」

歌姫「えェ!?Σ(゜Д゜)」

持蒲「顔がすごいことになってるよ。ほら、笑顔笑顔。女の子は笑っているのが一番だよ。」

歌姫「そんなこと言われたら、惚れちゃうじゃないですカ~///まぁ、私はバーチャルアイドルで、このセリフもスーパーコンピュータがプログラムしてくれてるんだけどネ☆」

持蒲「身も蓋もないこと言うね~。」

歌姫「え、でも本当に1個なんですか?てっきり、普通に3桁は貰っていると・・・・」

持蒲「まぁ、暗部の人間だからね。仕事柄、多くの女性と関係を持てないんだよ。女性と付き合うことはよくあるんだけど、なるべく暗部のいざこざに巻き込まれないように遊んではすぐに別れて、関係を清算して・・・の繰り返し。」

歌姫「うわァ・・・。やっていることは女性の敵で最低のクズ男なのにカッコいイ///暗部とか何とか、色々と放送しちゃ不味いワード入っているけど、そこはご都合主義でスルー!じゃあ、その1個ってのは仕事仲間の誰かなんですカ?」

持蒲「そうそう。星嶋がくれたんだよ。手作り感たっぷりの義理チョコだけどね。」

歌姫「手作り感たっぷりの義理チョコって、ツンデレのすることじゃないですカ。」

持蒲「まぁ、日頃の感謝はこもっているけど、本当に義理なんだよね。彼女、モリモリマッチョがタイプだから。」

歌姫「ああ・・・。それで、そのチョコはもう食べたんですカ?美味しかったですカ?」

持蒲「食べようとしたんだけど、とにかく硬いんだよ!歯が折れそうになったし、包丁で刻もうとしたら包丁の刃が欠けるしでまだ食べてないんだよ。帰ったら、溶かしてチョコレートフォンデュにしようかと思っているところさ。溶けるかどうか怪しいけど・・・。」

歌姫「包丁の刃が欠けるチョコって・・・どういう罰ゲームですカ?」

持蒲「本人に聞いたんだけどさ、『あの程度の硬さも噛みきらんとか!?顎が弱いったい!』だってさ。」

歌姫「いやいや、食べられなくて普通でしョ。他の2人はくれなかったんですか?岬原さんとか、超城さんとか・・・。」

持蒲「あの2人がくれると思うか?」

歌姫「ああ・・・・、想像できませんネ。――-おっと、もうこんな時間ですネ。では、持蒲さん。最後に一言どうゾ!」

持蒲「カッコいい男が言い寄る時は、遊びか下心かの2択だぜ。」

歌姫「それはあなたの場合でしょウ!ありがとうございましたー!それでは、CMでス!」

――――――――――CM中――――――――――――――――――

歌姫「続いてのゲストはこちらです!」

樫閑「どうもー。寅栄瀧麻仰羽啓靖の代役で来ました。樫閑恋嬢です。」

歌姫「エ?代役?」

樫閑「2人ともまだ刑務所だから、来れないのよ。」

歌姫「大変なんですね~。」

樫閑「そうなのよね~。トップ2人がいなくなって、私一人で軍隊蟻《アーミーアンツ》を統括しないといけないんだから。カリスマも戦闘力も大幅ダウンするし、抗争も激化するし、今だってブラックウィザードの残党と銃撃戦をした帰りなのよ。」

歌姫「けっこう苦労してるんですネ~。って、砲火後ティー○イムじゃあるまいシ!」

樫閑「いや、むしろお茶を嗜む時間が欲しいわ。」

歌姫「お茶と言えば、お茶菓子。そういえば、今日はバレンタインデー特集でしたけど、樫閑さんは誰かにあげたりしたんですカ?」

樫閑「本命はないけど、義理なら100個ぐらい。」

歌姫「100個!?」

樫閑「軍隊蟻のメンバー全員にあげた10円チョコも含めての数だけどね。後は毒島くんと刑務所にいる馬鹿数名。」

歌姫「ああ、やっぱり10円ですカ。」

樫閑「っていうか、手作りとかやってないしね。」

歌姫「刑務所の数名も10円チョコなんですカ?」

樫閑「いえ、刑務所組には合格祈願チョコをあげたわ。うちのリーダー、まだ大学受験を諦めてないみたいだから・・・。」

歌姫「元スキルアウトリーダーで補導歴ありで大学受験ってほとんど無理じゃないですカ。」

樫閑「そうは言ってるんだけどね。留置所で必死こいて勉強してるのよ。それを周囲に馬鹿にされて、馬鹿にした奴を仰羽を筆頭とした刑務所組が殴って、乱闘になって、刑期延長コンボを喰らってるのよ。」

歌姫「・・・・・・(呆れ顔)。受験の日までに出られるといいですね。」

樫閑「そうね。そうそう、あとメンバー達にチョコあげた時なんだけどさ。」

歌姫「どうかしたんですカ?」

樫閑「あいつら、どうせ1個も貰えなさそうだから、10円チョコでも喜んで飛びつくかと思ったのよ。」

樫閑「当日、集会所で渡しに行ったんだけど、みんなテンションが低いというかクールというか・・・」

歌姫「あまり喜んでなイ?」

樫閑「喜んではいるんだけど、喜びが足りないって言うか・・・、既に1個目のチョコを誰かから受け取っているというか・・・」

歌姫「はァ・・・・」

樫閑「それで調べたのよ。そんで分かったのよ!」

歌姫「ど、どうだったんですカ?」

樫閑「あいつら全員、大地の恵み《デーメーテール》の『1万円以上の食事をしてくれたお客様には店長直々にチョコをプレゼント!』っていうバレンタインフェアで大地さんからチョコ貰ってたのよ!」

歌姫「一人1万円だかラ・・・・」

樫閑「軍隊蟻の全メンバーからレディースを抜いても30人近くいるわよ。」

歌姫「ってことは30万円も稼いじゃってるんですカ。阿漕な商売しますネ。」

樫閑「チョコ欲しさに1万円も使うウチのメンバー達が阿呆なだけよ。」

歌姫「そこまでして欲しがる男の人の気持ちって分かりませン。だって、バーチャルアイドルなんだもン☆」

樫閑「そういえば、そうだったわね。」

歌姫「それでは、最後に一言どうぞ!」

樫閑「学園都市に不満がある者!無能であることを嘆いている者!自分の筋を貫きたい者!は私のところにきなさい!以上!」

歌姫「ありがとうございましタ~!」

――――――――――――――――――――CM中――――――――――――――――――――

歌姫「暗部とか、スキルアウトとか、危ない連中ばかりゲストで嫌だワ~――――えッ!オンエア中なノ!!!つつつつ、続いてのゲストはこちらでス!」

ヴィルジール(以下、ヴィル)「ちっ!なんでこんなくだらない番組に出なきゃならないんだ?」

歌姫「なにこのひとこわイ。」

ヴィル「ん?これが例のバーチャルアイドルって奴か。本当に目の前に人間がいるみたいだな。」

歌姫「そそそ、そうなんですヨ!私が学園都市の最新技術を間違った方向で使いまくった結晶、電脳歌姫ちゃんです!」

ヴィル「そうだな。軍事技術に転用すれば、もっと効率いい使い方が出来る。」

歌姫(ひぃぃぃぃぃィ!!この人、怖いよぉぉぉぉぉぉォ!バーチャルなのに恐怖感が芽生えル!!)

歌姫「じじじじ、自己紹介をお願いします!」

ヴィル「ちっ!そうだったな。俺はヴィルジール=ブラッドコード。ヴィルジール・セキリュティー社の社長だ。」

歌姫「社長さんなんですカ~。どういう会社なんですカ?」

ヴィル「PMC(民間軍事企業)・・・ってこんな平和ボケした国で言っても分からないか。端的に言えば、軍隊を派遣する企業だ。」

歌姫「凄いですねぇ。(もう仕事については触れないでおこウ)。今日はバレンタインデー特集なんですけど、知ってましたカ?」

ヴィル「ああ。知っているさ。こういう祭日は好きだ。」

歌姫「以外ですネ・・・。」

ヴィル「浮かれているから、爆弾を入れた箱に可愛らしいラッピングをして配送すれば、バレンタインチョコだと勘違いして警戒を怠る。だから簡単に爆殺し易くて助かる。」

歌姫「はわわわわわわわわ。」

ヴィル「それとチョコはあまり好きじゃない。」

歌姫「チョコを貰えない男子の言い訳みたいですネ。」

ヴィル「あぁ?嘗めた口きいてると、メインサーバーごと爆殺するぞ。」

歌姫「ごめんなさイ。」

ヴィル「そもそもチョコを美味いって感じたことがねぇんだよ。」

歌姫「チョコレートは嗜好品や非常食として軍隊にも普及しており、高カロリー、携帯性、耐熱性、耐火性に優れるように改良されている。また、兵士たちがチョコレートを取り合わないようにチョコレートの味はわざと不味くしており、あくまで栄養補給食としての色が濃い。だから、あなたがチョコを美味いと思わないのはそのため。以上。」

ヴィル「なんだ。ホログラムのくせにやけに博識じゃねぇか。」

歌姫「これでもう話すことはありませン。もう帰ってくださイ。」

ヴィル「戦争がしたい方、自分の能力を(戦場で)試したい方は今すぐ、ヴィルジール・セキリュティー社にお電話を」キリッ

歌姫「もう帰レ―――――――――!!」

――――――――――――――CM中――――――――――――――――――――――――

歌姫「もうやダ・・・・。なんで今日は変なゲストばっかりなノ?疲れたヨ。ホログラムで架空の存在なのに疲れちゃったヨ。」

CM終わりまーす。

歌姫「それでは最後のゲストのご紹介!どうゾ!」

尼乃「どうも尼乃昂焚です。」

歌姫(今度はまともな人がゲストで助かっタ~!)

歌姫「尼乃さんは宗教学のために世界中を放浪しているって聞いたんですが、やっぱりチョコの方は貰えなかったりするんでしょうカ?」

尼乃「まぁ、基本的に住所不定の根なし草だからな。毎年0個だ。」

歌姫「あまり気にしてなさそうですネ。」

尼乃「海外だとバレンタインってチョコをあげる日じゃないからな。聖ヴァレンティヌスの命日。」

歌姫「やっぱり、日本特有の習慣なんですネ。最近は海外にも普及しつつあるって聞きますガ・・・」

尼乃「まぁ、そうだな。そのお陰で今年は1個、もらえそうだったんだがなぁ・・・・。」ハァ・・・

歌姫「どうかしたんですか?」

尼乃「去年の秋ごろから旅の同行者でユマって女がいるんだが・・・」

歌姫「あア。あの不良精神旺盛のラテン系美女ですカ。」

尼乃「最近は丸くなったけどな。自分で料理を作ろうとしたり、女の子らしいファッションを身につけようとしたり、最近は彼氏でも出来たのだろうか、デートスポット特集の雑誌や結婚式関連の雑誌を買ったりして、将来設計に勤しんでいる。」

歌姫(エ?それっテ・・・。)

尼乃「そうそう。バレンタインの話だったな。あいつが俺にチョコをくれようとしたんだ。」

歌姫「良かったじゃないですカ~。何で貰えなかったんですカ?」

尼乃「あいつ、溶けたチョコレートを自分の身体に塗ろうとしたんだ。」

歌姫「それなんてエロゲ?」

尼乃「ユマの出身地がある中南米はアステカ系の魔術師とスペイン星教派が衝突し、跋扈する地域何だが、彼女はアステカ派の魔術組織に所属していたし、彼女が使う霊装『イツラコリウキの氷槍』もアステカ神話のものだ。アステカ社会を語る上で特筆すべきことは人身御供の神事だ。要するに人間を神への生贄とする儀式だ。人身御供は世界各地で普遍的に存在した儀式であるが、アステカのそれは他と比べて特異であった。メソアメリカでは太陽は消滅するという終末信仰が普及していて、人間の新鮮な心臓を神に奉げることで太陽の消滅を先延ばしすることが可能になると信じられていた。そのため人々は日常的に人身御供を行い生贄になった者の心臓を神に捧げた。また人々は神々に雨乞いや豊穣を祈願する際にも、人身御供の神事を行った。アステカは多くの生贄を必要としたので、生贄を確保するために戦争することもあった。ウィツィロポチトリに捧げられた生贄は、祭壇に据えられた石のテーブルの上に仰向けにされ、神官達が四肢を抑えて黒曜石のナイフで生きたまま胸部を切り裂き、手づかみで動いている心臓を摘出した。シペ・トテックに捧げられた生贄は、神官達が生きたまま生贄から生皮を剥ぎ取り、数週間纏って踊り狂った。人身御供の神事は目的に応じて様々な形態があり、生贄を火中に放り込む事もあった。現代人から見れば残酷極まりない儀式であったが、生贄にされることは本人にとって名誉なことでもあった。通常、戦争捕虜や買い取られた奴隷の中から、見た目が高潔で健康な者が生贄に選ばれ、人身御供の神事の日まで丁重に扱われた。神事によっては貴人や若者さらには幼い小児が生贄にされることもあった。また―――」

歌姫「あの~、それでチョコレートを身体に塗るのと何の関係ガ?」モウキキタクナイ

尼乃「ユマは人身供養の儀式とバレンタインデーでチョコレートを渡す習慣を混同させた。まったく、俺はウィツィポチトリじゃないというのに・・・・。信仰熱心なのは分かるが・・・・。」

歌姫(それ信仰じゃねーだロ!明らかに好意だろうガー!)

歌姫「でも裸にチョコレートを塗って『私を食べて♡』なんて普通は出来ませんヨ。そりゃあ、好きな人が相手じゃないト―――」チラッ

尼乃「それであいつは実行したんだが――――」

歌姫(こいつ、私の話聞いてなイ―――――――――!!)

尼乃「チョコレートが溶ける温度って物によるが40~50度ぐらいだろ。あいつは溶かしたてホヤホヤのチョコレートを身体に塗ろうとしたわけだが、案の定、『熱い!熱い!』って言いだして大暴れ。その上、暴れた拍子に溶けたチョコレートが入ったバケツを2人で頭から被ってしまって大変だったさ。」

歌姫「それって、あなたは裸を見たってことですよネ?」

尼乃「ああ。その後は2人で一緒にシャワーを浴びたしな。」

歌姫「ええええええええええええエ///////」ポッ

尼乃「どうした?顔を真っ赤にして。・・・ってそれもプログラム通りなんだろうけど。」

歌姫「えッ!?ちょ・・・///」

尼乃「一緒にシャワーを浴びたが、邪な劣情は抱かなかったぞ。そのまま放置しているとチョコが肌に染みついて取れにくくなるのが困るんだ。」

歌姫(いや、むしろユマちゃんは劣情を抱いて欲しかったと思うんだけド・・・・)

尼乃「そろそろ番組終了の時間のようだが、俺も最後の一言を言わないといけないようだな。」

歌姫「いえ、これは私に言わせて下さイ。」

尼乃「まぁ、構わないが・・・・。何を言うんだ?」

歌姫「“据え膳食わぬは男の恥”!!!」

尼乃「そうか・・・。ようやく理解した。」

歌姫(ようやく私の気持ちが伝わった・・・。良かったね。ユマちゃん。明日にはラブラブカップル誕生だヨ!)

歌姫「色々とカオスなことになっちゃいましたが、みんナ~!もうお別れの時間になっちゃいましタ~!また作者の脳に怪電波が届いた時にまたお会いしましょウ!じゃあネ~!」


その後、バケツ一杯の溶けたチョコレートを一気飲みしようとした尼乃昂焚が病院に搬送された。

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最終更新:2012年03月31日 17:38