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契約の意味

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  宝石乙女の集う庭先に、凛とした叫びが響いた。
「なぜ私たち宝石乙女が人間などと契約しなくてはなりませんの!?」
鶏冠石。落ち着きなさい」
「お姉さま! 落ち着いてなんかいられません!!」
  少女には理解できなかった。

『なぜ人間より優れる私たちが?』

  姉妹に言われることも、納得できないものばかりだった。
「人間にだって素晴らしい人はいるよ」
「私はマスターと出会えて幸せです」
「出会いも別れも……とても尊く大切なものなのよ、鶏冠石」
  全て詭弁にしか聞こえなかった。

『なぜみんなは我慢してまで人間と契約するの?』

  最も位の高い宝石乙女も言った。
「チキちゃん、いつか貴女にも気づかせてくれる人が現れるわ。その時までは私や姉妹は何もしてあげられない。でもチキちゃん、貴女ならきっと――」
「できません! 無理ですわ!! お姉さま!! 私耐えられません!!!」
  それはもはや悲鳴だった。少女の悲痛な叫び声は、聞く者さえ悲しくさせた。
  真珠もペリドットも、自分より格段に優れた乙女であることは分かっていた。ならなぜ自分の気持ちが分かってもらえないのだろうか?
  鶏冠石は、誰にも心を開かないという意味では、独りだった。

  ある時代、鶏冠石は真珠の紹介である民家を訪ねることになる。
「お姉さま!! 私がこんなところに住むのですか!? どうして?!」
「チキちゃん……お願い。一度でいいから私の事を信じて……?」
「あぁお姉さま……どうして……」
  少女は泣くことしかできなかった。
  そして、泣いている少女に声をかけたのは、独りの人間だった。
「お嬢さん、そんなところでどうしたのかな? 私には何もないが……せめて話を聞くくらいは――」
  こうして、少女は何もない老人と過ごすことになった。

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