王登平とは、
南海艦隊の政治委員。胡元主席と同じ安徽省出身。
黄嘉祥引退の後をついだ。
南シナ海管轄の中国海軍艦隊、トップにタカ派
10日付サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、強硬派とうわさされる中国海軍・北海艦隊政治委員の王登平中将(59)がこのほど、南シナ海を管轄する南海艦隊の政治委員(広州軍区副政治委員)に異動したことが分かった。中国軍の編制では、政治委員は司令官より序列が高い。
軍事専門家の倪楽雄氏は「王中将は紛争海域での他国の領有権主張を阻む上で貢献するのではないか。今回の人事は南シナ海の領有権を強化したい中国指導部の戦略と関係がある」と指摘した。王中将は今後、南海艦隊の運営、作戦方針などを統括し、紛争海域を監視する中国艦船を監督する立場となる。
王中将は今年3月の全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議(政協)開催中の記者会見で「中国海軍は絶対に領土を縮小させたり、失ったりはしない。われわれの決心は確固たるもので、能力と方策がある」と強調した。王中将はまた、中国中央テレビ(CCTV)に出演し「外国メディアが中国脅威論で騒ぎ立てるのにはうんざりする。中国は300万平方キロの海洋領土を持つが、空母は1隻しかない」と批判した。
海外の中国語ニュースサイト、多維新聞網は、王中将の発言が官営メディアを通じ、広く伝えられた結果、王中将は中国軍で代表的なタカ派としてのイメージが固まったと報じた。その上で、今回の人事について「南シナ海での混乱が解決せず、空母ワリャーグの配備が迫った時期に行われたのは、タカ派が勢力を得て、中国国内で強硬派が有力になっているとの見方がある」と指摘した。
王中将は華僑向け通信社、中国新聞社とのインタビューでも「中国が空母を持ったからといって、国防政策に変わりはない。レベルの低い人が問題を提起している」と切り捨てた。空母ワリャーグは年内にも南海艦隊に編入されると予想されている。
王中将はこれまで中国軍に42年在籍し、総政治部、宣伝部局長、海軍政治部政治委員を経て、北海艦隊政治委員となった。2002年に海軍艦隊の副指揮官として、約500人の兵士を乗せた艦船2隻で中国海軍初の世界巡回訪問を終え、昇進の足掛かりをつかんでいた。
上海=呂始東(ヨ・シドン)特派員
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最終更新:2013年05月26日 02:08