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似顔絵を描きましょう

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だれでも歓迎! 編集
  顔と言えば、僕はよく顔つきが女性みたいだと言われる。
  おとなしそうとか、人がよさそうとかじゃなくて、ストレートにそう言われてしまう。
  そりゃまぁ、男らしくなりたいとは思う。けれど顔つきについてはなぁ……あぁ、天河石ちゃんのマスターさんが少しうらやましい。僕と違って男らしい顔つきだし。
  とにかく、僕の顔はぱっと見て女性っぽいらしい。友人家族その他公認で。
「パパー、うごいちゃめーっ」
  ちなみに、初対面で男の人と扱ってくれたのはソーダちゃんだけ、本当に。

  今、僕はソーダちゃんの絵のモデルにされている。
『いろんなひとのおかおかくのーっ』
  と言ってやってきたわけだが、その最初のターゲットが僕らしい。ちなみにこのあと殺生石
「んーと……えへへー」
「わぁ、ソーダちゃん上手ー。ご主人様にそっくりだよー」
「……私は?」
  ちなみに電気石もソーダちゃんにつき合って僕の似顔絵を描いている。
「お姉様も上手だよー」
  蛋白石の言葉に、二人とも嬉しそうだ。
  しかしモデルをしている僕はけっこうつらい……。
  だって、ちょっと表情を変えただけで。
「あっ、パパうごいちゃめーっ」
「……めー」
  と、二人からのブーイング。
  同じ格好ならまだしも、表情まで変えちゃダメというのはかなりきつい。顔の筋肉が引きつりそう……。
「パパはこのおかおがいちばんかっこいいのー」
「……いけめん」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、できれば顔ぐらいは動かしても……」
「めーっ!」
「はい」
  苦しい……誰か早く解放して。
「んーとぉ……でんちゃんできた?」
「まだ……」

「か、顔……顔つった」
  解放された喜びに浸る間もなく、顔の筋肉をほぐす。
  子供が似顔絵描くだけなのに、二時間も拘束されるとは思わなかった。
  ちなみに今モデルをやっている殺生石は余裕そのもの。でもその余裕は最初だけだろうなぁ。
「ご主人様、マッサージしてあげましょうか?」
  片手に画用紙を二枚持った蛋白石が、僕の隣に座る。
「あ、お願い……あだだだだ! た、蛋白石ぃーっ!!」
「ご、ごめんなさいっ。強くやり過ぎちゃった……」
  うぅ、今日は顔ばかりが痛くなる日なのかな。
「それよりご主人様、お姉様とソーダちゃんの似顔絵見てあげて下さい」
「それよりってねぇ……もちろん見るけど」
「二人とも上手なんですよー。ご主人様、すごく可愛いですよ」
「可愛いとか言わないの……」
  蛋白石は僕の顔が可愛いのはいいことだって思ってるタイプ。今の発言は嫌味でも何でもない素の発言らしい。
  気にしてるんだけどなぁ……まぁ、とりあえず二人の描いた似顔絵を見てみる。
「……あはは、苦労した甲斐あるなぁ」
「ですよねー」
  二人の絵はこれでもよく見ている方だと思う。
  どちらも子供らしく、可愛い絵を描く。
  だけど、そんな二人が時間をかけて描いてくれた似顔絵は、僕をかっこよく描こうと頑張ってくれたのがよく分かった。
  何というか……気を遣ってくれたのかな。二人にはそんなに愚痴った記憶ないんだけど。
  やっぱり子供って、人が気づかないうちにいろいろなものを見てる。そういうことなのかな。
「可愛いですよね♪」
  でも、蛋白石は僕の顔ってだけで可愛いらしい。
「男なのに、可愛いんだ」
「はいっ、ご主人様は可愛くて、とっても素敵です♪」
  ……褒められて喜ぶべきなのかな、これって。
「ママー、うごいちゃめーっ」
「あら、ごめんなさい。少し主様たちが気になったもので、つい」
  その声の語尾が微妙に震えていたのを、僕は聞き逃さなかった。

「さすがに三時間も顔を変えずにいるのは、苦しいですね」
「だよね……顔のマッサージ、してあげようか?」
「是非お願い致します」
  その後、三十分ほど互いの顔をマッサージし合うという、妙な光景が続いたり続かなかったり。


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