【名前】
※タングラムは、『電脳戦機バーチャロン』シリーズ、及びそれとの公式クロスオーバー『とある魔術の電脳戦機(以下「禁書VO」)』に登場するキャラクターである。
本来ならば『バーチャロン』サイドのキャラクターではあるのだが、禁書VOの小説版及びゲーム版のシナリオを鎌池氏本人が手掛けており、禁書VOはセガ・電撃文庫両サイドにおいて「外伝作品」として扱われている。よって参戦可能とする。
【スペック】
- 「電脳暦(バーチャロン側の世界及び歴史)」の登場人物である「リリン・プラジナー」によって設計されたシステムにして「時空因果律制御機構」と称されている。
- 後述する「事象の転送」能力をフル活用することで、あらゆる事象を自由に改変することができる。その力が悪用されることを恐れたリリン・プラジナーにより人格を与えられ、CISに退避させられた。
- 外観的には「中心に目を持つ直径十数m程の球体に、自身の2倍程の長さの腕を3本持った巨大な機械」。
【能力・所持品】
※小説版及びゲーム版禁書VOで描写されている能力のみを記載する。
偏在
無限に存在する並行宇宙の中、タングラムのみが結節点として唯一無二の存在である。
彼女は、運命を紡ぎ出す。彼女を得る者はその運命を手中にする者であり、それは世界を手中にする者である。
タングラムはCISを通して、禁書目録の世界も含む全ての平行世界に対し監視・干渉を行うことができる。
それ故CISに気付けない・入れないキャラでは倒すことができない。
事象転送機能
V-クリスタルの能力である「事象の転送」能力を用い、あらゆる平行世界から自分が望んだ事象を引っ張り上げた後、それらをパズルのように自由に組み換える(そもそも「タングラム」という名前の元ネタは同名のパズルゲーム)。
ゆえに、タングラムはあらゆる事象を望むがまま自由に改変することができる。
- この能力は全ての並行世界に及ぶため、魔神のそれより範囲が広い。また、オティヌスの魔神の力を与えたり取り上げたりしたことから、スペック上魔神より強い可能性を秘めている。
- この能力は「システム」であり異能ではないため、幻想殺しの影響を受けない。
- ただし、タングラムは「私欲の為にこの力は使わない」という制約を自らに課している。電脳暦の世界に酷く絶望してはいるが、改変をすることなく身を引くという選択を選んでいる。この事はゲーム版禁書VO終盤でも触れられている。
以下、禁書VO作中で実際に行ったことを記載する。
- 自身が認めない者に対して向かい風のような力を発生させ、何をしても自身の下まで辿り着けないようにする
- 小説版終盤において学園都市が消滅してしまうのだが、最後にそれを完全修復。さらに大半の人間から一連の事件に関する記憶を消し、無かったことにする
- 富良科凛鈴の「『学園都市が消滅する』という結果によって誕生する」というルール自体を書き換え、学園都市に住む普通の人間にする
- これら一連の事件にまつわる因果を全て「Pプリマ」に詰めた後並行世界へ放逐。その痕跡を消す
- 魔神の力を喪失したオティヌスに対し、再び魔神の力と肉体を無理矢理押し付け、さらに最終的に全てを元通りにした(=魔神の力を失わせた)
関連用語
CIS
CISは「Cyber Imaginary Space」の略で、「電脳虚数空間」と訳される。
「V.クリスタル」を入り口として存在する高次元の特異空間で、ありとあらゆる平行世界へと繋がっている。
- 風景上下左右前後の概念がなく無限に広がる黒一色の空間となっており、イメージとしては「隠世」に近い。ただし、光点が無数にあり、外に意識を向けると景色が青白く変化する等といった差違がある。
- そこに招待されたオティヌス曰く、「『神の座』に近いがやや組成が違う」「神隠しの領域」。
富良科凛鈴
読みは「ふらしな りりん」。禁書VOのキーパーソンにしてヒロイン。
小説版の黒幕である「ブルー・ストーカー」によって生み出された人物にして、彼が「セカンド・プラジナー」と呼んで追い求めている。
それと言うのも、ブルー・ストーカーの目的が「タングラムへの正統なアクセス権・制御権を得るために、平行世界からリリン・プラジナーの同一存在を連れていく」というものであったのだが、暗躍を続けるうちに「禁書目録の世界におけるリリン・プラジナーの同一存在は、この世界の中心たる『学園都市』であった」という真実にぶち当たってしまう。
これにはブルー・ストーカーも苦笑しつつも、「ならば学園都市から生み出せばいい」として方法を切り替える。
そうして実行したのが「学園都市に電脳暦由来の技術を提供し、さらに『電脳戦機バーチャロン』という電脳暦をモチーフとしたゲームを流行らせる」ことであった。
Pプリマ
ゲーム版禁書VOストーリーモードの最後に立ちふさがるラスボス。
電脳暦の世界では、「バーチャロイド」と呼ばれる戦闘ロボットによる戦争行為、ひいては殺し合いが、スポーツの試合感覚で中継・報道され、娯楽として消費されているという退廃の極みを見せていた。その一方で禁書目録の世界では、前述の行為を模したゲームが健全な娯楽・熱狂を呼ぶ物として人々に正しく受け入れられている。
そしてそこにタングラムは自分の世界にはない希望や可能性を見出だし、さらにそのきっかけを生み出した上条当麻と会見、「もっと人の輝きを見せてほしい」と懇願する。
上条当麻はその願いを承諾、それに対しタングラムは小説版禁書VOの因果を詰めこんだ「Pプリマ」を呼び戻し、上条当麻へと戦いを挑む。
- 外見は全体的に細く、かろうじて女性形とわかる異形である。小説版禁書VOの終盤で戦ったセカンド・プラジナーをモデルとしてはいるが、それとは異なる攻撃手段を持つ。
- 上条当麻からは「自分が負けても絶対傷つかないセカンドキャラ」「何でも叶ってしまうからつまらない、だけど負けるのも怖いから最強のチートに頼った」と結構辛辣な評価をされている。
【備考】
- 全能に近い力を持つタングラムではあるが、「無敵」ではない。事実シリーズ4作目『バーチャロンマーズ』において、タングラムは先文明の残留思念「ダイモン」に乗っ取られかけている。ただしこの乗っ取りは不完全なものであったため、リリン・プラジナー率いる特務機関「MARZ」の活躍により事なきを得た。
- リリン・プラジナーにより与えられた人格は理知的な女性のそれであり、物語の核となるキャラであることも考えるとヒロインと言えなくもない。事実ゲーム版のCVは井上喜久子女史が担当している。
- その描写の一環として、(魔神の力と肉体を持つ状態の)オティヌスから、「上から目線で一方的な覗き見は気に喰わん。同じ席に、つけ。さもなくば、次は貴様の臓物までさらけ出す」と脅され、対話に応じている場面が存在する。上述した通りオティヌスの魔神の力を復活させたのはタングラム自身であるため、タングラムがオティヌスより弱いから従わざるを得なかった、とは考えづらい。
最終更新:2021年09月15日 11:09