0008:運命の舞台
「あら、
趙公明ちゃんじゃない」
およそ殺し合いの場にはふさわしくない、色香を持った女の声が夜に響いた。
「おお…妲己、このような殺し合いの舞台で偶然出会おうとは、戦いはやはり我々の運命なのか」
趙公明と呼ばれた男はそう言い、まるで舞台役者のような大げさなアクションを取る。
「あらん運命なんて、か弱い女の子を守ってくれないの? 金鰲島からの貴方と私の仲じゃない」
宣戦布告ともとれるその言葉にも態度を変えず、相変わらずの軽い乗りで妲己と呼ばれた女は言い放つ。
「残念だが、袂を分けた我々が出会ってしまった以上、それは戦う運命なのだよ!」
高々とそう言い放ち、超公明は力強く拳を握りしめ、まつげの長く伸びた瞳から大量に涙を流した。
「まあ、酷い! 何て酷い運命…」
ヒラヒラとした服の端で口元を押さえ、同じく演技がかった大袈裟な動きでその場に崩れ落ちた。
一見冗談めかしたやり取りだが、二人の間に流れる力は間違いなく本物だ。
全くの本気で、互いに息の根を止めようとしているのがわかる。
その力は巨大にして強力、人を寄せ付けぬ迫力を持っていた。
「自分の宝貝じゃないのが残念だけど、これでお相手するわん」
そう言って立ち上がった妲己は、短い棒のような物を取り出した。
それは妲己の宿敵たる
太公望の宝貝『打神鞭』。その効果は風を巻き起こし敵を引き裂く。
対する趙公明は長い棒を構え、妲己に向かい構えを取る。
「私も不慣れな武器だが、これも運命! いくぞ妲己くん!」
二人は対峙し、戦いが始まろうとしていたが。
「止ぁめぇろおおぉぉぉ!!」
それは一つの怒声によって打ち切られた。
二人が声の発せられた方向を見つめると、遠くからものすごい勢いで走ってくる少年が一人。
見ればその手には、刃物のついた小手のようなものが装備されているのがわかる。
「殺し合いなんて馬鹿な真似は止めろ! そんな馬鹿な行為は止めるし、このゲームも止めてやる!」
二人の間に割り込んできた学生服の少年は、二人の圧力も意に介さず高々と咆える。
「あらあら…可愛い子…」
黄金に輝く獣の瞳が、少年を捕えた。
【現在地:大阪難波】
【蘇妲己@封神演義】
所持品:荷物一式、打神鞭@封神演義
第一行動方針:趙公明を倒す、カズキをどうするかは不明
【趙公明@封神演義】
所持品:荷物一式、如意棒@DRAGON BALL
第一行動方針:妲己を倒す
【武藤カズキ@武装錬金】
所持品:荷物一式、ドラゴンキラー@ダイの大冒険
第一行動方針:殺し合いを止める
基本行動方針:仲間を探す(斗貴子、ブラボー優先)
最終行動方針:ゲームからの脱出
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059:妖艶の妖狐 |
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武藤カズキ |
059:妖艶の妖狐 |
最終更新:2024年08月11日 02:02