0093:似た者同士の行進 ◆QGtS.0RtWo
「そうかそうか、
ポップ君。じゃあその
おしゃぶりは趣味で身につけてる訳じゃないんだな?」
「当たり前だ!趣味であってたまるか!…それに君なんていいよ、ポップって呼び捨ててくれ」
ウソップとポップ。
二人は出会った後に初対面ながらも妙に意気投合し、洞窟から出て道路の歩行者通路を並んで歩いている。
「長くくわえている時間だけ、その本人の不思議な力を蓄える事の出来るアイテム、魔封環…か。貝(ダイアル)みたいなもんかな?」
「ダイアル?何だそれ?」
「え~と、説明すれば長くなるが…ま、貝だ。不思議貝。」
「貝?意味わかんねぇよ…」
様々な情報交換や雑談をしながら、二人はある場所を探して歩いていた。
「チックショー、俺様の秘密兵器が全部無くなっちまってるんだもんなぁ…」
「秘密兵器?そんなに凄い武器を持ってたのか?」
「おお、よくぞ聞いてくれた。どんな困難をも解決する『ウソップ輪ゴーム』を筆頭に、
武器にもなる様々な大工道具、俺様を最強たらしめる武器『パチンコ』とその弾の数々…全部奪われちまったのさ」
「……秘密兵器、ねぇ。チウといい勝負するかもな」
「チウ?誰だ?そんなに強い奴なのか。そうかそうか!ガッハッハ!」
「…皮肉なんだよ…気付けよ…」
こんな異常な殺し合いの場所であるにも関わらず、この二人はまるで場違いな漫才をしているかのような雰囲気だ。
普段は気弱で臆病な面もあるポップとウソップも、どこか似た者同士な香りを放つお互いに気を許し合い笑顔を見せ合う。
「…で、言ってた物の有りそうな場所って、目星はついてるのか?」
「ん?ああ。この見た事も無い不思議な世界でも、俺たちの世界にもある必要不可欠な場所は有る」
「必要不可欠な場所?」
「…『家』だ。そこなら資材として使われているはずの手頃な釘や木材が手に入るはずだ。それらがあれば、武器も作れる」
「ふーん、成る程な…でも、釘抜きもノコギリも無いだろ?どうするんだ?」
「…こうするのさ」
そう言うと、ウソップは懐からカプセルを取り出して中から一枚のカードを出して掲げると、咳払いを一つしてある言葉を唱える。
「ゲイン!」
…すると、そのカードはボワンと不思議な煙を吐いて一本の小さなナイフへと姿を変える。
「エエッ!?何だそりゃ!?」
それは、二人は知りもしないがゴンとキルアの師匠『ビスケ』が二人の指導に使っていた物と同じ、小さな投げナイフ。
「こいつがあればてこの要領で釘も抜けるし、頑張れば木も加工できる」
「頑張れば…って…ま、そりゃそうだけどよ。何作る気なんだよ?」
「ふふふ、それは秘密だ。このウソップ様に不可能は無ぁ~いッ!」
「…本当にチウといい勝負だな…」
ため息混じりにウソップを見るポップだが、その目は大切な仲間を見るような優しい目をしていた。
当のウソップは、様々な事を考えながら前を向いて笑顔で歩き続ける。
(こんな小さなナイフじゃ武器としてはあまり頼りにならない。
長い棒の先に付けて槍にしてもいいし、もしゴムみたいな物があればパチンコだって作れる。
ゴム…か…ルフィ、あいつもこの世界にいるんだよな。
ロビンも。何とか合流できれば、あいつらならこの逆境も何とかしてくれそうだ。
…
道化のバギーって聞いた事あるが、確かルフィの敵で悪魔の実の能力者なんだよな…おっかねぇ)
「…どうした?ウソップ。考え事か?」
「ん?あ、いやいや、何でもねぇ。それより、さっき言ってた
フレイザードって化け物…そんなにやばい奴なのか?」
「…一度は倒した敵なんだけどな。嫌な予感がする。やっかいな事になる前に、もう一度しっかりあの世に送った方がいい」
「あの世に…って、おいおい、物騒な話だな」
ポップは苦笑いを返す。
それは以前、師匠のマトリフが言ったある言葉を思い出したからだ。
『フレイザードって奴、ありゃあいい線行ってただろ?レベルが低くて助かったのさ』
…自分の使える極大消滅呪文とある意味同じ発想で作られた魔法生物。
もし万が一、奴がこの世界で様々な経験を積んでレベルアップしたとしたら…
小さな不安を抱えつつ、ポップは先を行くウソップの元へと早足で追いかけた――
【鹿児島県/早朝】
【ウソップ@ONE PIECE】
[状態]普通
[装備]:賢者のアクアマリン@HUNTER×HUNTER
投げナイフ@HUNTER×HUNTER
[道具]:荷物一式
死者への往復葉書@HUNTER×HUNTER
[思考]:アイテムを信じて心強い仲間を探す
家(出来れば木造)を探して、ウソップ工場フル回転
【ポップ@ダイの大冒険】
[状態]普通
[装備]魔封環@幽遊白書
[道具]荷物一式
[思考]ウソップに付いていく
フレイザードを早めに倒す
時系列順で読む
投下順で読む
最終更新:2023年11月22日 21:15