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*TBS (t-ブチルジメチルシリル) #right(){[[戻る>保護・脱保護反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}&br()Greene's PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS p.189| #center(){&ref(TBS01.png)}  水酸基に対するごく一般的な保護基。 #center(){&ref(TBS02.png)} シリル系の保護基の中では中ぐらいの立体障害を持ち,保護しやすく,外しやすい。 シリル系の保護基は,フッ素を用いた脱保護法によって容易に脱保護できる特徴がある。 TBS基は,強い酸性によって脱保護を受けることがあるので注意が必要である。 -保護基の反応性 (◎:反応する ○:反応性がある ×:反応しない △:特殊な反応をする) |CENTER:酸|CENTER:塩基|CENTER:酸化|CENTER:還元|CENTER:求核剤|CENTER:ヒドリド|CENTER:熱| |CENTER:0.1 N HCl (pH 1)|CENTER:0.1 N NaOH (pH 12)|CENTER:CrO3, [[Py]]|CENTER:H2, Pd|CENTER:RLi|CENTER:LAH|CENTER:150 ℃| |CENTER:◎|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×| **実験プロトコル ○&bold(){保護} TBSCl, Imidazole, [[DMF]], rt, 1 h. #center(){&ref(tbs03.png)} |BGCOLOR(#ddddff):弱塩基性|BGCOLOR(red):&color(white){禁水}| |&ref(http://www39.atwiki.jp/isoleucine/?plugin=ref&serial=28)| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |アルコール&bold(){SM}|1.0| |クロロt-ブチルジメチルシラン TBSCl|1.1| |イミダゾール Im|1.2| |dry [[DMF]]|0.5 M| -実験  &u(){ナスフラスコ}    │    │←&bold(){SM}    │←バー, N2置換    │←dry [[DMF]]    │←Im    │←TBSCl    │rt, 1 h    │    │←sat. NH4Cl aq.    │    │Ext. (EtOAc)    │Wash. (brine)    │Dring (Na2SO4)    │Conc.    │    │Column    ↓  TBSエーテル ○&bold(){保護} HF・Py, [[Py]], THF, rt, 1 h. #center(){&ref(tbs04.png)} |BGCOLOR(#ddddff):酸性|BGCOLOR(red):&color(white){HF注意}| |&ref(pp.png)| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |TBSエーテル&bold(){SM}|1.0| |フッ化水素・ピリジン HF・Py|1.1| |[[ピリジン Py>Py[]|1.2| |dry THF|0.5 M| -実験  &u(){ポリプロピレン製試験管}    │    │←&bold(){SM}    │←バー, N2置換    │←dry THF    │←[[Py]]    │←HF・Py    │rt, 1 h    │  sat. NaHCO3 aq.    │    │Ext. (EtOAc)    │Wash. (brine)    │Dring (Na2SO4)    │Conc.    │    │Column    ↓  アルコール &anchor(0) **Tips -[[等価な2つの水酸基を有するジオールに対し,モノシリル化したい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#1]] -[[1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに保護基をかけたい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#2]] -[[1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#3]] -[[1級と2級の水酸基を持つ1,3-diolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#4]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                等価な2つの水酸基を有するジオールに対し,モノシリル化したい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                アニオンをつくり,その後シリル化試薬を作用させる。| -概要 #center(){&ref(tbs05.png)}  -原因 -解決法 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} &anchor(2) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに保護基をかけたい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                試薬の等量を制限することで可能。| -概要  1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに選択的に保護基をかけたい。 -原因 -解決法 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} &anchor(3) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                1級水酸基を保護してから2級水酸基を保護,最後に1級水酸基のみを脱保護する3段階の反応で可能。| -概要  1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに選択的に保護基をかけたい。 -原因 -解決法 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} &anchor(4) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                1級と2級の水酸基を持つ1,3-diolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                1級水酸基を保護してから2級水酸基を保護,最後に1級水酸基のみを脱保護する3段階の反応で可能。| -概要  benzyl 基であれば,アセタール化と,続く還元の2段階の反応で可能. それ以外の保護基であれば,1級水酸基を保護してから2級水酸基を保護,最後に1級水酸基を脱保護する3段階の反応で可能。 -原因 -解決法  1,3-diolに対してbenzaldehydeを反応させ,acetalとする.これをDIBALで還元すると,立体障害の少ない1級水酸基側の酸素にアルミニウムが配位,オキソニウムとなる.2級水酸基側酸素の孤立電子対の押し出しによって,アルミニウムの配位した1級水産基側酸素と炭素の結合が切れる.この種にhydrideが攻撃し,オキソニウムが還元を受けてベンジル基となる.Work upによってAl-O結合を切断し,アルコールが生成すれば,結果として2級水酸基のみ選択的にベンジル化をすることができる。 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} ----
*TBS (t-ブチルジメチルシリル) #right(){[[戻る>保護・脱保護反応]]} >&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}&br()Greene's PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS p.189 #center(){&ref(TBS01.png)}  水酸基に対するごく一般的な保護基。 #center(){&ref(TBS02.png)} シリル系の保護基の中では中ぐらいの立体障害を持ち,保護しやすく,外しやすい。 シリル系の保護基は,フッ素を用いた脱保護法によって容易に脱保護できる特徴がある。 TBS基は,強い酸性によって脱保護を受けることがあるので注意が必要である。 -保護基の反応性 (◎:反応する ○:反応性がある ×:反応しない △:特殊な反応をする) |CENTER:酸|CENTER:塩基|CENTER:酸化|CENTER:還元|CENTER:求核剤|CENTER:ヒドリド|CENTER:熱| |CENTER:0.1 N HCl (pH 1)|CENTER:0.1 N NaOH (pH 12)|CENTER:CrO3, [[Py]]|CENTER:H2, Pd|CENTER:RLi|CENTER:LAH|CENTER:150 ℃| |CENTER:◎|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×| **実験プロトコル ○&bold(){保護} TBSCl, Imidazole, [[DMF]], rt, 1 h. #center(){&ref(tbs03.png)} |BGCOLOR(#ddddff):弱塩基性|BGCOLOR(red):&color(white){禁水}| |&ref(http://www39.atwiki.jp/isoleucine/?plugin=ref&serial=28)| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |アルコール&bold(){SM}|1.0| |クロロt-ブチルジメチルシラン TBSCl|1.1| |イミダゾール Im|1.2| |dry [[DMF]]|0.5 M| -実験  &u(){ナスフラスコ}    │    │←&bold(){SM}    │←バー, N2置換    │←dry [[DMF]]    │←Im    │←TBSCl    │rt, 1 h    │    │←sat. NH4Cl aq.    │    │Ext. (EtOAc)    │Wash. (brine)    │Dring (Na2SO4)    │Conc.    │    │Column    ↓  TBSエーテル ○&bold(){保護} HF・Py, [[Py]], THF, rt, 1 h. #center(){&ref(tbs04.png)} |BGCOLOR(#ddddff):酸性|BGCOLOR(red):&color(white){HF注意}| |&ref(pp.png)| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |TBSエーテル&bold(){SM}|1.0| |フッ化水素・ピリジン HF・Py|1.1| |[[ピリジン Py>Py[]|1.2| |dry THF|0.5 M| -実験  &u(){ポリプロピレン製試験管}    │    │←&bold(){SM}    │←バー, N2置換    │←dry THF    │←[[Py]]    │←HF・Py    │rt, 1 h    │  sat. NaHCO3 aq.    │    │Ext. (EtOAc)    │Wash. (brine)    │Dring (Na2SO4)    │Conc.    │    │Column    ↓  アルコール &anchor(0) **Tips -[[等価な2つの水酸基を有するジオールに対し,モノシリル化したい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#1]] -[[1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに保護基をかけたい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#2]] -[[1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#3]] -[[1級と2級の水酸基を持つ1,3-diolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#4]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                等価な2つの水酸基を有するジオールに対し,モノシリル化したい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                アニオンをつくり,その後シリル化試薬を作用させる。| -概要 #center(){&ref(tbs05.png)}  -原因 -解決法 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} &anchor(2) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに保護基をかけたい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                試薬の等量を制限することで可能。| -概要  1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに選択的に保護基をかけたい。 -原因 -解決法 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} &anchor(3) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                1級水酸基を保護してから2級水酸基を保護,最後に1級水酸基のみを脱保護する3段階の反応で可能。| -概要  1級と2級の水酸基を持つdiolに対し,1級水酸基のみに選択的に保護基をかけたい。 -原因 -解決法 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} &anchor(4) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                1級と2級の水酸基を持つ1,3-diolに対し,2級水酸基のみに保護基をかけたい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                1級水酸基を保護してから2級水酸基を保護,最後に1級水酸基のみを脱保護する3段階の反応で可能。| -概要  benzyl 基であれば,アセタール化と,続く還元の2段階の反応で可能. それ以外の保護基であれば,1級水酸基を保護してから2級水酸基を保護,最後に1級水酸基を脱保護する3段階の反応で可能。 -原因 -解決法  1,3-diolに対してbenzaldehydeを反応させ,acetalとする.これをDIBALで還元すると,立体障害の少ない1級水酸基側の酸素にアルミニウムが配位,オキソニウムとなる.2級水酸基側酸素の孤立電子対の押し出しによって,アルミニウムの配位した1級水産基側酸素と炭素の結合が切れる.この種にhydrideが攻撃し,オキソニウムが還元を受けてベンジル基となる.Work upによってAl-O結合を切断し,アルコールが生成すれば,結果として2級水酸基のみ選択的にベンジル化をすることができる。 #right(){[[上へ>TBS (t-ブチルジメチルシリル)#0]]} ----

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