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はじまり

最終更新:2008年08月06日 02:35

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はじまり




「嘘でしょ、こんなのありえませんわ」

 先ほど見た光景が頭から外れない天条院沙姫。
 宇宙人のような(ようなではなく本物なのだが)冗談とは何度遭遇しても、人死にには出会ったことがない。
 何でも食べる男なんて、変身する女の子に比べれば可愛いものだ。
 けれど……アレは……

「と、とにかく、屋敷に帰らなければいけませんわ……」

 現状、ハッキリしているのは殺人があった事、周囲に殺人犯がいる事、ここが自分の知らない場所である事。
 これらを踏まえると沙姫のやるべき事は自分の家に帰り、警察にワポルの凶行を訴える事だ。
 そのために、まずはここがどこか知る必要がある。
 いつもと同じように地面から生えている電柱には、『病院ワポル、この先500m』の文字があった。
 空を見上げれば、文字通り満天の星空。黒い夜の帳もなんのその、星々が自分たちの明かりをこれでもかと見せ付けて、色が付いて見えるぐらいだ。

「日本に、こんなに星が見えるところがありましたっけ?」

 少し疑問を感じるところもあるが、まずは病院。
 そこに行けば誰かいるだろうし、何よりもまず、『アレ』を何とかしなければならない。その意味でも最適だ。
 後ろから追いかけてくる人に注意を払いつつ、天条院沙姫は駆け足で病院へと駆け込んだ。

 自動ドアをくぐり、広々とした受付へと入る。
 横長のソファが整然と並べられ、趣味は良いが安っぽい観賞植物と共に沙姫を向かいいれる。
 待合室は、百人ほどの人数が集まれるほどの広さで、病院の規模を推し量る事が出来る。
 しかし、それなりの大病院でありながら夜は誰もいないようだ。

「誰かおりませんこと?」


 入院患者がいれば夜も病院は開いている。急患対応が必要なら、受付に人がいる。
 しかし誰もいない。それどころか、明かりすら付いていない。
 壁際に備え付けられたアクアリウムの薄明かりだけが周囲を照らすといった状況だ。
 誰もいないことは明白だが、それにしては自動ドアが動いていた。
 大病院で、夜に締まっていると言うのも奇妙だが、締まっているのに自動ドアが開くのはもっと変だ。
 病院におかしな人が入ってきたらどうするつもりだろう。

「誰かいませか?」

 再度大声を上げるが、誰も出てこない。
 仕方なしに、端に置いてある公衆電話を取り、赤いボタンを押して警察へと繋げる。
 ツーー……ツーー……という音、話中。

「全く……ってか、警察が話中ってなんですか!!!」

 全くもう、これじゃ『アレ』をどうしようもないじゃない。
 『アレ』のためにはともかく、医者と警察が……いや、警察は出来れば遠慮したいところだが、
なんにしても医者は必須だ。にも拘らず、誰もいない。

「だったら、屋敷に帰るまでですわ」

 かけ慣れた自宅の電話番号を押しつつ、今度こそという思いで受話器からの音を聴く。
 だが、やはりツーー……ツーー……という音、話中。

「屋敷も話中ですか! 全くもう……って、この時間に話してるわけないでしょ!! いい加減になさい」

 真夜中に、警察と自宅が話中という異常事態。これはどう考えても、電話が故障している。

「どうしたら良いんですの……」

 途方にくれる沙姫に、どこからか声がかけられた。

「姉ちゃん、そんな大声出したら目立つぜ」

 小学生ぐらいの小さな子供が、病院の階段に座っている。

「貴方……この病院の患者さん?」
「いんや、俺もゲームの参加者」
「ゲームって……」
「首輪」

 少年に言われて、自分の首を再度確認する。
 そこにはダイアーに付けられていた物と同じ首輪が確かに存在した。

「全く、見つけたのが俺だったからよかったようなものの……」
「一体、何が起こってますの?」
「俺に聞かれても知らねぇよ、殺しあえってんだろ……悪趣味な妖怪だぜ」

 少年から返ってきたのは、当然過ぎる答えだった。
 ただ一点、妖怪と言う言葉が気になるが、同じ被害者である以上、彼も事情を全く知らないのが普通。

「貴方も知らないんですの……」
「まぁな、でも心当たりがありそうな人なら知ってるぜ」
「へぇ、誰なんですの?」
「……ぬ…………、あいや、俺だよ俺」
「貴方が?」
「あぁ、こう見えても俺は"妖怪退治"の経験もあるんだ」

 分かりやすい嘘だと沙姫は思う。要するに、この子は『男の子』なのだ。
 ワポルを格好よく倒したいのだろう。だから、妖怪退治の経験があるなどとトンでもない嘘をついている。
 ワポルが妖怪と言うのには別に反論しない。
 世の中には金色の闇のような訳の分からない生き物だっているのだから、何でも食べるワポルが妖怪と言われても納得できる。
 しかし、目の前の少年がその妖怪を退治できるとは到底思えない。

(参りましたわね……こんな子供を放って置く訳にもいきませんし……『アレ』も何とかしないと……)

─・─・─・─

 あんな事が起こった直後だ、大抵の事で立野広は驚かない。
 殺し合いをしろと言われた程度では、あの事件には到底及ばない。
 だから彼はきわめて冷静だった。

「とにかく、響子たちを探さないとな」

 彼女がいるかどうかは分からないし、出来ればいて欲しくない。
 小学生の女の子が妖怪主催の殺し合いに巻き込まれたら助からない。昔はともかく今は……

「センチになってたってしょうがねぇ……やるべき事をやらねぇと」

 まずは落ち着いて武器の確認。
 妖怪ワポルはゲームプレイのための武器をくれると言っていた。
 だとしたら、自分にもそれなりの武器があるはずだ。かつての"オロチ戦"のように。
 そう信じながら、デイパックの中を弄ると一個のカプセルと説明書が入っていた。

「何々……『何でも斬れるなでしこの剣』か……これが……剣?」

 消しゴム大のカプセルは、どう見ても刃物ではない。
 ためしにゴシゴシと病院の床を擦ってみるが、全く斬れない。

「妖力が必要なのかな? だとしたら、俺には使えないよ」

 そう思って他の武器を探してみるが、どれもカプセルと説明書だった。
 このゲームは妖怪主催のものだけあって、どうやら全てに妖力が必要らしい。
 何よりもまず、やるべき事は妖力の確保。あるいは、それに代わる力の確保。

「こんな時、先生なら……って、駄目だ駄目だ、先生はもう……  「誰かいませか?」

 え? 病院のロビーから、女性の声が聞こえてくる。
 階段を下りると、そこには若い女の人が一人、電話機と格闘している。
 でも多分、あの電話機は繋がらない。
 案の定、どこへもかからず、女性は諦めてしまったらしい。

「姉ちゃん、そんな大声出したら目立つぜ」

 全くもう、今すぐ響子を探さなきゃならないってのに。

─・─・─・─

「これは妖怪ワポルが仕掛けた事件なんだよ!!」
「な、なんですってーーー!!」

 全く信じてない。
 さっき会った女性はサイナン高校クイーン、天条院沙姫。
 とても綺麗な人で、話すたびに背景にキラキラした光が見えるような人。

「マジだって、本当に妖怪の事件なんだよ」
「だから信じてますわ」
「いいや、その顔は信じてない」
「私の美しい顔に何か文句でもあるんですの」
「そうじゃなくて、姉ちゃん信じてねぇだろ」

 ともかくも、今すぐ響子たちを探さなきゃならねぇ。
 あれ? でも居ないことの証明ってどうやるんだ?
 万一見つかっちまったら、響子も危険な事件に巻き込まれてるって事だし。
 でも、いくら探しても見つからないと言って響子がいない証拠にはならない。
 つーことはさ、事件に巻き込まれた全員を探さなきゃいけないじゃん。で……全員って何人?

「とにかく、姉ちゃんはここに隠れといてくれ。俺はやんなきゃならない事が……」
「高校生の私に、小学生を放って置けというんですの?」
「高校生っつっても、霊能力も使えないんじゃ駄目だって」
「貴方は使えますの?」
「い、いや……とにかく、俺が何とかするから病院の目立たない部屋に隠れといてよ」
「だから貴方は霊能力を使えますの?」
「え、えと……」

 使えるわきゃねぇだろ、ぬ~べ~じゃあるまいし。

「出来ないんでしたら、貴方を放っておく事など出来ませんわ」
「いや、だから道具があれば……」
「その道具はどこにありますの?」
「い、今ここにはちょっと……」
「つまり、使えないのね」

 困った、この姉ちゃんは俺を戦わせるつもりが全くない。

「沙姫姉ちゃん、頼むから信じてくれよ。俺にはちゃんとした霊能力があるんだって」(もちろん嘘だけど)
「信じてますわ、要するに道具がないと霊能力が使えないにも拘らず、
大切な道具をなくしてしまった零能力小学生なんでしょ?」
「レイの字が違ぇっつーの!!」
「同じ事ですわ!! って、いけません。貴方のせいで大事な用を忘れていましたわ」
「どうしたよ? 姉ちゃん」
「どうでもいいから、貴方はここで待ってなさい」
「だから、どうしたんだよ」

 そういうと、沙姫姉ちゃんは俯いて考え込んでしまう。
 俺は病院の外に出てないんで、状況が掴みきれてないが、姉ちゃんは何か別の事を知ってるみたいだ。
 それが一体なんなのか、説明してくれないとわからねぇ。

「いい。信じられないかも知れないけど、病院の外には和服を着た木乃伊がうろついてますわ」
「それぐらい見慣れてるって」
「冗談じゃなくて本当ですのよ」
「だから、俺も本当だって……」
「……ふぅ、仕方ありませんわ。とにかく、その木乃伊に襲われた殿方を先ほど分かりにくい所に隠してきたのですわ」
「どうして連れて来なかったんだよ」
「仕方ないじゃありませんか、私には男性一人抱える事も出来ませんし、携帯もなぜか無くなってますし。
とにかく、適当な包帯でも持って来ないとあの方が……」
「……分かったよ。んで、その兄ちゃんはどこにいるんだ?」
「……貴方は私の話を聞いてませんでしたの! ここで待ってなさいと……」

─・─・─・─

 結局、あれから一悶着あったけど、怪我人救出が最優先ということで、
私は不本意ながら自称霊能力小学生の立野広と共にあの男のところに行くことにしました。
 本音を言えば、こんな泥臭い事はララにでも任せてしまいたい所なんです。
 でも、私は彩南高校のクイーン。下々のものとは違うという所を見せなければなりません。

 十数分前。私が民家にいた時。生まれてはじめて、戦闘を目撃いたしました。
 ララと闇との闘いのような、遊び感覚のそれではなく文字通り生死をかけた戦闘。
 私が助かったのは、民家の窓から闘いを覗いていたからであって、もしも現場にいたら、命が無かったかもしれません。
 尤も、お2人とも殿方でしたから、私の美貌を知ると手出しできなくなるでしょうけどね。
 それはともかく、その闘いは一方的なものでした。
 片方だけが武器を持ち、もう片方は武器を持ってない。
 両方とも剣士を自称していましたけど、鞭を振るう剣士と素手の剣士。
 何と言うか結果は見え透いてましたね。結局、闘いが終わり、鞭を持っていたほうが自分の勝利を確信して去った。
 その後、死んだかと思われた素手の剣士が実は生きていた……って話なんですけど……
 あれから二十分も経ってないんですから、まだあの木乃伊剣士は近くにいるはずなのよね。
 で・す・か・ら
 小学生は引っ込んでろと言ったのに……この子ったら全く言う事を聞かないんだから。
 大方、自分たちが大事に巻き込まれた事を理解できず、ゲーム感覚で楽しんでいたいんでしょう。
 ドラゴ●クエストの勇者になったみたいに、ヒーローとして活躍したいって思ってるに決まってますわ。
 だから、この子は全く恐怖心という物が無い。
 私なんか、美しすぎて顔に出ませんけど……とても……
 あぁ、美貌がこんなにも厄介なものだったなんて、これも生まれてはじめて知った事ですわね。
 殿方から言い寄られる程度でしかないと思ってましたけど、何をやっても美顔にしかならないんですもの。恐怖が表に出ないわ。

「姉ちゃん、なんか変な事考えてねぇか?」
「別に、そんな事ありませんわ」
「綺麗な顔してるのに、にやけてたらキモいぜ?」

 この糞餓鬼……。まぁ、今はこの子を相手にしている場合じゃありません事よ。

「こちらですわ、この家の中に彼を隠してるのよ」


 民家の中にあるフローリングの一室。
 そこに一人の青年、ロロノア・ゾロは眠っていた。
 病院に向かう前、応急処置としてその場にあったカーテンを巻いておいた。無論それだけでは足りない。
 本来的にいえば、きちんとした止血処理と消毒処理、そして輸血が必要であろう。
 けれど、一介の高校生である天条院沙姫には適当な布を巻く事が精一杯だったのである。

「広、台所から水を持ってきて頂戴…………貴方……」
「誰だお前……」

 広と2人で入ったはずの民家。
 ゾロ以外、誰もいないはずのそこに、気が付けばもう一人。

「はじめまして……かな? そこの女は俺が来る事を知ってたみたいだがな」
「……貴方は…………先ほどの妖怪木乃伊(ミイラ)」

(な、何だよコイツ……本物のミイラじゃねぇか……)

「突然で悪いんだが、お前たちはこの遊戯をどう思う?」
「殺し合い……の事ですか?」
「そうさ」

 沙姫は目配せをしながら、広に自分の後ろに隠れるようにと指示を出す。
 広は首を振って、それを拒絶する。

「殺し合いなんて言われても、私には何のことかサッパリ……」
「そうかい……」

 言うが早いか、ミイラ男の右手から一筋の光が伸びる。
 それは蛇のように曲がりくねり、背後から広の腕を直撃した。

(ぐぁ……)

「殺し合いってのはな、お嬢さん。自然の摂理なんだよ」
「人間の摂理ではありませんわ」

 な、なんなんだよ一体。
 どうして、『今』俺が妖怪に襲われなきゃならねぇんだよ。

「人間も自然の一部さ」
「そんな野生の摂理なんて彩南高のクイーンには関係ありませんことよ」

 姉ちゃんが手招きをして、俺を後ろに隠そうとする。
 駄目だって、アイツは俺や姉ちゃんに勝てる妖怪じゃねぇよ。
 それぐらい姉ちゃんだって分かるだろ。

「クイーンとは洒落た肩書きじゃねぇか」
「洒落てるのは肩書きだけじゃありませんわ」

 口じゃ言い争ってるように見えても、姉ちゃんだって震えてる。
 あれ……でも、一歩前に出たぞ。
 って、俺の前に出てるじゃねぇか……この人、小学生の俺を守ろうってのかよ……

 対峙する沙姫と木乃伊男。
 沙姫が震えていることぐらい、小学生の広にだって分かってる。
 口では強がっていても、体にはそれがハッキリと出ている。
 それが面白いのか、木乃伊男はクスクスと包帯の上からでも分かる笑みを浮かべている。
 広の片腕は、痛みが増し、そこからポタポタと血がたれているのが分かる。
 それでも、沙姫は動こうとしない。動けないのではなく、多分、動かない。

「せっかく招待されたんだ、国取りも忘れて一介の剣士として、この余興を楽しみたいんだが……」
「国取りなんて、10歳の子供みたいな事言いますのね」
「来て見れば歯ごたえの無い連中ばかり……」
「だったら、女子供ぐらい見過ごしたらどうですか?」
「クックックッ、強がるじゃねぇか……震えてるぜ?」

 後ろにいる俺にもわかる。
 沙姫姉ちゃんが震えていることぐらい。

「まぁ、最初の獲物としては役不足もいいとこなんだが……」

 木乃伊男が、右手の持つ鞭をクィと動かす。
 その瞬間、鞭は生き物のように跳ね起きて、背後から沙姫姉ちゃんに襲い掛かったんだ。

「とりあえず、死んどきな!」
「やめろ!!」

 俺は、気が付けば体が動いていた。怪我したはずの右腕で、もう一度敵の攻撃を受け止めていた。

「木乃伊男…………それ以上……やると俺が退治してやるぞ……」
「志々雄真実だ」
「南無大慈大悲……ぬ~べ~の霊よ俺に力を!!」
「広、下がってなさい」

 沙姫の周りには、今も薄刃の太刀が舞っている。

「南無大慈大悲……」
「救苦救難だ、坊主」
「わかってら、木乃伊野郎!!」

 クスクス哂いながら、薄刃の太刀は広へと標的を変えていく。

「俺にはぬ~べ~のような力も無い、鬼の手だって無い。妖力も無い」
「なら諦めな。所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ」

 襲い掛かる太刀に、広はなす術も無い。
 沙姫も志々雄に襲い掛かるが、志々雄は涼しい顔でよけるだけだ。

「でも……でもよ…………、もう、ぬ~べ~は居ないんだ。俺たち5年3組が強くならねぇと、成仏できねえんだ」
「全滅して未練を断ってやれよ。手伝うぜ」

 志々雄に襲い掛かっていた沙姫が剥がされる。

「ぬ~べ~のところに行きな、坊主」

 軟らかい刃が、正確に広の心臓へと向かってくる。

「広、避けなさい」

 沙姫の言葉が聞こえてくるが、無理だ。早すぎて動けない……

(南無大慈大悲……ぬ~べ~、頼む。俺に力をくれ!!)

 広が目をつぶった瞬間、刃が肉を裂く音が聞こえた。

「よぉ、ヒロシつったか? 闘いの最中に目を瞑ってんじゃねぇぞ」

 痛みは無い。恐る恐る広が目を開けると、そこではゾロが薄刃を素手で掴んでいた。

「全く……やかましくて眠れやしねぇ……」
「お前はさっきの負け犬じゃねぇか……」
「ハッッ!!」

 掴み取った薄刃を無造作に引っ張り上げるゾロ。
 拳から血飛沫が舞うと同時に、志々雄の体が宙に飛び上がる。
 飛び上がり、志々雄の体を蹴り上げた。

「さっきは、武器も持ってねぇのに、散々やってくれたなぁ。木乃伊野郎」

 蹴り飛ばされ、数メートル弾かれた所から、何事も無かったかのように立ち上がる志々雄。

「武器がねぇのも、言い訳だろが、糞剣士」
「言い訳するつもりはねぇんだ……一度負けたのは認めてやるよ。だからよ……」
「だから?」
「再戦しようぜ!!」

 何言ってんだこいつ?
 一度負けた相手に、素手のまま再戦って……

「お馬鹿、貴方は勝てなかったでしょ!」
「いやぁ、寝てる間に怪我が治ったみたいなんでな」
「治ってませんわ!!」

 沙姫姉ちゃんの言うとおりだろ。
 包帯を巻いたぐらいで、どうして怪我が治ったなんて言えるんだよ。

「それに……考えたんだが、お前ぐらいの剣士相手に素手で勝てないようじゃ、俺の先が思いやられる」
「クックックッ……フハハハハハッッ!!」
「どうした、おじけたのかよ?」
「……ふざけるな!! さっきまで瀕死だった奴が!!」

 志々雄が哂うのも無理ねぇ……頭おかしいだろ、この男。
 志々雄への恐怖心を忘れるほど、俺はこのゾロに驚かされた。

「別にふざけちゃいないさ、世界一の剣豪になるためには、このぐらいは軽くやれねぇと駄目だ」

 でも、俺はその時、ゾロの瞳に本気の覚悟を感じたんだ。
 死んだぬ~べ~が俺たちを守るときに見せてくれた、覚悟と同じものを。


【D-3 何処かの民家/一日目 深夜】
【天条院沙姫@ToLOVEる】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品本人未確認
【状態】:健康
【思考・行動】
1:ゾロと志々雄の闘いで死者を出さない。
2:警察に連絡する、救急車を呼ぶ。
3:立野広を守る。
4:屋敷に帰る。

【立野広@地獄先生ぬ~べ~】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、なでしこの剣@ジャングルの王者たーちゃんinホイポイカプセル@ドラゴンボール、不明支給品2個本人確認済み
【状態】:右手に裂傷
【思考・行動】
1:ゾロと志々雄の闘いで死者を出さない。
2:稲葉響子や5年3組の皆を探す。
3:天条院沙姫を守る。
※28巻#239と#240の間から参戦。ぬ~べ~死亡時です。

【志々雄真実@るろうに剣心】
【装備】:薄刃の太刀@るろうに剣心
【所持品】:支給品一式、不明支給品2個本人確認済み
【状態】:健康
【思考・行動】
1:目の前の三人を殺す。
2:一介の剣士として殺し合いを楽しむ。

【ロロノア・ゾロ@ワンピース】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品3個本人確認済み(刀剣類はありません)
【状態】:重傷(程度は次の書き手さんに任せます)
【思考・行動】
1:木乃伊男を倒す。
2:仲間を探す。


【なでしこの剣@ジャングルの王者たーちゃん】
アペデマス曰く、何でも斬れる剣。実際には斬れないものもあったので、恐らくは当時存在するほとんどの物が斬れる剣という意味だと思われる。
諸刃の剣であり、全長3m近く、幅は30cm近くありそうな概観。重すぎて現代の剣士には扱えないといわれている。



005:Girl meets Falcon 投下順 007:谷間
005:Girl meets Falcon 時間順 007:谷間
初登場 ロロノア・ゾロ 024:小さな勇士
初登場 立野広 024:小さな勇士
初登場 天上院沙姫 024:小さな勇士
初登場 志々雄真実 024:小さな勇士

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