0353:舞台演舞





第一幕-罪


「キン肉マン殿の、仇?」

 目の前の少年が叫びを聞き、剣心の混乱は極まる。
 志々雄といる状況から見て、彼はキン肉マンの話にあった少年、たけしだろう。
 そのたけしは、いったい何を言っているのか?
 自分はキン肉マンを殺してなどいない。
 いや、そもそも、キン肉マンは死んでなどいない。
 数時間前に直接接触を持ったし、先ほどの放送でも呼ばれてはいない。

たけし殿。拙者の話を聞いてくれ! キン肉マン殿は死んではおらぬでござるよ!」

「耳を貸すな、たけし。その男は嘘つきだからな」

 剣心を全否定するように志々雄は言う。
 少年の暴走の原因は間違いなくこの男だ。
 まずは元凶を討つ。
 そう判断し剣心は神速で志々雄めがけ駆け抜け、青雲剣を走らせた。
 対する志々雄は腕組みのまま動かず、余裕の笑みでその一撃を見送る。
 肉を切り裂き、鮮血が舞う。

「……………な、ぜ?」

 志々雄を狙った一撃は、庇うように身をねじ込ませた、たけしの右腕を切り裂いていた。
 何とか直前で手を緩めたが、右腕の肉が抉られている。

「志々雄はオレの友達さぁ。友達を傷つけるヤツは絶対に許さねぇさぁ!!」

 キン肉マンを殺された認識に、志々雄を攻撃した事実が加わる。
 それにより彼の怒りが7万ボルトを越えた。
 目付きは鋭く変化し、髪の毛が逆立ち始める。

「キン肉マンの仇をとらせてもらうぞ、抜刀斎!」

 右腕の剣を抜き取り、スーパーたけしとなったたけしが、剣心を指差し告げる。
 剣心は距離をとろうと身を引くが。
 次の瞬間、消えたと錯覚するような速さでたけしが特攻していた。
 次に剣心がたけしの姿を認識できたのは、既に懐に入り込まれた後の話だった。

「リーダァーパンチ!」

 矢のように放たれる一撃を、少年の手を傷付けぬよう青雲剣の腹で受ける。
 だがその衝撃は想像をはるかに上回っていた。
 剣を握る腕が痺れ、握力が奪われる。
 これが、本当に子供の一撃だろうか?

「待ってくれ! 誰も殺してなどいないでござる!」
 身を引き、防御に徹しながら少年を説得する。

「おいおい、嘘はいけねえぜ、抜刀斎。
 お前ほど、多くの人を殺めた人間はいないだろう?」

 志々雄は動かず、刀ではなく言葉で斬りつける。
 その言葉は正確に心を抉る。

 その間も少年の猛攻が襲う。
 少年の攻撃は並ではない。
 予想以上にその力は強く、確実に身が削られてゆく。
 このまま防戦を続ければ、いつか必ずやられるだろう。
 それでもこの少年を傷つけることは出来ない。
 この少年が誤解から自分を襲っているのは明白。
 ならば、その誤解を解かなければ。

「信じてくれ、たけし殿。拙者は人斬りなどでは―――――」

「――――――何を言う。お前は人斬りだろうが」

「――――――――――――」

 ―――――そうだ、自分は人斬りだ。
 維新志士の人斬りとして、信念のため多くの命を殺めた。
 その事実を否定することはできないし、してはいけない。
 それを否定する行為は、これまで殺めた多くの命を、平和のための尊い犠牲を否定する行為だ。
 その罪を償うため、自分は流浪人になった。
 剣と心を賭して戦いの人生を完遂するために。

 だが、自分は―――――まだその罪から逃げられないのか。

 襲い来るこの少年の誤解すら解くことが出来ない。
 ならば、自分はこの少年に殺されるのではなく。
 ―――――――自分は、その罪に殺されるのだろう。

「ちゃりゃぁッ!」

 生まれた一瞬の隙にたけしの一撃が顔面にめり込んだ。
 細身の体は大きく吹き飛び地面を滑った。
 吹き飛ぶその勢いよりも早く、少年は駆ける。
 追いついた少年はトドメをさすつもりか、大きく拳を振り上げた。

「殺れ、たけし!」

 志々雄の声に呼応するように、振り上げた拳が振り下ろされた。
 正確に剣心の頭部を目指し、断罪が落ちる。

「違う! 拙者は…………ッ。信じてくれ、たけし殿!」

 それでも呼びかける事を止めなかた。
 確実に死を持った一撃は目前へと迫り、

「…………………やっぱりダメさぁ」

 その直前でピタリと止まった。

「……………たけし殿?」

 友の仇を討つため、目の前の男は悪だと、必死に自分自身に言い聞かせて戦ってきたが。
 自分を騙すのはこれが限界のようだ。

 この男は人殺し。
 それはきっと本当なのだろう。
 男自身もそれを否定していない。
 リーダーは悪を討つ。
 けれど、罪を許すのもリーダーだ。

 それに、必死になって呼びかけ続けたその声は、たしかに本物だった。
 そこに偽りは一片もなく、強い思いと決意があった。

 それが確かな真実だった。

 この男の話を聞いてみよう。
 判断はそれからでも遅くはない。
 そもそも、話も聞かずに悪だと決め付けるのは自分らしくない。
 沸いてきた憎しみに、判断を誤ってしまっていた。

「話も聞かず殴って悪かったさぁ、オレはお前の話を聞く雰囲気さぁ」

 たけしは素直に頭を下げ、その歳に見合った屈託のない笑顔を浮かべる。
 その顔付きは普段のたけしに戻っていた。
 そして、倒れた剣心に手を差し伸べる。
 剣心もその手を握り返し、たけしに引かれ剣心は立ち上がる。

 だが、たけしは失念している。
 そもそも、その憎しみを、植え付けたのは誰だったのか―――――――?


「…………………え?」


 ゾブリと水音が響いた。

 剣心は脇腹に灼熱を感じる。

 気が付けば、

 たけしの胸から刃が生え、その刃が剣心の内臓を深く深く抉っていた。



 その後ろでは、血飛沫を浴びた志々雄が、狂ったような笑みを浮かべて――――――





第二幕-戦い


「それではワシ等も始めるとするか。のう、先生?」

 ゆっくりと笑みを浮かべ近づいてくる敵に乾は銃口を向ける。
 だが、その視界を差し出された片手に遮られる。

「だめだ乾くん。彼には手を出さないでくれ」

「……………先生?」

「彼は悪霊に取り憑かれているだけなんだ。
 彼自身には何の罪もない。彼を傷つけてはいけない」

「でも、先生!」

 たとえ相手が取り憑かれてるだけでも。
 たとえ相手に、罪がなくとも。
 そんな事は関係なくこの少年は襲いかかってくる。
 抵抗しなければ、死ぬのはこっちだ。

「頼む乾くん。ここは俺に任せて下がってくれ」

 強い決意の眼で懇願する。
 それを受け取り、乾は黙って身を引く。
 そしてその戦いを見守った。

 戦いは一方的なものだった。
 いや。それは戦いと呼べる物ではなかった。
 無抵抗も同然に一方的に殴られ続ける音と。
 ただ、届かない声だけがその場に響いていた。

 鵺野が繰り出すのは左腕のみ。
 その事を既に理解している九尾に攻撃が当たるはずもない。
 既に鬼の手が自由自在に形を変えられることはネタが割れている。
 先ほどのような奇襲は、もう通用しない。

 いや、そもそも鵺野の目は敵など見てはいなかった。
 ただ、その中にいる少年に向けて必死に声を張り上げ呼びかけ続ける。
 その間も一方的な攻撃は続き、その体は面白いくらいにボロボロになってゆく。

「戦うんだ。そんな狐に負けるな!」

 叫びを遮るように一撃が鳩尾にめり込んだ。

「がは……………っ」

 血を吐いた。
 何処かの骨が折れたようだ。

「…………負けるな……………立ち向かえ」

 それでも、声を止めなかった。
 届くと信じている。
 目覚めると信じている。

 だから、この声を止める訳にはいかない。

「………まったくやかましいの。いい加減、黙らせてやろうか。
 血肉はその後、ゆっくりと喰らってやろう」

 言って舌を舐めずり、九尾は片腕を掲げる。
 その掲げた掌に、編みこまれるようにチャクラが練りこまれてゆく。
 チャクラは螺旋を描き、球状に圧縮される。
 習得ランクA。
 ナルトの使用できる最強の術が完成する。

「――――――螺旋丸!」

 蠢く螺旋球を片手にナルトが迫る。
 ―――――速い。
 その速さは傷つき動かない体に反応できる速さではない。
 その一撃が、避けれないものである悟った鵺野は、最後の手段に及んだ。

 鵺野は動かず、螺旋丸がその胸に直撃する。
 両腕を広げ真正面からその必殺の一撃を受け止める。
 あまりの圧力に胸が陥没し、胸骨が砕けた。
 その衝撃をその身に受けながら、鵺野は引かず、そのまま前へと踏み込む。

 そして広げた両腕を閉じ、鵺野はナルトを力強く抱きしめた。

「……………………何をッ!?」

 九尾は何の策かと警戒するが、攻撃が来る気配はない。
 それを理解した九尾は腕を止めず、そのまま螺旋丸をめり込ませる。
 回転する超圧が骨を、肺を、心臓を壊す。


「戦うん、だ、自分に負け、る、な…………」

 血を吐きながら、最後の力で耳元に囁く。
 同時に、砕かれた胸骨が心臓へ達した。
 血反吐を巻き散らし、力尽きた鵺野は崩れるようにその場に倒れこんだ。
 九尾は倒れこんだ鵺野をゴミを見る目で見つめ。

「は、はははははははははははははははははははははははは。
 本当に面白いな、人間は!
 ドイツもコイツも笑わせてくれおるわ!
 無駄な望みに命を懸けるとは、まったく愚かとしか、」

 ――――――――ドクン。

 高笑いを続ける九尾が動きを止め、その目を見開く。
 九尾の内で、何かが跳ねた。

(……………う………めてくれ)

「なんだ…………まさ、かッ!」

 自らの内より泣き声が聞こえる。
 そして永い眠りから目覚めた声が響く。

(もう、止めてくれってばよ!!)

「ぐッ。素直に眠っておればよいものを…………!」

 内から響いた声に、九尾は頭を押さえる。
 直接脳に叫びが響く。

(九尾、もう止めろってばよ!
 もうオレは誰も傷つけたくないんだってばよッ!)

「黙れ小僧。これは貴様の望んだ事だろうが」

 顔面を歪ませながら、九尾は内側の異物を押さえつける。

(……………そうだ、オレが、弱かったんだってば。
 だから、お前みたいな野郎に逃げちまってよ。
 けど、もうこの体はお前の自由になんかさせねぇってばよ!)

「な。ぐっ、や、やめろッ! あ、がぁあぁぁッ!!」

 内から目覚める意識に九尾は抗う。
 胸元を掻き毟りながら必死にその意識を押さえつける。
 だが、意識はもの凄い勢いであるべき持ち主に還ってゆく。

「………こんなッ。事がッ…………!」

 狐の雄たけび。
 それを残し、その体は動きを止めた。

「はぁ。はぁ。はぁ…………どうだ、クソ狐!」

 今、少年は―――――少年に戻った。

(……………………思い上がるなよ、小僧が!!) 

 だがそれもつかの間、その内側で猛獣が暴れだす。
 想像を絶する痛みが全身を襲う、

(貴様如きがこのワシを! この九尾の妖狐を押さえられるとでも思っているのかッ!)

 すでに四代目火影の施した九尾を封じる結界は解けている。
 この暴れる獣を押さえるには、ナルト自身の力で抗うしかない。
 火の国を滅亡寸前にまで追い詰めた化物に対し、少年は一人立ち向かう。
 少年は自らの胸倉を握り締め、その身を裂くような痛みに耐える。
 でも今は、その痛みよりも、心の方が痛かった。

 公主の姉ちゃんは言った。

 希望を捨てるなと。

 鵺野先生は言った。

 逃げずに、戦えと。

 それなのに、自分は何をしていたんだろう?
 耳を塞ぎ、全てから逃げ出して。
 あまつさえ、こんな狐に身を明け渡し。
 多くの人を手にかけて。

「オレってば、オレってばよ。辛くて、痛くて、怖くてよぉ。
 だから、逃げ出しちまって。とんでもねぇことしちまってよぉ」

 慟哭を聞く。
 そして彼は今、必死で戦っていた。
 自分の中の獣と。
 自分の中の罪と。

「だからさ、乾。
 オレがコイツを押さえ込んでる間にオレを、殺してくれねぇか」

 懇願する瞳が乾を見つめる。

 それが、自らの罪に出した彼の答えだった。

「頼む。正直さ、あんま持ちそうにねぇんだ」

 乾は悲痛な面持ちで告げる少年の覚悟を見つめる。
 その思いに、自分は応えなければならない。

 その額に静かに銃口を向ける。

「へへっ………わりぃな。めんどくせぇこと任しちまって」

「いや、気にするな。君のせいじゃないさ」

 眼鏡を上げ、わざと感情のない声で言葉を発する。
 冷たい引き金に指をかける。
 さっきまで散々引いた、その引き金が今は驚くほど重い。

(やめろ、何を考えてる! 貴様は死にたくないのではなかったのか!?
 今からでも遅くない、今すぐワシに体を戻せ! そうすればこの場も、)

 少年の内では獣が最後の抵抗を続けていた。

「うるせぇ、クソ狐。オレはもう、オマエなんかにゃ負けねぇってばよッ!」

 歯を食い縛り、痛みに耐えながらナルトは九尾を押し込めた。


「そうだナルト。君の、勝ちだ」


 少年の声に、答えるように少年は笑う。


 ――――――夜の浜辺に銃声が響いた。





最終幕-惨劇


 凶刃が引き抜かれる。
 大量の血液を垂れ流しながら二人の体が崩れ落ちた。

『………………ひでぇ』
 己が身で起こされた惨劇を目の当たりにし、思わず飛刀は声を漏らした。

「し…………しお…………なん、で……さぁ………」
 少年は地面をズリズリと這いながら、信じられないようなものを見る目で男を見上げる。

たけし、お前はよく役に立ってくれた」
 そう言い、志々雄は口元を歪ませ笑みを造る。

「これはその礼だ。苦しまずに、逝け」
 その笑顔のまま志々雄は飛刀を振り下ろし、一突き。
 ジワリと、地に赤い染みが広がる。
 信じた友に裏切られた少年は逝った。
 狂人は少年を手にかけた凶刃を引き抜く。

「さて、次はお前と行こうか、抜刀斎」

 返り血に濡れた凶刃を片手に、志々雄が迫る。
 だが、自分に立つ力は残されていない。
 もはや指一本動かすことも叶わない。
 体温が消えていき、全身の感覚が失われてゆく。
 傷口から、命がこぼれ落ちてゆく。
 この感覚には覚えがあった。
 たしか、同じ相手、同じような傷だ。


 ――――あの時は、どうやって立ったんだっけ?


 志々雄が振り下ろすため剣を掲げる。

「やめろぉおおお!!」

 その横合いからナルトとの決着を付けた乾が駆けつける。
 その凶行を阻止しようと、志々雄に向かい拳を振り上げ殴りかかった。

「ま。向かってくるのは自由だがよ」

 志々雄はさらりとその突撃をいなし、同時に鉄拳をその額に見舞った。

「かかってくるなら、この如何ともし難い実力の差をちったぁ埋めてからかかってこい!」

 ゴミ屑のように吹き飛んだ体は大木に叩き付けられる。
 一撃を喰らった額が割れ、噴水のように勢いよく血が噴出した。

 そんな物に興味はないのか、志々雄は剣心に向き直り飛刀を振り上げ。

「―――――――――死ね」

 勢いよく心臓めがけ振り下ろした。

 ―――――生きるという意志は何よりも強い。

 師の言葉を思いだした。

 そうだ、その意志が、あの時自分を立ち上がらせたのだ。

 だから立てない。
 何故なら、今はもう、それが、ない。

 守るべき者も、帰るべき場所もなくなった。

 あの姿も。
 あの声も。
 あの笑顔も。
 全て失われた。

 あの懐かしい神谷道場に待つ人は、もういない。

 もういい。
 もう、疲れた。

 もう、休もう。

 静かに目を閉じる。
 それだけで全身の力が抜けた。


「……………………薫殿…………今、逢いに」


 目を閉じたその先には、可憐な少女が、花のような笑顔で手を振って――――――


 幕末よりの因縁は幕を閉じた。
 振り下ろされた刃はあっけなくその心臓を抉った。
 その結末をつまらなさげに見送り。

「は。あっけねえ、所詮流浪人に落ちた人斬りなんざこんなもんか。
 ふん、結局、誰も俺の最強には付いてこれねえってことか。はっははははは」

 そう言って、志々雄は飛刀を引き抜いた。
 最強を証明した勝利者の高笑いが響く。

 吹き飛ばされた乾は、木の根元でその声を聞いていた。
 五体はボロボロで思うように動かない。
 意識も朦朧としており、視界はぼやけてハッキリとしない。
 だが、まだ確かに生きている。

 何とか右腕を動かし、懐の拳銃を握る。
 残った銃弾は一発。
 勝利に酔う男はコチラには気付いていない。
 油断している今なら、この弾丸をお見舞いする事も可能だろう。

 ゆっくりと右腕を上げ、震える手で照準を合わせる。
 霞む照準が男の後姿を捉えた。
 弾は一発、外すことは出来ない。

 祈りを込めて最後の力を振り絞る。
 そして、引き金を引く指に力を入れた。


「小僧、俺が油断してるとでも思ったか?
 覚えときな、これは油断じゃなくて、余裕って言うんだぜ」

 銃声が上がることはなかった。
 乾が引き金を引く一手前に、志々雄が投げつけた飛刀がその額に突き刺さっていた。

「っても。もう聞こえねえか」

 ツカツカと乾に近づき、額に突き刺さった飛刀を抜き取る。
 その勢いに乾の体は引かれ、そのまま地面へと身を倒した。

「これで四国は盗ったか。以外とあっけなかったな。
 それじゃあ、今度こそ朝まで休もうかね。
 食料は腐るほどあるんだ、精々豪勢にさせてもらおうぜ。なあ飛刀?」

 戦利品を掲げ、勝利者は愛刀に声をかける。

『……………………』

「なんだ。不満そうだな、飛刀。
 お前も血を吸えて満足したんじゃねえのか?」

 そうだ、イヤと言うほど血を啜り、剣としての自分は満足してるはずだ。
 だが、心が晴れないのは何故だろう。

 どうやら、己は相当ラーメンの旦那に毒されちまったようだ。

『……いや、そんなこたぁねえさ。今の主人はアンタだ志々雄の旦那』

 その心奥に仕舞い、飛刀は志々雄に従う。
 それを知ってか知らずか、志々雄はフンと鼻で笑い剣を肩に担く。
 そして、何の未練もなくなったその場を後にする。

 開かれた劇の名は惨劇。
 決意も涙も、その思いも。打ち付ける波にさらわれ名残もない。
 物言わぬ骸を五つを残し、その舞台は幕を閉じた。





【香川県/海沿い/黎明】

【志々雄真実@るろうに剣心】
 [状態]:全身に軽度の裂傷
 [装備]:衝撃貝の仕込まれた篭手(右腕)@ONE PIECE、飛刀@封神演義
 [道具]:荷物一式 八人分(食料、水二日分消費)、手帳、コルトローマンMKⅢ@CITY HUNTER(ただし照準はメチャクチャ)(残弾1)
     青雲剣@封神演義、パチンコ@ONE PIECE(鉛星、卵星)
     ゴールドフェザー&シルバーフェザー(各5本ずつ)@ダイの大冒険、キメラの翼@ダイの大冒険
     弾丸各種(マグナムリボルバーの弾なし)、ソーイングセット、半透明ゴミ袋10枚入り1パック
 [思考]1:休息。
    2:長時間戦える東北へ向かう。
    3:無限刃を手に入れる。
    4:少しでも多く参加者が減るように利用する。
    5:全員殺し生き残る。


【鵺野鳴介@地獄先生ぬ~べ~ 死亡確認】
【うずまきナルト@NARUTO 死亡確認】
【たけし@世紀末リーダー伝たけし! 死亡確認】
【緋村剣心@るろうに剣心 死亡確認】
【乾貞治@テニスの王子様 死亡確認】
【残り48人】

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351:役者三対、開幕舞台 うずまきナルト 死亡
351:役者三対、開幕舞台 乾貞治 死亡
351:役者三対、開幕舞台 緋村剣心 死亡
351:役者三対、開幕舞台 鵺野鳴介 死亡
351:役者三対、開幕舞台 志々雄真実 356:そしてだれもいなくなった
351:役者三対、開幕舞台 たけし 死亡

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最終更新:2024年06月28日 18:31