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―――気がついた時には、わたしはそこにいた。
お城の中じゃ見たことがない、柔らかい地面。
わたしの身体よりも大きな木。
今までいたはずの雪がいっぱいの山とはどこか違っていて。
これも、お爺さまの試練の一つなのかな、なんて思ってた。

「…」

何故か。
ふと、バーサーカーの姿が浮かんだ。
…あんなサーヴァント、いらない。
動かないサーヴァントなんて、何の役にも立たないもの。
帰ったら、この試練を合格したら新しいサーヴァントを呼ぼう。
そのためにも生き残って、お城に帰らなきゃ。

「…いいよ。これくらい、わたしひとりで」

わたし一人で、合格できるもん。
でも。
少しだけ、疲れた。
歩き続けた足はクルミの木の枝みたいで。
冷たい雪の上をあるいた足は、ひりひり痛む。
とすんと腰を下ろす。
そうだ、ちょっとだけ休憩しよう。
そうしたらまた歩き出そう。
きっと、少し経てば足の痛みもとれるはず。

「あ」

木に背中を預けて、空を見る。
視界に入ったの―――いつぞやの、クルミの芽。

「―――」

ソレを見ていると。
なんとも言えない気持ちになって、また立ち上がる。
…いかなきゃ。
だって、わたしは殺さなきゃいけないもの。
お兄ちゃんを。
そして聖杯を取らなきゃいけない。
わたしの生まれた目的を、果たさなきゃいけない。
ふらりと立ち上がる。

「え、あ」

ぽてり、と。
わたしの身体は、まるで糸を切られた操り人形のように、その場に倒れた。

痛みはない。
雪がとても柔らかくて、クッションになったみたい。
―――ああ、でも。
少し、眠いね。
白い雪はお母さまの肌みたいで。
舞う雪はお母さまの髪みたいで。
まるでお母さまに包まれてるみたいで、とても気持ちがいい。
…お母さまと違って、冷たいのは少し悲しいけれど。
やっぱり、少し休憩しよう。
少し眠って、起きたらまた歩こう。
…うん。そう決めると、少し気が楽になった。

「…お母さま、おやすみなさい」

すう、と小さく息を吐く。
それと同時にわたしの意識は薄くなっていく。
薄く、薄く。
深い眠りに、落ちていく―――












◇  ◇  ◇

















『―――君が、俺のマスターか』

『ああ、そうか。君も―――』

『行こう、友よ。此処で死なせはしない』
















◇ ◇ ◇



さく、さく、さくと雪を踏みしめる音。
まだ寝ぼけてる目を擦る。
いつもより高い目線。
昔、肩車された記憶が戻ってくる。
…暖かい。
―――それが、大きな赤い服の男に抱えられていると理解するのにそう時間はかからなかった。

「…だれ?」
「ああ、起きたのか。俺はマシン―――機械のサーヴァント。
 真名を…『ハート』。君のサーヴァントだ」
「マシン…」

告げられた言葉を繰り返す。
ハート。マシン。わたしの、サーヴァント。
それは、おかしい。

「知らない。ハートなんて英霊、知らない。マシンなんてクラスも。
 それにわたし、新しいサーヴァントなんて召喚した覚えもないわ」
「まあそう焦るな。話は暖かいところに出てからだ。
 ―――同じ作られた存在とはいえ、君は俺より脆い」

その言葉は、優しかった。
冷たかった身体も、今は大分暖まっている。
まるで昔からの友達に話しかけるような言葉は暖かくて、大きな身体はお父さんみたいで。
実を言えば。
この時、わたしは少しだけ安心していた。

「…ああ、何で自分が造られた存在ってわかったのかって顔してるな?
 わかるさ。俺も君も、人間から見れば勝手に生み出され弄られた道具だ。創造物だ。
 同じ種とも言える友のことを、見間違えたりはしないさ」
「…わたし、あなたと『友達』になった覚えなんかないわ」

そもそも、友達がなんなのかもわからない。
お城に帰れば、リズもセラもいる。
でも、友達じゃない。わたしに仕えてるだけ。
わたし一人でもできるのに、聖杯なんて取れるのに、補佐するために其処にいる。

「―――」

その言葉に赤の大男は何を思ったのか。
数秒黙り、何か考えるような素振りを見せた後―――

「…そうだな。確かにそうだ。俺としたことが忘れていた。
 こういうことはちゃんと言わなきゃいけないな。
 マスター―――良ければ、俺と友達になってくれないか?」

それは。
曲線一切なしの、直球の言葉だった。

「一人でできることは限られている。
 一人の力で成せることなんて一握りしかない。
 だから―――俺を友達として、君の願いに付き合わせてくれ」

それは、今までわたしが経験したことがない言葉で。
途轍もなく、真っ直ぐな言葉だった。
だから。
ほんの。ほんの、少しだけなら。
このサーヴァントを信じてあげてもいいかもしれない―――そう、思った。

「イリヤ」
「?」
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。わたしの名前。
 サーヴァントとしてなら、使ってあげる」

その言葉に、赤い大男は満足したのか。
片手で抱きかかえた状態で、わたしの掌を握った。

「ああ。よろしく頼む、イリヤ」
「…うん、マシン」



―――雪原に、男と少女が進んでいく。
それは。
人物こそ違えど、在りし日のクルミの冬芽を探したあの時に。
途轍もなく、酷似していた。


【出典】
仮面ライダードライブ

【クラス】
マシン

【真名】
ハートロイミュード

【パラメーター】
筋力:A 耐力:A 敏捷:D 魔力:E 幸運:D 宝具:C

超進化態時
筋力:A++ 耐力:A++ 敏捷:C 魔力:E 幸運:D 宝具:B

【属性】
混沌・中庸

【クラススキル】
機械生命体:A
人間ではない、機械より生まれた存在。
精神汚染などの類いを同ランクまで無効化する。
しかしこのランクが高ければ高いほど神秘は低下していく。

【保有スキル】
戦闘続行:A
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命的な傷を受けない限り生き延びる。
彼の場合、耐え抜く力である。

異種の王:B
本来地球上に存在しない、自然から外れた種族の王の素質を持つ者。
しかしその在り方は人類の王に劣らない、誇り高き王の素質である。
人外に対するカリスマと人間に対する威圧感を発揮するスキル。

矜持:B
戦いに対する在り方のスキル。
それが正々堂々としたモノならば、誇りのある戦いならば彼はどんな状態にあっても十全の戦闘能力を発揮する。

【宝具】
『人類よ、この鼓動を聞け(ビート・オブ・ハート)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:一人

彼の胸に露出している霊格そのものである心臓。
「相手の強さを受け、それを上回る」という能力。
戦いの中で成長し上回るという破格の宝具だが、心臓部が剥き出しになっているのと同義なのでこれそのものが最大の弱点でもある。

『人類よ、この歓喜を聞け(ディライト・オブ・ハート)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:――― 最大捕捉:1人

彼が『歓喜』という感情が極まった時のみ発動可能になる、彼の宝具。
超進化態と呼ばれる黄金色の形態に変貌する。
一度感情が極まればその後は自由に発動可能。
スペックが軒並み上昇しており、特に筋力と耐久を更に上昇させる。
周囲一帯を焼け野原にするエネルギー波、並の宝具なら優に耐えてしまうほどの防御力を秘めているが、胸の『人類よ、この鼓動を聞け』が弱点なのは変わらない。
『人類よ、この鼓動を聞け』もこの宝具の発動により耐久性は上がっているが、致命的な弱点なのは変わらないだろう。

『友よ、此の一撃を見よ(ラスト・オブ・ハート)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:5~30 最大捕捉:40

生前の彼の108の友と戦い撃ち滅ぼした109人目の友に放った、届かなかった男の拳。
生前発動されることのなかったこの宝具は、彼の全エネルギーを込めた最大の一撃である。
平常時でも周囲一帯を焼失させる力を秘めた彼が放つ一撃故、その威力は絶大なものとなる。
『人類よ、この歓喜を聞け』発動下でしか発動できない。


【weapon】
己の肉体。
光弾による攻撃や人間態でも扱える衝撃波など。

【人物背景】
狂気の科学者、蛮野天十郎に生み出されし機械生命体。
機械生命体ながらにして人間と同じ姿を持ち、感情を得て、己が願いのために動くその姿は正に人間そのもの。
彼の目的はただ一つ。
全人類にロイミュードという種の、己の強さを見せつけること。
殲滅ではなく支配。
だが、彼はその目的を果たせなかった。
だが、一人の友人を得た。
敵対していた、人間の。
今回の召喚では『人類に反逆した機械生命体』としてではなく『友を護る種の王』としての側面が強調されている。
人類という神秘に立ち向かう科学の人形は、新たな友の為に立ち上がる戦士となった。


【サーヴァントとしての願い】
もう一度人間に挑戦を、などと言うつもりはない。
この身は新たな友の為に―――その願いのために使う。


【マスター】イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
【出典】Fate/stey night

【マスターとしての願い】
聖杯を取る。

【weapon】
○『天使の詩(エンゲルリート)』『コウノトリの騎士(シュトルヒリッター)』
イリヤの髪を媒介にして造られる小鳥サイズの使い魔。自立浮遊砲台。
銃身と本体の2パーツで構成されており、光弾を放つ他銃身そのものを剣の弾丸と化し放つこともできる。
しかしそうした場合、この使い魔は銃身を失うこととなるので攻撃の後に自壊する。
光弾を『ツェーレ(涙)』、剣部分を打ち出す光弾を『デーゲン(剣)』という。

【能力・技能】
破格のマスターとしての能力。

【人物背景】
「最高傑作」と謳われる、アインツベルンのホムンクルス。第四次聖杯戦争開始に先立ち、アイリスフィール・フォン・アインツベルンの卵子と衛宮切嗣の精子を用いて作り出された。
なお、ホムンクルスでありながら、その過程でアイリスフィールの母胎から「出産」されることで生を受けている。
生まれながらに「聖杯の器」となることが宿命づけられており、母親の胎内にいる間から様々な呪的処理を為されている。
しかし反作用として、発育不全・短命などのハンデも背負っている。
第四次聖杯戦争を経て母は亡くなり、父は裏切り者としてアインツベルンから遠ざけられる。
鋳造主であり育ての親とも言えるアハト翁による教育も手伝い、「キリツグは自分と母を捨てた」という誤解によって恨みの感情を募らせていく。
今回はバーサーカーとの絆を得る前より参戦。
そのため、本来の彼女より少し荒んでいる。

【方針】
聖杯狙い。

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最終更新:2015年12月26日 17:18