0195:鬼人となりて悪を討つ ◆Zt/Bue9Hx6
―――彼女との出会いはいつだったろう?
―――去年の四月だったか?
―――いや、違う。
そう。あれは6年前の雪山でのことだ。
正午過ぎ、一人の男が人気のないひっそりとした道で、呆然と立ち尽くしていた。
男の名は
鵺野鳴介。両津、玉藻との約束を守り、この地で合流を待っていたのだが、彼に再び悲劇が訪れた。
護らなければならない人――
ゆきめの死を知ったとき、彼の中で何かがはじけた。
ふと鵺野の脳裏に、彼女と過ごした満ち足りた日々の思い出が甦ってきた。
しかし、この男の目に涙は流れなかった。
代わりに辺りの空気を震えさせるほどの凄まじい憎悪。
教え子を殺した者への怒り。
妻を殺した者への怒り。
主催者への怒り。
それら全てをまとめた「悪」への限りない憎しみが鵺野の心を覆っていた。
―――悪魔め…
なぜ郷子を殺した???
なぜゆきめを殺した???
もう……これ以上……誰も殺させない。
俺は…鬼になってでも主催者を…そして、このゲームに乗った悪魔共を皆殺しにしてやる!!
人を護る力……それとは正反対の彼の想いだが、その戦闘力はその力に匹敵するほど増大していた。
殺人者を殺すことが結果として人を護ることに繋がるのかもしれない。
「はぁ……はぁ……
放送には玉藻の名は無かった。
俺の知り合いは両津さん、伊達、そして玉藻の三人だけになってしまった。
この三人が人殺しをするとは考えられない。
ならば、俺たち四人(両津さんが連れてくる仲間も合わせれば七人)
で会場内にいる殺人者を一人残らず皆殺しにし、主催者の首をとってこのゲームを終わらせる。」
鵺野はすくっと立ち上がると仲間達の待つであろう東の方角へ走り始めた。
「そうと決まれば行動開始だ。玉藻には悪いがまず両津さん達と合流しよう。
信用できるかどうかはわからないが、数は多い方がいい。
そこで武器が手に入れば二人のためにもなる。
郷子、ゆきめ。必ずお前達の仇をとってやるからな。俺はもう……涙を捨てた。」
憎しみは憎しみの連鎖に繋がるだけ。
先程までの鵺野ならそれに気付いていたはずだが、今回、よき理解者はいない。
鵺野の周りには溢れんばかりの霊力が満ちており、その形相はまさに鬼そのものだった。
【初日兵庫県西部@日中】
【鵺野鳴介@地獄先生ぬ~べ~】
【状態】激しく興奮している(戦闘力大幅UP、体力消耗)
【装備】御鬼輪@地獄先生ぬ~べ~
【道具】水を七分の一消費した支給品一式
【思考】1・琵琶湖へ行き両津及びその仲間と合流(但し仲間の方は信用していない)
2・ゲームに乗っている人を全員殺す(主催者含む)
3・武器を探して伊達、玉藻と合流する。
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最終更新:2024年02月04日 21:59