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「念心合体 GO!水着選び」(2007/07/23 (月) 14:01:53) の最新版変更点
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「黒曜石から、海へのお誘いがあった」
「おおっ、海! あたしの磁力が騒ぐっ!!」
海と聞いて妙にテンションの上がるS姉。なにゆえ磁力が騒ぐ……。
「だが、私たちは水着がないではないか」
「そんなの買えばいいだけのことじゃなーい」
「先立つ物がないぞ」
S姉、硬直。というか白くなる。だが、すぐに目の中に生まれる熱い魂。今日はずいぶんと暑苦しいS姉だ。
「借りればいい、鶏冠石んとこあたりに。金持ちだし」
「……遠慮を知らないな、S姉は。さすがと言わせてもらおう」
で、本当にお金を借りて水着を買いに来たわけで。ずいぶんと人がいいんだな……鶏冠石のところのマスターは。
「よぉし、あたしの磁力(リビドー)が高まるような水着選ぶわよ!」
「S姉、うるさい。というか意味不明だ」
だいたいリビドーって意味、分かっていっているのだろうか。S姉に性的衝動を発動させる力なんて微塵も……。
「Nちゃん、さっきからノリ悪いね。もしかしてカナヅチとか?」
「そんなことはないが、海には悪い思い出が多い。S姉とくっついて溺れかけたりとか」
「……あ、アレは事故なんだからねっ」
昔を思い出してばつが悪くなったか。そういえば、あのとき着ていた水着はどうしただろうか……まぁいい。常に新しいのを用意する物だ、水着は。
……とはいえ、ずいぶんと種類が多いな。これでは選ぶだけでもくたびれてしまいそうだ。
「あたしたちみたいなのはすくみずとかいうのがいいって、誰か言ってなかったっけ?」
「……私は絶対嫌だからな」
「NちゃんNちゃんっ、これなんてすごいセクシーっ!」
「似合わないからやめておこう。私たちは蛋白石なんかよりはるかにスペックが低いんだから」
「スペック?」
……まぁ、分からないならそれでもいいが。しかし神は不公平だ。乙女でこんなにもスペックの差を……む、神か? これはただ単にお父様の趣味? つまり私たちのは貧乳が好き……なんてこったい。
「おー、これはずいぶんと卑猥な水着だねぇー」
「だからスペックがだな……」
どうしてS姉はこう私たちには絶対似合わない水着を選ぶのだ……ん? 別に私がS姉と同じ水着を着る必要はないのか。ならばS姉の趣味に口出しする必要もないか。
「じゃあ、私はそっちの方を選ぶ」
「えーっ、地味だよそれー。それにお揃いの方が絶対いいからさぁー」
どうやら、S姉は私とまったく逆のことを考えているようだ。さすが磁石のS極。
「ほらほら、これなんてNちゃんにも絶対似合うってばー」
そういって持ってきたのは南国パラダイスなイメージのビキニ。貧相な私たちが着るには、あまりにも申しわけないデザインだ。
「だからこういうのはスペックが合わないと何度言えば」
「さっきからわけ分からんちんなことばっか言ってー。あっ、やっぱりカナヅチなんだ!」
「だからカナヅチではないと……待てS姉、それ以上テンションを上げたら磁力が……」
「むぅ、こうなったら一緒に試着しよう! そうすれば答えも出――」
遅かった。私目がけて、二着の水着を持ったS姉が飛んでくる……ああ、次は合体だ。離れるのに苦労する、あの合体だ。
「あ……」
「あ、じゃないだろ」
「あはは……いやぁ、くっついたのはいいんだけどさぁ」
「……あぁ、分かってる」
ただくっつくだけならまだいい。我慢すればよいのだから。だが、水着を突き出し、真正面から私の胸にくっついてきたS姉。気づけば二着の水着は私とS姉に挟まれて、私たちと合体している。
「早く離れろ」
「ごめん、例のごとく無理」
「私も期待を裏切らずに無理だ」
「……どうしよう、水着」
「ああ、どうしようか」
今日の出費、1万6千円。というか子供サイズなのにずいぶんと高い水着な気がするが、気のせいか?
「これ着て二人で悩殺ねー」
「私は絶対着ないぞ」
夕暮れの街を、胸を合わせてくっついたS姉と歩く。水着を挟みながら……あぁ、情けない。
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「黒曜石から、海へのお誘いがあった」
「おおっ、海! あたしの磁力が騒ぐっ!!」
海と聞いて妙にテンションの上がるS姉。なにゆえ磁力が騒ぐ……。
「だが、私たちは水着がないではないか」
「そんなの買えばいいだけのことじゃなーい」
「先立つ物がないぞ」
S姉、硬直。というか白くなる。だが、すぐに目の中に生まれる熱い魂。今日はずいぶんと暑苦しいS姉だ。
「借りればいい、鶏冠石んとこあたりに。金持ちだし」
「……遠慮を知らないな、S姉は。さすがと言わせてもらおう」
で、本当にお金を借りて水着を買いに来たわけで。ずいぶんと人がいいんだな……鶏冠石のところのマスターは。
「よぉし、あたしの磁力(リビドー)が高まるような水着選ぶわよ!」
「S姉、うるさい。というか意味不明だ」
だいたいリビドーって意味、分かっていっているのだろうか。S姉に性的衝動を発動させる力なんて微塵も……。
「Nちゃん、さっきからノリ悪いね。もしかしてカナヅチとか?」
「そんなことはないが、海には悪い思い出が多い。S姉とくっついて溺れかけたりとか」
「……あ、アレは事故なんだからねっ」
昔を思い出してばつが悪くなったか。そういえば、あのとき着ていた水着はどうしただろうか……まぁいい。常に新しいのを用意する物だ、水着は。
……とはいえ、ずいぶんと種類が多いな。これでは選ぶだけでもくたびれてしまいそうだ。
「あたしたちみたいなのはすくみずとかいうのがいいって、誰か言ってなかったっけ?」
「……私は絶対嫌だからな」
「NちゃんNちゃんっ、これなんてすごいセクシーっ!」
「似合わないからやめておこう。私たちは蛋白石なんかよりはるかにスペックが低いんだから」
「スペック?」
……まぁ、分からないならそれでもいいが。しかし神は不公平だ。乙女でこんなにもスペックの差を……む、神か? これはただ単にお父様の趣味? つまり私たちのは貧乳が好き……なんてこったい。
「おー、これはずいぶんと卑猥な水着だねぇー」
「だからスペックがだな……」
どうしてS姉はこう私たちには絶対似合わない水着を選ぶのだ……ん? 別に私がS姉と同じ水着を着る必要はないのか。ならばS姉の趣味に口出しする必要もないか。
「じゃあ、私はそっちの方を選ぶ」
「えーっ、地味だよそれー。それにお揃いの方が絶対いいからさぁー」
どうやら、S姉は私とまったく逆のことを考えているようだ。さすが磁石のS極。
「ほらほら、これなんてNちゃんにも絶対似合うってばー」
そういって持ってきたのは南国パラダイスなイメージのビキニ。貧相な私たちが着るには、あまりにも申しわけないデザインだ。
「だからこういうのはスペックが合わないと何度言えば」
「さっきからわけ分からんちんなことばっか言ってー。あっ、やっぱりカナヅチなんだ!」
「だからカナヅチではないと……待てS姉、それ以上テンションを上げたら磁力が……」
「むぅ、こうなったら一緒に試着しよう! そうすれば答えも出――」
遅かった。私目がけて、二着の水着を持ったS姉が飛んでくる……ああ、次は合体だ。離れるのに苦労する、あの合体だ。
「あ……」
「あ、じゃないだろ」
「あはは……いやぁ、くっついたのはいいんだけどさぁ」
「……あぁ、分かってる」
ただくっつくだけならまだいい。我慢すればよいのだから。だが、水着を突き出し、真正面から私の胸にくっついてきたS姉。気づけば二着の水着は私とS姉に挟まれて、私たちと合体している。
「早く離れろ」
「ごめん、例のごとく無理」
「私も期待を裏切らずに無理だ」
「……どうしよう、水着」
「ああ、どうしようか」
今日の出費、1万6千円。というか子供サイズなのにずいぶんと高い水着な気がするが、気のせいか?
「これ着て二人で悩殺ねー」
「私は絶対着ないぞ」
夕暮れの街を、胸を合わせてくっついたS姉と歩く。水着を挟みながら……あぁ、情けない。
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