0194:殺し屋と忍者と伏兵と





桃白白はゲーム開始から朝まで、ずっと休まずに走り続けていた。
そのため、休息をとる意味も含めて適当にぶらつきながら茨城県内を調べていたが、特に成果はないまま昼近くになってしまった。
「もう休憩は十分だな。今度はこの関東地方とかいうエリアを探索するとしようか」
なにしろまだ二人しか殺していないのだ。一人十億貰うとして、二十億にしかならない。
今日中に十人くらいは殺したいところだと考えながら、桃白白は南に向かって歩き始めた。

昼の放送が終わった。
相変わらずいいペースで人が死んでいるようだが、桃白白自身はまだ二人しか殺せていない。
「うーむ、この辺りには人はいないのか?早朝まではいいペースだったのだが…」
朝のようにペースを上げて移動した方がいいかと思っているちょうどその時、はるか前方に人影が見えた気がした。
「む……間違いない、あれは人だな。一人か…だが、中々いい動きをしている」
少しは楽しめそうだと口元に笑みを浮かべ、桃白白はその人影に向かって走り始めた。


「禁止エリアは静岡に大分…どっちも俺らには関係ないか…雷電のおっさんも無事みたいだし」
茨城県の海岸沿いの道路で、シカマルは地図を広げながら走っていた。
ナルト、サクラ共にまだ生きているし、雷電の知り合いも朝から昼までには誰も死んでないようだ。
「しっかし、また14人も死んじまったか…ったく、メンドクセェ」
「…なら、お前が15人目になるか?」
何者かの声と同時に、横から何か光るものが目の前に振り下ろされ…
「あぶねぇっ!」
とっさに飛び退いたシカマルだったが、左脚に鋭い痛みが走っていた。
見ると、裾がバッサリと切り裂かれて血がだらだらと流れ始めている。
「ほぅ、よく避けたな。思ったとおり少しはできるらしい」
いつの間にかシカマルの目の前に男が立っている。
その手には、刃を光らせた刀が握られていた。
「ちっ、話し合いは…無駄みたいだな。やる気マンマンって顔してるぜ、オッサン」
「私は世界一の殺し屋、桃白白だ。私に殺されることを光栄に思うがいい」
桃白白は刀を納めると、素手で構える。
孫悟空と戦う前の準備運動だ。貴様は素手で殺してやろう」
(やべぇな…武器といえば途中で拾って忍具ホルダーに入れてある石つぶてくらいだ…
 コイツ、気配も感じさせずにいきなり斬りかかってきた動きからしてかなりできるぞ…)
頼みの綱は『影真似の術』だったが、道中で試したところでは、妙な制限があるためか予想以上に体力を消耗した。
(音隠れの笛使いの時みたいに力ずくで抜けられたりしたらマズイ…使いどころが難しいな)
「ふっふっふ…どうした、抵抗くらいはしてみせろよ?」

そして、対峙する二人から少し離れた民家の陰で、一人の少年…ゴンが様子を覗っていた。





【茨城県海岸沿い/1日目・日中】
【桃白白@DRAGON BALL】
 [状態]:健康
 [装備]:脇差し
 [道具]:荷物一式(食料二人分、一食消費) ジャギのショットガン@北斗の拳(残弾19)
 [思考]:1.目の前の男を殺す
     2.孫悟空、ピッコロ以外の参加者をできる限り殺す
     3.孫悟空を殺して優勝し、主催者からご褒美を貰う

【奈良シカマル@NARUTO】
 [状態]:左脚に切り傷(移動に支障あり)
 [装備]:石つぶて十数個
 [道具]:荷物一式(食料一食分消費)、仙豆(一粒)@DRAGON BALL
 [思考]:1.桃白白をどうにかする(倒すか、逃げるか)
     2.東北に移動
     3.知り合いとの合流(男塾メンバー含む)

【ゴン=フリークス@HUNTER×HUNTER】
 [状態]:健康
 [装備]:テニスボール(ポケットに入れてある)
 [道具]:荷物一式(食料一食分消費)、テニスボール×2@テニスの王子様
 [思考]:1.シカマルと桃白白の様子を覗う(場合によってはシカマルを助ける)
     2.キルアを捜す
     3.奈良シカマルを尾行し、情報を集める

時系列に読む


投下順に読む


124:殺し屋から悪魔へ 桃白白 220:火炎交響曲
186:裁断・祭壇 奈良シカマル 220:火炎交響曲
186:裁断・祭壇 ゴン=フリークス 220:火炎交響曲

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年04月19日 10:13